噺の話

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カテゴリ:テレビの落語( 97 )

今年のNHK新人演芸大賞の決勝は、10月20日(土)の開催のようだ。昼が漫才(演芸)、夜が落語の部らしい。「NHKネットクラブ」の“イベント・インフォメーション”に下記のように案内されている。
「NHKネットクラブ」の該当ページ

NHK新人演芸大賞

NHKでは、「NHK新人演芸大賞」を実施します。
この番組では、東京と大阪で行われる予選を勝ち抜いた、落語と演芸の新人たちが大賞を目指します。
観覧をご希望の方は、こちらからお申し込みください。

2012年9月7日

日時 平成24年10月20日(土)
 【演芸部門】
  開場:午後2時10分 開演:午後2時30分 終演予定:午後4時
 【落語部門】
  開場:午後6時20分 開演:午後6時40分 終演予定:午後8時30分
会場 NHKみんなの広場 ふれあいホール (東京都渋谷区神南2-2-1)
出演予定 【演芸部門】 8組予定(漫才、コントなど)
【落語部門】 5人予定
  *予選は9月中に東京・大阪で実施(非公開)

【司会】  NHKアナウンサー ほか
表彰 演芸部門・落語部門ともそれぞれ大賞1人(組)
観覧申込 入場無料。


 実際に観覧の応募をしたい方は、リンク先に詳細な情報が掲載されているので、ご覧のほどを。私は土曜の夜なので行けません。後日テレビで楽しむ予定。

“ *予選は9月中に東京・大阪で実施(非公開)”なのだが、もう予選は終わったの? 決勝進出者は誰?

 という疑問に、東京からの決勝進出者情報を教えてくれるブログを発見。
 昨年、決勝に進出した、鈴々舎馬るこの“公式ブロぐ”「馬るこ亭」に次のように書かれていた。
鈴々舎馬るこ公式ブログ「馬るこ亭」

4日
NHK新人演芸大賞予選。
早くも次の日に発表になりまして、東京から
桂宮治さん
春風亭昇吉さん
春風亭ぴっかりさん
が決勝に進出することになりました。
ぼくも優勝できませんでしたが、去年決勝に出てるんですよね。
今年も決勝行けるかなあと思ったんですが、
全員ぼくより後輩なんですよ。
なんかもう、ぼく、過去の人みたいになってませんかね。
すでに老後みたいな気分なんですけど。
新陳代謝早すぎですよ、落語界。



 昨年の優勝予想では、馬るこについて辛口なコメントを書いた。もちろん、その時の正直な思いだった。以前出会った彼の高座は、どうも馴染めなかった。しかし、できるだけ今後も聴いて成長を期待したいと思ってはいる。
 ブログに関しては、更新頻度でいくと“真打クラス”かもしれない^^
 こういう情報提供も含め、今の時代の噺家さんなのだろう。(素直に褒めているのだよ)

 他のソーシャルメディアでは、宮治がツイッターで予選突破を“つぶやい”ていたようだし、ブログで宮治のことを書かれていた方もいらっしゃった。しかし、三人まとめて教えてくれたのは、馬るこのブログしか発見できなかったなぁ。

 さて、桂宮治、春風亭昇吉、春風亭ぴっかりは、全員生の高座を聴いている。

 東京開催で東京から三名決まっているので、上方からは二名なのだろうが、さて誰か?

 まだ予選が終わっていないのかもしれない。あるいは、すでに終了しているが、ネットに情報が現れていないのかんぁ、今後の情報を待とう。

 五人の名が揃ったら、今年も予想をしてみるつもりである。今年は本命不在の戦国大会の様相。なかなか楽しみである。
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by kogotokoubei | 2012-09-18 19:25 | テレビの落語 | Comments(0)
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 外出する前に、少し早く起きて昨夜の録画を見たところ。

 この噺は、東京では鼠小僧次郎吉が登場するが、上方版は、いわゆる匿名の“親方”に代わることが多い。しかし、まん我の噺では、名前が明確になる。大阪の南堀江に住む中川清之助という土地の顔役という設定。金が余っているようなところから取り立てて、恵まれない人に施している、一種の慈善家のような人。季節は十日戎の寒い夜、重要なバイプレーヤーとなる少しネジのゆるんだお調子者の子分は留。

 なかなか結構だった。中川清之助という特定の名を設定したのは、師匠の桂文我のようだが、実在したかどうかは分からない。鼠小僧も、実際には恵まれない人に施しをしてはいないらしいので、いずれにしてもフィクションが土台の、人情噺。東京版は古今亭志ん生が本寸法で、改作では立川志の輔が有名。上方版は東京で活躍した桂小南が定評のあるところで音源も残っている。

 まん我のこの噺、中川清之助、蜆売りの子供、そして留の三人の登場人物が十分に描かれ、くどすぎない演出も好感が持てた。やはり、この人は良い。東京で生の高座をもっと聞きたくさせる内容だった。
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by kogotokoubei | 2012-05-12 07:35 | テレビの落語 | Comments(6)
昨日深夜の「落語者」の録画を、今見たところ。昨年のNHK新人演芸大賞落語部門の勝者、桂まん我の『胴斬り』だった。
 
 まぁ、取り立てて驚くほどの高座とは言えないが、落語らしいSF的なネタを無難にこなしていた。

 今年に入ってこの番組への上方の噺家最初の登場で、来週と二週連続出演。この人を知らない人には、ぜひ覚えていただきたい名前である。

 NHK新人演芸大賞で思い出すのは、一昨年一之輔が大賞をとった時の、この人の『お玉牛』である。三代目(春団治)から直々に稽古をつけてもらった高座は、非常に結構だった。2010年11月6日のブログ
 受賞は翌年の『三十石』まで待たなくてはならなかったが、実力は十分に見せてくれた高座に、いたく感心した覚えがある。

 この人には、すでに熱烈なファンが多いようで、応援サイトがあり、次のプロフィールが掲載されている。ちなみに、上方落語協会には師匠文我も弟子まん我も加盟していないので、同協会のサイトにプロフィールは掲載されていない。
桂まん我 応援サイト

本名 永原 淳
■生年月日 1971年12月2日
■血液型 AB
■出身 兵庫県神戸市など
■学歴 金沢大学 工学部(落研所属)
■芸歴
1999年1月1日 四代目 桂文我に入門。内弟子となる。
1999年5月   「子ほめ」で初舞台。
2001年2月   内弟子卒業。
以降、大阪の落語会を中心に活動。
2002年8月~   「お笑いまん我道場 東京編」開催。
2003年12月~   「お笑いまん我道場 名古屋編」開催。
2005年8月~   「お笑いまん我道場 大阪編」開催。
2006年10月~   「お笑いまん我道場 金沢編」開催。
2003年4月~   KBS京都ラジオ 「桂 都丸のサークルタウン」出演中。
(毎週土曜日 AM 8:30 ~ 11:55)
2006年12月   文化庁芸術祭新人賞 受賞
2009年   平成20年度 咲くやこの花賞 受賞
■趣味 笛、三味線、音楽鑑賞、歌、釣り、ゴルフ、酒



 まだ、昨年の受賞が加えられていないのは、サイト担当の方が多忙なためか・・・・・・。

 米朝事務所には所属しながらも上方落語協会には所属していない、師匠文我とまん我。私は、なんとなくその立ち位置が好きだ。将来の上方落語界で重要な役割を演じそうな桂まん我、ぜひ期待したい。

 来週(11日の深夜)のネタは『しじみ売り』、これは楽しみだ。
テレビ朝日サイト「落語者」の次回予告
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by kogotokoubei | 2012-05-05 09:33 | テレビの落語 | Comments(2)
先週4月6日金曜日、末広亭での春風亭一之輔真打昇進披露興行に行ったことは、すでにブログに書いた通り。金曜と言えば、その深夜にテレビ朝日「落語者」がある。(だから、厳密には土曜)。6日深夜の放送は、土曜日にブログを書いた後で見た。出演は一之輔で、前日末広亭の高座と同じ『雛鍔』だった。

 「落語者」は、前の週も一之輔の『長屋の花見』。テレビ朝日サイトの「落語者-過去の放送-」のページ

 「おやっ?」と思って、鈴本の千秋楽3月30日(金)のネタを調べると、『長屋の花見』・・・・・・。

 私などより早く気が付いていた落語愛好家の方は多かったと思うが、これは、“確信犯”(?)であろう^^

 真打昇進披露興行期間に一之輔の「落語者」の放送がある日、同じネタを先に高座でかけていたのだ。生で聞いたお客さんに、あとでテレビでも振り返ってもらおう、という趣向かと察する。土曜日の私が、まさにそうだった。「あぁ、この場面、そうそうこうだった」などと思い出しながら録画を見ていた。これが逆だと、先に「落語者」で見た後に、生の高座でも同じネタに出会うことになり、「テレビで見たばかりだよ・・・・・・」と若干残念な気持ちになるわなぁ。順番は大事。生→テレビ、で正解だろう。

 そう言えば、テレビ朝日から贈られた花が末広亭の舞台上手(?)に飾ってあったなぁ。また、『雛鍔』の放送の最後のインタビューで、一之輔は「(テレビ朝日)落語者のためになんでもします」、というようなリップサービスをしていた。
 この“生の高座”と“テレビ”との同じネタのシンクロ、局側のアイデアか一之輔本人の発案か分からないが、なかなか味のあることをやるもんだ。

 地上波の再放送をしているBS朝日の「落語者」(月曜夜)でも、下記のように今月後半に一之輔が登場する。昨年10月地上波放送分過去の放送-2011年-だから、順番通りならば23日が『黄金の大黒』、30日が『夏どろ』になるはず。しかし、念のため、放送日近くになったら、(ようやく少しまともになってきた)BS朝日のサイトでご確認のほどを。BS朝日サイトの落語者のページ
*BS朝日「落語者」4月の予定
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2012年4月 9日(月)夜11:30~深夜0:00 柳亭左龍

2012年4月16日(月)夜11:30~深夜0:00 柳亭左龍

2012年4月23日(月)夜11:30~深夜0:00 春風亭一之輔

2012年4月30日(月)夜11:30~深夜0:00 春風亭一之輔
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 記者会見があり、そして鈴本の興行が始まって以降、全国紙やスポーツ紙、週刊誌などでも話題になっているようだが、しばらく一之輔フィーバーは続きそうである。そして、それをプレッシャーどころか自分のパワーにしてしまうような印象を受ける。この人の神経の“太さ”も、小三治会長の抜擢への決断に大きく影響したようだ。

 テレビの落語には、人によって好き嫌いはあるだろう。落語は、もちろん“生”がベスト。これには異論がない。しかし、私が最初に一之輔や菊六の落語を知ったのは、ニフティの「ぽっどきゃすてぃんぐ落語」であった。そして、かれこれ前のことになるが、落語が好きになった原点は、ラジオで三代目三遊亭金馬や志ん生の落語を聞いたことである。

 最初の落語との出会いが寄席、落語会、という人はそう多くはないだろう。だから、既存のテレビ、ラジオ、そして今日ならではのインターネット、そういったさまざまなメディアに落語というコンテンツが登場することを、私は基本的にポジティブに捉えることにしている。
 落語を知らなかった人が、どんな出会いから、特定の噺家や特定のネタを好きになるか分からない。落語の良さを一人でも多くの人に知ってもらいたい、という気持ちがなければ、このブログも書いていない。だから、「今どき落語」の復活を期待しているし、その構成には若干不満もありながら、「落語者」も頑張って続けて欲しい。
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by kogotokoubei | 2012-04-09 14:06 | テレビの落語 | Comments(4)
録画していた柳家喬太郎の『紙入れ』を見たのだが、日経が自社グループのBSジャパンで放送していた「今どき落語」が、とりあえず、終了するようだ。
 BSジャパンのサイトに伊集院光の次のメッセージが掲載されている。BSジャパン「今どき落語」サイト

昨年10月に何の前触れも無くスタートした「今どき落語」。今回を持って一旦終了となります。
登場して下さった落語家さんたちの古典、新作を飛び越えた「落語」が「今どき」と感した方も、超デジタルな現代日本にあって、超アナログな芸能こそが、逆に「今どき」と感じた方も、その中で語られる、人情や絆、人間の可笑しさ、可愛らしさ、それを許す度量、といった世界観こそが、今、この国にとって「今どき」かも、と。
様々にお感じになったと思います。
ポッと出の番組なので、苦肉の策で「twitter」で集客し、常に満員という落語会も過去に例が無く「今どき」だった落語番組です。
それだけ、今、やはり、落語はキテル!と言う事で。そんな落語界のさらなる発展を願いつつ、「今どき落語」シーズン2もあればイイな~などと願いつつ、「今どき落語」を愛してくれた皆さん、本当にありがとうございました。
語り:伊集院光



同サイトには過去の放送履歴が掲載されているので、放送順にナンバーをつけて並べてみる。
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( 1)柳家 権太楼 「家見舞」
( 2)古今亭 菊之丞 「湯屋番」
( 3)三遊亭 小遊三 「替り目」
( 4)柳家 さん喬 「天狗裁き」
( 5)立川 談笑 「金明竹」
( 6)三遊亭 兼好 「一分茶番」
( 7)林家 彦いち 「睨み合い」
( 8)林家 たい平 「干物箱」
( 9)三遊亭 白鳥 「マキシム・ド・のん兵衛」
(10)春風亭 昇太 「ストレスの海」
(11)柳亭 市馬 「転宅」
(12)瀧川 鯉昇 「時そば」
(13)桃月庵 白酒 「壺算」
(14)三遊亭 歌武蔵 「子ほめ」
(15)橘家 文左衛門 「千早ふる」
(16)三遊亭 圓丈 「前座生中継」
(17)柳家 三三 「萬金丹」
(18)立川談志 追悼特別編「談志の落語なら、この一席!」
(19)柳家 花録 「花見小僧」
(20)古今亭 志ん輔 「豊竹屋」
(21)五街道 雲助 「お見立て」
(22)三遊亭 王楽 「片棒」
(23)古今亭 菊志ん 「品川心中」
(24)立川 生志 「たいこ腹」
(25)柳家 喬太郎 「紙入れ」
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 ブログに書いたものは数少ないが、ほぼ半分は見ていると思う。録画していて土曜か日曜に見るのが楽しみだった。

 マイルス・デイビスのアルバム「Round About Midnight」の中の「Bye Bye Blackbird」をBGMに、かつて楽太郎の弟子でもあった落語通の伊集院光がナレーターで盛上げる、結構渋い番組と評価していた。

 朝日新聞、読売新聞、そして最近は渋谷で毎日新聞も落語会を開催するようになっており、日経もこの番組を機に落語会を主催するのか、とも思っていたのだが、それは勘違いだったか・・・・・・。

 喬太郎も終演後のトークで「再開を期待」と言っており、伊集院も「シーズン2」と表現しているが、ぜひ再開を期待したい。朝日の落語者よりも、いわば大人の番組という印象だった。BGMのセンスの良さ、女子アナのインタビューなどないことで高座により時間をかけることができる、など好ましい配慮があったように思う。

 落語者のように地上波が最初でBSで再放送(BS朝日の再放送は不定期だし、サイトも相変わらずだらしないが)というわけにはいかないから、コンテンツの二次利用というメリットはないが、単独の番組として存在意義はあったと思う。

 来週の同じ時間帯は、駅弁をテーマにした漫画のドラマ化らしい。駅弁ファンにはうれしいのかもしれない。しかし、BSには、まだまだ番組構成上の時間の余裕はあると思う。人気者の時間確保と集客を含む収録の苦労はあるのだろうが、まだまだ「今どき」で出演していない人も多い。果して、今が“やめどき”だったのか、やや疑問の残る終了でもある。
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by kogotokoubei | 2012-03-31 07:41 | テレビの落語 | Comments(4)
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*BSジャパンのサイトより

 BSジャパンの「今どき落語」、今夜は“立川談志 追悼特別編”「談志の落語なら、この一席」だった。BSジャパンのサイトの該当ページ
 
 なかなかおもしろい試みだと思う。その内容が、二つの飲み会と談志の高座の一部で構成されているとしても、この時期まで家元は“死してマスコミを走らせ”てくれている、ということか。

 まず、俳句仲間「駄句駄句会」の飲み会から始まる。と言うか、この会が番組の主役。

 メンバーに、「談志の、この一席は?」という質問。

 この会の主宰者の山藤章二は、なんと「よかちょろ」。文楽のこのネタが出るとは意外!

 次は野末陳平。「青龍刀権次」。聞いたことがない。

 高田文夫は、この会ではなんとも控えめ。学生時代、あの右朝との二人会をやる時に談志からもらった丁重なネタに関する指導の手紙の想い出を語り、「居残り佐平次」。

 島敏光は、「権兵衛狸」。

 立川左談次は、「黄金餅」。
 
 名前は知っているが初めて拝見する木村万里は、カテゴリー別にいろいろ挙げたなぁ。一席には絞れないということなのかもしれないが、やはり決めなきゃ・・・・・・。

 吉川潮、「人情八百屋」。珍しい浪曲からの噺、と言うことで。
 *当初『人情長屋』と誤って記しておりましたが、4kさんにコメントでご指摘をいただき訂正いたしました。 

この後に、高座の断片が放送された。「黄金餅」の言い立てなど。志ん生の真似も、少し。

 その後に、バー「美弥」で、左談次、ぜん馬、談四楼、談幸の、ちょっとだけの談話。

 次に、また談志の高座のカット。「居残り」「らくだ」など。

 また、「駄句駄句会」に戻る。

 山藤さんも、結構なお歳になったなぁ。今月20日で75歳。談志の一歳年下、志ん朝の一歳上、木久扇と同じ年の生まれ。「落語ちゃんちゃかちゃん」のことを話していらっしゃった。

 談志の“一席”、これだって人それぞれの「思い」や「体験」とつながっているので、人によってネタは違って当然。“古今亭十八番”も“志ん朝十八番”も、もちろん人それぞれだと思う。

 そういう、“あの時のあの噺”、という後々までも思い出すことのできる高座に、一席でも多く出会いたいと思う。一杯やりながら、そんなことを思ってこの番組を見ていた。
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by kogotokoubei | 2012-02-09 21:48 | テレビの落語 | Comments(7)
WOWOWの「ノンフィクションW」で6日の夜10時から放送された、“柳家喬太郎を追っかけた90日間”、という番組を見た。WOWOWサイトの該当ページ
 有料チャンネルの番組について書くのは気が引けるのだが、以前にこのチャンネルでしか見たことのない志乃輔のパルコのことを書いた2010年3月23日のブログ前科(?)もあるので、許していただこう。

 ちなみに、1/8(日)午前11:00と1/16(月)深夜0:00から再放送されるので、見逃した方はご覧のほどを。

 イントロで昇太や鶴瓶が喬太郎を絶賛するなど、いろいろな映像の後にSWAの解散落語会があり、プロフィール紹介。その後、よみうりホールでの『道灌』。
 「柳家と立川」という企画で9月に行われた談笑との二人会において二席目(トリ)のネタに前座噺『道灌』を敢えて選んだというもの。この『道灌』について、本人は終演後に楽屋で落ち込んでいる。出来に満足できなかったようだ。実際に、この会のことを書かれた方のブログを以前読んだが、噛む場面も多く出来栄えは今ひとつだったようだ。

 その会からしばらくして、喬太郎の言葉。
 「せっかく落語家になったんだから・・・いっぱい落語をやりたい」
 
 よみうりホールでの会のすぐ後にあった前進座での親子会の楽屋(と思しき場)で、師匠さん喬が語った言葉が、重かった。
 「二ツ目の頃からちやほやされて・・・苦労をしていない」
 「古典落語に関しては・・・他の人に七~八年遅れている」

 さん喬がこのように思っているのは、私は意外だった。そして、さん喬の言う“他の人”が誰を指しているかを想像し、白酒や三三をイメージした。

 では、喬太郎本人は、どう思っているのか。こんな言葉が語られた。
 「基礎は古典落語・・・基礎のやり直しをしたい」
 「前座とは言わないけど、二ツ目さんに戻るつもりで・・・」
 「それでないと・・・将来だめになると思う」
 
 喬太郎自身の危機感も、結構深い。そして、この人は分かっている。

 この後にラジオ番組のDJシーンや学校寄席などの様子、末広亭での主任口演などなどが続くが、もっとも楽しかったのが昇太と飲んでいるシーン。これ以上は再放送を期待する人のために伏せておこう。

 古典と新作の両方であれだけの高座を演じることのできる当代の噺家は、喬太郎以外に見当たらない。彼の実力、センス、個性などは私が言うまでもなく飛び抜けている。
 しかし、私は喬太郎の古典が好きだし、もっと演じて欲しいと思っている。この番組の喬太郎の言葉から、これからしばらくは期待できるかもしれない。
 また、ここ数年、彼が迷いがあるようにも見受けたが、この番組で、その悩みのほんの一部を覗くことができたような気がする。彼が目指す落語家、高座でかけたい噺などについてもいくつかヒントがあった。

 今後も喬太郎をしっかり聞きたい、と思わせた好企画だった。
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by kogotokoubei | 2012-01-06 22:15 | テレビの落語 | Comments(6)
BS-TBSで12月30日に放送された「落語研究会スペシャル『追悼 立川談志さん』」の録画を見た。BS-TBSサイトの該当ページ  
 国会議員時代である昭和48(1973)年の高座『鉄拐』よりも、昭和41(1966)年に余興として行われたであろう、師匠小さん・談志・小三治(当時、さん治)の三人による『蒟蒻問答』が、珍しくもあるし、お三方の若々しい映像と芸が楽しかった。師匠小さんが51歳、談志が真打昇進から三年経た30歳、当時まだ二ツ目の小三治(さん治)は26歳という若さ。
 蒟蒻屋の六兵衛を師匠小さん、六兵衛の所に転がり込んだ政五郎役を談志、六兵衛を禅僧と思い込み問答を挑む越前永平寺の僧(沙弥托善)に小三治が扮し、三人での落語が、何とも貴重な映像だった。
 リレー落語で上と下を二人の噺家が演じることは今でも時折行われるが、同時進行の高座を三人で役割分担して演じるというのは珍しいし、この三人が演じたのである、出来が悪かろうはずがない。

 45年前の二十代の映像を挟んで、インタビューで登場するのが、現在の小三治。小三治が、談志を、特に小三治が前座当時、二ツ目時代の談志を思い出して、絶賛していた。「志ん朝よりも・・・・・・」と言う言葉には、ちょっと抵抗があったが、考えれば、入門したての郡山剛蔵少年の目の前に、談志はいたのだ。当時二ツ目の柳家小ゑんは、年齢は小三治の三つ上だが、入門では七年先輩。しかも、すでに若手落語家のホープとして周囲も実力を認め将来性を高く買われていた存在だったわけだ。前座時代の小たけにとっては、あまりにも遠い、そして光輝く存在だったであろう。

 談志が亡くなるまでは、落語協会の幹部という立場上もあって本音を吐露できなかったであろう心の底の思いを、過去を振り返りながら訥々と語る小三治の姿から、その感慨の深さを察することができる。教員である親の反対に抗して入門した若き日、間近で見て圧倒されていた天才的先輩談志への羨望の眼差しを、思い浮かべることができる。

 三人落語の行われた昭和41年は、ちょうど談志の発案で「笑点」の放送が始まった年である。ある意味で、もっとも才気に溢れエネルギッシュな時期と言えるかもしれない。その三年後、さん治は十七人抜きで真打に昇進し、小さんへの出世名と言える小三治を襲名することになる。*六代目小さん、継いで欲しかったなぁ・・・・・・。 
 同門のすぐ近くにいる天才肌の談志、そして古今亭で輝きを放つ“プリンス”志ん朝を遠くに見上げながら、達者な先輩達に追いつこうと小三治が必死にもがいていたのは、間違いがない。

 懐かしい小三治の映像と現在のインタビューを見ながら、だからこその、今春の一之輔の抜擢でもあるのかもしれない。そんなことやあんなことを思わせる番組だった。 


p.s.
TBSチャンネルで、2月5日に放送されるようです。TBSチャンネルのサイトの該当ページ
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by kogotokoubei | 2012-01-04 15:13 | テレビの落語 | Comments(10)
テレビ朝日で放送されている「落語者」は、BS朝日でもほぼ半年遅れで放送されている。テレビ朝日が金曜の深夜の放送、BSの再放送は月曜夜。次の12月12日は入船亭扇辰の『天狗裁き』。今年5月20日地上波での放送分であるが、BS朝日のサイトの番組ページが、何ともそっけないのと、更新が遅すぎる。次のように、現時点(12月7日午前6時半時点)で、11月放送分を「放送予定」として掲載したまま。BS朝日のサイトの「落語者」のページ

放送予定
11月7日(月) 夜11:30~深夜0:00 三遊亭兼好
11月14日(月) 夜11:30~深夜0:00 三遊亭兼好
11月21日(月) 夜11:30~深夜0:00 桂吉坊
11月28日(月) 夜11:30~深夜0:00 桂吉坊



 おいおい、なのだ。地上波のそのままの順番での放送なら、12日の『天狗裁き』の次は同じ扇辰で『三方一両損』になる。テレビ朝日サイト「落語者」の過去の放送のページ

 テレビの現役落語家の高座を中心にした番組で、「落語研究会」(TBS)や「日本の話芸」(NHK)のように落語会が主体でテレビが二次的な場合を別とするなら、「落語者」と対抗するのは、BSジャパンの「今どき落語」になるだろう。プリ(放送前)でもポスト(放送後)でも、その番組の情報の確認は放送局サイトの番組のページが主体となると思うが、BSジャパンの「今どき落語」のページは、なかなか充実していると思う。BSジャパンのサイトの「今どき落語」のページ
 
 良くも悪くも、ネットの時代である。そして、デジタル化によって、BSの視聴対象者も格段に増えたはず。番宣の中核メディアであるサイトの内容や更新のスピードは、その局が番組にかける意気込みを反映しているように思うのだが、朝日さんは、どう思っているのだろう。

 私は、両局ともに頑張ってもらい、今のシリーズが長続きすることを願っている。テレビの落語は、もちろん生の高座とは違うが、重要な情報源として私は結構見ている。ブログにはすべてを書いていないが、それはご容赦のほどを。第1シリーズの「落語者」が終ってBSで再放送された時は、結構ポジティブなことを書いた。2010年4月1日のブログぜひ、番組のサイトも手を抜かずに願いたい。


 さて、扇辰のこと。私はブログで二席とも取り上げた。未見の方の楽しみのためにあえてリンクはしないが、早い話がお奨めである。

 BS朝日のサイトへの小言を言いたいことと、扇辰の高座を地上波で未見の方にお奨めしたくて書いた次第です。扇辰、今もっとも充実している噺家さんかもしれない。見て損はないと思いますよ。
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by kogotokoubei | 2011-12-07 15:39 | テレビの落語 | Comments(4)
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BSジャパン「今どき落語」11月17日のページ
 木曜日放送の録画を、今ほど見たところ。彦いちが2000年にNHK新人演芸大賞を受賞した時のネタを、初めて聞いた。
 「ドキュメンタリー落語」と説明していたが、彦いちが経験した「ある晴れた日の夜の上りの京浜東北線での出来事」、という触れ込み。
 川口と西川口の間で、“接触事故”で電車が急停車してからの物語。彦いち描く乗客達の姿が、可笑しくもそれぞれの人々の典型的と思える姿を浮かび上がらせている。

 上司と部下の“疲れたサラリーマン”二人連れ。上司が「人身事故だな」と言うと、調子のいい部下が「そうですね、人身でしょうね」と合わせる。
 そういった声を耳にして、「人身事故らしいわよ」と、噂を事実に昇格させるのが得意な“オバちゃん達”。
 マナーを守らず、「(ふ)ザケンナヨ~」とわめく、“切れる若者”、など。

 マクラも良かったし、途中で入る若者言葉の事例(?)も可笑しかった。

 10年前の内容からどう変わったかは分からないが、

 ・何の合理的な根拠もなく、頼りにならない勘と経験のみで自説を主張する上司
 ・本音は「何言ってんだこの人?」と思いながらも、「その通り!」と調子よく合わせる部下
 ・周囲を気にすることなく大きな声で、その場にいない人のことを噂する、オバちゃん達
 ・「キレ」たフリをするのがカッコいいと思い、“ぶっちゃけ”など定型フレーズしか話せない若者

 という登場人物は、ここしばらくは社会という舞台の中心的なプレーヤーとして存在し続けるだろうから、この噺の息は長いだろう。秀逸な新作である。

 新作、と言えばSWAの会は結局一度も行ったことのないうちに、解散となった。新作よりは古典が好きだし、複数の高座の中の一部が新作ならまだしも、全部新作の落語会というのは、どうしても腰が引けてしまう。

 喬太郎の新作は秀作が多いが、本音のところは常に古典を期待しているので、落語会で彼の新作に出合った時は、その高座がどれだけ良くても、心底喜べないのだ。

 新作には、どうしても“無理”を感じることが多い。その設定、笑いをとるための筋書き、サゲ、などにおいて。しかし、彦いちのこの噺は、本当にあった話のように思える、無理のなさを感じる。この噺なら、また生の高座でも聞きたい、そんな気がした。
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by kogotokoubei | 2011-11-19 07:05 | テレビの落語 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛