噺の話

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2008年 06月 11日 ( 1 )

立川談春著『赤めだか』

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 落語家の書いた本の傑作というと、古くは三遊亭金馬(三代目)『浮世断語』、ここ数年では立川談志の『談志絶倒昭和落語家伝』だと思う。
 前者は博学で釣りなど趣味も多彩な金馬師匠の面目躍如といった優れたエッセイ。後者は田島謹之助さんの写真集でもあるが家元の古き落語家と当時の落語界を語る筆(口?)も冴えており、歴史書としても価値がある。

 その家元に高校を中退して入門してから真打になるまでを舞台としたのが本書。
 現在の落語ブームの主役の一人であり、古典派として将来の名人候補である談春が赤裸々に自分の内面をもさらけ出した意欲作である。

 雑誌掲載の単行本化だが、これは出版した意義が大きい。

 立川流のこと、落語家修業のこと、そして談春という一人の男のことと師匠談志家元のことについて、数多くの発見があるし、当事者しか知りえない数々のエピソードがふんだんに散りばめられている。

 弟弟子だった志らくへの嫉妬と友情、途中で挫折していった修行仲間たちとの別れ、など笑いと涙にあふれた傑作であり、小言が言いにくい本。
立川談春_赤めだか
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by kogotokoubei | 2008-06-11 11:56 | 落語の本 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛