噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

カテゴリ:真打( 24 )

 落語協会の秋の真打昇進披露興行の案内が、同協会のホームページに先週載った。
 春五人に続き、三人が昇進する。
 案内の内容を、引用する。
落語協会ホームページの該当ページ

2017年06月15日
平成29年 秋 真打昇進披露興行

平成29年9月下席より
・桂三木男 改メ 五代目 桂三木助
・柳亭こみち
・古今亭志ん八 改メ 二代目 古今亭志ん五

前売り販売開始:7月21日(金)  ※国立演芸場のみ10月1日(日)より
お問い合わせ:一般社団法人落語協会 03-3833-8565
チケットぴあ:http://t.pia.jp/
Pコード入力または音声認識予約 ( 057 0-02-9999 )
ぴあプレミアム会員専用 ( 0570-02-9944 )
 相変わらずの、ぶっきらぼうな内容。
 各寄席の日程詳細は、添付されているポスターで確認してくれ、というのが落語協会の考えらしい。実に不親切。

 落語芸術協会は、二人の披露目は明日が池袋の千秋楽。
 その後の国立を含め、次のように案内されている。
落語芸術協会ホームページの該当ページ

更新日2017年6月11日
真打昇進披露興行。6/11より六月中席池袋演芸場です!

五月上席新宿末廣亭、五月中席浅草演芸ホールと続いてまいりました真打昇進披露興行、6月11日~池袋演芸場での興行となります。

昔昔亭 桃之助
笑福亭 和光

大盛況で新宿末廣亭、浅草演芸ホールの披露興行を終えて、益々の笑顔で張り切っております新真打の応援に是非寄席へご来場下さい。

真打昇進襲名披露興行

池袋演芸場 夜の部
6月11日~20日
主任予定日(※両名とも全日程出演致します)
桃之助 11.13.15.17.19
和 光 12.14.16.18.20

お江戸日本橋亭
6月22日 桃之助
6月21日 和 光

国立演芸場 昼の部(7日夜の部あり)
7月2日~10日
主任予定日
桃之助 2.4.6.8.10
和 光 3.5.7昼夜.9

お江戸上野広小路亭
7月1日 桃之助
7月2日 和 光

名古屋・大須演芸場
7月15日~17日
主任予定日(※両名とも全日程出演致します)
桃之助 15(1部・2部).16(1部)
和 光 16(2部).17(1部・2部)

 以前も書いたことなので、しつこい、というお叱りを覚悟で書くが、落語協会は文字情報としても日程を掲載すべきである。

 この五人、全員聴いたことがあり、なんとか駆けつけたい人はいるのだが、行けるかなぁ。

 
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by kogotokoubei | 2017-06-19 17:53 | 真打 | Comments(0)
 昨夜は、平尾誠二追悼番組として、先日の記事でもふれた「伝説の名勝負 不屈の闘志激突!’85ラグビー日本選手権 新日鉄釜石×同志社大学」が、NHK BS1で午後6時から再放送された。

 2012年1月にも見た内容なのだが、ブログを書きながら見ていて、つい引き込まれた。

 惜しい、あまりにも残念な平尾誠二の早世・・・・・・。

 平尾のことやラグビーのことは別途書くとして、さて、落語のこと。

 10月9日に新宿末広亭に行った際に受け取ったプログラムに、落語芸術協会の来春の真打昇進者の案内があった。

 末広亭のサイトに掲載されている「寄席だより」から引用する。
末広亭サイトの「寄席だより」のページ
■来年5月には 2人の新真打 落語芸術協会

 二ツ目からめでたく真打に昇進するのは昔昔亭桃之助と笑福亭和光。桃之助は02年4月に桃太郎に入門し喜太郎、07年2月二ツ目で桃之助。
 桃之助は02年4月桃太郎に入門、東京都江東区の出身。和光は02年2月に鶴光に入門、栃木県出身。 和光は02年7月鶴光に入門し和光、07年4月二ツ目。当席来年5月上席をふりだしに真打披露が行われる。
 
 さて、ここ数年の3人真打興行は興行的にも良い試みだと思っていたのだが、来春は2人か。

 昇進する2人の入門と二ツ目昇進時期は、次のようになっている。
-----------------------------------------------------------------------
昔昔亭桃之助 平成14年3月 入門、平成19年2月 二ツ目昇進
笑福亭和光  平成14年2月 入門、平成19年4月 二ツ目昇進
-----------------------------------------------------------------------

 ちなみに、落語協会の来春の昇進者5人は、こうなっている。
-----------------------------------------------------------------------
林家ひろ木 平成14年 入門、平成17年11月 二ツ目昇進
春風亭朝也 平成14年5月 入門、平成17年11月 二ツ目昇進
柳家ろべえ 平成15年2月 入門、平成18年5月 二ツ目昇進 
三遊亭時松  平成15年4月 入門、平成18年5月 二ツ目昇進
鈴々舎馬るこ 平成15年5月 入門、平成18年5月 二ツ目昇進
-----------------------------------------------------------------------

 そして、来年秋の昇進者は、次の3人。
-----------------------------------------------------------------------
桂三木男 平成15年 入門、平成18年11月 二ツ目昇進
柳亭こみち 平成15 入門、平成18年11月 二ツ目昇進
古今亭志ん八 平成15年 入門、平成18年 11月二ツ目昇進
-----------------------------------------------------------------------

 これを見れば分かるのだが、落語芸術協会は入門から二ツ目昇進まで5年、落語協会は3年。

 入門年だけからすると、落語芸術協会で平成15年入門者が真打に昇進しても、不思議はないように思うが、桃之助と和光の後に続く人たちは、どうなっているのかというと、次の通り。
-----------------------------------------------------------------------
桂 夏丸 平成15年3月 入門、平成19年9月 二ツ目昇進
神田 蘭 平成16年1月 入門、平成20年7月 二ツ目昇進
瀧川鯉斗 平成17年3月 楽屋入り、平成21年4月 二ツ目昇進
橘ノ双葉 平成17年3月 入門、平成21年4月 二ツ目昇進
柳亭小痴楽 平成17年10月 初高座、平成21年11月 二ツ目昇進
昔昔亭A太郎 平成18年2月 入門、平成22年2月 二ツ目昇進
滝川鯉八 平成18年 入門、平成22年8月 二ツ目昇進
-----------------------------------------------------------------------

 ちなみに、落語芸術協会の今春昇進の3人は、こうなっている。
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神田鯉栄 平成13年9月 入門、平成18年10月 二ツ目昇進
橘ノ円満 平成14年2月 入門、平成18年11月 二ツ目昇進
三笑亭可風 平成14年 入門、平成19年5月 二ツ目昇進
-----------------------------------------------------------------------

 落語協会の来年の例では、真打昇進が入門からか14~15年、二ツ目昇進から11~12年。
 落語芸術協会の今年の3人の例では、入門からは14~15年ということで、ほぼ同じ。二ツ目昇進からは9~10年。

 ここで素朴な疑問。

 なぜ、桂夏丸も含めた3人昇進とならなかったのか・・・である。
 昇進する桃之助、和光、そして夏丸の生の高座を聴いているが、夏丸が昇進してもまったく不思議はない。
 ついでに言うと、連雀亭の昨年の初席では、夏丸の歌も聴いている^^

 入門から14年、二ツ目昇進から10年で、条件面では昇進対象となっておかしくはない。

 2人昇進の場合の興行は、一日おきの出演か、あるいは前半と後半に分けるのか。
 また、主任ではないもう一人が口上の後に出演するなどで毎日二人とも聴けるのか・・・などは分からない。

 3人昇進で、全員が毎日出演する興行形式が気に入っていたのだが、さて、来春はどうなるのやら。
 

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by kogotokoubei | 2016-10-24 12:14 | 真打 | Comments(2)

 落語協会は、来年春の五人のみならず、秋にも三人が真打に昇進するらしい。

 ホームページの案内を引用する。
落語協会ホームページの該当記事

2016年08月21日
平成29年 秋 真打昇進決定

平成29年 秋(9月下席より)

桂三木男(馬生門下)、柳亭こみち(燕路門下)、古今亭志ん八(志ん橋門下)

以上、3名が真打に昇進することが決定致しました

 実に、無駄を省いた内容(もちろん、皮肉^^)。
 昇進者のプロフィールページへのリンクもない。
 
 訪問者の便宜などはまったく考慮しないダメなサイトの見本である状況は、変わらない。

 5月の記事で紹介したが、あらためて来年“春”の五人は次の通り。
2016年5月9日のブログ

------------平成29年春の真打昇進者-------------------------
林家ひろ木
 2002(平成14)年林家木久扇に入門、2005(平成17)年11月二ツ目昇進
春風亭朝也 
 2002(平成14)年05月春風亭一朝に入門、2005(平成17)年11月二ツ目昇進
柳家ろべえ 
 2003(平成15)年02月柳家喜多八に入門、2006(平成18)年05月二ツ目昇進 
三遊亭時松
 2003(平成15)年04月三遊亭金時に入門、2006(平成18)年05月二ツ目昇進
鈴々舎馬るこ 
 2003(平成15)年05月鈴々舎馬風に入門、2006(平成18)年05月二ツ目昇進
--------------------------------------------------------------
  
 来年“秋”の昇進者三人は、見事に香盤順で、次のような履歴になっている。
---------------------------------------------------------------
桂三木男 
 2003(平成15)年金原亭馬生に入門、2006(平成18)年11月二ツ目昇進
柳亭こみち
 2003(平成15)年柳亭燕路に入門、2006(平成18)年11月二ツ目昇進
古今亭志ん八
 2003(平成15)年古今亭志ん五に入門、2006(平成18)年11月二ツ目昇進
 *志ん五没後、志ん橋門下
----------------------------------------------------------------

 春の昇進者のうちの三人(ろべい、時松、馬るこ)とは二ツ目昇進と同じ半年遅れでの真打昇進ということになる。

 ちなみに、この後に、こういう人たちが続く。

古今亭駒次
 2003(平成15)年3月古今亭志ん駒に入門、2007(平成19)年2月二ツ目昇進
柳家さん若
 2003(平成15)年柳家さん喬に入門、2007(平成19)年2月二ツ目昇進
柳家花ん謝
 2003(平成15)年柳家花緑に入門、2007(平成19)年2月二ツ目昇進
林家たこ平
 2003(平成15)年11月林家こぶ平に入門、2007(平成19)年5月二ツ目昇進
古今亭ちよりん
 2003(平成15)年古今亭菊千代に入門、2007(平成19))年5月二ツ目昇進

 ここまでが、平成19年の二ツ目昇進者。

 5月の記事で、来年春が十人ではなく五人になったのは、二ツ目昇進時期でキリが悪いからか、と書いた。
 そういう面もあったと思う。五人に続く同時期の二ツ目昇進者が三人で、その後の駒次、さん若、花ん謝の、これまた三人が同時二ツ目昇進者。
 その三人とたこ平、ちよりんとは二ツ目昇進時期が三ヵ月しか違わない。

 再来年は、結構昇進者の決定は難しいだろう、などど思っていた。
 まさか、来年秋に、2006年11月の二ツ目昇進者の三人を先に真打昇進させるとは、予測しなかったなぁ。
 甘かった^^

 三人昇進は、たぶんに最近の落語芸術協会を模倣したように思う。

 各定席十日間の披露目に三人全員が出演し、トリのみ順番で務めるという芸協の方式は、なかなか結構な趣向だ。
 落語協会の三人昇進も、同じような興行になるなら、駆けつけようとする動機づけにもなる。

 これで、再来年の昇進者も見えてきた。

 平成30(2018)年の春は、駒次、さん若、花ん謝、たこ平、ちよりんの5人で決まりなのだろう。
 香盤順では彼等の後に続く四人は、二ツ目昇進時期に一年近い差があるのだ。

柳家わざび
 2003(平成15)年11月柳家さん生に入門、2008(平成20)年3月二ツ目昇進
柳家喬の字
 2004(平成16)年柳亭さん喬に入門、2008(平成20)年3月二ツ目昇進
初音家左吉
 2004(平成16)年6月柳亭初音家左橋に入門、2008(平成20)年3月二ツ目昇進
柳家ほたる
 2004(平成16)年6月柳家権太楼に入門、2008(平成20)年3月二ツ目昇進

 この後には同じ2008年の11月に二ツ目になった、三遊亭たん丈、春風亭一左、三遊亭歌太郎、柳亭市楽の四人が続く。

 だから、平成31(2019)年の昇進者が、どうなるか・・・・・・。

 四人や八人での昇進は、披露目の番組が組みにくい。

 あっ、そうか!
 また、春と秋で、五人と三人での昇進にするのか。

 でも、どこで5:3、あるいは3:5に分けるんだろう・・・・・・。

 ともかく、三年後の昇進方式への伏線ともなりそうな、来秋の昇進情報である。
 もちろん、そんな先のことは、どうなるか分からないけどね。


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by kogotokoubei | 2016-08-24 12:45 | 真打 | Comments(4)
 入院中に発表されていた落語協会の来春の真打昇進者の記事を、遅ればせながらご紹介。
落語協会ホームページの該当記事。
2016年04月22日
平成29年 春 真打昇進決定

平成29年 春(三月下席より)

林家ひろ木(木久扇門下)、春風亭朝也(一朝門下)、柳家ろべえ(喜多八門下)、
三遊亭時松(金時門下)、鈴々舎馬るこ(馬風門下)

以上、5名が真打に昇進することが決定致しました

 香盤順で、今年同様に5名。
 時松以外は生で聴いている。
 馬ること朝也、NHK新人落語大賞(旧新人演芸大賞)の優勝者2名を含んでいる。

 ろべいの昇進を、師匠は喜んでいるだろうなぁ。

 昨年、今春の昇進者のことについて書いた記事で、昇進者が十名ならこの五人も含まれるはずだが、なぜか五名だった、と書いた。
2015年4月21日のブログ
 来春の昇進者五名の入門と二ツ目昇進の時期は次の通り。
------------平成29年春昇進者--------------------------------
林家ひろ木
 2002(平成14)年林家木久扇に入門、2005(平成17)年11月二ツ目昇進
春風亭朝也 
 2002(平成14)年05月春風亭一朝に入門、2005(平成17)年11月二ツ目昇進
柳家ろべえ 
 2003(平成15)年02月柳家喜多八に入門、2006(平成18)年05月二ツ目昇進 
三遊亭時松
 2003(平成15)年04月三遊亭金時に入門、2006(平成18)年05月二ツ目昇進
鈴々舎馬るこ 
 2003(平成15)年05月鈴々舎馬風に入門、2006(平成18)年05月二ツ目昇進
--------------------------------------------------------------
 来年3月時点で、入門から14~15年、二ツ目昇進から11~12年での昇進。
 二ツ目昇進時期で、この五人は半年の間隔しか空いていない。
 
 昨年は十人、今年と来年は五人の昇進。
 さて、では再来年、平成30年の昇進は、どうなるのだろうか・・・・・・。
 
 香盤でこの5名に続く人の入門と二ツ目昇進は、次のようになっている。

---------------------------------------------------------------
桂三木男 
 2003(平成15)年金原亭馬生に入門、2006(平成18)年11月二ツ目昇進
柳亭こみち
 2003(平成15)年柳亭燕路に入門、2006(平成18)年11月二ツ目昇進
古今亭志ん八
 2003(平成15)年古今亭志ん五に入門、2006(平成18)年11月二ツ目昇進
 *志ん五没後、志ん橋門下
古今亭駒次
 2003(平成15)年3月古今亭志ん駒に入門、2007(平成19)年2月二ツ目昇進
柳家さん若
 2003(平成15)年柳家さん喬に入門、2007(平成19)年2月二ツ目昇進
---------------------------------------------------------------

 もし、五人昇進で香盤順なら、ここまで。

 この後の人についても、並べてみる。

柳家花ん謝
 2003(平成15)年柳家花緑に入門、2007(平成19)年2月二ツ目昇進
林家たこ平
 2003(平成15)年11月林家こぶ平に入門、2007(平成19)年5月二ツ目昇進
古今亭ちよりん
 2003(平成15)年古今亭菊千代に入門、平成19(2007)年5月二ツ目昇進
柳家わざび
 2003(平成15)年11月柳家さん生に入門、2008(平成20)年3月二ツ目昇進
柳家喬の字
 2004(平成16)年柳亭さん喬に入門、2008(平成20)年3月二ツ目昇進
初音家左吉
 2004(平成16)年6月柳亭初音家左橋に入門、2008(平成20)年3月二ツ目昇進
柳家ほたる
 2004(平成16)年6月柳家権太楼に入門、2008(平成20)年3月二ツ目昇進


 10人となると喬の字までとなるが、左吉、ほたると同時期に二ツ目昇進なので、キリがいいとは言えないなぁ。
 
 こうやって並べて分かるのは、2003(平成15)年の入門者が多かったということ。

 ちなみに、ほたるの後は、昭和37年生まれの三遊亭たん丈で、二ツ目昇進は2008(平成20)年11月。

 どうも、再来年も五人昇進、ということになりそうだ。

 ホームページの「芸人紹介」で確認すると、来年の昇進者も含めて、落語協会の二ツ目さんは、60名。
落語協会ホームページ「芸人紹介」の「二ツ目」のページ

 かたや、落語芸術協会は、38名。
落語芸術協会ホームページ「協会員プロフィール」の「二ツ目」のページ

 真打に昇進する人もいれば、前座から昇進する人もいるので、しばらくはこの人数に大きな変動はないかもしれない。

 60÷38≒1.6
 5÷3≒1.7

 5人と3人という両協会の昇進者数は、算数的には、適切なのかもしれない。

 しかし、近い将来、落語協会が10人同時昇進してもおかしくないし、落語芸術協会が5人昇進になっても、不思議はない。

 さて、来年や再来年のことばかりではなく、今年の披露目を忘れちゃいけない。
 落語協会は明後日11日からの国立演芸場中席が最後。
 落語芸術協会は、明日楽日となる上席の末広亭の後に浅草の中席が続く。六月の池袋、七月の国立まで、まだ楽しみは続く。
 
 入門者が多い昨今、ほぼ入門からの“年々序列”での昇進は続くかもしれない。
 たまたま昇進する人数と、控えている二ツ目さんの人数などの関係で、ほぼ同期の人よりも昇進が後になる場合もありえる。
 たとえば、先日末広亭で聴くことができた橘ノ円満は、一年早い昇進でも、実力的にはまったく不思議はなかった。
 
 しかし、真打からが、まさにスタートということだろう。
 
 少し遅い位の昇進のほうが、周囲の圧力も少なく、長い落語家生活のために、力を貯める時間をつくるのには良いかもしれない。
 
 先月と今月、両協会の昇進披露興行に行って、そんなことも感じた次第である。

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by kogotokoubei | 2016-05-09 20:50 | 真打 | Comments(2)

 三笑亭夢丸のブログ(「垂れ流し日常報告」)の九日の記事で、彼が真打昇進襲名披露興行で披露したネタの一覧が記載されていることを、拙ブログのコメントでU太さんに教えていただいた。
 非常に興味深いので、ぜひ紹介したい。
 なお、( )内の数字は、通算でのネタの種類を数えるために私が付けたもの。
三笑亭夢丸のブログ

【新宿末廣亭】
五月
一日『のめる』(1)
二日『疝気の虫』(2)
三日『竹の水仙』(主任)(3)
四日『殿様団子』(4)
五日『宗論』(5)
六日『佐野山』(主任)(6)
七日『初天神』(7)
八日『あたま山』(8)
九日『くしゃみ講釈』(主任)(9)
十日『附子』(10)

【浅草演芸ホール】
十一日『弥次郎』(11)
十二日『天狗裁き』(主任)(12)
十三日『宗論』
十四日『肥がめ』(13)
十五日『身投げや』(主任)(14)
十六日『宗論』
十七日『肥がめ』
十八日『茶の湯』(主任)(15)
十九日『狸の鯉』(16)
二十日『附子』

六月
【池袋演芸場】
十一日『将棋の殿様』(主任)(17)
十二日『思ひ出』(18)
十三日『風呂敷』(19)
十四日『徳ちゃん』(主任)(20)
十五日『強情灸』(21)
十六日『辰巳の辻占』(22)
十七日『明烏』(主任)(23)
十八日『両泥』(24)
十九日『五人男』(25)
二十日『蛙の子』(主任)(26)

【お江戸日本橋亭】
二十五日『宿屋の仇討』(主任)(27)

七月
【国立演芸場】
二日『井戸の茶碗』(主任)(28)
三日『てれすこ』(29)
五日『薮入り』(主任)(30)
八日『幾代餅』(主任)(31)

【上野広小路亭】
九日『池田大助』(主任)(32)

 このネタのリストを見て、驚いた。
 36回の高座で、なんと32種類のネタを披露している。
 複数回演じたのは、『宗論』(3回)、『肥がめ』(2回)、『附子』(2回)の3つのみ。
 
 私は、末広亭で『宗論』、国立演芸場で『薮入り』を聴いたが、どちらの高座も、実にしっかりしたもので、十分に真打の水準。それも、相当高いレベルだ。『藪入り』は、今年のマイベスト十席候補にしようか、迷ったほどである。

 春風亭一之輔が、三年前、一人真打として五十日間五十一回の高座で披露したネタの種類は、次のように24であった。
2012年5月21日のブログ

□五回(1):茶の湯
□四回(3):百川、子は鎹、粗忽の釘
□三回(4):欠伸指南、初天神、明烏、らくだ
□二回(6):短命(長命)、不動坊、長屋の花見、花見の仇討、青菜、藪入り
□一回(10)):竹の水仙、雛鍔、くしゃみ講釈、鈴ケ森、蛙茶番、代脈、大山詣り、鰻の幇間、へっつい幽霊、五人廻し
  
 一之輔は、すべて主任での高座なので、夢丸と比較することはできないが、夢丸のネタの数は、凄い。

 今年の落語協会の十人の真打昇進披露興行は、ホームページ問題などもあって、一度も行かなかった。しかし、顔ぶれは知っているし、聴いたことがある人も多い。
 同じ落語芸術協会の他の二人も含め、今年の昇進者の中で、頭二つは飛びぬけているのが夢丸だと思うが、それにしても、ネタの豊富さには驚く。


 まだ、成長する伸びしろのある人。
 今後どれだけ大きくなるか、本当に楽しみである。

 昨夜は、落語研究会で『五人男』を披露したはず。
 よく知られた古典落語の名作のみならず、懐かしい噺や芸協ならではの伝統の新作など、幅広いネタを、しっかりと聴かせる夢丸である。今後は、ベテランの落語愛好家の方の中にも、彼の支持者が増えることだろう。
  
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by kogotokoubei | 2015-07-11 07:35 | 真打 | Comments(6)
 落語協会の来春の真打昇進者が決まったようだ。
 たまたま、落語協会のツィートで発見した情報。
 ホームページがいまだに工事中なのでご紹介したいが、ガセじゅないだろうね^^
 だいたい、誰がツィッターしているのだろう。
落語協会のツィート

平成28年 春(三月下席より)、林家彦丸(正雀門下)、月の家鏡太(圓鏡門下)、林家たけ平(正蔵門下)、林家ぼたん(こん平門下)、台所鬼〆(花緑門下)
以上、5名が真打に昇進することが決定致しました


 
 落語協会旧ホームページの「芸人紹介」ページから、五人の入門と二ツ目昇進時期を並べてみる。
落語協会旧ホームページの「芸人紹介」ページ
--------------------------------------------------------------------
林家 彦丸   
 2001(平成13)年 林家正雀に入門、2004(平成16)年 二ツ目昇進
月の家 鏡太 
 2001(平成13)年06月 月の家圓鏡に入門、2004(平成16)年11月 二ツ目昇進
林家 たけ平  
 2001(平成13)年 林家こぶ平に入門、 2005(平成17)年05月 二ツ目昇進
林家 ぼたん  
 2002(平成14)年03月 林家こん平に入門 、2005(平成17)年05月 二ツ目昇進
台所 鬼〆  
 2002(平成14)年03月 柳家花緑に入門 、2005(平成17)年11月 二ツ目昇進
--------------------------------------------------------------------

 見事に香盤順なのだが、今春の十人昇進から考え、来年も十人かな、などと私は思っていた。
 続く二ツ目さんを並べてみる。

林家ひろ木
 2002(平成14)年林家木久扇に入門、2005(平成17)年11月二ツ目昇進
春風亭朝也 
 2002(平成14)年05月春風亭一朝に入門、2005(平成17)年11月二ツ目昇進
柳家ろべえ 
 2003(平成15)年02月柳家喜多八に入門、2006(平成18)年05月21日二ツ目昇進 
三遊亭時松
 2003(平成15)年04月三遊亭金時に入門、2006(平成18)年05月21日二ツ目昇進
鈴々舎馬るこ 
 2003(平成15)年05月鈴々舎馬風に入門、2006(平成18)年05月21日二ツ目昇進
桂三木男 
 2003(平成15)年金原亭馬生に入門、2006(平成18)年11月二ツ目昇進
柳亭こみち
 2003(平成15)年柳亭燕路に入門、2006(平成18)年11月二ツ目昇進

 二ツ目昇進時期で合わせるなら、ひろ木、朝也まで入っておかしくはない。
 いっそ、ろべい、時松、馬るこまで含め十人でも、2006年5月二ツ目昇進者までということでキリがいいのに、なぜ五人だったのだろう・・・・・・。

 ちなみに、昨年7月の拙ブログの記事から、今春昇進の十名を並べてみる。
2014年7月20日のブログ
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三遊亭司
 平成10(1998)年5月三木助に入門→平成13年3月より歌司門下、平成15(2003)年5月二ツ目。
柳家喬之進
 平成12(2000)年1月入門、平成15(2003)年10月二ツ目。
三升家う勝
 平成12(2000)年1月入門、平成15(2003)年10月二ツ目。
柳家麟太郎
 平成11(1999)年4月入門→平成12年4月より前座、平成15(2003)年10月二ツ目。
入船亭遊一
 平成11(1999)年12月入門→平成12年6月より前座、平成15(2003)年11月二ツ目。
金原亭馬治
 平成12(2000)年4月入門→7月より前座、平成15(2003)年11月二ツ目。
金原亭馬吉
 平成12(2000)年4月入門→7月より前座、平成15(2003)年11月二ツ目。
柳家 さん弥
 平成12(2000)年7月入門→平成12年11月より前座、平成16(2004)年7月二ツ目。
柳家 右太楼
 平成12(2000)年11月入門→平成16(2004)年7月二ツ目。
三遊亭 ぬう生
 平成13(2001)年2月入門→平成16(2004)年11月二ツ目。
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 二ツ目昇進時期で一年半の間隔だ。

 彦丸の二ツ目昇進の月が分からないのだが、11月とするなら、ろべい、時松、馬るこの二ツ目昇進まで一年半で、同じ。たしかに、ひろ木、朝也までの七人という人数は、昇進興行が組みにくいので、十人昇進で、おかしくないように思う。

 今年の十人が多すぎた、という反省の結果なのか?
 二ツ目昇進時期の間隔をできるだけ短くしたい、ということか?

 あるいは、十人もいるとお祝いもいっときにたくさん必要になるので、減らしたか^^

 これは勘繰りだが、ホームページ問題が関係しているか?
 馬るこは、新宿末広亭の出演情報を特設サイトで発信する、という努力をしてくれているのだが、それが、協会幹部への反抗(?)とみなされて、十人昇進では彼も入るので、五人になったりして・・・・・・。
 まさかとは思うが、そんなことまで思わせるのが、今の落語協会なのではなかろうか。何か、不穏な空気が漂っているのだ。

 秋にも五人昇進、ということもありえるなぁ。
 そうなると、秋の五人には、NHKの優勝者が二人含まれることになる。これは、結構集客力があるねぇ。
 春と秋にお祝いができることで、興行的にも盛り上がる。

 ともかく、ホームページが工事中なので、‘つぶやき’を元にした、なんとも頼りない記事になってしまった。

 落語協会には、ツィッターでこれほど大事なことを発信するだけではなく、この発表にホームページのリニューアル時期を合わせるくらいのセンスが欲しかった。
 それにしてもホームページは、早くなんとかしてもらわなければ。
 

p.s.
 よく見たら、落語協会の新ホームページの「最新情報」に告知されていました。大変失礼しました。
 しかし、トップ画面ですぐ目につくように配置して欲しいものです。
落語協会新ホームページの該当ニュース
 「芸人紹介」なども含め、他の内容は工事中のまま・・・・・・。

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by kogotokoubei | 2015-04-21 18:11 | 真打 | Comments(2)
落語協会が発表した来春の十人同時真打昇進について書いた記事に、多くの方からコメントを頂戴した。
 あらためて真打昇進について落語愛好家の方の関心の高さを知ることになった。

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五街道雲助著『雲助、悪名一代』

 雲助の本からは何度か紹介しているが、彼自身が受けた真打昇進試験のことについて書かれた部分から引用したい。

 落語家には、前座、二ツ目、真打の三つの身分があります。前座は修業の身、二ツ目から一人前の落語家となるのですが、二ツ目と真打の違いはなにか。
 まず、真打となると「師匠」と呼ばれるようになります。そして弟子をとることができます。つまりそれなりの責任と、それに見合う芸を求められるようになるのです。
 ところが、なにをもって「真打にふさわしい」と認めるのか、その基準はあいまいなのです。


 そうなのだ。そのあいまいさが、いろいろと問題を生むのである。
 年功序列なのか、才能あるものを抜擢するのか、才能といっても、マスコミで売れることなのか、芸のよさなのか、また、それを誰が判断するのか。
 わたしの所属している落語協会では、歴代の会長がその基準を決めてきました。
 1965年から72年まで会長を務めた六代目三遊亭圓生は、自分が芸を認めたものしか真打に昇進させませんでした。
 圓生が会長であった八年間で真打に昇進したのはわずか数名。

 このわずか数名の中に、圓窓、小三治、扇橋が含まれている。

 圓生のあとを継いで会長となった五代目柳家小さんは、年功序列で年に二十名近くを真打に昇進させたため、その方針に反発した圓生が落語協会を脱会する大騒動が巻き起こりました。
 その結果、ある程度年季の経った二ツ目を対象に真打昇進試験を行い、会長はじめ理事会で協議して真打昇進の可否を決めることになりました。
 それを聞いた二ツ目は、みな大ブーイングです。試験が嫌いだから落語家になったのに、なんで受けなきゃいけないのかと、わたしももちろん嫌でした。

 あの昭和53年の大騒動は有名だが、その後の真打昇進試験のことは、意外に知られていないのではなかろうか。

 嫌でしたが、「第一回真打昇進試験を受けるように」という通達、通称・赤紙がやってきてしまったのです。
 なかには、赤紙が来てもボイコットする者もありました。ですが、わたしの師匠馬生がこのとき落語協会副会長でしたので、その弟子であるわたしは受けないわけにはいきませんでした。


ボイコットした一人が、故古今亭志ん五である。

 とにかく1980年11月19日、世間は山口百恵と三浦友和の結婚式に沸くなか、わたしは第一回真打昇進試験を受けました。
 試験場は池袋演芸場。
 持ち時間はひとり二十分で、わたしは『幇間腹』という演目をやりました。客席には会長小さん、副会長馬生をはじめ、理事がずらっと並んでいる。
 舞台へあがっても拍手もなければ笑いもしない、最悪の「お客様」でしたね。
 こんな試験で落されても嫌だな、どうなったかな、と思いながら馬生のお宅へ伺ったら、池波志乃に
 「お父ちゃんが、雲さんよかったって言ってたわよ」
 と言われて、はじめてほっとしました。
 落語に関しては、「なんでもいいんだよ」という師匠でしたから、わたしの落語についてなにか言ったというのを聞いたのは、あとにも先にもこの一度きりです。
 結果、わたしは合格して真打に昇進しました。

 この第一回真打昇進試験の合格者で昭和56年3月に昇進した噺家さんは雲助以外に、さん喬、今松など。

 しかし、この試験もそう長続きはしなかった。
 まず、ご存知のように、昭和58年、立川談志が自分の弟子二人が試験に合格しなかったことから落語協会を脱退する。
 
 そして昭和62年の試験で、とんでもない結果が出た。林家こぶ平(9代目林家正蔵)が合格した一方で、NHKなど多数の受賞歴があり、周囲からもその芸を高く評価されていた古今亭志ん八(後の古今亭右朝)が不合格となったのだ。これには寄席の席亭たちも承服せずに落語協会に強く抗議した。協会は急遽追試を行い、志ん八を合格させたが、これにより真打試験の存在意義が疑問となり試験制度が廃止された。落語協会の新副会長は、真打昇進試験について、複雑な思いがあるはずだ。
 なお、古今亭右朝についてご興味のある方は、以前の記事をご覧のほどを。
2009年4月29日のブログ

 私が、公開の場での真打昇進試験を奨めるのは、このような密室での試験の問題があったからでもある。

 歌舞伎などの伝統芸能、そして相撲などの世界は、閉鎖性、密室性が高く社会から隔絶された世界だからこそ、伝統を継承できてきた側面もある。それは決して悪いことばかりではなく、そうである必然性も歴史もある。

 歌舞伎には家柄という関門がある。相撲には、その体格などにおける基準がある。どちらも、その世界に誰でも入ることができるわけではない。
 さて、落語はどうか。入門希望者を師匠が断わることもあるから師匠の考える基準はあるかもしれない。
 しかし、あの世界に入るための関門は概して高くはない。まさに玉石混交の落語家志願者がいるわけだ。

 年功(年々)序列では、落語という芸能の水準を維持するためにならないばかりではなく、芸も心構えも中途半端な昇進が、本人の人生にとっても良いはずはない。
 何らかの試験という関門によって、落語界全体の水準を保つとともに、適性に欠ける者には、人生における別な選択肢を考える機会を与えるべきだろう。

 それを、どんな時期に、どのような内容や基準で行うかは、決して易しい課題ではないが、何らかのかたちでの通過儀礼は必要だと思う。
 なぜなら、あの密室での第一回試験でさえ、実施した意味はあったではないか。

 それは、何か。
 雲助が、間接的とはいえ、一生で一度師匠馬生からの褒め言葉を聞けたことである。
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by kogotokoubei | 2014-07-21 07:04 | 真打 | Comments(4)
落語協会のサイトで、来年の真打昇進者について発表があった。
落語協会サイトの該当ページ

平成27年春 新真打昇進決定
2015年 春 (三月下席より)

三遊亭司(歌司門下)、柳家喬之進(さん喬門下)、三升家う勝(小勝門下)、柳家麟太郎(小里ん門下)、
入船亭遊一(扇遊門下)、金原亭馬治(馬生門下)、金原亭馬吉(馬生門下)、柳家さん弥(さん喬門下)、
柳家右太楼(権太楼門下)、三遊亭ぬう生(圓丈門下)

以上、10名が真打に昇進することが決定しました。


 見事に香盤通り。

 真打昇進披露興行が各寄席で十日間なので、昇進させる人数は、一人だけ抜擢する以外では、二人、五人、そして十人であると主任を均等に割り振ることができる。
 なぜ、来年二人でも五人でもなく、十人同時になったのか。
 まず、二人ではなかった理由。察するにある二人だけを選ぶというほど際立った人が、この十人以外も含めていなかった、ということだろう。私もそう思う。

 では、なぜ五人ではなく十人か。

 協会のサイトにある芸人紹介の内容からそれぞれの入門と二ツ目昇進時期を並べてみる。
落語協会サイトの芸人紹介のページ
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三遊亭司:平成10(1998)年5月三木助に入門→平成13年3月より歌司門下、平成15(2003)年5月二ツ目。
柳家喬之進:平成12(2000)年1月入門、平成15(2003)年10月二ツ目。
三升家う勝:平成12(2000)年1月入門、平成15(2003)年10月二ツ目。
柳家麟太郎:平成11(1999)年4月入門→平成12年4月より前座、平成15(2003)年10月二ツ目。
入船亭遊一:平成11(1999)年12月入門→平成12年6月より前座、平成15(2003)年11月二ツ目。
金原亭馬治:平成12(2000)年4月入門→7月より前座、平成15(2003)年11月二ツ目。
金原亭馬吉:平成12(2000)年4月入門→7月より前座、平成15(2003)年11月二ツ目。
柳家 さん弥:平成12(2000)年7月入門→平成12年11月より前座、平成16(2004)年7月二ツ目。
柳家 右太楼 :平成12(2000)年11月入門→平成16(2004)年7月二ツ目。
三遊亭 ぬう生:平成13(2001)年2月入門→平成16(2004)年11月二ツ目。
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  ご覧のように、五人目遊一、六人目の馬治、七人目馬吉の三人が同じ平成15年11月の二ツ目昇進で、香盤順に五人づつに分けにくかったのが、十人同時の理由なのだろう。
 入門から来春の昇進まではほぼ15~16年、二ツ目からなら11~12年が目安。

 ちなみに、ぬう生に続く噺家さんは次の通り。

林家彦丸:平成13(2001)年入門→平成16(2004)年二ツ目。
月の家鏡太:平成13(2001)年6月入門→平成16(2004)年11月二ツ目。
林家たけ平:平成13年入門→平成14(2002)年6月より前座、平成17(2005)年5月二ツ目。

 彦丸は入門も二ツ目昇進時期も月の記載がないが、たぶん二ツ目昇進はぬう生、鏡太と同じ平成16年の11月なのだろう。ぬう生と彦丸、鏡太の間には入門時期、あるいは前座としての楽屋入り時期の違いで香盤の差があるはずだが、真打昇進において三人の間に境界が設けられた理由は、単に十人、という切れ目というだけのことかもしれない。
「は~い、先着十人までです・・・ここ、ぬう生さんまでね」と、彦丸の目の前で線を引かれた、ということか。


 会長が交代しても、そう大胆なことはできないだろう、とは思っていた。
 しかし、ほんのわずかながら、年功(年々)序列以外の施策を期待していた。
 前会長柳家小三治の人間国宝という朗報に比べ、この十人同時昇進のニュースには、私は素直に喜べない。
 本人達には朗報かもしれないが、会長交代、新役員体制による最初の大仕事が、これなのである。

 何度か書いてきたが、最近の定席寄席の全体的な出来栄えにおいては、必ずしも人数的に圧倒する落語協会の方が芸術協会(芸協)より上、とは言えない。数年前の末広亭席亭の芸協への小言以来、芸協は良い意味で緊張感を抱いて寄席に臨んでいるような気がする。宮治を代表として若手が元気で、伝統的に色物が充実している芸協に比べ、落語協会の寄席では、ネタをするだけの時間があるにも関わらず漫談でお茶を濁す噺家にがっかりすることも少なくない。

 そういう認識が、新会長、新役員にはあるのだろうか・・・・・・。

 もちろん、検討するための時間も必要だが、新体制だから、できることもあったはずだ。 

 私は、素人の気楽さで、こんなことを考えていた。
 真打昇進候補を三十人位に拡大し、昇進審査を兼ねた二ツ目落語会を、定席の余一会や別な会場を利用して公開番組として開催する。新役員によって分担して特別ゲストとして一席披露するとともに、楽屋あるいは会場で、その役員は二ツ目の高座をしっかり聴く。終演後はお客様の投票も実施し、後日の参考とする。全ての会が終了したら、役員が集まり審査をして昇進者を決める。そんな試みがあっても良かったのではなかろうか。その結果の十人同時昇進なら、文句はない。

 「落語協会真打昇進審査落語会」とか「市馬杯」とでもして、一回に五人で持ち時間20分、ゲストの一席と仲入りで二時間半ほどの落語会になる。組合せを変えて、できれば一人が三回参加できるようにして延べ18回。一人二回で12回の興行だ。

 在籍年数だけによる機械的な昇進ではない、という姿勢を打ち出せるし、若手にチャンスと緊張感を与えることのできる施策ではなかろうか。協会新体制の挨拶代わりにもなるし、副次的効果として中堅以上の噺家さんの気も引き締めることになれば言うことはない。もちろん、落語愛好家には楽しみが増えることになる。早朝や深夜の落語会に行くことができない人は、なかなか二ツ目さんの高座をまとめて聴く機会はないのだ。

 今のままでは、のほほんと16~17年も我慢すれば真打。しかし、それがあくまでスタートである、という心構えの薄い“師匠”を数多くつくるだけではなかろうか。

 私は、社会の縮図が落語界にもあるように思う。
 二ツ目が多いこと、大卒者が多く年齢も若くはないこと、入門希望者が多く前座修業を待つ“待機児童”(白酒が言っていた^^)も増えている、などの状況がある。後ろが詰まっているから前の扉を開けて順番に外に放り出しても、外に飛び出た人達が名目通り師匠としての基礎体力を持っていなければ、厳しい芸の社会で片隅に追いやられる人も少なくはないだろう。その年齢になって他の人生を選ぶことはなかなか容易いことではない。
 二ツ目の間に、まだ若いうちに、自分の人生について他の選択肢を検討する機会をつくることのほうが、その人にとっては有益かもしれない。
 現在の二ツ目という“踊り場”には、親掛かりの、食べるには困らない若者も少なくなかろう。その親御さんたちも、十年先には子供の面倒をみるどころではないかもしれない。少子化に伴う社会の縮図としての今の落語界を考えることも重要なのではないか。自然に去っていく若手もいるだろうが、勘違いや錯覚の結果、落語の世界に入ってしまった人にも、真打昇進という大きな過渡期に、自分を見つめ直す機会を与えるべきではなかろうか。

 そういうことも含め、来春の同時十人昇進は、決して当事者の彼らにとっても晴れがましいこととは思えないのだ。

 小三治の人間国宝認定が教えることは何か。それは、あくまで伝統ある古典落語の真髄を守って、現代風のくすぐりなどで無理に笑わせようなどとはしない噺が大事であること。そして、聴く者を高座で描かれる江戸や明治の庶民生活の舞台に笑いとともに自然に導いてくれる落語が大事だ、ということだろう。
 
 そういう噺家さんと将来も出会えるためにも、落語協会の今後の試みに注目したい。
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by kogotokoubei | 2014-07-20 00:36 | 真打 | Comments(20)
27日に末広亭に行き、プログラムの「寄席だより」に、落語協会の来秋、そして二年後の春の真打昇進者とともに、落語芸術協会の来年五月の昇進者三名のことが掲載されていた。
 
 落語芸術協会のホームページにも掲載されているのだろう、と思っていたのだが、現時点ではまだ案内がない・・・・・・。

 末広亭のホームページにも「寄席だより」の内容は掲載されているのでご紹介。末広亭のHPの「寄席だより」のページ

落語芸術協会は来年5月 3名が昇進

落語芸術協会(会長・桂歌丸)は3名の新真打。三笑亭月夢、春風亭笑好、雷門花助で、真打披露は来年5月上席(1日~10日)の当席から始り、各寄席で興行。



ちなみに、今年の春の昇進者の案内は、昨年の八月に発表されており、私もブログに書いた。2011年8月3日のブログ

 来春の昇進者の三名は例年通りの年功昇進で香盤通り。落語芸術協会のHPの二ツ目のページ
 春風亭笑好と雷門花助は生で聴いている。花助は今年二月の人形町らくだ亭で『薬違い』という珍しいネタを聴いてが、結構しっかりした高座に好感を持った。2012年2月22日のブログ

 笑好の高座は、あまり良い印象はないが、これからの精進次第だろう。
 月夢は、なかなかユニークな経歴の持ち主のようだが、来年ぜひ聴いてみたいと思っている。

 しかし、芸協は、なぜホームページに、この大事な情報を掲載していないのか・・・・・・。
 ホームページ担当者が、すでに正月休みに入ったかだけか。

 いずれにしても、来春は、落語協会の真打昇進はないから、芸協の三名は、ある意味非常に得な時期での昇進と言えるのではなかろうか。ぜひ、その時の“利”も生かして三名の披露興行が盛況であることを期待する。

 芸協幹部は、昨年の今頃、納会での末広亭席亭の一言で動揺していたと察する。しかし、他の一門の手助けなどなくとも、十分に定席に客を呼べるはず。春の披露興行も、その一環とすることができるのではないか。だからこそ、もっとネットも有効に使うべきだと思うよ。
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by kogotokoubei | 2012-12-29 13:40 | 真打 | Comments(0)
落語協会の来年秋、および再来年春の真打昇進者が発表された。
落語協会の10月21日のニュース

新真打昇進決定

2013年 秋

川柳つくし(川柳川柳門下)、金原亭小駒(金原亭伯楽門下)、三遊亭天どん(三遊亭圓丈門下)、三遊亭金兵衛(三遊亭小金馬門下)、柳家喬四郎(柳家さん喬門下)

以上、5名

2014年 春

柳家小権太(柳家権太楼門下)、鈴々舎風車(鈴々舎馬風門下)、三遊亭亜郎(三遊亭圓丈門下)、古今亭志ん公(古今亭志ん橋門下)、桂才紫(桂才賀門下)

以上、5名

が真打に昇進することが決定いたしました。



 この十人、風車と亜郎以外は生の高座を聴いたことがある。

 さて、一之輔、そして文菊、志ん陽と続いた抜擢昇進が、もう終了したということなのだろうか・・・・・・。

 念の為、落語協会サイトの芸人紹介の「二ツ目」の上から(香盤)順に並べる。
落語協会サイトの該当ページ
-----------
川柳 つくし
金原亭 小駒
三遊亭 天どん
三遊亭 金兵衛
柳家 喬四郎
柳家 小権太
鈴々舎 風車
三遊亭 亜郎
古今亭 志ん公
桂 才紫
三遊亭 司
柳家 喬之進
三升家 う勝
柳家 麟太郎
入船亭 遊一
金原亭 馬治
金原亭 馬吉



-----------

 まったくの香盤順での昇進。
 
 来年春に昇進者がないのは、「まだ早い」という意図の現れか、はたまた、披露興行の本人達と寄席側の準備期間をつくるためかは、不明。

昇進者の入門年と二ツ目昇進年月は次の通り。
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川柳つくし:平成9(1997)年入門、平成12(2000)年11月、二ツ目。
金原亭小駒:平成9(1997)年入門、平成12(2000)年11月二ツ目。
三遊亭天どん:平成9(1997)年入門、平成13(2001)年5月二ツ目。
三遊亭金兵衛:平成10(1998)年入門、平成13(2001)年11月二ツ目。
柳家喬四郎:平成11(1999)年入門、平成14(2002)年11月二ツ目。
柳家小権太:平成11(1999)年入門、平成14(2002)年11月二ツ目。
鈴々舎風車:平成11(1999)年入門、平成14(2002)年11月二ツ目。
三遊亭亜郎:平成9(1997)年入門、平成14(2002)年11月二ツ目。
古今亭志ん公:平成11(1999)年入門、平成15(2003)年5月二ツ目。
桂才紫:平成11(1999)年入門、平成15(2003)年5月二ツ目。
----------------------------------------------------

 ちなみに、同じ時期の二ツ目昇進の場合は、入門が少しでも早いと香盤は上になる。たとえば、志ん公と才紫は、志ん公の入門が平成11年の3月1日、才紫が同3月25日。

 さて、あらためて今回の発表を見て浮かぶ二つの疑問。

(1)あれ、また年功昇進に戻ったのか?
(2)平成15年5月の二ツ目昇進までか?

 (1)の問題は大きいので、後に譲って、(2)の件。実は平成15年5月に二ツ目になった人でも、漏れた人がいる。

 才紫に続く二ツ目の入門と二ツ目昇進時期を、少し詳しい情報を加えて並べてみる。

三遊亭司:平成10(1998)年5月三木助に入門→平成13年3月より歌司門下、平成15(2003)年5月二ツ目。
柳家喬之進:平成12(2000)年1月入門、平成15(2003)年10月二ツ目。
三升家う勝:平成12(2000)年1月入門、平成15(2003)年10月二ツ目。
柳家麟太郎:平成11(1999)年4月入門→平成12年4月より前座、平成15(2003)年10月二ツ目。
入船亭遊一:平成11(1999)年12月入門→平成12年6月より前座、平成15(2003)年11月二ツ目。
金原亭馬治:平成12(2000)年4月入門→7月より前座、平成15(2003)年11月二ツ目。
金原亭馬吉:平成12(2000)年4月入門→7月より前座、平成15(2003)年11月二ツ目。

 昇進する志ん公、才紫と同じ、平成15年5月に二ツ目になった三遊亭司。
 「入門だって、他の二人より早いじゃないか・・・・・・」と思うのが当然の疑問。その芸も、私はほぼ二年前のらくだ亭で聴いているが、なかなか艶のある高座で結構だった。実は、彼は最初に入門した四代目桂三木助でしくじって、しばらく落語の世界を離れてから歌司に再入門している。ある情報(?)では、三木助を破門になった、とも言われている。そんなキャリアの空白と最初の師匠でのしくじりが、昇進の妨げになっているのは間違いなかろう。

 まぁ、この“流れ”が変わらなければ、司は平成26年の春の昇進になるのではなかろうか。

 しかし、年功昇進を会長小三治は否定したはずではないのか・・・・・・。

 では、(1)の問題について少し書きたい。

 20日の土曜にようやく文菊と志ん陽の披露興行に行くことができたのだが、二人の昇進披露に関して8月27日に行われた記者会見の記事を、少し遅れて紹介したことがある。
2012年9月3日のブログ

 紹介した記事に小三治会長の言葉があるが、あらためてご引用したい。MSN産経ニュースの該当記事

 真打ち昇進に関しては、小三治は「私の方針としては、いいものは引き上げたい。年数で真打ちにするのは、はっきりいうと私の好みではない。新しく入ってきた人が『やろう』という気持ちになるのがいい」

 落語協会では、しばらくは年功序列はなく、抜擢による昇進が続きそうだ。

 最後は「(落語家は)保護されてのぼっていくものではない。振り落とされてもあがっていく心意気を見せてほしい。それは私自身にもいえること。安全なんてどこにもない」と、小三治は厳しい言葉で結んだ。

*太字は、管理人によるものです。

 さて、なぜ小三治会長の考えは変わったのか?

 いろいろ思うに、一之輔、文菊、少し差があるが志ん陽のように、抜擢したくなるほど際立った二ツ目が見当たらなかった、というのが本音ではなかろうか。

 よって、「修業年数も重要な基準」ということで、「待て」と言われ、精神的にも辛い日々を過ごしてきた香盤上位の二ツ目に、ある意味では、お返しのようなつもりでの年功昇進のように思う。

 私も、小三治会長の言葉を紹介したブログの後半で、もし私なら、ということで三名ほどの名前と挙げたが、自分の限られた経験と好みが左右しており、決して自信をもってのリストアップとは言えなかった。

 そう、今年の昇進者のように際立っている噺家はいないだろう。

 数年後、この11月に二ツ目になる入船亭小辰(辰じん)や春風亭朝呂久が抜擢されるまでは、なかなか小三治会長の厳しい目に応える人が出てくるようには思えない。

 私の邪推は、意外に当たってるよう気がするが、いずれにしても、どこかで小三治会長の見解を確認したいものだ。
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by kogotokoubei | 2012-10-22 08:55 | 真打 | Comments(10)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛