噺の話

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2017年 05月 14日 ( 1 )

 先ほど、テニス仲間との合宿から帰宅したところ。
 昨日はあいにくの雨だったが、そのかわり今日、いつものテニスクラブに戻りテニス。
 恒例の昨夜の宴会での落語は一之輔版を元にした『鈴ヶ森』と春風亭柳枝の音源を元にした『野ざらし』。
 一之輔は、かつてのニフティ寄席の音源。あのポッドキャストは、実に貴重な音源を残してくれたなぁ。
 あくまで登場人物に対して話すようにしたら、それぞれ短縮版ではあったが、結構良くできたように思う。
 雨で出来なかったテニスの代りにアサヒビール神奈川工場を見学し、昼から無料の出来立てビールを三杯飲んだのが効いてはいたが、なんとか高座(?)を務めることが出来た。
 
 帰宅し少しネットをのぞいたら、歌丸の落語芸術協会(芸協)会長の後継者に関する記事が目に入った。
 スポニチから引用。
スポニチの該当記事

落語界に新しい風を吹き込む芸協 桂歌丸の“後釜”は?

 現在も横浜市内の病院に入院中である落語家の桂歌丸(80)。肺炎という高齢者にとっては非常に危険な病気だったが、症状はほぼ治まり、日増しに体力も回復している。一時は35キロまで落ち込んだ体重も、病院食を毎日ペロリと完食していることもあって着実に増加。周囲には「病院で1・5キロも太ったよ」と笑顔を見せている。

 とはいえ、昨年から何度も入退院を繰り返しており、決して万全とはいえない状態。退院しても、定期的に高座を務めることに不安はぬぐえない。さらに、現在は落語芸術協会の会長。月に約10日は行事などの出席が義務づけられる会長職の継続は、相当難しいと思われる。5月下旬に理事による会議では、後任について議論が交わされるのは必至だ。

 問題は後継者の選定。副会長を務める三遊亭小遊三(70)は昨年4月に不整脈の手術を行っており、健康に不安がないとはいえない。そんな中で有力視されていたのが春風亭昇太(57)だった。

 落語家が最も多く在籍している落語協会は、3年前に柳亭市馬(55)が52歳という協会史上最年少で会長職に就いた。副会長には林家正蔵(54)が就任し、幹部の若返りに成功している。そのため、芸協の周囲では昇太待望論もあったが、昨年の「笑点」司会就任とともに人気が沸騰。大河ドラマにまで出演するほどになってしまった。現時点では芸協主導の寄席やイベントへの出演にもスケジュール調整が難しい状態で、会長職を引き受けることは、昇太に相当な負担を強いることになる。

 真打ちの数は約100人で、落語協会は倍の約200人。どうしても人材不足となりがちだ。ただ「二ツ目」と呼ばれる若い落語家には活きのいい落語家が揃っている。柳亭小痴楽(28)、春風亭昇々(32)、講談の神田松之丞(33)らは「渋谷らくご」などお笑いライブ感覚の落語会を開催し、これまであまりアクセスすることのなかった若い女性ファンを取り込んでいる。

 かつては「古典の落語協会、新作の落語芸術協会」と言われたこともあるほど、旺盛な創作意欲で落語界に新しい風を吹き込んでいた芸協。その伝統を若手が体現している今、誰が舵を取るのか注目したい。[ 2017年5月12日 10:45 ]

 この記事でいくつか気になることがある。
 
 まず、落語協会が市馬会長、正蔵副会長という“幹部の若返りに成功”と記しているが、いったい何が成功に値するのだろうか。

 “若さ”の象徴とも言えるはずのネット時代の組織の看板であるホームページは、改悪されたままだ。

 市馬会長体制になってから、果たして、落語協会の活動について、落語愛好家が良い意味での変化を見出せたことがあっただろうか。

 落語協会の役員など幹部は、HPに次のような名が並ぶ。
落語協会HPの該当ページ
当期役員(任期:平成28年6月24日より2年間)
会長 柳亭市馬
副会長 林家正蔵
常任理事 柳家小さん・三遊亭圓丈・柳家さん喬
理事
古今亭志ん輔・入船亭扇遊・金原亭馬生・
三遊亭歌る多・三遊亭吉窓・五明楼玉の輔・
林家たい平・柳家喬太郎・鏡味仙三郎

監事 柳家さん八・柳家権太楼
外部監事 友原征夫(会計士)
最高顧問 鈴々舎馬風
顧問 三遊亭金馬・柳家小三治
外部顧問 寺脇研(京都造形芸術大学 芸術学部教授)
相談役 三遊亭圓窓・林家こん平・桂文楽・林家木久扇


 たい平や喬太郎が理事になったことで、何かが変わったのか・・・・・・。
 若手を幹部に抜擢して、何か“新しい風”が持ち込まれたのか。

 真打ち昇進にしても、前小三治会長が行ったような抜擢はその後続かず、かつての芸協よりも年功(年々)序列になっている。
 それも、今年は春に五人、秋に三人の真打大バーゲン(?)だ。
 加えて三木助という名跡の安易としか思えない襲名・・・・・・。

 対照的に芸協は今まさに昇進披露興行中の二人だけ。
 このところ、真打ち昇進には芸協の方が厳しい目で見ているような気がしているが、落語協会の大量昇進に比べて、私は芸協の選抜の姿勢を好ましく思っている。

 いわゆる“成金”という言葉が象徴する元気な二ツ目は、たしかに芸協所属の若手が多い。
 彼らが今後の東京の落語界を背負って立つことができるかどうかも左右するだろうから、たしかに、歌丸の後継会長は気になるところだ。

 芸協の幹部は次の通り。
落語芸術協会HPの該当ページ

会長 桂 歌丸
副会長 三遊亭 小遊三
理事 三遊亭 遊三
理事 三笑亭 茶楽
理事 春風亭 小柳枝
理事 三笑亭 夢太朗
理事 桂 米助
理事 古今亭 寿輔
理事 桂 歌春
理事 柳亭 楽輔
理事 柳家 蝠丸
理事 瀧川 鯉昇
理事 春風亭 昇太
理事 桂 竹丸
理事 春風亭 柳橋
理事 桂 文治
監事 山遊亭 金太郎
監事 三遊亭 遊吉
参与 鏡味 健二郎
参与 東 京太
参与 神田 松鯉
最高顧問 桂 米丸
相談役 三笑亭 笑三


 さて、歌丸の後継を決めるなら、誰が相応しいのか。

 私は、昇太にそれを期待していない。いいじゃないか、テレビの人気者で。
 そういう役回りの人も必要なのだから。

 組織が若々しくなるには、物理的な年齢の若さではなく、あくまで精神的な若さと、落語への情熱、組織改革のための構想力に企画力、そして文科省の役員や席亭などとの交渉における政治力が重要なのである。

 
 たとえば、茶楽などが会長になったら、彼ならではの理性的な目で組織を活性化させることができそうな気がしている。
 寿輔だって、悪くない。あの人ほど寄席を大事にしている人もいないではないか。

 スポニチの記事には小痴楽など、最近脚光を浴びている二ツ目の名前が挙がっているが、彼らを売り出すことに歌丸の精神的な後押しが強かったことは、小痴楽のツィッターなどでよく分かる。

 歌丸は、落語協会が一之輔や文菊、志ん陽を抜擢して真打に昇進させた際に取材を受け、かたや年功序列の芸協と言われ、憮然として「うちはうち」と答えた。

 今、逆に年功的要素が強くなった落語協会を横目で見て、歌丸は毅然として「うちはうち」と思っているような気がする。

 そういった精神を受け継ぐことができる人が後継者に相応しいのではなかろうか。

 この記事を読んで、いくつか違和感を覚えるとともに、そんなことを思っていた。

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by kogotokoubei | 2017-05-14 16:25 | 落語芸術協会 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛