噺の話

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初めて行く落語会と会場。六本木の喧騒の中、ロアビルのある六本木五丁目の信号を曲がってしばらくすると、会場である麻布区民センターである。ホールは地下一階で、客席数約240。ほぼ九分の入りだった。常連のご通家さんが多かったと思う。
演者とネタ。
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古今亭菊六  やかん
古今亭菊之丞 穴子でからぬけ~近日息子
古今亭菊六  転宅
(中入り)
古今亭菊之丞 山崎屋
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菊六『やかん』((19:00-19:20)
2008年のNHK新人演芸大賞で披露したネタを生で楽しむことができた。やはり、この噺でここまで沸かせる力量はたいしたものだ。言い立ての部分も流暢だし、語り口も心地よい。2008年の新人演芸大賞をテレビで見た時も、このネタをここまでこなした菊六が優勝と個人的には思っていた。「やかん」という言葉が死語にならないためにも、こういう若手(?)が手がけること、そして内容も良く多くのお客さんが楽しむことが重要だろう。

菊之丞『穴子でからぬけ~近日息子』(19:21-19:39)
菊六とのエピソードとして、菊之丞の真打昇進披露興行の約40日間、菊六が“タマネギ”をきざんでいた、という話が可笑しかった。これは、ある古今亭一門の大先輩が楽屋の人たちに「サンドイッチ」を作ってごちそうするための下ごしらえとしてである。この一門のご意見番である志ん
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さん、40日間、楽屋でサンドイッチを作ったらしい。当時前座の菊六はせっせとタマネギをきざんでいたようだ。さて、ネタのほうは短い時間でもしっかりと懐かしい噺を二つつないでくれた。どちらも最近演じる人が少ないと思うし、これぞ落語という噺。無理のない構成だし、安心して聴ける。流石である。

菊六『転宅』(19:40-20:02)
先日は白酒のこの噺を聞いたが、菊六は好対照。白酒ほど派手さはもちろんないのだが、騙される泥棒の間抜けぶりや、煙草屋のオヤジに事の顛末を聞いている時の表情の変化などは菊六の渋さも捨て硬い。これでまだ二ツ目、いやぁ、本当に将来が楽しみだ。

菊之丞『山崎屋』(20:20-21:00)
マクラで本人曰く「郭の一口メモ」として、このネタに必要な情報を丁寧に客にインプットしてから本編へ。郭噺で若旦那が登場となると、この人の独壇場ともいえる世界。番頭と若旦那との長い対話が中心の前半もまったく飽きさせないし、番頭が作った狂言の実際の成り行きも上手く描いてみせる。
この噺は、もともとの長い噺の前半部分を初代三遊亭遊三が『よかちょろ』として独立(?)させて二つの噺になったと聞く。最近生ではなかなかお目にかかれない『よかちょろ』と、ぜひ通しでも聞いてみたいものだ。途中で中入りがあっても結構。あるいは、矢野誠一さんが『落語読本』(文春文庫)で書いているのだが、戦前に騒人社から発行された落語全集の『山崎屋』の速記には、マクラで『二階ぞめき』が使われているとのこと。なるほど、この組合せもおもしろい。いずれにしてもこの噺は、堅い親父と遊び人の息子、そして狂言作家(?)の番頭とのやりとりがなんとも楽しいネタなので、郭ネタが次第に演じられなくなってきた今日、この人には長く演じてもらいたい。
矢野誠一_落語読本*この本はは新装本が最近発行された『落語手帖』と内容が重複する部分も多いのですが、この本だけの貴重な情報もあり参考になります。こちらは復刊されることはないでしょうから古書店でお探しください。

後輩菊六が、良い意味で「先輩に負けないぞ」という緊張感で全力投球していた様子が新鮮だったし、ともかく菊之丞の、今日ではなかなか出会う機会の少ない旧き良きネタ選びのセンスも出来栄えも良かった。終演後、外人がやたら多い雑踏の中を地下鉄の駅へ、非常にいい心持で向かっていた。古今亭の将来は明るい。
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by kogotokoubei | 2010-01-29 08:47 | 落語会 | Comments(0)
落語協会のホームページについて小言を書いたので、バランス感覚が少し働いたようだ。
まだ、協会のホームページや各寄席の案内にも掲載されていない、今年三月に真打昇進する四名の定席における披露高座のスケジュールを、当事者でもある柳家三之助のホームページに掲載されたニュースからご紹介。
柳家三之助HPのニュース

チラシのPDFがダウンロードでき、「ぜひあちこちばらまいてください」とあるから、この位させてもらってもよいだろう。チラシのそれぞれの顔写真と披露スケジュール部分を掲載します。ちなみに順番は名前の五十音順。

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年度末である3月から新年度明けの4月、5月の忙しい時期である。お目当ての誰かの披露高座に行きたい人は、そろそろ予定しておく必要もあるでしょうし、他の落語会との調整も必要でしょう。
こういう情報を提供することは落語協会のことを少しはお手伝いさせていただくことになるはず。
時にはPRもするので、たまの小言も聞いて欲しい、と思う次第である。
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by kogotokoubei | 2010-01-27 17:21 | 真打 | Comments(0)
落語協会のホームページで、「芸人紹介」のページが改訂(のはすだったのだろう)されて、「真打」「二ツ目」「前座」「色物」そして「物故者」というカテゴリー分けされたのだが、問題がある。

問題その壱
「さ行」の芸人さんの紹介から春風亭正朝の名前が消えた。
落語協会HP 芸人紹介
この人の事件をご存知ない方のために、マスコミにニュースが流れてから慌てて(としか思えない)協会のホームページに掲載された内容をご紹介する。

謝罪とお詫び

幣協会会員の春風亭正朝が去る9月11日都迷惑防止条例違反で現行犯逮捕されました。世間をお騒がせ致しましたこと深くお詫び申し上げます。落語協会理事会としては正朝に対して厳正なる処分を下すことに致します。今後二度とこのようなことを起こさないよう肝に銘じ、寄席・演芸の普及に全力を挙げる所存でございます。
重ねてお詫び申し上げますとともに今後とも何卒よろしくお願い致します。

平成21年11月20日
社団法人落語協会




ただし、この「厳正なる処分」がどういうものかについて、その後協会からもマスコミからも具体的な情報はない。
ホームページから名前を削除ということは、もう協会会員ではなくなった、そういう処分をした、ということなのだろうか・・・・・・。
あるいは、「謹慎中」の期間はリストからはずす、ということか?
もし、「除名」などでなく会員のままなら、名前は残してはいかがだろうか。それとも「謹慎中」というカテゴリーをつくるか!?

問題その弐
サイトを改訂するタイミングで期待していたのは、個々の芸人さん紹介内容の標準化、というか最低掲載内容のレベル合わせだったのだが、まだ駄目だ。和暦と西暦の混在も直っていない。人によって生年月日を正確に記入されていなかったり(女性はまだ許せるが、男で正確に書かれていない人がいる)、いい加減なプロフィールしかない人もいる。
なかでも、今年真打昇進予定で、生年月日も入門年も、師匠の名前も書かれていない二ツ目は、私は昇進を中止にせよと言いたい。せっかくマスコミなどで取り上げてくれて注目されホームページを見てもらっても、何ら重要な情報を提供していないということで、デジタル時代の芸人として失格だと思うからだ。前座や二つ目、真打でさえ名前の売れていない噺家の挨拶の常套句は「顔と名前だけでも覚えて帰ってください」という売り込みだが、せっかくインターネットのおかげで数多くの方に顔も名前も入門履歴や出身地、そして趣味なども知ってもらえる機会があるのに、自ら放棄しているわけだ。
洒落で作っているホームページではないんでしょう!人手もコストもかかっているはず。ガイドラインを作って、不足情報を補うべきだろう。改訂に非協力的な会員には「厳正なる処分」をして欲しい。
協会としての、今の時代では重要な問題だと思う。


次期会長の悩みを増やすような不備を早いうちに「お直し」、と言いたい。
もちろん、落語の「お直し」とは意味が違うが・・・・・・。

“問題その壱”の方について、少し書き加える。
「人の噂も75日」という諺がある。11月20日から数えるなら、来週2月2日が75日目にあたる。
その11月20日、この事件について結構いい加減なことをブログに書いたのだが、そろそろ「罪を憎んで人を憎まず」的な動きがあるかもしれない。11月20日のブログ
もし、段階的に復帰するなら、“その弐”で書いたような落語協会ホームページの問題解決あたりから手腕を発揮していただき、協会に、そして落語界に恩返ししてもらいたいと思う。なんてったってホームページ担当だったのだから。ご本人のブログ(現在休止中)をよく拝見していたので、web関連についてはそこそこの知識と経験があるようにお見受けするし、人前に出なくても出来る仕事でもある。
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by kogotokoubei | 2010-01-25 17:15 | 落語協会 | Comments(0)
相鉄線の二俣川駅に隣接した商業ビルの5階にある、横浜市旭区民文化センターのホールの名前が「サンハート・ホール」である。
主催はこの「横浜市旭区民文化センター」である。今日で第35回とのこと。1月7日の横浜にぎわい座の白酒独演会で配布されたチラシを見てチケットを入手し、この地域寄席に初めて行った。
約300席の会場はほぼ満席。平均年齢は、かなり高い。かつ年配の女性がこんな多い地域の落語会は初めてだ。

土曜の日中、白酒と柳朝の二人会、家から電車で30分ほど、という内容に魅かれて来たのだが、演者とネタは次の通り。
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(開口一番 林家しん歩 子ほめ)
春風亭柳朝 武助馬
桃月庵白酒 転宅
(中入り)
桃月庵白酒 つる
春風亭柳朝 明烏
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しん歩(14:01-14:18)
落語協会のホームページに平成18年入門とあるが、師匠の名が記載されていない。名前からして、しん平だとは思うが・・・・・・。久しぶりにコメントしづらい前座だった。まず、日本語の勉強からだろう。そもそも、全体で約2時間の落語会で、この前座が何分ダラダラ話していたことか・・・・・・。だいたい、前の列のお客さんのかける言葉に日常会話のように応対してはいけない。
*このオバサン(お婆さん?)は、ちょっと困った客ではあったが・・・・・・。

柳朝『武助馬』(14:19-14:35)
実は、初の生柳朝である。なるほど、端正な江戸前の噺をする。ともかく丁寧な語り口で歯切れも良いし、私には合うリズムだ。この噺は以前に鯉昇で聞いたことがあるが、まったく違う噺のように感じた。もちろん、どちらも良い。

白酒『転宅』(14:36-15:01)
会場の様子を見て、いつものブラックなマクラはほとんどなく本編へ。なぜこの人のこの風貌で、あれだけ女性を艶っぽく演じられるのか、と不思議な思いで聴いていた。この噺も十八番の中に入るだろう。

白酒『つる』(15:20-15:33)
1月7日のにぎわい座でも聴いて笑ったネタだったが、会場をまた揺るがすほどの大爆笑。何度聴いても、いい。夜に都内で落語会があるのは知っていたので、時間の関係で大ネタで出来なかったのだろうが、今年二度目の私も決して不満はない。ただし、開口一番でしん歩をいじっていた前方に座っていた例の女性が、白酒が菊のことを呼び捨てで呼ぼうと“間”をつくってためている時に声をかけてしまった。白酒はタイミングを逸し、「すいません、もう一杯もらっていいですか、幻聴が聞こえたようなので」と酒をもう一杯飲む仕草をしてから、仕切り直した。さすがに無難にこなしたが、ああいう場面で声をかけちゃあいけませんよ、お客さん。

柳朝『明烏』(15:34-16:01)
差配人の稲荷祭りに行って帰宅する途上で時次郎が源兵衛と太助に出会う、というイントロで始まった。師匠譲りなのかどうか知らないが、この入り方で聴くのは初めてだ。ともかく口調も内容も丁寧な噺。花魁の名前の由来やら、吉原の説明なども交え、快調なテンポとメロディーである。本寸法で清々しい噺家さんだ。この人をもっと聴かなくては、と思わせる内容だった。


白酒が本日ダブルヘッダーだったのを知っていたので、当初の順番(白酒がトリ)が変更になったのには驚かなかったし、短い噺だったのもやむを得ない。木戸銭が2,000円ということを考えても全体で2時間で結構だと思う。この所要時間だから来れるご高齢の方も多いだろう。アットホームすぎて噺家に話しかけるお客さんがいるのも、まぁご愛嬌と思いましょう。

初めて聴く柳朝が、私にとっては収穫だった。平成6年入門で平成19年の真打昇進は菊志んと同期、三三の一年後輩、白酒の二年後輩ということになる。やや大人しい印象も受けるが、本寸法の江戸っ子落語をどんどん磨いて欲しい。後輩には一之輔という実力者がいる。良い意味でプレッシャーを感じ、それをバネにして成長して欲しい。師匠一朝と同じように、寄席になくてはならない存在に育つ可能性は、十分にあると見た。
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by kogotokoubei | 2010-01-23 16:22 | 落語会 | Comments(0)
小三治師匠は、落語協会の次期会長になるらしい。
読売新聞のオンライン・ニュース
朝日新聞のオンライン・ニュース
マスコミの勢いに押されたのだろう、協会も「お知らせ」を発信した。
落語協会HPの「お知らせ」

う~ん、よく引き受けましたねぇ・・・・・・。
年齢の問題というよりも、この方は「会長」になりたいタイプではないと思っていた。志ん朝師匠もそういう政治の世界が嫌いで芸一筋的な思いがあったと思うが、似たような性向かと思っていたので、少し驚く。

現在の役員の顔ぶれや香盤、そして実力から考えればもちろん妥当なのだろうが、若返りにはなっていない。
馬風現会長が昭和14(1939)年12月19日生まれ、小三治師匠が同じ年の12月17日生まれなので、“2日”だけ兄貴である。そして、同じ五代目小さん門下。
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当期役員 (任期:平成20年4月1日~平成22年3月31日)
会長 鈴々舎馬風
常任理事 三遊亭金馬・柳家さん喬・三遊亭歌司・柳家権太楼・古今亭志ん五
理事 古今亭圓菊・柳家小三治・入船亭扇橋・桂文楽・林家木久扇・
   古今亭志ん駒・春風亭一朝
監事 三遊亭圓丈・柳家さん八・柳家小さん
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落語協会HP(役員)

もちろん、過去には二歳年下の文楽から志ん生への会長の引継ぎなどもあったので、年齢の若返りが必ずしも定番ではないし、いろんな縁や運、席亭を含む周囲の評価にも影響されるだろう。しかし、同じ70歳同士の引継ぎは、落語ブームと言われ若い落語ファンが増えている現在の状況において、落語協会として積極的に何かしようという意図での交替とは言えない。「華」を持たせるため、ということかな・・・・・・。

この協会は、例のスポーツ団体のように、若手・中堅から役員候補の擁立やら一門の分裂騒動などは(今は)ない、緩やか~な組織だし、会長の仕事もそれほど負荷がかかるわけではないのだろうが、若干でも精神的なストレスは増えるだろう。高座への影響が出ないよう、心身をすり減らさないでいただきたい。
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by kogotokoubei | 2010-01-22 14:08 | 落語協会 | Comments(0)
19日火曜の深夜に放送された第三回目を収録していたので、帰宅してから見た。
第一回目が柳家花緑、次が三遊亭白鳥、その次が白酒。

テレビ朝日のホームページでは、次のように番組が紹介されている。
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【番組内容】
磨きぬかれた話芸と聞き手の想像力で広がる魅惑の世界…日本が誇る伝統芸能
「落語」がレギュラー番組として堂々スタート!番組では今第一線で活躍してる
落語家が毎回1人登場して十八番の落語を披露。高座で見せる渾身の芸と命の
きらめき…今最高に面白い「落語者」を見逃すな!

【出演者】
新進気鋭の落語家からベテラン落語家まで…今注目すべき最高に落語家が毎回
1人登場!
乞うご期待!
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非常にうれしい試みなのだが、あえて小言を。

他の落語など演芸番組でもよくあることだが、カメラが動きすぎる。定位置から固定にして欲しい。それでなくても生とはどうしても違うだから、見る者を安心して噺に集中できるように、カメラマンは、“仕事”は動かすことではなく、いかにベストポジションを探して固定させるかにある、と考えて欲しい。カメラマンやディレクターの思いつきでアングルを変えたり、ズームすることが、実は見る者には不親切なのだ。寄席では、あえて目をつぶって想像力をめぐらせることを楽しんでいる客さえいる。まぁ、それもどうかとは思うが、いずれにしても、奥行きのないテレビ画像では生の数十分の一しか伝えることはできないのだから、正面からの固定画面で結構。

この企画自体は大賛成で、ぜひ続けて欲しい。会場は若い人、特に女性が多いようでなかなか沸いていた。

冒頭部分では、私が先日出かけた横浜にぎわい座での収録場面や、入門当時の“スリム”な白酒の写真などを適度にちりばめ、ほどよいイントロだった思う。最初にくどくどと芸のない能書きがないほうが、若い人にも受容されるということを知っているようだ。(某伝統的な落語会のテレビ放送と比較して!)

さて、肝腎の白酒の芸。もちろん、この人の十八番(オハコ)の一つなので十分に楽しめたのだが、なぜ彼は酔っ払いを演じる時に目をつぶるのだろう?
薄く目を開けているのかもしれないが、見る者には閉じているように思える。

演技後の対談で若い女性アナウンサーに語っていたが、モデルとして演じている、“飲み屋で見かける嫌な酔っ払い”が、目をつぶっているのだろうか・・・・・・。
酔っ払いの亭主としっかり者の女房を、目の開閉で演じ分ける効果も、なくはない。
しかし、1月7日のにぎわい座の独演会で『妾馬』の八五郎が酔う演技でも目を閉じており不自然に感じたが、このテレビでもあらためて妙な印象を受けた。

もし実験的にそうしているのなら、「目明きの酔っ払いのほうがいいよ」と言いたい。目をつぶっての演技は、『心眼』や『按摩の炬燵』、『麻のれん』などで発揮してくれればよい。

来週の番組表にはまだ名前が明かされていなかったが、今後の出演予定として彦いち、文左衛門などの名が終了間際のテロップで流れていた。テレビでの落語の楽しみが一つ増えたことは素直にうれしい。かつ、若手中堅の元気な人が出演することも良い。まずは、テレビ朝日がんばれ、とエールを送りたい。
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by kogotokoubei | 2010-01-21 08:32 | テレビの落語 | Comments(0)
新宿末広亭の2月上席は、三代目と四代目桂三木助の追善興行であることが、昨日1月18日、落語協会のホームページのニュースで発信された。
落語協会HPの1月18日のニュース

新宿末広亭 二月上席 三代目、四代目桂三木助追善興行
五〇回忌を迎えた三代目
十回忌(こんなことばないかも知れませんが)を迎えた四代目二人を追善しての興行!
三代目の弟子、四代目と親交の深かった噺家、三代目の孫にして四代目の甥の桂三木男を中心にした華やかな顔ぶれ!

番組は以下の通りです。
・・・


と詳細な番組が記されているが、長くなるので途中から引用。
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扇橋
7:00
交替出演
中入り
三木男
ゆめじ・うたじ
さん生
扇遊
仙三郎社中
8:35
交替出演
9:00

※7時交替出演
1日 圓歌 2日 小さん 3日~5日 木久扇 6日 小朝 7日 馬風 
8日 小さん 9日 馬風 10日 木久扇

8時35分交替出演(主任)
1日~3日 たい平 4日 市馬 5日、6日 花緑 7日 市馬
8日 木久扇 9日 市馬 10日 たい平
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ちなみに、「入れ替えなし」の昼の部の顔ぶれには、橘家円太郎、柳家さん喬、柳家喬太郎、そして主任は橘家円蔵の名が並ぶ。
*念のため末広亭の番組表もご確認ください。
新宿末廣亭の番組表

なんと言っても、中入り後の「食いつき」に二つ目の三木男が出演という特別興行ならではの番組。ご存知のように、三木男は三代目の孫、四代目の甥である。
母の小林茂子さんは三代目の娘であり、四代目の姉だが、ご自分のブログでこの追善興行に向けた準備の模様などを綴っている。ちなみに、茂子さんは、お父上の命日1月16日が誕生日でもある。生年月日もブログで明かされていて、私とほぼ同世代。この興行には、相当気合が入っているようです。
小林茂子さんのブログ
『芝浜』のみならず、三代目の三木助には『へっつい幽霊』『宿屋の仇討ち』『ねずみ』などの代表的なネタがあり、三代目の生前を知るベテランや、四代目と交流のあった中堅が、どんなネタそして思い出話を聞かせてくれるのか、大いに興味のあるスペシャルイベントといえる。ぜひ行きたいのだが、都合が合うかどうか微妙・・・・・・。
他の方のブログに期待するしかないかもしれないが、ともかくこの特別興行が盛況であることを期待。
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by kogotokoubei | 2010-01-19 11:49 | 落語会 | Comments(0)
収録してあった本日早朝の放送を、今ほど見たところである。

「夢」のネタはいくつかあるが、これは初夏のネタ『夢の酒』の冬版、という感じ。別名『夢の瀬川』と言い、こちらが本家(?)で、『夢の酒』もこの噺からの分家とも言われている。「夢」のネタであることを明かしたくないので、別名が使われているのだろうし、『橋場の雪』という演題のほうが洒落ているし、このネタを知らない人にはミステリアスな響きもあるかもしれない。そもそも「瀬川」本人がこの噺には登場しないので、なおさら別名が主流になったと思われる。途中で三三もクスグリにしていたが、ある断面を取り出せば、同じ“夢”を扱うネタである『天狗裁き』そっくりな部分もある。落語ファンにとっては、こういったクスグリも、また楽しい。

詳しいストーリーは書かないが、このネタの可笑しさは、
・若旦那が夢の中で後家さんと浮気をしそうになる艶っぽい場面
・夢の話なのに本気で嫉妬する嫁との犬も食わない若旦那夫婦の喧嘩
・息子夫婦の喧嘩の仲裁に入ったのはいいが、丁稚の定吉を叱るなどご隠居の早とちりぶり

などだが、『夢の酒』よりも前半の構成が若干複雑なので、ダレないように演じる必要がある。ヘタな噺家が演じると、この噺は受けないだろうが、三三、なかなかの出来だった。
特に、若旦那を誘惑する後家さんや、嫉妬する妻のお花などの女性が良い。ご隠居役は定評のあるところだが、最近の三三は、去年『文七元結』の佐野槌の女将も魅力的に演じたように、女役が随分と上手くなってきた。

今後もますます人気が出るだろうしチケットも取りにくくなるだろうが、今年もできる限り生でも楽しみたい人だ。ただし、人情噺もいいが、柳家伝統の滑稽噺でもぜひ楽しませて欲しい。実際には演っているんだろうが、まだこの人の『あくび指南』『野ざらし』『小言念仏』などにめぐり合っていないなぁ。独演会やネタ出しの会では、どうしても人情噺の大ネタが多くなるとは思うのだが、喜多八先輩に負けず、ぜひ師匠小三治が得意とする滑稽噺にも挑戦してもらいたい。それでこそ“柳家”の将来を担うことになるはずだ。
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by kogotokoubei | 2010-01-17 17:42 | テレビの落語 | Comments(0)

春風亭栄橋

春風亭栄橋が昨日亡くなった。asahi.comでは、次のように伝えている。

春風亭 栄橋さん(しゅんぷうてい・えいきょう=落語家、エッセイスト山田光恵〈本名・美津江〉さんの夫、本名山田昌男〈やまだ・まさお〉)が12日、パーキンソン病で死去、70歳。葬儀は16日午前10時から東京都品川区西五反田5の32の20の桐ケ谷斎場で。喪主は妻美津江さん。
1980年に「味噌(みそ)蔵」で芸術祭優秀賞を受けた。


立川談春のエッセイ『赤めだか』には、談春、志らく、関西改メ談坊(昨年亡くなった文都)、談々改メ朝寝坊のらくの四人が、昭和63年3月4日にそろって二ツ目昇進披露をする有楽町朝日マリオンホール(当時)に、栄橋がお祝いで駆けつけてくれたことが記されている。少し長くなるが引用する。

「続きまして落語芸術協会より、春風亭栄橋、御挨拶申し上げます」
 文字助師匠の紹介で会場がどよめく。大拍手・・・・・・。
 春風亭栄橋。談志(いえもと)の後輩で、談志は昔から栄橋師匠のキャラクター、個性を買っていた。笑点のメンバーに推薦したぐらいだ。三代目桂三木助の弟子で軽い芸風に根強いファンは多いが大病を患った。パーキンソン病。当時は治る見込みのない難病だった。その難病を戸塚ヨットスクール校長、戸塚宏氏が治せると云い出した。談志を通じての話だ。どうせ治らないなら洒落でヨットに乗ってこい、談志の弟子を付き添いに付けるからという申し出を、栄橋師匠は断らなかった。栄橋師匠の魂が現役の落語家であった証拠である。断りゃ、洒落のワカラナイ奴だと判断される。堅気の人間なら、魂が病気なら断っただろうが、春風亭栄橋、「ようがしょ」と戸塚ヨットスクールに乗り込んだ。談春(オレ)達四人が交替で付き添い、その期間一か月。一部始終をドキュメンタリー番組が追いかけた。世間の同情が集まった。落語家としての了見と、病人栄橋を応援する世間の好意の間で、バランスをとるのに栄橋師匠は苦労したことだろう。
 当たり前と云えばそれまでだが、病は治らなかった。しかし栄橋師匠の基礎体力はアップし、心は元気になったらしく、ポツポツと高座に復帰するようになった。
 その栄橋師匠が突然、単身マリオンの楽屋に照れくさそうな笑顔で現れた。驚く談志、談春に向かって、
「前座(おまえ)さん達には世話になったから・・・・・・かえって迷惑かい」
 と云った。とんでもない、ありがとうございます、ということで口上のサプライズゲストとなった。


この後に、栄橋の口上が続くのだが、それを書いてはこれから『赤めだか』を読もうという人に申し訳ない。

出演は短期間だったが「笑点」での栄橋は好きだった。なんとも言えない個性があり、とぼけていながらも頭の良さを感じていた。どうぞ安らかにお眠りください。
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by kogotokoubei | 2010-01-13 13:33 | 落語家 | Comments(6)
今年の落語もにぎわい座からのスタート。地下の密室とも言える“のげシャーレ”で「白酒ばなし」として行っていた独演会から臨時に昇格(?)し、三階の芸能ホールでの会。
出演者とネタは次の通り。
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(開口一番 入船亭辰じん 狸の札)
桃月庵白酒 つる
柳亭市馬  厄払い
(仲入り)
柳家紫文  俗曲
桃月庵白酒 妾馬
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辰じん(19:00-19:14)
落語協会のプロフィールによれば扇辰に平成20年2月入門とのことだから、もうじき丸2年。年齢は28歳らしいので社会人を経験してから26歳での入門のようだ。なかなかシャープな江戸っ子のいなせなおぁ兄さんという感じ。扇辰を師匠に選んだのもわかるような気がする。語り口はメリハリが利いていて、強面ながらなかなかのイケメン。今後に期待。

白酒『つる』(19:15-19:40)
このネタは昨年2月18日の浜松町かもめ亭での喜多八との二人会の時にも聞いた。その時も大笑いしたが、いっそう笑いの演出に磨きがかかってきた。とは言っても、この人らしいセンスのある、若干ブラックなマクラが約15分あってからのネタなので、ほぼ10分で話しきったことになる。正月初席でも、けっこう演じてきたショートバージョンなのだろうが、笑いのツボはしっかり押さえている。さすがだ。

市馬(19:41-20:10)
実は、白酒独演会なのに、一番の収穫はこのネタに生で出会えたこと。八代目桂文楽や米朝の音源では聞いたことがあるが、実際の高座では初めて聞くことができた。
この人らしく、正月にふさわしい相撲甚句や相撲ネタで会場をあたためておいてから与太郎が登場した時は、「えっ、まさか市馬が『道具屋』・・・・・・・」とがっかりしかかったのだが、なんとなんと節分を前に、今では演じる人の少なくなった文化的に貴重なネタだった。言い立てを含んだ前座噺の範疇には入るが、職業としての「厄払い」が死語となった今日、次のような口上で節分の夜に厄払いをする習慣があったという歴史を学ばせてくれる。矢野誠一さんの『落語手帖』からご紹介。
*下記は1988年駸々堂出版発行から引用していますが、講談社から新装版が発行されました。拍手!
矢野誠一_落語手帖(新装版)
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「ああら、めでたいなめでたいな、今晩今宵のご祝儀に、目出たきことにて払おうなら、
まず一夜あければ元朝の、門に松竹しめ飾り、床にだいだい鏡餅、蓬莱山に舞い遊ぶ、
鶴は千年、亀は万年、東方朔は八千歳、浦島太郎は三千年、三浦の大介百六ツ、この
三長年が集りて、酒盛りいたす折からに、悪魔外道がとんで出て、さまたげなさんと
するところを、この厄払いがかいつかみ、西の海への思えども、蓬莱山のことなれば、
須弥山のほうへサラリ、サラリ」
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紫文(20:20-20:39)
私自身は、いわゆるオヤジギャグを言って周囲から顰蹙をかっている駄洒落オヤジだが、どうもこの人の駄洒落芸は合わない。三味線は上手いのだろうから“本寸法の俗曲”を演じてくれないものだろうか。初めてだったので、そういった芸もあるのかどうか不案内なのだが、この手の芸では、“華”のある女性の俗曲のお姉さん達にはかなわないでしょう。得がたい存在だと思うので、ぜひその芸を生かした“古典”でがんばって欲しい。

白酒『妾馬』(20:40-21:15)
この人としては珍しいくらい噛んでいた。もちろん、白酒ならではの現代的なクスグリなどで盛り上げるのだが、どうも初席などの疲れが残っているような、あるいはネタの新たな構成にトライしているせいなのか、今一つ切れ味に欠ける出来。会場をそれなりに沸かしてはいたが、『つる』があまりに弾けていたので過剰に期待していたのかもしれないが、もっともっと白酒ワールドは凄いはず。また、後日聞きたいネタだ。

全体としては、市馬効果もあって楽しい会だった。『つる』で初笑い、そして初の生『厄払い』の収穫あり、という今年のスタートでした。
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by kogotokoubei | 2010-01-08 08:18 | 落語会 | Comments(0)

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by 小言幸兵衛