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菊之丞ひとり会 お江戸日本橋亭 1月30日

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*お江戸日本橋亭のホームページより

オフィスM'Sさん主催のミックス寄席も、会場のお江戸日本橋亭も初めてである。
なんと言えばいいのだろう、この密集度、そして舞台と客席の密着感・・・・・・。
前の4列は床に畳を敷いて座椅子を並べ1列9席。その後ろにパイプ椅子で一列10席が5列。加えて舞台上手側には壁のくぼみのスペースに8席分が作られている。約100席が無駄なく積み込まれた空間。とにかく狭いのだが、馴染みのお客さんが多いらしく、江戸しぐさで言うところの肩引きなどをして、お互い譲り合いながら席が埋まっていき、ほぼ満席である。
一列目の座椅子のお客さんと高座までの距離は2mmくらいではなかろうか。床に座っているので視線は45度見上げる先が高座という按配かと察する。その゛かぶりつき゛には、常連と見られる菊之丞ファンが並んでいるようだ。なんとも言えない濃~い寄席空間があった。

さて演目。
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(開口一番 柳亭市也 道具屋)
古今亭菊之丞 明烏
(仲入り)
古今亭菊之丞 茶の湯
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市也(19:00-19:17)
菊之丞と市馬がよく飲みに行くという話が後であったことから察するに、両師匠の友好関係に基づく開口一番なのかと思うのだが、今後の精進を期待しよう。

菊之丞・明烏(10:18-20:00)
15回目の会で過去11回が雨、そして今日も雨、という雨男の話に続き前日まで青森で三日間行ってきた学校寄席でのエピソード。学校と言っても「保育園」だというからすごい。このマクラから明烏が聞けるとは思ってもいなかった。若旦那も似合うし、源兵衛と太助の掛け合いのテンポもよく、加えてお茶屋の女将も色っぽい。若旦那が吉原でぐずるシーンでは独特のクスグリも楽しめた。

菊之丞・茶の湯(20:10-20:50)
市馬師との二人カラオケボックスのマクラから「寝床かな?」と思っていたらこの噺。ご隠居や定吉、三軒長屋の住人などなど、安心して落語の世界に身をあずけられる。この人としては珍しいネタかと察するが、こういう噺でも味わい深い。

年末12月20日のビクター落語会大感謝祭で、たった20分の菊之丞にストレスがたまっていたので、゛聞きなおし゛のつもりで来た「ひとり会」。たっぷりの菊之丞は、やはり良い。間違いなく将来の本寸法江戸落語を背負って立つ一人である。会場も常連さんが多いようで寄席の雰囲気満喫である。
少し狭いのが難だが、もしかするとこれが江戸時代の典型的な寄席に近いのかもしれない。演者が近いので、細かな所作も含めて噺を丸ごと楽しめる落語、という印象。地下鉄駅に向かいながら、大きなホール落語の合間にまた来てみよう、と思った次第である。
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by kogotokoubei | 2009-01-30 22:52 | 落語会 | Trackback | Comments(0)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛