第25回 人形町らくだ亭 日本橋劇場 5月17日
2010年 05月 17日
お披露目の意味もあるのだろう、レギュラー五人全員が登場。
自由席だった会場は一階・二階ともほぼ満席。合わせて440席らしいから、平日なのに結構なにぎわいだ。しかし、この顔ぶれなら、当たり前か。初めてだが、非常に見やすい会場だ。客層も土地柄なのか、ご通家が多いと見受けた。
演者とネタは次の通り。
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(開口一番 入船亭辰じん 『小町』)
古今亭志ん輔 『七段目』
五街道雲助 『辰巳の辻占』
柳家小満ん 『笠碁』
(中入り)
春風亭一朝 『岸柳島』
柳家さん喬 『心眼』
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辰じん(18:35-18:45)
案内での「開演」が18:45だったから、寄席と同様の前倒しスタート。私の知る限りで、現時点の前座の中では頭一つ抜けている。『道灌』に持って行かなかったのは時間のせいだろうが、結果として15分演じても良かったかもしれない、なかなかの出来。この人は、少し追いかけたくなる。
志ん輔(18:46-19:07)
歌舞伎座のマクラなどで会場を暖め心地よく“志ん輔ワールド”へ。小僧の定吉が演じる「お軽」は、人によっては、ついつい上手い女形の芸を真似るのだが、あくまで定吉の芸という演技に、当り前だが感心した。若旦那の平右衛門の芸を含め、あくまでその主人公が演じる“ヘタウマ”な歌舞伎の真似という演出が伝わる。このへんが若手とは違うのだ。そしてお客さんが、よく歌舞伎をご存知なのだろう、笑いのツボが、他の会場とは違う。前進座や先日の新文芸坐あたりと客の空気が似ている。
雲助(19:08-19:27)
末広亭で主任の時の『子は鎹』にはややとまどいを感じたが、この噺は師匠馬生の十八番でもあったし、さすがにはずさない。なるほど、レギュラーの顔見世のネタにこれを持ってくれば、常連さんは安心、初雲助の落語ファンは喰い付くなぁ。この人に固定ファンが多い理由も、こういった噺を聞くとよく分かる。
小満ん(19:28-19:50)
特に後半の可笑しさは秀逸。喧嘩別れの後数日した雨の日、居てもたってもいられずに碁敵の幼馴染の店の前で、かぶり笠でうろうろする一人と、それを今か今かと店の中で碁盤を前に待つ一人。何度も繰り返される「来るか、来るか、あ~っ・・・・・・行っちまいやがった」の部分が、くどく感じず、飽きない楽しい芸。これまた、看板ネタ。
一朝(20:00-20:18)
この人の粋でいなせな江戸っ子が登場する噺は、いつも本当に楽しいし、妙に“可愛い”。「くず屋だけに、ボロが出た」なんて地口でも、この人なら腹から笑える。オヤジ・ギャグを多発して周囲から睨まれている身には、頼もしい味方(?)。これまた、ニンな噺であり、「寄席」の楽しさを感じさせてくれる。
さん喬(20:19-20:57)
三遊亭圓朝作だが、この噺を得意にしていた先代の桂文楽は二代目の談洲楼燕枝から教わった、という三遊派と柳派の“超党派”で継承されてきた珍しい噺。流石のさん喬である。丁寧なマクラでは、今日使われなくなった言葉のことで本編につなげたが、本来伝えたい言葉がどんどん亡くなっていくのは残念でならない。座頭市の真似もマクラで披露してくれたが、こういうのご本人も結構好きなんだろうなぁ、と見ているこっちが照れてしまった。
まことに贅沢な顔見世興行。トリのさん喬が40分、他の皆さんが20分という時間配分だろうが、こんな贅沢な五人のそろい踏みをニンな噺のダイジェストで味わることは、そうはない。もちろん、「この人なら、もっと長講を聞きたい」と思うのは当然だが、プログラムには次回以降の出演者とネタ出しがされている。
次回(第26回)6月23日
春風亭正太郎 『寄合酒』
五街道雲助 『壷算』
柳家さん喬 『品川心中』
(仲入)
古今亭志ん輔 『佃祭』
次々回(第27回)7月5日
春風亭一之輔 『蛇含草』
春風亭一朝 『船徳』
(仲入)
柳家小満ん 『金魚の芸者』
柳亭市馬 『お化け長屋』
その他関連情報は「らくだ亭のホームページ」で確認できる。
らくだ亭のホームページ
会場は、落語会のタイトルでもある、本日と同じ人形町の日本橋劇場。
小学館の回し者ではないが、憎い、そして渋い趣向だ。自由席だが、2階席でもこの会場なら楽しめるだろう。前売りで2,500円というのもうれしい。
帰りに、老舗の漬け物屋さんで“べったら漬”を買った。土曜の昼間にでもやっていただけると、なお一層この土地に来る楽しみも増すだろう、などど思いながら帰途につき、帰宅後その漬け物を味わいながらブログを書いている。連れ合いが漬け物にあまり手をつけないので、次回は人形焼を買おうと、今は思っている。
15日の鈴本で志ん輔が「七段目」をやったときに新しいギャグや話をいれてるのできっとどこかでやる稽古だと思っていたらやっぱり。
昨日は御徒町の駅を出たところで彼とすれちがったのでつい会釈してしまいました。
同じような人選の三田落語会のチケットが取りにくくなってきており、少し我が家からは遠いですが、日本橋、人形町という散策していても楽しい場所でもあり、しばらくは頻度高く通いそうです。
聴いてみたかったなあ。まだこの演目は小満んさんのは
出会ってないのです。
でも、地味だけど本当に素敵な噺家さんですよね。
私は「あばらかべっそん」を読んで以来大ファンになりました。文章もうまいものなあ・・・
「待った」を頼んだほうが、碁敵と喧嘩してからイライラしている時に、孫に店先で乳を与える息子の嫁を怒るシーンなどが、妙にいいんです。三代目小さん譲りでしょうが、小満んワールドになっています。
創塁パパ さんもめぐり合う機会がきっとあると思いますよ。
