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噺の話

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小田原 柳家三三落語会 “新春初笑い公演” 小田原市民会館 1月7日

これまで夏にのみ行われていた三三の地元での落語会、初の正月興行らしい。休日で、まだ少しは松の内でもあったので、初めて小田原市民会館に参上。大ホールの一階は700席を越えるが、ほぼ満席。二階の約300席が使われたかどうかは、未確認。

 さすが、地元である。“時代”を感じさせる会場周辺には、たくさん「三三」の幟が立つ。
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 会場に入っても、下の写真のような献花が並ぶ。係の人達は、支援者の方が多いのだろう、手作り感覚を感じる。あちらこちらで正月の挨拶に加え三三を話題にした会話が聞こえてくる。故郷から巣立った落語界のホープ(ちょっと言葉が古いか?!)の落語会で新年を明るく過ごしたい、そんな地元の方々の想いを感じた。
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“熱い観客”と“寒い会場”における三三の「凱旋公演」とでも言えるような落語会、次のような構成だった。
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(開口一番 柳家ろべえ 『もぐら泥』)
柳家三三 『加賀の千代』
柳家花緑 『長短』*マクラ25分、本編12分
(仲入り)
スクイーズ☆ハジキーズ 長唄三味線
柳家三三 『長屋の花見』
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柳家ろべえ『もぐら泥』 (13:30-13:46)
 ブログを書く前に聞いて以来なので、五年ぶりかと思うが、ずいぶん上手くなった。師匠喜多八が十八番とするネタだが、なかなかの出来。泥棒が敷居の下の土を掘る場面など、堂に入ったものだった。平成15年の入門なので今秋真打に昇進する菊六の一年後輩、馬るこや三木男と同期ということになるが、名前を挙げた二人より、この人のほうが高い可能性を秘めているように感じた。

柳家三三『加賀の千代』 (13:47-14:07)
 マクラは、本日の基調(?)テーマである「寒い!」ということなどであっさりと。本編は、寄席や落語会で短めの一席として定番と言えるネタなので、こなれたものだ。その十八番に地元ならではの演出が加わる。私も会場へ来る途中に行列を見かけた“守谷”のアンパンが登場するし、会場で販売している三三が監修したマンガ「どうらく息子」の宣伝も入る。“ホーム”の観客は、大いに受けている。地元の方にとっては、古典落語に守谷のアンパンが登場するとは思っていないだろう。さすがのサービス精神だ。
 次の客演である花緑の持ち時間を作るためなのか、とりあえず20分で新年の“ご挨拶”としての一席、という印象。後味は悪くない。

柳家花緑『長短』 (14:08-14:45)
 マクラが25分。いわゆる“トーク”は上手いし、会場もガンガン沸いていたが、私には長すぎた。この日のテーマ「寒い」を象徴するカイロを持っての高座だった。(会場も本当に寒かったのだ。)「ナチュラルキラー細胞」(も以前聞いていたが)位でマクラを切り上げて欲しかったが、昨年相模大野で聞いたネタ、熊本での米団治との二人会からの帰宅途上、羽田からのタクシー運転手との会話、というネタが会場は大受けだったが、私にはつまらなかったし、とにかくマクラが長すぎた。小三治じゃないんだから。
 本編は決して悪くない。十八番でもある。長さんのキャラクターを作りすぎかとも思ったが、なかなかの高座だった。しかし、ネタの特性もあり所要時間は、12分なのだ。
 主役である三三を慮っての構成だとするなら、この人がそういう過剰な気遣いを続けていると、彼自身の芸の向上が覚束ないような気がする。まだ“落ち着く”年齢ではない。「どうだ三三、俺の芸は!」と言う位の高座を披露する、そんな姿勢を期待したい。小朝の地域落語でのイージーな高座の花緑版を見るような、そんな印象を受けた。地域落語は、“定番のマクラや小ネタ、地噺で受ければいい”、ということでは、その噺家の器を大きくすることはできないだろう。この人には期待する面もあるので、会場は大受けだったが、私はちょっと落胆した高座。

スクイーズ☆ハジキーズ 長唄三味線 (15:02-15:27)
 松永鉄駒さんと鉄六さんの二人によるコンビ。芸名は三味線の技法に関する名称「すくい」と「はじき」が由来。鉄駒さんが地元小田原出身とのこと。そういう縁もあっての登場なのだろう。鉄駒さんの、何とも言えない“ゆるゆる感”が、会場を和ませる。連獅子の「髪洗」、勧進帳の「滝流し」など、妙齢の美女(?)お二人の芸、結構でした。

柳家三三『長屋の花見』 (15:28-15:50)
 一席目で「寒い、寒い」と言ったら、会場に小田原市長がいらっしゃって、仲入り中に携帯で「市民会館の暖房を上げろ!」と誰かに叫んでいた、と言うマクラには、会場の多くの観客が「よし!」と思ったのではなかろうか^^
 花見の話題から本編へ。このネタ選びは結構だった。誰しも“春”を望んでいる、そんな新年である。途中に「鈴廣の蒲鉾!」などを挟むのも地元ならではのサービス。三代目蝶花楼馬楽の「長屋中 歯を喰いしばる 花見かな」の一句も添え、会場も満足な高座。


 昨年は新宿で、今年は小田原で落語初め。「天気晴朗なれど、寒し」という気候だったが、三三の地元での落語会は観客とスタッフの暖かさを十分に感じた結構な会だった。帰りに駅前の店で買った烏賊の塩辛で一杯飲みながら書いていたが、この塩辛が、なかなか“いける”のだ。
Commented by 左衛門大夫 at 2012-01-08 01:32 x
三三の落語は良いですねぇ~
長屋の花見は楽しい落語ですよね。来週は千葉県館山市で三三の落語会があります。何がかかるか今から楽しみです。長屋の花見だったら最高ですけどね。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-01-08 08:04 x
お立寄りありがとうございます。
大きなホールではありましたが、実にアットホームな地元での会でした。
館山で「長屋の花見」がかかる確率、結構高いように思いますよ。

Commented by 佐平次 at 2012-01-08 11:32 x
昨夜は深夜目が覚めて小さんの「花見の仇討」を聴きました。
深夜ひとりでふきだしました^^。
三三にもこのDNAが伝わっているのですね。

Commented by 創塁パパ at 2012-01-08 14:45 x
正月から、三三。最高ですね。
「どうらく息子」はかみさんが買ってくれてもっています(笑)

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-01-08 16:34 x
どうも孫の方はあっちこっちフラフラしているような気がしますが、三三は、しっかり小さんのDNAを継承しているように思います。
「血」よりも「了見」が大事、ということかもしれません。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-01-08 16:41 x
結構、前から決めていた落語初めでした。
昼に駅前の食堂で「さしみ定食」(800円)を頼み、刺身や胡瓜の酢の物、玉子焼きで一杯飲んで、正月気分で会場入りしたので、なかなかいい心地で楽しめました^^

Commented by 笑組・ゆたか at 2012-01-09 18:40 x
あけまして
おめでとうございます
本年も何卒
宜しくお願い致します
壬辰 初春

突然に申し訳ありません。
いつぞやは喜瀬川さんののブログ上で
誕生日祝いのコメントを頂きまして
誠にありがとうございました。
一度ご挨拶に伺わねば…と
思っていながら
こんなに経ってしまいまして
申し訳ありませんでした。

どうぞ今後とも寄席を、
(…ついでに笑組を)
よろしくお願い申し上げます。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-01-09 19:18 x
お立寄りいただきコメントまで頂戴し、ありがとうございます。
喜瀬川さんのブログへのコメント、たしかに相当前のことですよね^^
お二人の漫才は好きですよ。
寄席ならではの漫才、今後も期待しています。

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by kogotokoubei | 2012-01-07 18:19 | 寄席・落語会 | Comments(8)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛