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立川志の輔独演会 川崎市麻生市民館 7月15日

演者とネタは次の通り。
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・立川志のぽん 狸の札
・立川メンソーレ 子ほめ
・立川志の輔 千両みかん
(仲入り)
・立川志の輔 しじみ売り
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小田急「新百合ヶ丘駅」から会場に向かって多くの落語ファンの列が続く。1000人を越える会場だが、ざっと見て9割近く埋まっていたのではなかろうか。3月12日の談春でさえ7割の入りだった。(しかし、前座なしの『紺屋高尾』と『文七元結』は誠に結構でした。)
開催案内も1カ月位前だったのに、この動員力はすごい。談春も「多摩川越え」の難しさを語っていたっけ。
5番弟子、4番弟子、の前座のあとご本人登場。「独演会なのに前座二人というのは、ある意味で偽装・・・でも牛肉よりはいいんじゃないかと・・・・・・」というつかみネタは、昨年も赤福などに喩えて何度か聞いたが、麻生のお客さんすでにドッカンドッカン受けていた。
やはり「多摩川越え」の客向けの構成といううこともあるのだろう、古典長講二席。「落語を知ってもらおう」「志の輔スタンダードを聞いてもらおう」というコンセプトかと思う。古典とは言っても、「志の輔のラクゴ」であり、二席ともCD化されている十八番(オハコ)の範疇。初めて落語を聞く人、以前は都内にまで出向いたが最近は近隣の落語会のみ楽しみにしているらしい年配の方、そしてちょっと通ぶった私のようなファンなど、すべての観客が十分に楽しめた内容だったと思う。

「千両みかん」は、マクラで富山でのエピソードとして、梨の冷凍保存の話があった時点で察することはできたが、まだ疑っていた。しかし、小噺の連発で目一杯会場を暖めてからネタが始まった時には、「やってくれるじゃないの!」とついつい微笑んでしまった。悲惨な番頭の姿を通して描く落語ならではの世界に堪能できる。

中入り後は、マクラなしで志の輔流「しじみ売り」。これもまたうれしい。
しじみ売りの少年、ねずみ小僧、そして兄弟分のバイプレーヤー、居酒屋の主のすべてを見事に演じきって、泣かせて笑わせて聞かせる。

きっかり40分づつの長講二席を楽しんだのだが、何か物足りない。
主催「六人の会」の文字に、今週始まる最後の「大銀座落語祭」について、何か一言あるだろうと期待していたからだ。大銀座はなくなって「六人の会」は今後どうなるのか。小朝の「目的は果たした」というコメントの本当の意味は?
企画協力「春々堂」に何か意味があるのだろうか・・・・・・と勘ぐってもしかたがないが、今後の落語界の重要な役割を志の輔は担っている。いつか、彼の思いを「パルコ」だけではなく、「多摩川越え」でも聞かせて欲しい。

大銀座~は、だめもとのモアチケット抽選も、予想通りハズレ。やはり多摩川を越えた地域に住む落語ファンは近隣で落語を楽しみたいのだ。この会場で8月2日(土)に開催される小朝の独演会のチケットを販売していた。結構空席があるようだ。すでに入手済みの私は、また、かなわぬ過剰な期待を抱き訪れるのである。
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by kogotokoubei | 2008-07-15 23:19 | 落語会 | Trackback | Comments(0)

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