噺の話

kogotokoub.exblog.jp

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

「コメンテーター」という、「世情の粗」で飯を食う人たち。

 時々、落語以外のことも書くことがある。

 「噺の話」という看板からは逸れるのだが、「小言幸兵衛」という名前なので、たまには小言を言いたくなる出来事に関して記事を書くことを、お許しいただきたい。

 今回は、「コメンテーター」なる人たちについて。

 元俳優が覚醒剤や大麻を所有していて捕まったというニュースに関するある人物の発言を巡って、こんな記事が目に入った。
スポニチの該当記事

テリー伊藤の高知容疑者への「ふざけんな」発言に依存症問題識者が反論

 演出家のテリー伊藤(66)が29日放送のTBS「白熱ライブ ビビット」(月~金曜前8・00)で行った、覚せい剤取締法違反と大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕された高知東生容疑者(51)に関連する発言に対し、識者からブログなどで反論が寄せられた。

 自身がギャンブル依存症だったという、一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表理事の田中紀子氏が30日、自身のブログで「テリー伊藤さん!依存症についてコメントしないで!です」と題し、前日のテリーの発言を厳しく批判した。

 「高知東生さんの事件のマスコミ報道は、相変わらず、誰のためにもならないひどい扱いばかりで、依存症問題の対策推進に奔走している、関係者の一人としては大変憤りを感じています」と話を切り出し、「特に、薬物依存症で苦しむ方、またそのご家族の胸中を想うと心が痛いです」とつづり、「ハッキリ申し上げます。依存症のことを何も知らない、素人のあなたが、叩きやすい人を叩くという安直な方法で、薬物依存症に対する、間違った見解をメディアに垂れ流すことは、どうか今後一切おやめ下さい」と糾弾した。

 さらに「日本の薬物問題は、あなたが安直に利用して良いほど、軽い問題でも、安易な問題でもありません。また、薬物依存症者に対する人権問題についても、日本は著しく取り組みが遅れていることを、あなたはご存知でしょうか?」と語り、高知容疑者が護送される際の態度や、逮捕される際に「ありがとうございます」と言ったという発言を「軽い言葉。ふざけんな」と批判したことに対し、筋違いだということを説明。

 依存症者の家族の気持ちを考えるよう諭した上で、「依存症者は、心の病を抱えた病人あって、悪人ではありません。私たちは、高知さんが顔をあげ、移送されていく姿に、「捕まって、これでやめられるとホッとしたんだろうな」と、希望を見出しています。あなたの見方とは真逆です」と、当事者としての経験を語った。

 このブログをリツイートした評論家の町山智浩氏(53)は、「麻薬の使用者は罰しないのが世界の流れです。罪にしないことで使用者は医者や知人に相談しやすく治療しやすくなり、警察にも売人を通報しやすくなる。使用者を社会的に制裁せず更生させて再使用を防ぐ。 ポルトガルではこれで使用者が激減しました」とつぶやき、薬物問題への取り組み方そのものが問われていることを示唆した。 [ 2016年6月30日 15:55 ]

 この問題については、「ギャンブル依存症問題を考える会」代表理事の田中紀子さん、そして、町山智浩の主張を支持する。

 以前、プロ野球選手やバドミントンの日本を代表する選手たちの賭博問題をめぐるメディアの扱いに疑問を感じて記事を書いた。
2016年4月12日のブログ
 あの記事を書いた後に、朝日新聞が、田中紀子さんのを元にした記事を掲載したことを、追伸(p.s.)で紹介した。

 実際にテレビを見たり、スポーツ新聞を買って読むことはないのだが、ネットの時代なので、どうしても目に入るのが、何か事件がある度の「コメンテーター」なる立場の人の発言だ。

 今まで、こういう問題では、固有名詞は出来るだけ書かないようにしていたが、今回は、書くことにする。
 「コメンテーター」の名で問題を掻き回しているだけのタレントは、よく登場する人として次のような名が並ぶのだろう。

 テリー伊藤、尾木直樹、堀江貴文、坂上忍・・・など。

 テレビの雛壇に出演していたり、何か事件などが起きるとコメントを求められたり、ブログやツィッターでの発言が引用されたりすることが多い人たちだ。
 正直なところ、この人たちの“本職”を、よく知らない。

 あぁ、そうか、タレントでいいのか・・・・・・。

 それとも、「コメンテーター」が、本職?

 私は、堀江貴文という人を、なぜテレビに出演させたり、コメントを取り上げたりするのか不思議でならない。
 法的な罰は受けている、という言い分なのだろうが、彼のために人生を台無しにした人、そして、命を失った人がいるという歴史的な事実は消せない。彼の道義的な責任は、決して消えていないと私は思っている。
 

 結論めいたことを先に書くが、この人たちは、ニュース番組が“バラエティ化”するなかで、「世情の粗(あら)」で飯を食う、“にぎやかし”でしかない。

  
 テレビは視聴率が大事、新聞や週刊誌は販売部数、そしてネットのアクセス数が大事なのだろうが、そのために、決して、その道の専門家でもないコメンテーターたちを、いわば「扇動者」として重宝がるのは、大いに疑問である。

 紹介した記事の中で、田中紀子さんが指摘するように、「叩きやすい人を叩く」のは、橋下徹も使った常套手段。

 煽るだけ煽り、叩くだけ叩いて、視聴者や読者に、度々本質から逸れた誤った感情を誘発させている。
 弱い者をみんなで寄ってたかって叩いて、いったい何が変わるのか。

 もちろん、問題の本質に迫ろうとか、事件の構造的な問題を解決しようなどとは、メディア側もコメンテーターも、そして観る方も、まったく思っていないだろう。

 しかし、「公共の電波」を使っているのだ。
 また、視聴者や読者は貴重なお金や時間を消費しているのだ。

 本当に、ギャンブル依存症や薬物依存症の患者を少しでも減らしたいのであれば、発言には慎重になるはずなのだが、“にぎやかし”さん達は、「視聴者の代理」とばかり、感情のままに、しかし、メディア側が喜ぶように、叩きやすい者を叩きのめす。

 そんなことに、カタルシスを感じる人がいれば、それも問題だが、実際に何を生業としているのか私には分からない上述したような人たちに「扇動」させるメディア、そして、その役割を務める「コメンテーター」の方が、責任は大きい。

 たまに、その叩き方が強すぎたり、方向が間違っていることが明らかになると、ブログなどが「炎上」し、これは、またニュースの素材になる。

 ギャンブル依存症に関して書いて記事では、過去のNHK「クローズアップ現代」の内容も紹介した。

 その後番組に、尾木直樹が出演していたのを観て、私は落胆した。
 
 メディアは、彼のブログやツイートを頻繁に取り上げるが、私には、教育問題の専門家とは思えないし、元教師らしいが、彼の言葉に教育者としての重みを感じない。


 「噺家は世情の粗(あら)で飯を食い」という川柳は、今日では、コメンテーターというタレントにこそ相応しいのかもしれない。
 
 しかし、彼らは、気の利いた小咄一つ、聴かせてくれるわけではない。

 もちろん、なぜこういう問題が起こったか、という本質を探ろうとする姿勢もなければ、構造的な問題としての視点などを提示することはない。

 おもしろ可笑しく、あくまで、その個人への攻撃をしているだけである。
 ただ、誰もが同意しやすい、叩きやすい者に対して、「ふざけんな!」、と叫んでいるだけである。

 そんな人たちと、そんな彼らを“にぎやかし”として使うメディアにこそ、「ふざけんな!」、と私は言いたい。
 
[PR]
Commented by 創塁パパ at 2016-07-01 16:46 x
テリー伊藤もいい加減。大嫌いです。強いものには、こびへつらい、弱いものはこき下ろす。最低のコメンテーターですね。大体昔、こんな職業の人いましたっけ?
昔は、テーマごとに「論客」がいたような。ますます、テレビが嫌いになりそうです!!!
Commented by kogotokoubei at 2016-07-01 17:23
>創塁パパさんへ

テレビ番組が、何もかもバラエティ化している弊害ですね。
NHKを含めて、視聴者に媚びるばかりで、雛壇に交替可能なタレントを並べるだけ。
オピニオンリーダー的な存在の人は、どんどん政府の恫喝に屈したり、忖度して排除されている。
困ったものです。
Commented by ぱたぱた at 2016-07-01 22:48 x
どのテレビをつけても偉そうにコメンテーターがもっともらしく社会の木鐸のように振る舞う姿に辟易とします。だからでしょうか、新生活の家電セットにテレビが入らなくなったのもわかるような気がします。
「タレント」、英語では才能とか力量という意味なのに本当にそうなのか疑わしいと思ってしまいます。
Commented by kogotokoubei at 2016-07-02 08:29
>ぱたぱたさんへ

おっしゃるように、日本語の「タレント」は、本来の英語の意味からは離れてしまいましたね。
彼らの下手な言葉を聞くより、まだ、新橋駅前で一杯飲んだ後のサラリーマンのコメントの方が、気が利いているかもしれません。
どのチャンネルでも、つまらないバラエティばかりになり、テレビ離れは、確実に進んでいますね。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by kogotokoubei | 2016-07-01 08:54 | 幸兵衛の独り言 | Comments(4)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛