あさひ亭まねき寄席 桃月庵白酒 春風亭柳朝 サンハート・ホール
2010年 01月 23日
主催はこの「横浜市旭区民文化センター」である。今日で第35回とのこと。1月7日の横浜にぎわい座の白酒独演会で配布されたチラシを見てチケットを入手し、この地域寄席に初めて行った。
約300席の会場はほぼ満席。平均年齢は、かなり高い。かつ年配の女性がこんな多い地域の落語会は初めてだ。
土曜の日中、白酒と柳朝の二人会、家から電車で30分ほど、という内容に魅かれて来たのだが、演者とネタは次の通り。
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(開口一番 林家しん歩 子ほめ)
春風亭柳朝 武助馬
桃月庵白酒 転宅
(中入り)
桃月庵白酒 つる
春風亭柳朝 明烏
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しん歩(14:01-14:18)
落語協会のホームページに平成18年入門とあるが、師匠の名が記載されていない。名前からして、しん平だとは思うが・・・・・・。久しぶりにコメントしづらい前座だった。まず、日本語の勉強からだろう。そもそも、全体で約2時間の落語会で、この前座が何分ダラダラ話していたことか・・・・・・。だいたい、前の列のお客さんのかける言葉に日常会話のように応対してはいけない。
*このオバサン(お婆さん?)は、ちょっと困った客ではあったが・・・・・・。
柳朝『武助馬』(14:19-14:35)
実は、初の生柳朝である。なるほど、端正な江戸前の噺をする。ともかく丁寧な語り口で歯切れも良いし、私には合うリズムだ。この噺は以前に鯉昇で聞いたことがあるが、まったく違う噺のように感じた。もちろん、どちらも良い。
白酒『転宅』(14:36-15:01)
会場の様子を見て、いつものブラックなマクラはほとんどなく本編へ。なぜこの人のこの風貌で、あれだけ女性を艶っぽく演じられるのか、と不思議な思いで聴いていた。この噺も十八番の中に入るだろう。
白酒『つる』(15:20-15:33)
1月7日のにぎわい座でも聴いて笑ったネタだったが、会場をまた揺るがすほどの大爆笑。何度聴いても、いい。夜に都内で落語会があるのは知っていたので、時間の関係で大ネタで出来なかったのだろうが、今年二度目の私も決して不満はない。ただし、開口一番でしん歩をいじっていた前方に座っていた例の女性が、白酒が菊のことを呼び捨てで呼ぼうと“間”をつくってためている時に声をかけてしまった。白酒はタイミングを逸し、「すいません、もう一杯もらっていいですか、幻聴が聞こえたようなので」と酒をもう一杯飲む仕草をしてから、仕切り直した。さすがに無難にこなしたが、ああいう場面で声をかけちゃあいけませんよ、お客さん。
柳朝『明烏』(15:34-16:01)
差配人の稲荷祭りに行って帰宅する途上で時次郎が源兵衛と太助に出会う、というイントロで始まった。師匠譲りなのかどうか知らないが、この入り方で聴くのは初めてだ。ともかく口調も内容も丁寧な噺。花魁の名前の由来やら、吉原の説明なども交え、快調なテンポとメロディーである。本寸法で清々しい噺家さんだ。この人をもっと聴かなくては、と思わせる内容だった。
白酒が本日ダブルヘッダーだったのを知っていたので、当初の順番(白酒がトリ)が変更になったのには驚かなかったし、短い噺だったのもやむを得ない。木戸銭が2,000円ということを考えても全体で2時間で結構だと思う。この所要時間だから来れるご高齢の方も多いだろう。アットホームすぎて噺家に話しかけるお客さんがいるのも、まぁご愛嬌と思いましょう。
初めて聴く柳朝が、私にとっては収穫だった。平成6年入門で平成19年の真打昇進は菊志んと同期、三三の一年後輩、白酒の二年後輩ということになる。やや大人しい印象も受けるが、本寸法の江戸っ子落語をどんどん磨いて欲しい。後輩には一之輔という実力者がいる。良い意味でプレッシャーを感じ、それをバネにして成長して欲しい。師匠一朝と同じように、寄席になくてはならない存在に育つ可能性は、十分にあると見た。
