小佐田定雄さんと桂かい枝の「古墳落語」への取り組み。
2017年 04月 22日
古典落語には、今では演じられなくなったネタが多いが、そういった落語を発掘しようという試みについての嬉しいニュースを目にした。
関西のニュースサイト「Lmaga」より引用。
Lmagaサイトの該当記事
滅んだ噺を復活、古典ならぬ古墳落語
2017.4.15 7:00
『時うどん』や『饅頭こわい』など長く語り継がれる古典落語。その一方で、時代に埋もれていった多数の噺があるが、そんな一度は滅んだ噺を復活させる試み『桂かい枝・小佐田定雄の「発掘カイシ!」その1・復活古墳落語』が、5月19日に「天満天神繁昌亭」(大阪市北区)で開催。4月13日、「上方落語協会会館」で会見がおこなわれた。
今回の落語会は、関西で多くの新作落語を手がけ、今年40周年を迎える落語作家の小佐田定雄と、昨年『繁昌亭奨励賞』を受賞した実力派・桂かい枝が企画。「古墳落語」とは滅んで埋もれた噺をさして故・桂米朝が言った言葉だ。小佐田は、「何か面白いことをやろう、やるからには後世に残り寄席でできる噺にしよう、と芸能史研究家の前田憲司さんに『誰も知らない題のみ残る噺』をあげてもらった。そのなかから今回は1894年(明治27年)の『桂派落語演題集』という番付に載る『屁臭最中』を選んだ」という。
「まさに『お題噺』。ただ『へくさもなか』なのか、読み方さえわからない。中身は想像できるが、汚い噺にはしないと決めて『へくさのさいちゅう』とし、遊びを入れて復活させた。落語家が増えて新しい噺が求められているなか、古い題でも使えるものは使う。これも一つの落語の作り方」と小佐田は意気込む。大阪・船場を舞台に得意の古典風味に仕立てて、20分程度の寄席仕様になった。
演じるかい枝は「面白い落語になっています。笑いもたくさん入るかわいい恋愛ものの噺。女子高生が聞いても共感できると思う」と自信をのぞかせる。会では大ネタの『帯久』も披露予定。かい枝にとっては二重の挑戦となる。今回の「発掘」で、どう蘇るのか楽しみ。成功すれば違う趣向の発掘噺も考えているという。チケットは前売2500円で、現在発売中。
取材・文・写真/やまだりよこ
米朝が発掘した「古墳落語」は多い。
『算段の平兵衛』『風の神送り』『矢橋船』、何より『百年目』に『地獄八景亡者戯』。
米朝の努力がなければ、これらの噺を今の時代に聴くことができなかったと思うと、ぞっとするじゃないか。
ぜひ小佐田さん、かい枝というニンなお二人の努力で埋もれた数多くのネタが発掘され、将来多くの噺家に演じられることを期待したい。
最近、上方の落語愛好家の方が羨ましくなる企画が多いような気がしてならないなぁ。
雀三郎さんも「鬼の面」や「いらち車」を復活させておられます。小佐田氏とかい枝さんがタッグを組めば、古くていい話が復活しそうです。
米朝師が残した多くの資料には、「まだ復活させたい噺がある」という事でしたから、整理されれば又古い物が再生されそうです。
噺も使い捨てじゃなくリサイクルの時代ですね。
噺の「リサイクル」とは、言い得て妙!
「いらち俥」も復活ネタでしたか。
東京の「反対俥」ですよね。
米朝が偉大なのは、噺家としてのみならず、落語研究者としての業績も素晴らしいこと。
一門としては桂文我がもっとも後継者として相応しいと思います。
もちろん、小佐田さんや桂かい枝の活動にも大いに期待しています。