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今年のマイベスト十席 -その弐-

昨日、複数の高座がリストアップされた八名について各一席に絞ったわけだが、あらためて、マイベスト十席の候補二十席を並べてみる。
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(1)桂かい枝『天王寺詣り』
:西のかい枝・東の兼好 横浜にぎわい座 2月14日
(2)入船亭扇辰『徂徠豆腐』
:通ごのみ 扇辰・白酒二人会 日本橋社会教育会館 2月25日
(3)柳家小満ん『景清』
:弥生の独り看板 柳家小満ん (雪月花の夕べ) 東京芸術劇場 3月1日
(4)柳家花緑『蜘蛛駕籠』
:第六回 大手町落語会 日経ホール 4月9日
(5)桂平治『禁酒番屋』
(6)柳家喬太郎『錦の袈裟』
:二席とも桂平治独演会 日本橋社会教育会館ホール 4月18日
(7)三遊亭兼好『締め込み』
:シブヤ落語会~兼好 朧月の会~渋谷区 大和田伝承ホール 4月27日
(8)春風亭一之輔『粗忽の釘』
:第3回 ハマのすけえん 横浜にぎわい座(のげシャーレ) 5月20日
(9)桃月庵白酒『化け物使い』
:第七回 大手町落語会 日経ホール 6月11日
(10)柳家小三治『馬の田楽』
:新宿末広亭 6月下席 夜の部 6月23日
(11)柳家三三 『嶋鵆沖白浪』第四夜の弐
:柳家三三 嶋鵆沖白浪 第四夜 横浜にぎわい座 8月5日
(12)桂文我『宿屋仇』
:桂文我 極彩色高座賑 第五幕-其の二- 国立演芸場 9月29日
(13)五街道雲助『お初徳兵衛浮名桟橋』
:第37回 人形町らくだ亭 それぞれの徳兵衛 日本橋劇場 8月22日
(14)瀧川鯉昇『質屋庫』
:通ごのみ 鯉昇ひとり会 日本橋社会教育会館ホール 9月2日
(15)古今亭志ん丸『鰻の幇間』
:あさひ亭まねき寄席 三三・志ん丸 サンハートホール 9月24日
(16)立川談春 『庖丁』
:新文芸坐落語会 看板と若手たち③ 11月2日
(17)柳家喜多八 『長屋の算術』
:喜多八膝栗毛 秋之声 博品館劇場 11月7日
(18)古今亭志ん輔 『幾代餅』
:志ん輔三夜 第三夜 国立演芸場 11月15日
(19)柳家権太楼 『笠碁』
:ちがさき寄席 茅ケ崎市民文化会館 11月23日
(20)柳家さん喬『棒鱈』
:新宿末広亭 12月下席 夜の部 12月27日
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 さて、この二十席の中に、末広亭での高座が、二席含まれている。ここで思案タイムなのだ。寄席の高座も落語会と同列で扱っていいのか、分けるべきか・・・・・・。

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幸兵衛A「寄席だろうが、落語会だろうが、高座は高座、落語は落語だろう。一緒に並べて選ぶべきだ!」
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幸兵衛B「ちょっと待て、定席寄席と落語会では、その環境や所要時間、噺家の臨み方など違うだろう!」
 もし、定席寄席にもっと通えていたなら“A”の言い分に加担しそうなのだが、今年は末広亭のみ六回という数。合計で四十七回の一割余り。加えて、マイベスト十席の候補は、六月までの上期に一席、下期にも一席。
 ということで、今年は寄席での二つの高座については「寄席大賞」として、二席を別格として表彰(?)したい。
「寄席大賞」
-上期-
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柳家小三治『馬の田楽』 :新宿末広亭 6月下席 夜の部 6月23日
-下期-
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柳家さん喬『棒鱈』 :新宿末広亭 12月下席 夜の部 12月27日

 
 ご両人とも寄席ならではのネタで、大いに末広亭客席を沸かせた二席である。もちろん、私も大満足の高座だった。

 あらためて、この寄席大賞を除外した十八席から、悩みに悩んで選んだ十席は・・・ここで、“パンパカパーン”とファンファーレが入るとご想像ください^^・・・次の通り!

本年の「マイベスト十席」の発表である。寸評と該当落語会について書いたブログへのリンクも併せてご紹介。

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入船亭扇辰『徂徠豆腐』
:通ごのみ 扇辰・白酒二人会 日本橋社会教育会館 2月25日
2011年2月26日のブログ
→扇辰の、益々円熟しつつある芸を目一杯感じさせた高座。中堅からベテラン勢において、この人の存在は大きくなるばかり。

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柳家小満ん『景清』
:弥生の独り看板 柳家小満ん (雪月花の夕べ) 東京芸術劇場 3月1日
2011年3月2日のブログ
→“3.11”直前に味わった素晴らしい独演会での三席を代表する高座として。小朝、喬太郎、扇辰などが慕い尊敬する人。落語家が選ぶ落語家、ということは、プロの中のプロ、と言うことだろう。その“粋”なことも含め、今は希少な“江戸”を感じさせてくれる噺家さん。ぜひ、今後も元気な高座を聞かせていただきたい。

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桂平治『禁酒番屋』
:桂平治独演会 日本橋社会教育会館ホール 4月18日
2011年4月18日のブログ
→来年の文治襲名が伊達ではないことを証明した、一門の代表的ネタは、決して下品にならず結構だった。襲名披露興行、一日でもいいから行きたいものだ。

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柳家喬太郎『錦の袈裟』
:桂平治独演会 日本橋社会教育会館ホール 4月18日
2011年4月18日のブログ
→今年は、都合とチケットの入手困難などもあって、この人の高座を聞く機会は少なかった。この会は客演ながら、見事だった。平治とネタ的には“ツク”噺と言えなくもないが、そんなことを微塵も感じさせない喬太郎ならではの高座。来年は、もっとこの人の会に行くつもりだ。

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三遊亭兼好『締め込み』
:シブヤ落語会~兼好 朧月の会~渋谷区 大和田伝承ホール 4月27日
2011年4月28日のブログ
→この手の滑稽噺では比類のない芸を見せつける。あの一門では首一つ、いや二つ分は抜きん出ていると思う。本人は意図的に滑稽噺に傾斜しているようだが、今後はぜひこの人の人情噺も聞きたいものだ。

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桃月庵白酒『化け物使い』
:第七回 大手町落語会 日経ホール 6月11日
2011年6月11日のブログ
→今が、まさしく“旬”と言えるだろう。古今亭のお家芸のみならず、さまざまなネタにも挑戦し、それぞれ高いレベルに仕上げている力量は、三三との「三白時代」到来を予感させる。一人の噺家の重複を許すならその全てがベストテンに入りそうな高座だった。

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柳家三三 『嶋鵆沖白浪』第四夜の弐*『島抜け』(仮称)
:柳家三三 嶋鵆沖白浪 第四夜 横浜にぎわい座 8月5日
2011年8月5日のブログ
→独立した『島抜け』としても演じて欲しいし、それだけのネタに磨かれていると思う。さまざまな分野への挑戦をしているが、この噺の通し口演は、毎年期待したい。現在、東京の落語界のトップ近くを間違いなく走っている人である。小説などとのコラボレーションも結構だが、まだ彼には埋もれた噺の発掘などにも期待したい。

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五街道雲助『お初徳兵衛浮名桟橋』
:第37回 人形町らくだ亭 それぞれの徳兵衛 日本橋劇場 8月22日
2011年8月23日のブログ
→先代馬生門下の底力のようなものを見せてくれた高座。師匠が大師匠志ん生のサゲを変えて、あくまでお初を上品かつ艶っぽく演じた芸を継承している。近松門左衛門の『曽根崎心中』を下敷きにした、本来それほど起伏のない噺に、油屋というバイプレーヤーを巧みに配置するなど、師匠の芸にオリジナルの工夫も加え、十分に見ごたえのある高座に仕立てた。

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瀧川鯉昇『質屋庫』
:通ごのみ 鯉昇ひとり会 日本橋社会教育会館ホール 9月2日
2011年9月2日のブログ
→東京の噺家さんの中で、権太楼とともに、“枝雀”への熱い想いを感じる人。そして、このネタは、その想いを背景に、この人ならではの演出で、噺の長さを感じさせない、多くのツボを押さえた高座を堪能した。やはり、この人は侮れない(?)。

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古今亭志ん輔 『幾代餅』
:志ん輔三夜 第三夜 国立演芸場 11月15日
2011年11月15日のブログ
→本人曰く、“師匠没後十年にして、その呪縛から解放”されたと言える、一皮むけた印象の高座。肩の力がほどよくとれた志ん輔に、今後のさらなる可能性を期待させた。そして、ブログでの日々の葛藤は、今後も引き続き読ませていただきたい。加えて三代目との会は、来年も期待しているよ!

 
 あ~っ、何とか、今年もマイベスト十席をご紹介することができた。選考からはずれた高座も、決して見劣りするものではなく、ある意味では私の思い入れの、ちょっとした差の問題である。

 来年は、東日本大震災とフクシマを経験した日本の復興の年になることを強く期待したい。

 また、このブログにご訪問いただいた皆様にとって、来年が良い年でありますようお祈り申し上げます。
Commented by ほめ・く at 2011-12-29 23:22
マイベスト十席であると同時に、現在活躍中の噺家ベスト十人を選ばれたことになるのでしょう。
毎回分かり易く且つ臨場感溢れる記事を書かれていて感心します。
一年間有難うございます。
来年の益々のご活躍をお祈り致します。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-12-29 23:37
確かに、ほめ・くさんご指摘のような顔ぶれになったように思います。
そういう意味では一之輔が外れたのが残念です。予想はしていましたが、真打昇進が決まってからチケットが前にも増して取りにくくなりました。結果として聞いた高座数が少なく、来年に期待して外しました。
談春は、たった一席、それも企画モノの高座であり、加えてすでに評価の高いネタでもあり、外しました。

ほめ・くさんの明日の選考結果、越後の地で楽しみにお待ちしています。

Commented by mama at 2011-12-29 23:38
これだけの噺をお聴きになれば、迷うのは無理もありませんね。幸せなお悩みです。
若いとき(さてどのくらい昔か?)に「古典落語」を一冊一冊買いそろえ、テレビで貪るように落語を見ていたのですが、子育てやら仕事やらで御無沙汰をしていました。「そうだ、落語があった!」と少しずつ聴き直している私にとって、とても素晴らしいガイドをしてくださいました。感謝です。
来年もよろしくお願いいたします。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-12-30 08:35
こちらこそ、本年はたくさんの貴重なコメントを頂戴し、誠にありがとうございました。
興津要さんの「古典落語」は、私にとって“教科書”的な存在でした。ラジオで聞いた落語の内容を確認し、下手な素人落語を、高校時代の予餞会などで披露したものです^^
社会人になって以降、私もずいぶん落語から離れていました。生の落語に意識して接し始めたのは、つい数年前からなので、ベテランの落語愛好家の皆様の足元にも及びません。
備忘録として始めたブログをmamaさんなど人生の諸先輩達がお読みになっていると思うと、冷や汗の出る思いです。
今年の出来事を振り返ると、落語を楽しめる日々、あえて言えば“平凡”な日々こそ今は求められているように思います。「平凡の非凡」を感じた一年でした。
来年もよろしくご指導、ご叱咤のほどをお願い申し上げます。
mamaさんにとって来年が良い年になりますことをお祈りいたします。

Commented by 佐平次 at 2011-12-30 11:54
堂々たるリストですね。
すばらしい鑑賞力と表現力、そして記憶力に脱帽です!

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-12-30 22:30
鬼怒川のペットの泊まれる宿で風呂上りにコメントを拝見しました。
佐平次さんに、一足早い「お年玉」をいただくような、お褒めの言葉をいただき恐縮です。
それぞれの落語会や寄席の後に自分で書いたブログを読み返しているだけでして、決して記憶力が良いわけではありません。記憶力は日々右肩下がりです^^
来年も「居残り会」で美味しい酒の肴になる高座にたくさん出会いたいですね!

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by kogotokoubei | 2011-12-29 19:48 | 寄席・落語会 | Trackback | Comments(6)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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