噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

カテゴリ:二ツ目( 5 )

 先日の「西のかい枝・東の兼好」で開口一番を務めた雷門音助が、昨日からの2月中席より二ツ目に昇進した。

 落語芸術協会のホームページに新着情報として、案内されている。
落語芸術協会ホームページの該当ページ
 
 プロフィール欄から、芸歴・好きな食べ物・コメントの部分を引用する。

芸歴 
2011年 10月 雷門助六に入門
2012年 1月下席楽屋入り
2012年 2月下席 浅草演芸ホールにて初高座「たらちね」
2016年 2月中席より二ツ目昇進
好きな食べ物
蕎麦・すあま
コメント 
落語が好きな方、演芸が好きな方、人間として噺家が好きな方、ふらっと寄席に引き込まれた方、これから寄席に行こうと計画している方、落語に対しての思いは様々だと思いますが、観た時に「なんかいいな」と思ってもらえるように精進していきます。
よろしくお願い申し上げます。

 好きな食べ物が、蕎麦、なんてぇのもなかなか結構(^^)
 
 彼のプロフィール欄も最初の頃は愛想がなかったのだが、今は自分なりの言葉で落語に取り組む姿勢を語っているように思えて、好感が持てる。

 前座、二ツ目の頃は、とにかく名前を憶えてもらうようにしなくちゃね。

 これまで三度生で聴いている。
 
 先日の横浜にぎわい座、2013年の深川での「扇辰・兼好 二人会」、そして初対面(?)は、同じ年、国立演芸場での芸協の真打昇進興行披露だった。

 どの高座も、「なんかいいな」、を上回る良い印象を持っている。

 音助の高座に関する記事の内容を、古いものから順に引用したい。

2013年7月
2013年7月6日のブログ

雷門音助『つる』 (10分 *12:45~)
 初である。落語芸術協会のサイトにも、詳しいプロフィールがないが、助六の弟子なのだろう。なかなか初々しい高座で好感が持てた。

2013年10月
2013年10月24日のブログ

雷門音助『たらちね』 (14分 *19:02~)
 今年七月の国立演芸場、芸協の真打昇進披露興行(主任は笑好)以来。あらためて、好印象を持った。口調ははっきりしているし、仕草も悪くない。芸協サイトのプロフィール欄に詳しいことが記載されていないので入門時期などは分からないが、先週の開口一番と比べてずっとマシ。会場を温める役割を果たしたし、前座仕事もしっかりこなしていた。今後も聴きたい気にさせてくれた。

2016年2月
2016年2月9日のブログ

雷門音助『たらちね』 (16分 *19:00~)
 久しぶりだ。2013年に二度聴いている。二度目は10月の扇辰と兼好の二人会だった。兼好お気に入りの前座さんかな。その年5月、芸協の国立演芸場での真打昇進披露興行が初だったが、二度とも好印象。
 マクラで、明々後日(二月中席)から二ツ目で前座最後の高座、と言うと会場から拍手。
 今回も、大いに感心した。とにかく口跡が良い。また、上下を含めた仕草もしっかりしている。見た目も落語家さんらしいし(?)、八五郎が隣の婆さんに七輪の火種をもらう道具を“十能”を言うあたりも、私好み(^^)
 高座から感じる印象では、昨年二ツ目になった柳亭市童に似ていなくもない。市童もそうだが、基本がしっかり出来ていて将来が楽しみな若手だ。

 
  『たらちね』が二席あるが、時間も空いており、新鮮な気持ちで聴いている。

 ほとんど元ネタをいじらずに演じていたが、それでいて、実に楽しめたし、表情や仕草、肝腎な語り口が、実に良い。

 前座さんの時代に好印象を受けた噺家さんは少なくないが、やや飛びぬけている印象だ。

 先輩の二ツ目さん達を、結構焦らせるだけの力を秘めているように思うなぁ。

 とはいえ、前座時代に期待し過ぎ、しばらくして聴くと伸び悩む姿に直面することも度々。

 そういった壁にぶつかってもがくことも必要だが、通過儀礼を上手く過ごせない人も、少なくない。
 
 しかし、音助は、磨けば光る若手の有望株には違いない。
 ぜひ、良い意味で壁に当たって、それを乗り越えて欲しい。

 前座時代から知っている噺家さんを、長い間にわたって応援できるのは、落語愛好家の得難い楽しみの一つ。

 雷門音助、今後に期待する。

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by kogotokoubei | 2016-02-12 20:47 | 二ツ目 | Comments(6)

 NHK新人落語大賞が予選を公開しないことについての小言は、くどい位に書いてきた。
 どんな人が予選に参加し、どんな評価で予選を通過したのか、あるいは落選したのかは、一部のSNSで知りえるごく少ない情報以外は、闇の中。公共放送の名に値しない予選の運営ではなかろうか、と思う。

 それに反して、規模は小さいながら関東地区で同じ二ツ目さんの大会として、知る人ぞ知る「さがみはら若手落語家選手権」は、実に透明性の高い予選会を実施している。
 11月25日横浜にぎわい座・のげシャーレの東西交流落語会でチラシをいただいたが、すでにサイトでも公開されている。
 会場でもある「杜のホールはしもと」のサイトに来年第15回目の選手権の頁があり、予選日程と出場者の名などが掲載されている。
「杜のホールはしもと」HPの「さがみはら若手落語家選手権」のページ

 この画像も、同サイトより借用。
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 どんな大会なのか、をサイトからご紹介。
【さがみはら若手落語家選手権とは?】

ずばり、観客参加型選手権の落語会です。出演するのはイキのいい二ツ目落語家さん。
落語協会、落語芸術協会、五代目円楽一門会、落語立川流の四派の方々の手に汗握る競演がご覧いただけます。

真打目指して日々精進を重ねる、若手落語家さんの応援にぜひご来場を!
 記載の通り来年も東のすべての流派から参加している。

 予選の持ち時間は20分なので、演じるネタの選択肢も広いし、それだけ演者の持ち味を発揮することもできる。

 予選が土曜と日曜中心なので、そのすべてには行けないのだが、今年は二度予選会に行くことができた。
2015年2月1日のブログ
2015年3月1日のブログ

 今年の個人的な大発見(?)となる柳亭小痴楽は、この予選で初めて聴くことができたのであった。

 自分の一票が出場者の当落に影響するので、投票する側も、結構心地よい緊張感を味わう。

 開催予定日と出場者が別に記載されているが、曜日も加えてまとめると次のようになる。

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第1回:2016年1月16日(土)
柳家花ん謝、春雨や雷太、鈴々舎八ゑ馬、林家 扇、立川らく人

第2回:2016年1月31日(日)
立川三四楼、春風亭一左、昔昔亭A太郎、古今亭志ん吉、瀧川鯉丸

第3回:2016年2月13日(土)
三遊亭たん丈、三遊亭歌扇、柳家花いち、桂 宮治、柳亭明楽

第4回:2016年2月28日(日)
初音家左吉、三遊亭歌太郎、三遊亭橘也、瀧川鯉津、林家つる子
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 会場はすべて「杜のホールはしもと」の8階多目的室。
 開場13時、開演は13時30分。
 
 「杜のホールはしもと」の場所は、JR横浜線・相模線、京王相模原線の「橋本駅」のすぐ近く。
「杜のホールはしもと」アクセスマップ

 予選の木戸銭は1,100円(税込)だが、2枚以上のセット券なら一回あたり1,000円(税込)になる。

 本選、いわば決勝戦は3月13日(日)に7階のホールで橘家円太郎をゲストに行われる。木戸銭1,800円は、セットで買えば1,500円と安くなる。

 土日に確実に行けそうならセットで買いたいものだが、あちきはそうはいかないのが、残念。

 予選参加者20名の中で、まだ聴いたことのない人も、もちろんいる。

 宮治が参加するので、本命と言うことはできるだろう。
 しかし、NHK優勝者とはいえ、さがみはらで勝てるかは、分からない。それは、今年、春風亭朝也が優勝できなかったことでも、実証済み。
 その日の高座次第だし、さがみはらのお客さんは目が肥えているので、油断はできないと思う。

 宮治の他で知っている二ツ目さんの中にも、期待したい人はいる。
 特に、残念ながら終了したが、古今亭志ん輔の「たまごの会」のメンバーだった人には頑張ってもらいたい。

 日曜の天候などにもよるし、どれだけ行けるか分からないが、たとえ自分が行けなくても、手作り感があり透明性も高い大会なので、拙ブログで応援したくなる。

 ご興味があってご都合が合う方は、ぜひ、ご参加(投票するからね)のほどを。

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by kogotokoubei | 2015-12-14 12:53 | 二ツ目 | Comments(2)
 古今亭志ん輔の日記風ブログ「志ん輔日々是凡日」の11月8日の記事によると、「たまごの会」は、私が先日行くことができた池袋のみならず、西蓮寺の会がこの日で終わり、実相寺の会も12月の会をもって終わる、とのこと。
「志ん輔日々是凡日」の該当記事

 12月の会の内容は、「たまごの会」こーほー支援ついったーに次のような情報があった。
「たまごの会」 こーほー支援ついったー

「第69回 実相寺たまごの会」
12/13(日) 14時開演
木戸 1500円(予約不要)
於:実相寺(西馬込,池上)

志ん八
宮治
雷太
志ん輔
コント(志ん八&宮治)
きらり(トリ)

 「志ん輔師、卒業」と書かれているが、世話人のみならず、会そのものをお開きとするのか・・・・・・。
 しかし、最後の実相寺の会は、日曜昼の開催で、雨でも降らないことには私は行けそうにない。

 志ん輔のブログでは、彼自身が卒業(?)しても、二ツ目たちに継続して欲しかったようなのだが、そうもいかなかったようだ・・・・・・。

 彼らだけでの開催は、荷が重かったのだろう。この会における志ん輔の存在の大きさが察せられる。

 志ん輔は、当初メンバーの朝太、才紫、そして志ん公が真打昇進するまでは続けよう、と思っていたようだ。

 たしかに、それぞれ真打になり、志ん陽、やまと、志ん好と名も替わった。

 しかし、彼らの真打昇進後にも会が継続したことで、さんざまな若手二ツ目の修行の場になったことは間違いないだろう。

 小痴楽などは、大いに彼の成長の助けとなったのではないかと察する。

 神田連雀亭や巣鴨獅子座などを含め、志ん輔が会派を問わずに若手を支援しようとする思いや行動は得難いものだと思う。
 ほとんど、手弁当、持ち出しではなかったのか。

 彼がいろんな師匠にお世話になった恩返し、という思いなのかもしれないが、それこそ、精神と技能の「伝承」なのだろう。

 師匠の立川談幸と共に立川流を離れ芸協の会員となった吉幸が、志ん輔宅で太鼓を習っていることなども、ブログで知った。
 楽屋修行の機会がなかった彼らにとっては、実にありがたいことだったろう。

 今になって思えば、その吉幸や小痴楽が出演した池袋最後の「たまごの会」に行けたのは、僥倖だったと思う。
2015年10月24日のブログ

 何度か記事に書いてきたが、増え続ける前座さん二ツ目さんに比べ、彼ら彼女たちがお客さんの前で芸を披露する場は、あまりにも少ない。
 数少ない定席では、そのまた数少ない出番しか、二ツ目には生の高座を経験する場がない。

 人気のある噺家さんから共演の声がかかる人は限られている。

 仲間でありライバルである二ツ目が、良き指南役を得て切磋琢磨する「たまごの会」がなくなるのはさびしいが、ぜひ、志ん輔の思いや行動が刺激となって、二ツ目さんが芸を磨く場所や、支援する先輩噺家さんの活動が広がることを期待するばかりだ。
 
 そして、彼ら若手の会に、出来る限りは行きたいと思っている。

 そういえば、連雀亭にも、行っていないなぁ。

 どれどれ、どんな予定になっているのか、ネットで調べねば。


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by kogotokoubei | 2015-11-11 12:27 | 二ツ目 | Comments(2)

 落語協会のリニューアルサイトの「最新情報」に、市助改メ市童など前座五人が、5月下席から二ツ目に昇進したことが案内されている。
落語協会ホームページの該当記事
 また、11月上席から四人の前座さんが昇進するらしい。

 では、5月に昇進した人を含め、落語協会と落語芸術協会に、現在何名の二ツ目さんがいるか、それぞれのホームページを元に名前を香盤順に並べてみる。(講談は含まず)

<落語協会>
(1)林家 彦丸
(2)月の家 鏡太
(3)林家 たけ平
(4)林家 ぼたん
(5)台所 鬼〆
(6)林家 ひろ木
(7)春風亭 朝也
(8)柳家 ろべえ
(9)三遊亭 時松
(10)鈴々舎 馬るこ
(11)桂 三木男
(12)柳亭 こみち
(13)古今亭 志ん八
(14)古今亭 駒次
(15)柳家 さん若
(16)柳家 花ん謝
(17)林家 たこ平
(18)古今亭 ちよりん
(19)柳家 わさび
(20)柳家 喬の字
(21)初音家 左吉
(22)柳家 ほたる
(23)三遊亭 たん丈
(24)春風亭 一左
(25)三遊亭 歌太郎
(26)柳亭 市楽
(27)三遊亭 歌扇
(28)三遊亭 粋歌
(29)柳亭 市江
(30)柳家 小太郎
(31)春風亭 正太郎
(32)三遊亭 めぐろ
(33)古今亭 志ん吉
(34)柳家 小んぶ
(35)柳家 緑君
(36)柳家 花いち
(37)三遊亭 美るく
(38)春風亭 ぴっかり
(39)鈴々舎 八ゑ馬
(40)林家 はな平
(41)春風亭 一蔵
(42)柳亭 市弥
(43)入船亭 小辰
(44)林家 まめ平
(45)三遊亭 日るね
(46)林家 扇
(47)柳家 かゑる
(48)柳家 さん光
(49)林家 木りん
(50)柳家 花ごめ
(51)古今亭 志ん松
(52)春風亭 朝之助
(53)古今亭 始
(54)柳家 緑太
(55)柳家 花飛
(56)三遊亭 天歌
(57)林家 けい木
(58)柳亭 市童
(59)柳家 吉緑
(60)柳家 やなぎ
(61)林家 なな子


<落語芸術協会>
(1)橘ノ 圓満
(2)三笑亭 可女次
(3)昔昔亭 桃之助
(4)笑福亭 和光
(5)桂 夏丸
(6)瀧川 鯉斗
(7)橘ノ 双葉
(8)柳亭 小痴楽
(9)昔昔亭 A太郎
(10)瀧川 鯉八
(11)春雨や 雷太
(12)三遊亭 小笑
(13)春風亭 昇々
(14)春風亭 昇吉
(15)笑福亭 羽光
(16)春雨や 風子
(17)桂 宮治
(18)春風亭 柳若
(19)春風亭 昇也
(20)桂 翔丸
(21)三遊亭 遊里
(22)春風亭 吉好
(23)柳亭 明楽
(24)山遊亭 くま八
(25)笑福亭 竹三
(26)瀧川 鯉津
(27)瀧川 鯉輪
(28)瀧川 鯉丸

 落語協会の人数を「多い」とみるか、落語芸術協会を「少ない」とみるかは、何とも表現しにくいが、東京の主要二団体合計で、約90名の二ツ目さんがいる。

 昨年10月に、連雀亭のことを書いた記事でも、その当時の二ツ目さんを数えてみたが、若干減ったとはいえ、ほぼ変わらない。
2014年10月9日のブログ

 前座は修業が辛いかもしれないが、寄席の開口一番を務めて楽屋の仕事もすることに対し何がしかの給金があり、兄弟子や先輩たちから小遣いをもらえたりもする。また、先輩の落語会で開口一番も前座さんが務めることが多い。

 かたや、楽屋の修業からは解放されたものの、寄席や、開口一番役での落語会の出番が極端に減るのが二ツ目さんだ。

 各定席で、前座さんの開口一番の後の枠を交替で務めるのが通常なので、一つの寄席で昼夜合計2つの枠、定席が4つあるので、一日8つの枠を、90名で取り合う(?)ことになる。
 それだけでは、お客さんを前にした修業の場が少なすぎるから、定席の早朝寄席、深夜寄席に加え、居酒屋さんやお寺なども含め、自ら数多くの落語会に発表の場を求めることになる。

 落語芸術協会のホームページには、実に多くの落語会のスケジュールが案内されている。
落語芸術協会ホームページの「落語会スケジュール一覧」ページ
 落語協会の古今亭志ん輔が中心となって立ち上げた神田連雀亭、巣鴨獅子座の出演情報も、しっかり掲載されている。

 懸念されるのは、落語協会のホームページのリニューアル後、もしかすると、定席寄席のスケジュールしか案内されないのではないか、ということ。
 ちなみに、旧ホームページ時代に、ぜひ連雀亭の案内を掲載して欲しい、と問合せ欄で発信したが、なんら音沙汰はなく、リニューアルに突入してしまった。

 宇野信夫の本を紹介した記事で、かつてのようなタニマチが存在しない現在、売れない時代の落語家を支援する役割を、互助会としての協会が担わなければならないのではないか、と書いた。
 もちろん、好きだ入った道だ。本人が努力して、アルバイトでもなんでもしながら、修業時代を乗り切る覚悟は必要だ。
 しかし、彼らの成長を支援する役割は、まちがいなく協会が担うべきだろう。

 ネット時代である。協会の‘顔’とも言えるホームページで、二ツ目さんや若手真打が出演する落語会を、小まめに情報を拾って案内するのは、協会の責務ではないかと思う。

 修業時代に、将来大物になる金の卵をいち早く見つけたくなるのが、落語愛好家の楽しみでもある。
 だから、彼らが出演する落語会があって都合がつくなら、ぜひ応援してみたくもなる。
 しかし、たとえば、ご本人のツイッターを、多くの方が見ているわけではない。

 落語協会は、結果としてここまで時間をかけてホームページをリニューアルしているのだから、ぜひ、定席以外の、できれば、協会員が出演するあらゆる落語会の情報を案内して欲しい。
 そうすることで、一人で多くのお客さんが来場することで、出演する噺家さんも気合いが入るだろうし、出演情報を事務局とやりとりすることで、事務方と噺家さんのコミュニケーションも活発になり、協会全体として活性化するのではなかろうか。

 その見本が、最近の落語芸術協会であるように思えるのだ。

 百人近い二ツ目さんの中には、磨けば光る素材も含まれている。日頃の稽古を積み、大小いくつもの落語会、寄席の高座でお客様の前で恥をかき、汗をかき、時には悔し涙を流すことこそが磨くことであり、その結果、見事に光って欲しいではないか。
 そういった修業の場を、たくさん重ねることを奨励し、かつお客様の動員のためにホームページを含む情報発信で支援することは、大事な協会の責務だと思う。

 定席情報だけでは、彼ら、彼女たち二ツ目さんの研磨の場を伝える情報として不完全である。

 落語協会に、重ねて、リニューアルを機に、幅広く落語会の情報をホームページから発信してもらうようお願いしたい。


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by kogotokoubei | 2015-05-26 12:54 | 二ツ目 | Comments(2)
7日の鈴本の後の居残り会で、佐平次さんと話題の一つになったのが、志ん輔がプロデュース役を担って旗揚げした「神田連雀亭」のこと。呑んでいた居酒屋さんからも、そう遠くはなかった。

 朝日、10月1日の記事をご紹介。朝日新聞の該当ニュース

落語「二ツ目」専用の寄席、オープンへ 東京・神田
山根由起子 2014年10月1日12時02分

 「二ツ目」と呼ばれる若手芸人専用の寄席「神田連雀亭」が11日、東京・神田に開館する。仕掛け人は落語家古今亭志ん輔さん(61)。落語家、講談師らが出番を待つ。落語協会も落語芸術協会も「二ツ目の専門館は、全国で初めてではないか」という。

 「神田連雀亭」は35席で、神田須田町のビルのワンフロアに誕生する。料金はぐっとおさえて500~千円だ。二ツ目は東京の落語家の階級で「前座」とトップの「真打ち」の間。

 きっかけは、ビルのオーナーの加藤伸さん(70)が6月ごろ、志ん輔さんに町おこし対策として、空きフロアの活用を相談したこと。志ん輔さんが「寄席で出番が少ない二ツ目の活躍の場を」と提案した。落語協会、落語芸術協会、講談協会、日本講談協会などに呼びかけると、総勢約80人の「二ツ目」が賛同した。

 「仕事帰りや昼休みに立ち寄って気軽に楽しんでほしい」と志ん輔さん。11日に出演予定の二ツ目、古今亭始さん(30)は「若手で切磋琢磨(せっさたくま)したい。神田で昔ながらの寄席の雰囲気を出せたら」と話す。

 地元も歓迎だ。神田須田町はもとは連雀町といい、明治時代は旅館が立ち並んでいた。今もあんこう鍋や汁粉など老舗の店が残る。

 須田町北部町会会長を務める「藪蕎麦(やぶそば)」の堀田康彦社長(70)は「バブル崩壊後にビジネス街への転換が進み、昔の面影を残せないかと思った。寄席で人情味あふれる活気が取り戻せれば。店にチラシを置くなど、地元も支援したい」。

 連雀亭は千代田区神田須田町1—17、加藤ビル2階。毎月20日までの平日昼は午後0時半~1時半、夜は午後7時~8時半。土日祝日は午後1時~2時半。21日~月末は貸席。(山根由起子)



 二ツ目が活躍する場は、非常に限られている。ビルの加藤オーナーと志ん輔との共同作業とでも言う試みによる、新しい寄席「神田連雀亭」の誕生を、心から喜びたいし、応援もしたい。

 志ん輔の日記風ブログ「志ん輔日々是凡日」では、この企画の進捗が、結構詳細に記されている。
「志ん輔日々是凡日」

 最近は、メディアの取材が増えていることが書かれている。

 9月24日の記事に、“朝日新聞のY女史”として登場する方が、紹介した記事を書かれた記者なのだろう。
「志ん輔日々是凡日」の9月24日の記事

 志ん輔は、ある危機感をもって、この仕事を進めているのだろう。それは、二ツ目さんの人数に比べ、その芸を磨く場所が極端に少ないのだ。志ん輔自身が二ツ目の時代と比べても、その人数ははるかに増えている。
 しかし、生でお客さんの前で修行する場は、あまりにも少ない。

 自分の弟子、始の日常を知ることで、それが切実な問題であることを実感しているのだろう。

 
 今、二ツ目さんは、いったい何人いるのか。
 
 まず、落語協会のサイトから全員の名前を並べてみる。ご存知のように、司から、ぬう生までの十名が、来春同時に真打昇進するが、その後に、相応の数の前座が二ツ目になるだろうから、昇進予定者も含めて一覧化してみる。
落語協会サイトの「芸人紹介」ページ

(1)三遊亭 司
(2)柳家 喬之進
(3)三升家 う勝
(4)柳家 麟太郎
(5)入船亭 遊一
(6)金原亭 馬治
(7)金原亭 馬吉
(8)柳家 さん弥
(9)柳家 右太楼
(10)三遊亭 ぬう生
(11)林家 彦丸
(12)月の家 鏡太
(13)林家 たけ平
(14)林家 ぼたん
(15)台所 鬼〆
(16)林家 ひろ木
(17)春風亭 朝也
(18)柳家 ろべえ
(19)三遊亭 時松
(20)鈴々舎 馬るこ
(21)桂 三木男
(22)柳亭 こみち
(23)古今亭 志ん八
(24)古今亭 駒次
(25)柳家 さん若
(26)柳家 花ん謝
(27)林家 たこ平
(28)古今亭 ちよりん
(29)柳家 わさび
(30)柳家 喬の字
(31)初音家 左吉
(32)柳家 ほたる
(33)三遊亭 たん丈
(34)春風亭 一左
(35)三遊亭 歌太郎
(36)柳亭 市楽
(37)三遊亭 歌扇
(38)三遊亭 粋歌
(39)柳亭 市江
(40)柳家 小太郎
(41)春風亭 正太郎
(42)三遊亭 めぐろ
(43)古今亭 志ん吉
(44)柳家 小んぶ
(45)柳家 緑君
(46)柳家 花いち
(47)三遊亭 美るく
(48)春風亭 ぴっかり
(49)鈴々舎 八ゑ馬
(50)林家 はな平
(51)林家 さん歩
(52)春風亭 一蔵
(53)柳亭 市弥
(54)入船亭 小辰
(55)林家 まめ平
(56)三遊亭 日るね
(57)林家 扇
(58)柳家 かゑる
(59)柳家 さん光
(60)林家 木りん
(61)柳家 花ごめ
(62)古今亭 志ん松
(63)春風亭 朝之助
(64)古今亭 始

 次に落語芸術協会。まだ、来年の真打昇進者の発表はない。昨年と同様なら12月に発表なのだろう。
 芸術協会の「二ツ目」一覧には、講談の二ツ目さんも含まれている。
落語芸術協会サイトの「芸人プロフィール」(二ツ目)のページ

(1)春風亭 笑松
(2)三笑亭 朝夢
(3)神田 きらり
(4)三笑亭 夢吉
(5)橘ノ 圓満
(6)三笑亭 可女次
(7)昔昔亭 桃之助
(8)笑福亭 和光
(9)桂 夏丸
(10)神田 蘭
(11)瀧川 鯉斗
(12)橘ノ 双葉
(13)柳亭 小痴楽
(14)昔昔亭 A太郎
(15)瀧川 鯉八
(16)春雨や 雷太
(17)三遊亭 小笑
(18)春風亭 昇々
(19)春風亭 昇吉
(20)笑福亭 羽光
(21)春雨や 風子
(22)桂 宮治
(23)神田 松之丞
(24)神田 あっぷる
(25)春風亭 柳若
(26)春風亭 昇也
(27)桂 翔丸
(28)三遊亭 遊里
(29)春風亭 吉好
(30)柳亭 明楽
(31)山遊亭 くま八
(32)神田 真紅
(33)笑福亭 竹三

 ほぼ、落語協会の半数。

 宮治は、二ツ目の香盤で、22番目。来年以降、毎年5人づつ真打に昇進しても、五年後の昇進かぁ。

 二つの協会合計で97名、約100名の二ツ目さんがいる。

 もちろん、師匠が出演する落語会に出る機会もあるが、落語会では前座さんが雑用を含め開口一番を務めることが多い。
 ある程度の実力者は、先輩真打から落語会への出演を依頼されることもあるが、その対象者は、ごく少数である。

 寄席では、二ツ目さんは、基本的には、昼夜一人づつの枠を交替で務めている。

 都内四席の定席寄席で、一日に二ツ目さんが出演できる場所は、昼の部と夜の部で、一人の枠しかない。
 たとえば、末広亭の10月上席の昼夜では、次のようになっている。
末広亭サイトの10月上席の番組表

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 番組表には載らない前座の開口一番の次、この場合は、昼の部、時松・こみちの交互出演、夜の部、一左・一蔵の交互出演の一人分の枠しかない。

 芸術協会の寄席では、二ツ目を仲入りの後の“くいつき”の枠に抜擢することもあるが、それは特例。

 出演可能性のある枠は、次のように計算できる。

 2(昼夜1+1)x4(国立を除く定席寄席の数)x30日=240

 一日で8、一か月で240が、二ツ目用の寄席出演可能枠。
 実際には一回の席(十日間)で、2~3名の複数で交互に出演であり、人によっては、なかなか出番が回ってこない。
 仮に、一人づつ寄席の二ツ目の枠に出演したとしても、月に二回半、二カ月で五回、という勘定になる。

 だから、末広亭の深夜寄席、鈴本の早朝寄席などで、二ツ目が研鑽するための場所をつくっているわけだが、それにしても、二ツ目さんの人数を考えると、決して市場は広いと言えない。

 そういう背景があるから、志ん輔の師匠、志ん朝も二ツ目の勉強会などを積極的に支援したし、それは志ん朝が二ツ目当時に薫陶を受けた、円生などの大先輩からの伝統の継承でもあったと思う。

 師匠の命日の朝日の記事で案内された、志ん輔が仕掛ける二ツ目のための寄席開設、できる限り応援したいと思う。
 そして、かつては賑わった連雀の街で、居残りもしたいものだ。

 なお、神田藪蕎麦は、昨年2月に火災のため半焼したのだが、今月20日から再開される。
スポーツニッポンの該当記事

 池波正太郎の愛した神田、そして神田から暖簾分けした並木の藪は、金原亭馬生の行きつけだったことで有名。

 落語の後、蕎麦で一杯というのも、結構だよね。旨い酒のおかげで、食べる蕎麦も「二つ目」になるかも。
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by kogotokoubei | 2014-10-09 00:56 | 二ツ目 | Comments(8)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛