噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

土用の丑の日で思う、鰻の密輸入のこと、など。

 30日土曜日が「土用の丑の日」なので、メディアや街のポスターなど、さかんに鰻の話題で騒がしい。

 月刊誌「Wedge」8月号の特集の一つが“「土用の丑の日」はいらない はびこるウナギの密輸入 台湾・香港ルートを追う”だった。

 ウェブマガジンの「Wedge Infinity」では「土用の丑の日はいらない ウナギ密輸の実態を暴く」となっている。
「Wedge-Infinity」サイトの該当記事

 同サイトから引用する。

土用の丑の日はいらない、ウナギ密輸の実態を暴く
2016年07月28日(Thu)  WEDGE編集部 伊藤 悟

「絶対に名は出さないでくれ」

 台湾のシラスウナギ(ウナギの稚魚、以下シラス)輸出業者は我々取材班にそう告げた。なぜ名を出すことを頑(かたく)なに拒むのか──。それは彼に「罪」の自覚があるからである。

 日本人の好物であるウナギを巡って、台湾、香港、日本を舞台に壮大な「不正」が行われている。今回、取材班はその舞台である台湾、香港へと飛び、関係者らを取材した。

 取材のアポイントメントを入れるのにはかなり骨が折れた。当たり前だが話すメリットなどなく、誰も話したがらないからだ。だが、様々なコネクションを使って、交渉を続けた結果、匿名を条件に複数の人物が取材を受けてくれた。


 この雑誌は、必ずしも私の信条とは合致しない主張も多く、あくまで内容次第で判断しているのだが、この取材記事はなかなか良かったと思う。

 さて、その取材で浮かび上がってきたことを、一部引用する。

 「台湾で採れたシラスは、香港の〝立て場〟に運ばれ、そこから日本へ向けて輸出されます。立て場には日本のウナギ業界でもごく限られた人しか行ったことがありません。詳しい場所も開示されていない知る人ぞ知る施設です。あまり首を突っ込み過ぎると、東京湾に浮かびますよ」

 取材に先立ち、ウナギ業界に詳しい人物からそう忠告を受けた。この人物だけでない。複数の人から同じような話を聞いた。

業界の最高機密施設 香港「立て場」実態

 香港の中心部から車で走ること数十分。舗装もされていない道を進んでいくと、業界の最高機密施設とも呼べる「立て場」が突然目の前に現れた。よく見ると、いたるところに監視カメラが設置されている。門をくぐると番犬が吠えながら近寄ってきた。

 本業は中国本土で賭博の胴元をしているというシラス問屋は「台湾からの密輸入などお安い御用だ。漁船で香港へ水揚げしたことにすればいいし、中国の港まで漁船で運び、(香港と隣接する)深圳(シンセン)から陸路で入ってもほぼノーチェック。航空機を使ったとしても、空港で働く税関の一部の人間と手を握ればよい。何が難しいんだい? この立て場からシラスは日本へ向かっていくんだよ」とお茶を飲みながら淡々と話す(こうした台湾と香港の現地取材の詳細については、Wedge8月号で報じている)。

 詳しいことは、上記のように「Wedge」で確認願いたいが、引用にあるように密輸に関与しているシラス問屋は、中国本土で賭博の胴元をしているということに留意しなくてはならない。

 もう少しだけサイトから引用する。

 多くの日本人にとって、実は「立て場」は無縁の場所ではない。ウナギ好きであれば、立て場に一時保管されたウナギを口にしている可能性は極めて高いからだ。

 「国産のウナギしか食べたことがないから自分には関係ない」と考える方もいらっしゃることだろう。しかし、香港の立て場から日本へ送られたシラスは、養鰻池に入れられて出荷サイズになるまで育てられる。養殖ウナギは主たる養殖地が産地となる。つまり台湾から香港の立て場を経由したシラスはその後「国産ウナギ」として販売され、日本人に「国産だ」とありがたがられながら頬張られているのだ。

 ウナギを生業(なりわい)にしている人であれば誰でも、シラス漁やその取り引きが裏社会と密接なかかわりをもっていることを知っている。昨年のWedge8月号で報じたように、日本国内では暴力団らによるシラスの密漁がはびこっており、輸出が禁じられている台湾からは、香港を経由して国内へ輸入されていることもまた、業界公然の秘密だ。

 私は「土用の丑の日」を、鰻を食べない日と決めている。

 理由はいくつかあるが、紹介したように、この日に多くの日本人がこぞって鰻を食べることが、国際的な犯罪を引き起こす要因ともなっているからだ。

 台湾でいくら規制しても、絶滅に瀕したシラスウナギの違法捕獲から密輸に香港をかませることで法の網をくぐれること、そして、香港の“立て場”から日本に送られたシラスは、堂々と国産として販売されていること、そういったことは、業界では知らない者がいない、ということを、30日の「土用の丑の日」を前に、どうしても書いておきたかったのである。

 歳時記に関するある本によると、土用の丑の日に、「うどん」を食べる習慣のある地域もある。「うーめん」や「ツメリショウ(すべりひゆ)」を食べる風習の残る所もある。油揚げと麺類をこしらえて親類や雇い人たちに振る舞う習わしのある場所もある。

 土用蜆(しじみ)だって、滋養があって旨い。

 何も鰻にばかり執着することはないのである。



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荒井修著『江戸・東京 下町の歳時記』

 少し前になるが、浅草にある舞扇の老舗、荒井文扇堂の四代目社長さん荒井修さんの本『江戸・東京 下町の歳時記』から、土用の暑気払いで、“直し”(柳陰)を飲むことを紹介した。
2011年7月20日のブログ

 この本で、“直し”の焼酎とみりんの割合について、次のように書かれていた。

 直しの場合は、ある説によると、焼酎2に対してみりん1っていうんだけど、この前、実は割り方をいろんな比率で試してみたときに、上方の人間が一人いたんだ。そいつはみりん2に対して焼酎1でいいって言う。だけど東京の人は、「いや、焼酎2でみりん1だとう」って言ったりね。これでかなり度数が違うんですよ。
 ちなみに、あたしは1対1がうまいと思うんだけどね。

 土曜になった「土用の丑の日」(駄洒落か!)は、落語『青菜』を思い浮かべながら、“直し”といこうか。

 さて、割合はどうしよう。

 味見をしながら、つい飲み過ぎそうだなぁ^^


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Commented by saheizi-inokori at 2016-07-29 09:53
鰻より泥鰌はいかがですか。
粋ですよ。
Commented by kogotokoubei at 2016-07-29 12:05
>佐平次さんへ

そうか、「どぜう」もありますね。
暑気払いに、どこか行きましょうか!
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by kogotokoubei | 2016-07-28 21:27 | 幸兵衛の独り言 | Comments(2)

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by 小言幸兵衛