噺の話

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カテゴリ:テレビの落語( 95 )

 今年のNHK新人落語大賞の出場者などが、NHKのサイトに掲載されていた。

NHKサイトの該当ページ

 23日(月)に大阪で開催だが、放送日はまだ決まっていないようだ。

 出場者の五人は、次の通り。
桂 三度、古今亭 志ん吉、三遊亭 歌太郎、笑福亭 喬介、立川 こはる(五十音順)

 東京三人、上方二人は、いつもと同じ。

 予選参加者がそれぞれ何人いたのかは、まったく分からない。

 何度も書いてきて、自分自身で飽きがきているが、予選を公開して欲しいものだ。

 三度以外は、生の高座を聴いている。

 落語と漫才を分けて現在のような形式で表彰し始めてからの大賞受賞者は、次の通り。
-------------------------------------------------------------
        西             東
1994年                桂平治(→桂文治)
1995年                柳家三太楼(→三遊亭遊雀)
1996年                古今亭志ん次(→志ん馬)
1997年  桂宗助
1998年                柳家喬太郎
1999年  桂都んぼ(→米紫)
2000年                林家彦いち
2001年  桂三若
2002年                古今亭菊之丞
2003年                古今亭菊朗(菊志ん)
2004年  桂かい枝
2005年                立川志ら乃
2006年  笑福亭風喬
2007年  桂よね吉
2008年                三遊亭王楽
2009年                古今亭菊六(→文菊)
2010年                春風亭一之輔
2011年  桂まん我
2012年                桂宮治
2013年                鈴々舎馬るこ
2014年                春風亭朝也(→三朝)
2015年  桂佐ん吉
2016年  桂雀太
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 地の利で考えると上方有利なのだが、昨年、一昨年と上方の噺家が大賞受賞。
 
 どうも、今年は東に軍配が上がるような気がしている。

 私の予想、あるいは、希望かな^^

◎(本命) 古今亭志ん吉
 今年横浜にぎわい座で聴いた『明烏』が、実に良かった。
2017年2月27日のブログ

 また、昨年の「さがみはら若手落語家選手権」本選の『片棒』に、私は一票を投じた。
2016年3月14日のブログ

 上方の観客には地味に映るかもしれないが、この人が実力通りの高座を披露
 したら、優勝の可能性は高いと思う。と言っても、審査員次第だなぁ。

○(対抗) 立川こはる
 東京の女流では実力ナンバーワンと、私は思っている。
 彼女の江戸っ子の啖呵が生きるネタで、ぜひ勝負して欲しい。
 最近はあまり聴いいていないが、大門で開催されていた「かもめ亭」の
 頃から、実力はもっとアップしているはず。
 立川流から志ら乃以来、かつ女流初の優勝も夢ではない。

▲(穴) 笑福亭喬介
 上方では珍しく、端正で大人しい高座とも言えるが、その実力はかなり高い。
 もし優勝したら、師匠が七代目松喬の名跡を継いだお祝いになるね。


 歌太郎の明るい高座も嫌いではないが、やや線が細いかな。

 三度は、なぜこの人が何度も本選に出ることができるかが疑問。
 他にも上方には若手の実力者は多いはず。

 私が期待していた、柳亭小痴楽や入船亭小辰などは予選に出たのかどうか。

 昨年も記事に書いたように、一昨年同様、審査員の採点については大いに疑問を感じた。
2016年10月31日のブログ

 背中に東や西や一門、協会の看板がはっきり見える審査員や、その落語審美眼に疑問のある人の審査に、今年も閉口してしまうのだろうか。

 出場者も気になるが、審査員の顔ぶれにも危惧を抱く、そんなイベントになってきた。

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by kogotokoubei | 2017-10-13 12:18 | テレビの落語 | Comments(4)
 こんなニュースを目にした。CINRA.NETというサイトの記事。
CINRA.NETの該当記事

ピエール瀧らが春風亭一之輔の落語にアテブリ NHK『落語 THE MOVIE』特番
2017/04/14 21:06

落語番組『超入門!落語 THE MOVIE スペシャル(仮)』が5月2日にNHK総合で放送される。

同番組は、昨年10月からレギュラー番組として放送された『超入門!落語 THE MOVIE』の特別版。『超入門!落語 THE MOVIE』では落語を映像化し、噺家の語りにあわせて役者の口が動く「アテブリ芝居」によって、落語を初心者にも親しみやすい作品に仕立て上げる。

特番では親子の情愛を描いた演目『藪入り』を放送。噺家として春風亭一之輔が出演し、リップシンクを駆使した「アテブリ芝居」にはピエール瀧、鈴木保奈美、鈴木福が登場する。
 NHKの番組サイトでは、まだ案内されていないように思う。

 一之輔は、「プロフェッショナル 仕事の流儀」について記事を書いたが。年間350日、900席という高座をこなしながら、この番組への出演も少なくない。
 いわば、凖レギュラー的存在。とにかく、仕事を断らないのだろう。

 ピエール瀧は、私は林家しん平監督の「落語物語」で初めて知った役者さんだが、あの噺家の今戸家小六役は悪くなかった。
 テレビで観た感想は以前記事にしている。
2012年4月30日のブログ

 『藪入り』という噺は、二年前の大学の同期会での宴会の余興で演じて、ややすべった経験がある。
 素人が宴席で酔った客の前で披露するには、マクラを含めて少し長すぎた。

 奉公先から久しぶりに帰って来る我が子と両親との物語だが、今ではなくなった奉公という風習やネズミ退治のことなどをマクラで仕込む必要がある。

 前夜眠れず我が子を待ちわびる両親の様子や、子供が帰ってからの勘違いによる一騒動など、意外に難しいネタだと思う。

 一之輔のこの噺は初めて聴く。
 ちなみに、真打昇進披露興行では、二度(鈴本三日目、国立六日目)演じている。

       (一之輔の真打昇進披露興行におけるネタ一覧)
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 一之輔が、この番組用に、どんな端折り方をするのかは、興味深い。

 また、ピエール瀧、鈴木保奈美、鈴木福といった出演者のアテブリ演技も、楽しみ。

 子供の日を直前に控えた、好企画ではないだろうか。

p.s.
他のネットメディア(ORICON NEWS)などによると、放送は、5月2日(火)午後10:00~10:25とのこと。
ORICON NEWSの該当記事

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by kogotokoubei | 2017-04-16 17:25 | テレビの落語 | Comments(2)
 昨夜、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、なんと春風亭一之輔。
NHKサイトの該当ページ

 これまでこのシリーズで取り上げた“プロフェッショナル”の中では、39歳というのは、最年少かどうかは、よく調べていないので分からないが、間違いなく、若い方に入るだろう。

 お題は「遠くを見ない、目の前を生きる」だった。

 NHKの番組サイトから引用する。
今の自分を写す 

江戸時代以来と言われる平成“落語ブーム”をけん引する、春風亭一之輔(39)。
人間国宝・柳家小三治が「久々の本物」だと称賛し、21人抜きで真打ちに大抜てきした。
その真骨頂は、古典落語を守りながらも、現代的なギャグをいれるなど自分の言葉で大胆にアレンジすること。さらに高座に上がる度にセリフを練り直し、絶えず進化させていく。
卓越した話芸を支えるのは、「今の自分を落語に写す」という一之輔の流儀。
たとえば十八番の噺(はなし)のひとつ「初天神」に出てくる子ども・金坊は、自らの次男がモデル。目つき、言い方、しぐさ、日常で垣間見せるさまざまな所作を投影している。またそのために、家族、学校の先生、テレビでみる芸能人、駅ですれ違う人など、あらゆる人を常に観察しているという。そこで感じたことを自分の中に取り込み古典落語としてはき出した時、現代的な表現となり今の時代にあった落語となっていく。

目の前だけを、見る

一之輔は、年間350日、およそ900席もの高座に立ち、落語界一多いとされる。
一席でも多くの高座にあがることが一之輔のこだわりだ。
大胆な落語で客を沸かせる一之輔だが、その素顔は正反対。客に受けないことを何より恐れ、楽屋では人知れずぼやき、迷い、不安と闘い続けている。
身ひとつで高座にあがり、自らの話芸のみが頼りの「噺家(はなしか)」。芸を追求する道に終わりはない。場数を踏みどれだけ人気がでようと、一之輔は歩みをとめない。時に受けなければ、その場でもう一席別の古典落語をはなすこともある。
噺(はなし)をよりおもしろくするために、どんなに忙しくても時間を見つけては、歩きながらでも稽古する。根はひねくれ者だが、落語にだけはどこまでも真摯(しんし)に、貪欲に向き合い続ける。

「目の前ですね、一席一席だな。常連さんや初めて来るお客さんに笑ってもらう、その責任を果たすだけです。」
遠い将来よりも、目の前の一席に力の全てを注ぐと決め、今日も高座にあがる。

 350日、900席・・・凄い!
 ほとんど寄席は休んでいない勘定。

 番組前半は、本人の語りも含む、これまでの半生について。
 そして、家庭での三人の子どもの父親の姿もカメラは追いかけていた。

 四年半ほど前に、彼の著作『一之輔、高座に粗忽の釘を打つ』について記事を書いた。
2012年10月8日のブログ
 あの記事では、彼の一人での真打昇進披露興行を中心に紹介したが、同書には、彼の半生についても語られている。

 もちろん、同じ人間のことなので、あの本で知った内容と重なるが、テレビの時間的な都合もあるので、やや食い足らないのはしょうがないか。
 高校時代のラグビー部での葛藤や、たまたま電車を降りた浅草での寄席との出会い、一朝を師匠としようと思った理由などは本の方がずっと詳しいので、興味のある方はご一読のほどを。

 後半は、自作の『手習い権助』というネタが中心になっていた。

 ある落語会のために作った新作を、いかに寄席でもかけられる内容に磨き上げていくか、というような内容。
 その落語会とは、2月2日に開かれた「らくご@座・高円寺」の天どんとの二人会で、同落語会のサイトに、内容が載っている。
「らくご@座」サイトの該当ページ

 一昨日、末広亭で彼の『権助芝居』を聴いた。
 たった8分で会場をひっくり返した力量には、あらためで感心したが、聴きながら、権助という人物が、実に馴染んでいるように感じたのは、『手習い権助』をずっと磨いていたせいか、などと見ながら勝手に合点していた。

 番組で少し小言を言うなら、彼の「寄席」への執着について、もっと描いて欲しかった。
 年間350日、900席ということは、どれだけ寄席を大事にしているか、という証なのである。

 真打昇進後、今後はチケットがますます取りにくくなるなぁ、とは思っていたが、予想以上の人気上昇である。
 そして、彼はその人気に我を忘れたり、自惚れることはなさそうだ、と思っていたが、こちらは予想通り。

 元々、寄席が大好きであり、その寄席のお客さんを楽しませるために、古典のどこをどう自分なりの噺として磨いていくかを、常に考えている姿をこの番組で確認できて、安心した。

 この番組で初めて一之輔を知った方も多いはず。
 ますますチケット争奪戦が激しくなるのは覚悟しよう。
 だから、寄席で聴くのが一番だな、などとも思う。
 
 この番組の収録の裏話(?)を、週刊朝日の彼のコラムで取り上げたようで、「dot」のサイトに載っていた。
「dot」サイトの該当記事

 一部を紹介する。

 去年から密着されている。一つはNHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」。いろいろ取材を受けてきたが、とうとう親分みたいなのが来ちゃったよ。NHK、ネタギレだろうか? 「流儀」も何もないヤツを取り上げて大丈夫か? 番組成り立つのか?

 暮れにオファーが来て、年明けから3月頭までほぼ毎日密着。ディレクターさんが若い。30代前半、イケメンだ。NHKのディレクターってみんな和田勉みたいな個性的な生き物系おじさんだと思ってたので意外である。

 積極的にヤラセ演出に協力しようと思ってたのに、「いつも通りにしてください」と肩透かしをくらう。捨て猫を拾ってミルクあげたり、お婆さんをおぶって横断歩道渡ったりするつもりでいたのに残念だ。

 お婆さんをおぶって、を読んで「お前は、笹川良一か!?」と心の中で突っ込んでいたが、一之輔、あのCM見てた世代か・・・・・・。

 もう一つの“密着”は、ある本の取材だったようだ。


 今後の東京の落語界を背負って立つ一人であることは間違いない男。
 もうじき四十路を迎える。

 いつかは壁にもぶつかるだろう。
 しかし、あくまで目の前の“寄席”の高座に集中する姿勢を忘れないことで、その壁を超えることが、この人には出来ると思う。

 そして、噺をどう彼なりに、そして今なりに変えるかを常に考え、世の中を、人を、家族を観察しているから、その新しいクスグリが活きている。

 たまには変えてすべるクスグリもあるだろうが、聴く度にどう変わるを楽しめる希少な噺家、一之輔に今後も期待する。

 最後に「プロフェッショナルとは」というお決まりのサゲの質問への答え、サイトには二つ目の答えが載っていないが、私にはそっちの答えこそ“プロフェッショナル”の証だと思ったなぁ。

 昨日見逃した方は、再放送(4月14日午前2時15分~午前3時04分-木曜深夜-総合)をご覧のほどを。

 
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by kogotokoubei | 2017-04-11 12:52 | テレビの落語 | Comments(8)

 5日の記事で、NHKの落語アテブリ番組「超入門!落語THE MOVIE」の、高座のみを別に放送して欲しい、と書いた。
2017年1月5日のブログ

 ある方から教えていただいたのだが、別番組とはならなかったものの、NHKの同番組サイトで、次週の予告のみならず、過去のものを含め高座の動画を公開してくれるようになった。


 ここ数日、あまり楽しいニュースがない中、私にとっては嬉しい出来事。

 私のように高座のみを見たい、という方からの要望が多かったのだろう、きっと。

 ネタについての簡単な説明も載っている。なかなか親切ではないか。

 とはいえ、昨夜の兼好『二番煎じ』で、火の用心の夜回り場面を割愛したように、本来の内容の短縮版が多いことは補足しておきたい。

 ご覧いただくと分かるのだが、それそれの噺を8~10分位。

 この番組で落語に興味を持たれた方は、ぜひ寄席や落語会でオリジナル(?)を楽しんでいただきたい。

 また、落語愛好家の方は、どこを端折ったかを発見するのも、この番組の楽しみ方になるかもしれない。

 なお、来週の『風呂敷』(古今亭菊志ん)は、女房役が野々すみ花。
 『吉原裏同心』の薄墨太夫 や『あさが来た』の美和さん。
 元宝塚出身の方で、私の好みなので、楽しみだ^^


 たまにはNHKも、いいことやるじゃないの!

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by kogotokoubei | 2017-01-12 21:52 | テレビの落語 | Comments(2)
 昨夜、NHK総合の「超入門!落語THE MOVIE」を観た。

 この番組がレギュラー化されることを書いた記事は、驚くほどアクセスが多い。
2016年9月30日のブログ

 こんなことを書いていた。
 最近落語を楽しみ始めた若い方が知識を習得するためにも有効だろうし、今以上に落語愛好家のすそ野が広がることも期待できるので、レギュラー化は結構なことだと思う。

 できることなら、視聴率を追いかけず、人気者ではなくてもいいので、しっかりアテブリを含めた演技のできる芸人さんを起用してもらいたい。
 なぜなら、主役は「落語」のネタそのものであり、出演者ではないはずだから。

 また、ネタの中には、今の社会では使いにくい言葉や風俗もあるが、できるだけ忠実に再現して欲しい。

 学校じゃ教えない、実にためになる内容が落語には満載であることを、ぜひ伝えて欲しいものだ。

 当初よりも、いわゆるお笑い芸人さんばかりではなく、演技のできる(?)役者さんを起用する傾向が強くなったように思うし、演じる噺家も、まさに現役バリバリの実力者の名が並んでいる。
 
 そういう面では、私の期待は裏切られることはなかったとも言えるのだが・・・・・・。


 レギュラー放送が始まってから、今まで記事を書くことはなかった。

 せっかく案内をしていたのだから感想でも書くか、と思った時もあったが、どうしても小言になりそうで、気が進まなかった・・・・・・。

 しかし、小言幸兵衛なのだから、小言を書くのは当たり前か、と思い直し書こうと思う。

 たとえば、昨夜の『初天神』について、NHKサイトの番組のページには次のような説明がある。
NHKサイトの番組ページ

「初天神」…息子の金坊(鈴木福)を連れて初天神にお参りに行くことになった父親(松尾諭)。出店を見ても「あれ買ってこれ買って」と言わないと約束させたのに、金坊のアノ手コノ手のおねだりに根負けして…

 このネタについては、ずいぶん前になるが記事を書いている。
2009年1月24日のブログ

 その記事で紹介したように、原話は安永二年刊『聞上手』所収の「凧」なのだが、寄席で凧の場面まで演じられることは、稀有だ。

 だいたい、団子の部分まで。

 また、前座噺の範疇に入れられるが、決して生易しい噺ではない。

 浜美雪著『師匠噺』の「柳家さん喬・喬太郎」の章に、『初天神』修行中の喬太郎の回想がある。
浜美雪著『師匠噺』
「僕も中途半端な覚え方をしていたんですけど、『もうわかった。全然ダメだ』って途中で止められてこう言われたんです。
『お前の「初天神」には雑踏が出てない』って」
 劇画の名台詞を思わせる印象的な言葉だ。
「でもそんなことを前座の頃言われてもね(笑)。でも、あとの弟弟子はみんな『初天神』をどんどん上げてもらってるんですからね。
 ですから普段の生活については厳しいと思ったことはないですけど、落語の稽古に関しては確かに『何で俺だけが』っていうのはあったかもしれません(笑)」

 その厳しい師匠さん喬にしても、3日にNHK総合で放送された恒例の鈴本初席で、団子のアンコと蜜を言い間違えていたけどね^^

 いずれにしても、団子の蜜のように甘く見てはいけない噺であり、凧まで通しで演じられることは珍しいのは事実。
 昨夜の一之輔は、しっかり凧まで“通し”の高座で、その出来栄えも良く、なかなかの好高座だった。

 だから、見終えてから、「高座だけを楽しませてくれればいいのに」と強く思ったのである。

 部分的に一之輔の高座の映像に戻るのだが、ハナからサゲまで高座だけを楽しみたい、と私などは思う。

 もちろん、この番組があくまでアテブリを主体として成り立つことは百も承知ではあるが・・・・・・。

 NHKのサイトには、この番組の意図らしきものについて、次のように記されている。
ふだん、想像で楽しむ落語の演目を、落語家の語るはなしに合わせてあえて映像化。完璧なアテブリ芝居をかぶせてみたら…初心者でも楽しめる新たなエンタメが誕生しました!

 「想像で楽しむ」落語を、「あえて」映像化しているのだ。
 演ずるタレントさんや役者さんも、大変だろうなぁ。
 しかし、問題は、そのアテブリがどこまで「完璧」にできるかどうか。
 というか、「完璧」は難しいから、どこまで落語本来の楽しさを伝える映像化ができるか、が重要だろう。
 『初天神』の親子、一之輔のスピーディな語り口に合わせ、なかなか頑張っていたと思う。

 レギュラー放送化についてNHKのサイトでは次のように紹介していた。

とかく「長い」「単調」「難しい」と言われがちな落語に、完璧な「アテブリ芝居」をかぶせてみたら…初心者でも「面白くわかりやすい新たなエンタメ」が誕生!名付けて「超入門!落語THE MOVIE」。
 噺家の語りに合わせて再現役者の口が動く、いわゆる「リップシンク」に徹底的にこだわり、あたかも落語の登場人物たちが実際に話しているかのような臨場感を演出。見ている人をリアルな落語の世界へと導きます。


 「長い」「単調」「難しい」という感想は、たぶんにそのネタや演じる噺家さんに依存するが、たしかに、そういうイメージは初心者の方に強いかもしれない。
 というか、いまだに「笑点」の大喜利を「落語」と思っている方もいらっしゃる。

 だから、初心者の方に落語の楽しさを味わってもらう方法の一つとして、この番組は存在意義はあるのだろう。

 ちなみに、レギュラー化以降の出演者とネタは次の通り。

--------------------------------------
第1回 10月19日
『かぼちゃ屋』 春風亭一之輔
『お見立て』  古今亭菊之丞

第2回 10月26日
『粗忽長屋』 桃月庵白酒
『目黒のさんま』 春風亭一朝

第3回 11月2日
『転失気』  柳家三三
『粗忽の釘』 林家たい平

第4回 11月9日
『時そば』 春風亭一之輔
『三年目』 三遊亭兼好

第5回 11月30日
『猫の皿』 柳家三三
『三方一両損』 春風亭一朝

第6回 12月7日
『長短』 柳亭市馬
『はてなの茶碗』 桂雀々

第7回 1月4日
『初天神』 春風亭一之輔
『饅頭怖い』 古今亭菊志ん
--------------------------------------

 そして、来週11日は、三三の『釜泥』と兼好『二番煎じ』と案内されている。

 
 一之輔、三三をはじめ、第一回からの顔ぶれは、まさにバリバリの現役中堅の噺家さん達。

 くどいようだが、高座のみで、「想像」する楽しさを味わいたい演者とネタが並ぶ。


 そろそろ、せっかくの企画に水を差すような小言はここまでにして、私の提案。

 この番組で、初心者の方がアテブリを楽しんで落語への興味を抱いたのなら、「日本の話芸」でもいいし違う新番組でも結構、ぜひ、元となった高座の映像のみを放送してはどうだろうか。

 落語番組の素材を、主催する東京落語会以外に広げる好機ではなかろうか。

 「あのネタ、落語だけ見てみたいなぁ」という願望は、きっとあるはず。

 NHKとしても、高座はアテブリのためにも通しで収録しているのだから、コンテンツとして高座のみを放送することは、一度で二度美味しいわけで、悪い話ではないはず。

 ぜひ、高座->アテブリ->高座、という先祖帰りとも言える企画、NHKの担当の方にご検討いただきたいものだ。

 かつて放送されていた、この番組に出演しているような、現役中堅どころの噺家さんを中心とする民放の落語番組が、ことごとく終わっている。
 視聴率が低かったせいで、スポンサーが降りたのかと察する。
 そこはNHK。ぜひ、同時代で観て楽しく、十年後には貴重なライブラリーとなるであろう高座の放送、実現して欲しい。

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by kogotokoubei | 2017-01-05 21:45 | テレビの落語 | Comments(8)

 昨夜、録画を観た。
 ネットのニュースなどで優勝者が桂雀太であることはすでに知っていたが、小痴楽がどこまで迫ったのかなどに興味があった。

 出演順に感想や私なりの10点満点の採点を記す。

春風亭ぴっかり☆『湯屋番』 
 文珍も指摘していたが、若旦那という“男”の視線で描かれた噺に
 あえて挑戦した、ということか。
 しかし、どうしても無理がある。彼女が権太楼いわく「かわいい」
 からこそなのだろうが、女性であることを忘れさせる高座とは言い難く、
 妄想で芸者と会話する場面も、女同志の掛け合いに思えてしまうのだ。
 前回の『反対俥』よりは高座そのものは良かったとは思うが、ネタ選び
 は工夫する余地ありだろう。
 私の採点は、8。

桂 雀太『代書』 
 楽しみにしていた人。
 代書屋にやって来た男の名が松本留五郎である。大師匠枝雀から師匠の
 雀三郎を経た、一門のネタ、ということだ。
 受賞決定後のインタビューで、師匠から教わったまま、と話していたのが、
 印象に残る。
 結構、二枚目だったなぁ。
 悪くはない・・・しかし疑いなく優勝という高座でもなかった。
 だから、意外な相手との決戦投票になったのだろう。
 私の採点は、最高点には届かないものの、9。

桂 三度『虹』 
 前回同様、冒頭に「お邪魔します」と言うのだが、これはやめて欲しい。
 虹の七色を擬人化するというアイデアは悪くはない。
 サゲで阪神タイガースを持ち出すのも、上方らしさがあると言えるだろう。
 前回よりは、漫談から落語に発展しつつあるのも感じた。
 採点は、8。

柳亭小痴楽『浮世床』 
 このネタは小咄のオムニバスと言えるので、具体的な内容は『浮世床-夢の逢瀬-』
 とでも書くのが正しいのだろう。あるいは「夢」だけでも通じるかな。
 悪くはないのだが、少し力が入り過ぎたかな、という印象。
 権太楼が指摘したように「一本調子」の感がぬぐえず、もう少し緩急をつけていたら、
 と悔やまれる。
 また、NHK、ということを考えると、ネタ選びがやや艶っぽ過ぎた感もあるし、
 サゲも下がかっているのが、審査結果に悪影響を与えたかもしれない。
 とはいえ、江戸っ子の威勢のいい語り口は聴いていて心地よい。
 最高点はつけられないが、私の採点は、9。

春風亭昇々『最終試験』 
 会場には、若い落語愛好家も多かったようで、受けてはいた。
 しかし、私は、この新作を高く評価する審査員の気持ちが分からない。
 好み、相性の問題でもあるが、その会社の社長の息子の採用面接における身振り、
 表情、語り口などは、ウケを狙って基本を崩し過ぎた、漫談の芸にしか思えない。
 採点は、7。


 私の採点では、全体に最高点10をつけたい人はいなかった。
 雀太と小痴楽が9で同点。どちらが優勝しても良い、という印象。

 しかし、次の審査員は、私には意外な採点をしていた。

<審査員>
桂文珍
柳家権太楼
近藤正臣
松倉久幸(浅草演芸ホール会長)
恩田雅和(天満天神繁盛亭支配人)
神津友好
井上啓輔(NHK制作本部エンターテインメント番組部部長)

 この七名の審査結果は、こうだった。

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 雀太、昇々が、ともに64点で決選投票。
 雀太に、文珍、近藤、恩田、井上の4名が投票し、昇々に挙げた権太楼、松倉、神津の3名を上回った。

 東京開催で、東京の三人が地の利を生かすことはできなかった。

 しかし、そもそも“地の利”などはなさそうだ。
 どこで開催されていようが、審査員の採点には、結構明白なバイヤスがかかっているように思う。

 今回の各審査員の採点で思うことを記す。

 前回の三度の採点でもそうだったが、文珍は、どうしても一門への採点が甘くなるような気がしてしょうがない。あの雀太より三度が上、という評価は疑問だ。
 小痴楽の10は結構なのだが、相手は雀太だろう・・・・・・。

 権太楼は、昨年の佐ん吉にも8をつけていたが、相変わらず上方本格派に辛いなぁ。また、小痴楽のみならず三度と昇々を10とは驚いた。何か政治的な背景でもあったのか。

 近藤正臣は、雀太が優勝、という意思表示が明確。それはそれで良いのだろう。

 松倉久幸は、相変わらず落語芸術協会応援団、という印象。昨年も鯉八のみ10だった。

 恩田雅和は、上方応援団は明白。松倉会長とこの人は、旗色があまりにも鮮明^^

 神津友好の今回の採点には、首をかしげる。なぜ、小痴楽が最低点の7なのか・・・・・・。

 NHKの井上という人の採点も、なぜ小痴楽がぴっかり☆同様に最低点の8なのか、私にはまったく理解できない。
 NHKの審査員は、昨年も実に不思議な採点だったことを思い出す。


 ということで、昨年と一昨年の審査結果を再掲する。

 昨年の審査員は、こうだった。
<2015年の審査員>
桂文珍
柳家権太楼
恩田雅和(天満天神繁盛亭支配人)
松倉久幸(浅草演芸ホール会長)
片岡鶴太郎
やまだりよこ(演芸ジャーナリスト)
山元浩昭(NHK大阪放送局制作部部長)

         ベ瓶   佐ん吉   鯉八   小痴楽   昇々
桂文珍     9    10     9     10     9  
柳家権太楼   8     8     8     10     7
恩田雅和    9    10     8      9     8
松倉久幸    9     9    10      9     9
片岡鶴太郎   9    9      10      9     9
やまだよりこ  9    10     9     10     8
山元浩昭    8    10     9      8    10
合計     61    66     63     65     60  

 ちなみに、私の採点は、ベ瓶 7、佐ん吉 10、鯉八 7、小痴楽 10、昇々 7、だった。


 一昨年は、こうだった。
<2014年の審査員>
桂米丸
桂文珍
松倉久幸(浅草演芸ホール会長)
恩田雅和(天満天神繁昌亭支配人)
山本一力
神津友好。
三溝雅和(NHK制作局エンターティンメント番組部部長)


 先に私の採点結果。
           昇吉  ベ瓶  三度  歌太郎 朝也
小言幸兵衛    9    8    7    8    9


 そして、審査員の採点結果。

        昇吉    ベ瓶    三度    歌太郎    朝也
桂米丸           8     8     8     8
桂文珍      8     8     9     9     9
松倉久幸      9     9     9     9     10
恩田雅和      9     9    10      9      9
山本一力       9     9     7    10      9
神津友好      9     8     8     7     10
三溝敬志      9     8     8     8     9
合  計    62    59    59     60     64   



 これだけ、東京応援団とか、上方応援団、また芸協応援団などの“旗色”がはっきりした人たちによる審査って、どう考えたらよいのだろう。

 今回は、今一つ飛び抜けた高座は見当たらなく、審査結果にも納得がいかない、やや残念な思いで観終わった。


 落語と漫才を分けて現在のような形式で表彰し始めての結果は、次のようになった。
-------------------------------------------------------------
        西             東
1994年                桂平治(→桂文治)
1995年                柳家三太楼(→三遊亭遊雀)
1996年                古今亭志ん次(→志ん馬)
1997年  桂宗助
1998年                柳家喬太郎
1999年  桂都んぼ(→米紫)
2000年                林家彦いち
2001年  桂三若
2002年                古今亭菊之丞
2003年                古今亭菊朗(菊志ん)
2004年  桂かい枝
2005年                立川志ら乃
2006年  笑福亭風喬
2007年  桂よね吉
2008年                三遊亭王楽
2009年                古今亭菊六(→文菊)
2010年                春風亭一之輔
2011年  桂まん我
2012年                桂宮治
2013年                鈴々舎馬るこ
2014年                春風亭朝也
2015年  桂佐ん吉
2016年  桂雀太
-------------------------------------------------------------
 
 来年は、どんな顔ぶれが出場するか分からないが、審査員はそろそろ刷新すべきではないかと強く思う。

 背中に東や西や一門、協会の看板がはっきり見える審査員や、その落語審美眼に疑問のある人は、そろそろ交替すべきだろう。

 とはいえ、審査員の審査をできる人ってぇのは、審査員より少ないのだろうなぁ。

 最後は、グチャグチャになって、お開き^^

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by kogotokoubei | 2016-10-31 12:54 | テレビの落語 | Comments(8)

 今年のNHK新人落語大賞も、まったく知らぬ間に予選が行われ、五人の出場者が決まったようだ。
 NHKのサイトに、出場者を含めて案内が載っている。
NHKサイトの該当ページ

 サイトから、そのまま引用する。だから、新人お笑い大賞のことも含んでいる。

日時
【NHK新人お笑い大賞】平成28年10月23日(日)
開場:午後3時15分  開演:午後3時45分  終演予定:午後5時20分
【NHK新人落語大賞】 平成28年10月24日(月)
開場:午後5時45分  開演:午後6時15分  終演予定:午後8時

会場
NHKみんなの広場 ふれあいホール (東京都渋谷区神南2-2-1)

出演予定
【NHK新人お笑い大賞】
[出演]アインシュタイン、アキナ、勝又:、
スーパーニュウニュウ、だーりんず、大自然、トット、ラフレクラン(50音順)
[司会]フットボールアワー、三輪秀香アナウンサー

【NHK新人落語大賞】
[出演]桂 三度、桂 雀太、春風亭 昇々、春風亭 ぴっかり☆、柳亭 小痴楽 (50音順)
[司会]林家たい平、雨宮萌果アナウンサー

 また、今年も、司会はたい平か。毎年替えたらどうかと思わないでもない。

 放送日の案内。

放送予定
【NHK新人お笑い大賞】
平成28年10月23日(日)
午後4時~5時18分【総合】(生放送)
【NHK新人落語大賞】
平成28年10月29日(土)
午後4時~5時13分【総合】

 出場者の桂三度、桂雀太、春風亭昇々、春風亭ぴっかり☆、柳亭小痴楽の中で、テレビも含めて未見なのは、初出場の雀太。

 昇々と小痴楽は昨年に続く出場。三度は2014年(朝也が優勝)に続き二度目、ぴっかり☆は2012年(宮治が優勝)に続き二度目の出場。

 昨年は、桂佐ん吉の『愛宕山』に、小痴楽の『真田小僧』は及ばなかったが、私の採点は同点だった。
 過去4年、録画した内容を見た感想や自分なりの採点を書いた記事は次の通り。ご興味のある方はご覧のほどを。
2015年11月1日のブログ
2014年11月3日のブログ
2013年10月20日のブログ
2012年11月4日のブログ

 現在のように、漫才と落語を分けて実施する形式になってからの優勝者は、このようになっている。
-------------------------------------------------------------
        西             東
1994年                桂平治(→桂文治)
1995年                柳家三太楼(→三遊亭遊雀)
1996年                古今亭志ん次(→志ん馬)
1997年  桂宗助
1998年                柳家喬太郎
1999年  桂都んぼ(→米紫)
2000年                林家彦いち
2001年  桂三若
2002年                古今亭菊之丞
2003年                古今亭菊朗(菊志ん)
2004年  桂かい枝
2005年                立川志ら乃
2006年  笑福亭風喬
2007年  桂よね吉
2008年                三遊亭王楽
2009年                古今亭菊六(→文菊)
2010年                春風亭一之輔
2011年  桂まん我
2012年                桂宮治
2013年                鈴々舎馬るこ
2014年                春風亭朝也
2015年  桂佐ん吉
-------------------------------------------------------------

 今年は東京での開催。
 昨年が、関西での開催で上方の佐ん吉が優勝。
 今年、地の利は、東京の三人にあるだろう。

 この三人のうち二人は、落語芸術協会の“成金”メンバーで、昨年はこの二人に加え、鯉八が出場した。よって、昨年は落語協会からは一人も出場できなかった。
 その落語協会から、紅一点のぴっかり☆が予選を突破したが、前回のネタ『反対俥』は、ややその奮闘ぶりが空回りした印象がある。優勝はそう簡単ではないように思うが、女としての強みが生きるような高座なら、可能性はないとは言えない。
 昇々は、昨年の『湯屋番』では辛口の感想を書いたが、一年間の成長がどれほどあったかを、楽しみにしている。イケメンだけではなく、実力が発揮できるかどうか・・・・・・。
 何と言っても、小痴楽が今年も出場してくれたのが、嬉しい。どんなネタで勝負するのか、楽しみだ。
 
 上方の二人。三度は、前回は噺家の高座とは思えない内容。冒頭に「おじゃまします」だったからねぇ。どこまで、お笑いピン芸人のおしゃべりから脱し、落語を演じることができるかを確認したい。

 雀太は、雀三郎の弟子。果たしてどんな噺家さんなのか、初めて聴く楽しみがある。
 
 聴いたことのない雀太がいるので、優勝予想は、しない。

 しかし、小痴楽には期待している。

 問題は審査員の顔ぶれだ。
 いろんな人がいるからね。

 また、録画を見て感想なりを書くつもり。

 秋を感じる、そんな年中行事になってきた。


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by kogotokoubei | 2016-10-04 12:42 | テレビの落語 | Comments(8)
 単発で放送していたNHKの「超入門!落語 THE MOVIE」が、10月19日から、毎週水曜夜にレギュラー化されるようだ。

 exblogのリンクの機能が拡張されて、上のようにすることもできるようになった。
 テキストリンクも残っているので、使い分けようと思う。
 上のNHKサイトから引用。
2016年3月に放送した第1弾、7月に放送した第2弾、ともに大好評をいただき、10月からレギュラー放送が決定しました!
とかく「長い」「単調」「難しい」と言われがちな落語に、完璧な「アテブリ芝居」をかぶせてみたら…初心者でも「面白くわかりやすい新たなエンタメ」が誕生!名付けて「超入門!落語THE MOVIE」。
 噺家の語りに合わせて再現役者の口が動く、いわゆる「リップシンク」に徹底的にこだわり、あたかも落語の登場人物たちが実際に話しているかのような臨場感を演出。見ている人をリアルな落語の世界へと導きます。

 3月は見逃したが、7月に放送された『お菊の皿』と『包丁』は見た。
NHKサイトの該当ページ
 印象的だったのは、三三の『お菊の皿』における「アテブリ芝居」で、塚地武雅と好対照だった元ボクシング世界チャンピオンの内藤大助の演技。素人くささが可笑しい、ともいえるのだが、やはり「アテブリ」(「リップシンク」!?)をしっかり演じないと、見ていて辛くなる。

 10月19日の第一回目なのかどうかは分からないが、、古今亭菊之丞の『お見立て』で、喜瀬川役を前田敦子が演じるようだ。
 スポニチに記事が載っていた。
スポニチの該当記事
 喜瀬川の配役の理由について関係者が「この花魁の“美しく、ちょっとわがまま”なところに合致した」と語っているようだが、あのわがままは、「ちょっと」どころではないだろう^^
 喜助は梶原善が演じるらしいが、これはうってつけではなかろうか。

 放送を楽しみに待とう。

 今CSで再放送されているテレビ朝日「落語者」やBSジャパン「今どき落語」は、結構楽しんでいたのだが、相次いで消えてしまった。
 たぶんに、その理由は視聴率が悪かったためだろう。

 そこは、NHKだ。視聴率はともかく、腰を据えて続けて欲しい。

 最近落語を楽しみ始めた若い方が知識を習得するためにも有効だろうし、今以上に落語愛好家のすそ野が広がることも期待できるので、レギュラー化は結構なことだと思う。

 できることなら、視聴率を追いかけず、人気者ではなくてもいいので、しっかりアテブリを含めた演技のできる芸人さんを起用してもらいたい。
 なぜなら、主役は「落語」のネタそのものであり、出演者ではないはずだから。

 また、ネタの中には、今の社会では使いにくい言葉や風俗もあるが、できるだけ忠実に再現して欲しい。

 学校じゃ教えない、実にためになる内容が落語には満載であることを、ぜひ伝えて欲しいものだ。
 
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by kogotokoubei | 2016-09-30 12:41 | テレビの落語 | Comments(2)
 落語芸術協会のホームページに、次のような情報が掲載されていた。
落語芸術協会ホームページの該当記事

5月11日 NHK「おはよう日本」放送の予定

最近TV各局で落語・寄席が取り上げられることが増えてきました。
そして、またまた5/11のTV放送で若手演者の活躍の様子が取り上げられる予定となりました。宜しければ是非ご覧下さい。今回は柳亭小痴楽のドキュメントです。

【放送予定】2016年5月11日(水)※7時台
NHK「おはよう日本」

※放送内容は急遽変更になる可能性もあります。

 これは楽しみだ。
 録画しておき、じっくり見よう。

 落語芸術協会の若手の中で、私が将来を期待する筆頭とも言えるのが、小痴楽。

 ご興味のある方は、ぜひ!

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by kogotokoubei | 2016-05-09 12:56 | テレビの落語 | Comments(2)

TBS「赤めだか」を見て。

 12月28日の夜TBSで放送された「赤めだか」の録画を、遅ればせながら、ようやく見た。

 TBSサイトの同番組ページは、こちら。。
TBSサイトの「赤めだか」のページ


e0337777_19570667.jpg

 原作の『赤めだか』については、拙ブログ「落語の本」カテゴリーの第一回に、短い文章ながら取り上げた。
2008年6月11日のブログ

 この本については、Amazonのレビューも書いていたのだが、一時、同書のレビュー覧が何者かに荒らされたために、レビュー記事を削除した。
 どんなことがあったのかは記事にも書いたので、ご興味のある方はご覧のほどを。
2009年7月1日のブログ

 また、志らくの『雨ン中の、らくだ』が発行された後、この二冊が、同じ時期の同じ事柄について、どのように書いているかを中心に、三回に分けて記事を書いた。
2009年3月14日のブログ
2009年3月15日のブログ
2009年3月16日のブログ
 
 このドラマについて、記事を書こうか書くまいか、少し迷ったが、やはり書くことにする。

 結論から。
 まったく期待外れであった。

 こう書くと、何に対しての小言か分からない人もいるだろう。

 原作は、次のように始まっている。

 本当は競艇選手になりたかった。
 家の近くに戸田競艇場があって、子供にくれるお菓子が楽しみで父親にせがんで日曜日になると連れていってもらった。競艇場で食べるチョコフレークは格段にうまくて、僕にとってこの世で一番上等のお菓子だった。

 原作において、競艇は実に重要な要素。
 加藤峻二という伝説の選手に憧れていたのだ。
 しかし、ドラマでは登場しない。
 脚本家なのか、原作者なのか、その理由は分からない。

 なぜ、ドラマ化にあたって、競艇という重要な要素を外したのか・・・・・・。

 そして、次に、志らくのこと。
 ドラマでは、彼は独身のお婆ちゃん子。

 しかし、原作が描く姿は、違う。

 志らくには学生結婚した女房がいた。女房さんは、あまり体が丈夫でなく外へ働きに出ることができない。二人で喰ってゆくためにも、女房さんに余計な心配をかけないためにも、二ツ目になって稼ぐしか志らくには道はない。

 志らくがバツイチだろうが、この時代に、彼の環境は、こうだったのだ。

 なぜ、談春の人生で重要な競艇が外され、志らくが妻帯者であったことが外されたのか・・・・・・。

 たけしが談志役であったことから、このドラマが本来の姿にはならないだろうとは察していたが、原作とは余りに違う設定には、驚くばかり。

 原作の良さを生かすことより、今の談春や志らくにとっての“都合”を優先したように思えてならない脚色だった。

 期待していた方が“赤めだか”だったのか・・・・・・。

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by kogotokoubei | 2015-12-30 21:54 | テレビの落語 | Comments(16)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛