落語者 桂よね吉 『ちりとてちん』 (9月9日深夜)
2011年 09月 10日
米朝一門で、吉朝門下と吉朝に近い弟弟子は次のようになっている。天満天神繁昌亭サイトにある「米朝一門」のページ
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-----吉朝 ---- あさ吉
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| --- 吉弥--- 弥太郎
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| --- よね吉
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| --- しん吉
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| --- 吉坊
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| --- 佐ん吉
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| --- 吉の丞
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-----米八
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-----米二 --- 二乗
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| --- 二葉
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-----米団治--- 団治郎
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| ---米輝
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よね吉は吉朝の三番弟子。しかし、一番弟子のあさ吉、二番弟子の吉弥とは年齢もほぼ四十歳と近く、入門もそれぞれ1993年以降の一年違い。吉朝門下の中では、私はこの人の将来をもっとも期待している。
NHK新人演芸大賞受賞や東西若手落語家コンペティション優勝などで裏づけされた実力ももちろんだが、一昨日の米二と同様に京都出身の噺家さんに特有とも思われる言葉のまろやかさを生かした、品格のようなものを感じる。
米朝門下には、枝雀一門を筆頭とする上方爆笑落語にも魅力があるが、正統派の風格のある上方落語の伝統も、ぜひ継承して欲しい。その継承者の一人として、この人には期待している。少し男前すぎるとも言えるが、その端正な顔を崩した時の落差も、演出としてプラスにしているように思う。十年もたてば、もっと渋くなるだろう。
先週の『御公家女房』(『延陽伯』を小佐田定雄さんが脚色したネタ)に続く二席目。
旦さんの誕生日の酒のお供に呼ばれた喜ぃさんが、伏見の銘酒「白菊」の香りをかいでの「ふ~ん」というリアクションや、鯛の刺身のわさびが効いて「アーッ・・・」という所作、茶碗蒸しの海老に「腰が曲がって、苦労したんでっしゃろなぁ」など、過剰すぎない所作や表情、語り口なのだが心地よい可笑しさがある。
「長崎名物 元祖ちりとてちん」の犠牲者となる竹も、程よく憎らしいし、可笑しい。「旦さん、これ、えげつない匂い・・・・・・」「えげつないって、お前、知っとんのやろ」(一瞬の間)「懐かしい匂い!」
東京での落語会もたまにあるようだが、これまで都合が合わず行けていない。今後は“上方落語強化シリーズ”の一貫として、彼の生の高座をぜひ見たいと思わせた、先週と今週の二席だった。
来週は柳亭左龍の『お菊の皿』。あの“顔”は、必見である。
テレビ朝日HP「落語者」の次回予告ページ
元々、米吉という名前を米朝が米二に
付けようとしていたらしいのですが、字面が悪いので米二に米朝が替えたらしいです(笑)
そして、米吉をよね吉に替えるのをアドバイスしたのは米二です(笑)
米朝一門は「絆」があるのですよ(笑)
実は、ブログをご覧になった方から管理者のみ閲覧できるコメントで、9月17日(土)の夜に国立演芸場で独演会とのご連絡をいただいたのですが、土曜の夜は家にいることにしていうのでねぇ・・・・・・。
そのうち、ぜひ生の高座に出会いたいものです。