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NHK大河ドラマの原作の有無、など。

 「真田丸」に関連して、優れた原作を元にしないドラマへの小言(?)を書いた。
 
 では、これまでの大河がどうだったかを知りたくなった。

 Wikipedia「NHK大河ドラマ」から引用。

 第一回「花の生涯」から再来年の第五十七回「西郷どん」までの、題名、放送年、原作、脚本、時代、の順。
Wikipedia「NHK大河ドラマ」
 
1 花の生涯 1963/4-12 舟橋聖一 北条誠 幕末
2 赤穂浪士 1964 大佛次郎 村上元三 江戸
3 太閤記 1965 吉川英治 茂木草介 戦国 - 安土桃山
4 源義経 1966 村上元三 村上元三 平安 - 源平内乱
5 三姉妹 1967 大佛次郎 鈴木尚之 幕末
6 竜馬がゆく 1968 司馬遼太郎 水木洋子 幕末
7 天と地と 1969 海音寺潮五郎 中井多喜夫・須藤出穂・杉山義法 戦国 - 安土桃山
8 樅ノ木は残った 1970 山本周五郎 茂木草介 江戸
9 春の坂道 1971 山岡荘八 杉山義法 安土桃山 - 江戸
10 新・平家物語 1972 吉川英治 平岩弓枝 平安 - 源平内乱
11 国盗り物語 1973 司馬遼太郎 大野靖子 戦国 - 安土桃山
12 勝海舟 1974 子母澤寛 倉本聡 中沢昭二 幕末
13 元禄太平記 1975 南條範夫 小野田勇・小幡欣治・土橋成男 江戸
14 風と雲と虹と 1976 海音寺潮五郎 福田善之 平安
15 花神 1977 司馬遼太郎 大野靖子 幕末
16 黄金の日日 1978 城山三郎 市川森一 長坂秀佳 戦国 - 安土桃山
17 草燃える 1979 永井路子 中島丈博 源平内乱 - 鎌倉
18 獅子の時代 1980 なし 山田太一 幕末 - 明治
19 おんな太閤記 1981 なし 橋田壽賀子 戦国 - 江戸
20 峠の群像 1982 堺屋太一 冨川元文 江戸
21 徳川家康 1983 山岡荘八 小山内美江子 戦国 - 江戸
22 山河燃ゆ 1984 山崎豊子 市川森一 昭和
23 春の波涛 1985 杉本苑子 中島丈博 明治 - 大正
24 いのち 1986 なし 橋田壽賀子 昭和
25 独眼竜政宗 1987 山岡荘八 ジェームス三木 安土桃山 - 江戸
26 武田信玄 1988 新田次郎 田向正健 戦国
27 春日局 1989 橋田壽賀子 橋田壽賀子 安土桃山 - 江戸
28 翔ぶが如く 1990 司馬遼太郎 小山内美江子 幕末 - 明治
29 太平記 1991 吉川英治 池端俊策・仲倉重郎 鎌倉 - 南北朝
30 信長 KING OF ZIPANGU 1992 田向正健 田向正健 戦国 - 安土桃山
31 琉球の風 DRAGON SPIRIT 1993/1-6 陳舜臣 山田信夫 安土桃山 - 江戸
32 炎立つ 1993/7-1994/3 高橋克彦 中島丈博 平安 - 源平内乱
33 花の乱 1994/4-12 なし 市川森一 室町 - 戦国
34 八代将軍吉宗 1995 なし ジェームス三木 江戸
35 秀吉 1996 堺屋太一 竹山洋 戦国 - 安土桃山
36 毛利元就 1997 永井路子 内館牧子 戦国
37 徳川慶喜 1998 司馬遼太郎 田向正健 幕末
38 元禄繚乱 1999 舟橋聖一 中島丈博 江戸
39 葵 徳川三代 2000 なし ジェームス三木 安土桃山 - 江戸
40 北条時宗 2001 高橋克彦 井上由美子 鎌倉
41 利家とまつ〜加賀百万石物語〜 2002 竹山洋 竹山洋 戦国 - 江戸
42 武蔵 MUSASHI 2003 吉川英治 鎌田敏夫 江戸
43 新選組! 2004 なし 三谷幸喜 幕末
44 義経 2005 宮尾登美子 金子成人 平安 - 源平内乱
45 功名が辻 2006 司馬遼太郎 大石静 戦国 - 江戸
46 風林火山 2007 井上靖 大森寿美男 戦国
47 篤姫 2008 宮尾登美子 田渕久美子 幕末
48 天地人 2009 火坂雅志 小松江里子 安土桃山 - 江戸
49 龍馬伝 2010 なし 福田靖 幕末
50 江 〜姫たちの戦国〜 2011 田渕久美子 田渕久美子 安土桃山 - 江戸
51 平清盛 2012 なし 藤本有紀 平安 - 源平内乱
52 八重の桜 2013 なし 山本むつみ・吉澤智子・三浦有為子 幕末 - 明治
53 軍師官兵衛 2014 なし 前川洋一 戦国 - 江戸
54 花燃ゆ 2015 なし 大島里美・宮村優子・金子ありさ・小松江里子 幕末 - 明治
55 真田丸 2016 なし 三谷幸喜 戦国 - 江戸
56 おんな城主 直虎 2017 なし 森下佳子 戦国
57 西郷どん 2018予定 林真理子 中園ミホ 幕末 - 明治


 複数の原作が採用されている作家と作品数は、次の通り。

 司馬遼太郎 6、吉川英治 3、山岡荘八 3、海音寺潮五郎 2、舟橋聖一 2、永井路子 2、宮尾登美子 2、高橋克彦 2

 以上、八名。


 そして、原作「なし」は、これまで通算で14作ある。

 なんと、「江」の翌年「平清盛」以降、来年の「おんな城主 直虎」まで、連続で六作続く。
 しかし、「江」の「原作者」は脚本家の田渕久美子。小説家の原作とは言い難いので、あの作品も原作「なし」と考えると、その前年の「龍馬伝」から数え八年続いて「原作なし」の大河と言えるかもしれない。

 再来年は、原作を元にした「西郷どん」だが、その原作者は海音寺潮五郎などではなく、林真理子。
 読んではいないが、読む気には、今のところなれない・・・・・・。

 今ではその指標としての価値に疑問がないでもないが、平均の視聴率をビデオリサーチのサイトから引用する。
「ビデオリサーチ」サイトの該当ページ

 を付けたのが、「原作なし」のドラマである。

NHK大河ドラマ(NHK総合 日曜20:00~) 【関東地区】

期間平均(%) (初回~最終回)

2016年度 真田丸 16.6
2015年度 花燃ゆ 12.0
2014年度 軍師官兵衛 15.8
2013年度 八重の桜 14.6
2012年度 平清盛 12.0

2011年度 江・姫たちの戦国 17.7
2010年度 龍馬伝 18.7
2009年度 天地人 21.2
2008年度 篤姫 24.5
2007年度 風林火山 18.7
2006年度 功名が辻 20.9
2005年度 義経 19.5
2004年度 新選組! 17.4
2003年度 武蔵 MUSASHI 16.7
2002年度 利家とまつ・加賀百万石物語 22.1
2001年度 北条時宗 18.5
2000年度 葵徳川三代 18.5
1999年度 元禄繚乱 20.2
1998年度 徳川慶喜 21.1
1997年度 毛利元就 23.4
1996年度 秀吉 30.5
1995年度 八代将軍吉宗 26.4
1994年度 花の乱(94年4~12月) 14.1

1993年度 琉球の風(93年1~6月) 17.3
1993年度 炎立つ(93年7月~94年3月) 17.7
1992年度 信長 24.6
1991年度 太平記 26.0
1990年度 翔ぶが如く 23.2
1989年度 春日局 32.4
1988年度 武田信玄 39.2
1987年度 独眼竜政宗 39.7
1986年度 いのち 29.3
1985年度 春の波涛 18.2
1984年度 山河燃ゆ 21.1
1983年度 徳川家康 31.2
1982年度 峠の群像 23.7
1981年度 おんな太閤記 31.8
1980年度 獅子の時代 21.0
1979年度 草燃える 26.3
1978年度 黄金の日日 25.9
1977年度 花神 19.0
1976年度 風と雲と虹と 24.0
1975年度 元禄太平記 24.7
1974年度 勝 海舟 24.2
1973年度 国盗り物語 22.4
1972年度 新・平家物語 21.4
1971年度 春の坂道 21.7
1970年度 樅の木は残った 21.0
1969年度 天と地と 25.0
1968年度 竜馬がゆく 14.5
1967年度 三姉妹 19.1
1966年度 源 義経 23.5
1965年度 太閤記 31.2
1964年度 赤穂浪士 31.9
1963年度 花の生涯 20.2


 これらをながめて思うことは、大きく二つ。

(1)歴史好き視聴者の離反原因は「原作」不在にもある
  地上波の視聴率をどうこう言って騒ぐのは、BSもあるし録画して観る私のような視聴者もいるので無意味になってきたと思う。
  しかし、大河の総合テレビでの視聴率の推移は、なかでも昨今の低迷が、歴史好き、時代小説好き、歴史ドラマ好きの、これまでの大河の中核となっていた視聴者が離れていったことを示す指標かもしれない、と思う。
  その原因の一つは、優れた原作を元にした作品が、昨今製作されていない、ということもあるのではなかろうか。

(2)現役作家の歴史小説を取り上げるべきではないか
  司馬遼太郎など、過去の歴史小説家の作品以外にも、現役の作家の作品で、十分に大河の素材になるものはあるはず。何度か名前を挙げている葉室麟しかり。
  数ある現役の小説家の誰かの作品を選ぶことに、何かとためらう気持も分からないではないが、優れた原作があり、そのドラマがどう描かれるかを楽しみにしているコアなファンの存在を忘れてはならないと思う。


 原作のない大河がこうまで続いてきたことを、あらためて認識した。

 その理由はいろいろあるのだろう。
 経済的な面もあるかもしれないし、脚本家を含む制作陣が原作者やその関係者との面倒な折衝などを避け自由に制作したい、ということも背景にあるのではなかろうか。

 しかし、歴史を語るには、その道に通じた“語り部”の力を借りるべきではなかろうか。

 もちろん、その小説をどう映像化するかは、脚本家や制作スタッフの腕の見せどころだ。

 ぜひ、今日の歴史小説ファンが期待する原作を取り上げ、映像として新たな生命を吹き込んで欲しいものだ。

Commented by 創塁パパ at 2017-01-02 11:00 x
三谷の時代劇が大嫌いです。ありえません。
Commented by kogotokoubei at 2017-01-02 11:29
>創塁パパさんへ

「ラヂオの時間」や「オケピ!」なんかは、結構良いのですがね。
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by kogotokoubei | 2016-12-25 21:18 | 歴史ドラマや時代劇 | Trackback | Comments(2)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛