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噺の話

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よってたかって秋らくご 昼の部 よみうりホール 10月24日

今月はいろいろと仕事やら野暮用やらがあって、今日が最初の落語会。
よみうりホールの一階はほぼ埋まったが2階は大半が空席。
実際のタイトルは「よってたかって秋らくご 21世紀スペシャル寄席ONEDAY」と、無駄に長い。
最近のつまらないテレビの特番並みである。センスのかけらもない。

演者とネタ。
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(開口一番 柳亭市也 金明竹)
春風亭一之輔  茶の湯
川柳川柳     ガーコン
(仲入り)
桃月庵白酒    替り目
柳亭市馬     掛取り
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市也(13:00-13:14)
コメントがしずらい。落語未体験と思えるお客様も多く結構笑いはとっていたが、「蛙とびこむ水の音」は噺の伏線として重要なので、最後の“おと”までしっかり発音しないとダメ。前座噺、という位である、この噺ならもっと自分のものにしなければならない。イケ面だが、だからフラを感じないタイプ。市馬師匠を見習って、しっかりした落語を今からしなければならないように思う。

一之輔(13:15-13:36)
なぜか青々とした丸刈りで登場。何かあったか・・・・・・・と勘ぐったが、床屋に行ったばかりなのだろう。久しぶりの一之輔だが、やはりこの人は間違いなく次の時代を担う一人になるだろうと思った。“なつめ”を“まさこ”と言ったり、隠居と定吉を“秘密結社”と表現するあたりのクスグリというかギャグの秀逸さもあるが、噺の本筋は絶対崩さないで自分の世界を作っている。
平成13年に一朝師匠に入門なので、来年で9年ということだが、落語協会が来年一之輔を真打にしても、落語ファンで小言を言う人は少ないのではないだろうか。もう十分に実力は周囲も認めるところだろう。

川柳(13:37-14:04)
寄席以外で「ガーコン」は初体験である。少し喉の調子が悪いようで途中で前座さんに水を頼んだが、その水が出るのが遅いことが気になった。イライラしていた川柳師匠に届けられたのが、安っぽい丸い茶碗に入った水のようで、それも気になった。師匠は相変わらずの調子で唄いまくっていただいたし、会場には師匠の唄を手拍子で楽しめる年代の方も多く、それなりの盛り上がり。だからこそ裏方の気の利かなさが気になった。

白酒(14:20-14:45)
『替り目』を、ほぼ通しで聞いたのは久しぶりだ。寄席のネタとしてもランキング上位だが、ほとんどは途中でサゲるので、うどん屋の「そろそろ銚子の替り目ですから」まで演じることは少ない。まず、白酒がこの噺を選んでくれたことがうれしい。もちろん定評のある適度に“毒”のあるマクラも含め、この人が持つ実力と潜在力には大いに期待したい。体と一緒で“大きな”噺家になって欲しいものだ。

市馬(14:46-15:25)
この時期にこの噺を聞けるとは・・・・・・。もちろん市馬歌謡ショーにハズレはない。しかし、この噺には早すぎるのではないかと思う気持も。「秋」のスペシャルでしょう・・・・・・。


白酒と一之輔は、この後は三田落語会で夜の部に出演予定。ちなみに三田の昼の部は扇辰と菊之丞。実は、今日のチケットを買ってから三田のことを知った。それは、まぁいい。自分の問題。

夢空間は、少し「遊びすぎ」である。それは、今日の会のタイトルであったり、川柳師匠への水の手当てであったり・・・・・・。落語会は寄席ではない。だから楽屋のことを前座にまかせっきりにはできないはず。ご高齢の川柳師匠の高座で、あらかじめ水やお茶の手配、薬やもしやの場合の救急車まで気配りをしておくのは主催者の当然の仕事だろう。
先週、仕事で複数の大きなイベントがあり、その事務方として準備期間から実際の運営まで緊張感が続いた。だから今日は噺家の芸よりも運営側に余計に注意が向いたようだ。イベントは「無事」で当り前と評価される。いかに事前にリスクをヘッジするか、あらゆる機会損失を想定するのが運営側の当り前の仕事である。またお客様に喜んでいただけるための細かな演出や気配りを考えるとなかなか眠れないし、夢で仕事をしていることが幾晩もあった。要するに、大きなイベントの場合、運営側スタッフ(特に責任者)の仕事には際限がないのだ。
「夢空間の会だから行こう!」と言わせるか、「夢空間か、やめとこう」と思わせるかは紙一重であることをわかっているだろうか。アンケート用紙も相変わらずの使いまわし。見る人は見ている、ということを肝に銘じて欲しいものだ。

構成についても、この会のコンセプト(そんなものがあるとして)を踏まえてどれほど主催者側の配慮があったのか疑わしい。「寄席」と銘打っていながら色物はない。たぶん、噺家のネタもご当人任せだろう。大きな会場と落語家を押さえたら、あとは当日、アルバイト(社員?)に仲入りでトイレに行く人に半券の注意を大きな声で言わせるだけ、だとしたら「スペシャル」の名が泣く。

八王子や三田、また相模原や他の地域で手弁当で頑張っている落語会の主催者のきめの細かい気配りと真摯な態度と、大手と言える興行主のアバウトさとやや傲慢に見える姿勢を、どうしても比較してしまう。今日の会、4,000円は決して安くはない。やはり「三田」だったかな・・・・・・と思いながら地下鉄の駅に向かった。
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by kogotokoubei | 2009-10-24 18:54 | 寄席・落語会 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛