お台場寄席 立川文都 『短命』
2009年 12月 12日
1999年1月9日の収録で真打昇進の翌年。立川流であっても上方落語を東京の落語ファンにも分かりやすく演じようという姿勢が、マクラでの警察官募集ポスターの東西の違い、成田空港と関空のポスターの違いなどの楽しいクスグリに現れている。彼は、常に「東」と「西」のギャップを感じ、たまには“アウェー”の洗礼も受けたことだろう。しかし、最後は自分の立場を逆に強みにすることができたのだと思う。
文都の『短命』はもちろん上方流で、「くやみ」の言い方について甚兵衛さんに教わる場面も彼らしく演じている。柔らかな語り口で、決して聴く者に“緊張”を強いるようなこともない。やはり、得がたい人だった。
ナビゲーターの塚越氏が「サゲの通りになっていれば良かったのですが・・・・・・」とコメントしていたが、たまにはいいこと言うじゃないですか、まったくその通りです。
文都落語をご存知ない方は、ぜひお聴きください。
お台場寄席