噺の話

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落語を楽しむための「マナー」について。


 若者の落語ブームについて書いた記事にいただいたコメントで、確実に落語会や寄席で若いお客さんが増えているという情報に加え、一部の若いお客さんのマナーの悪さについてご指摘があった。

 せっかく、落語愛好家のすそ野が広がっているのに、ベテラン落語ファンとの間で軋轢があっては、いけない。
 しかし、教えなければ分からないこともあるだろう。
 また、いわゆる「マニュアル世代」は、一度教えてあげると守ってくれるような気がする。

 落語会や寄席でのマナー違反は、若い人に限らない問題である。

 落語芸術協会のホームページには、マナーに関して次のようなことが記されている。
 「寄席に行こう-落語はじめの一歩-」というページから引用。
落語芸術協会ホームページの該当ページ

寄席でのマナーって?

寄席は、好きなときに入って好きなときに出ることができます。寄席自体の再入場はお断りしているところが多いですが、基本的に客席は出入り自由。ただし、マナーとして、高座の切れ場(演芸と演芸の間)にするとよいでしょう。
また、飲食も自由です。売店でお弁当を売っているところも多いので、それも寄席の楽しみのひとつです。ただ、こちらもあまり音のするものやアルコール飲料はお控えください。アルコールOKの寄席でも、飲みすぎて芸人に絡まないようにしましょう。
このように、寄席には窮屈なルールはなく、とても自由な空間です。他のお客様や出演者に迷惑をかける行為に気をつければ大丈夫。携帯はマナーモードにしておいてくださいね。


 なかなか良いガイドだと思う。
 “他のお客様や出演者に迷惑をかける行為”に気をつける、ということが基本だね。

 私が気を付けていることや、気になることを踏まえてマナーについて書くなら、こんな感じ。
 
(1)着席は高座の切れ場
  これは、大前提。高座が盛り上がってきた時に、近くで他のお客さんが席に着く
  ためゴソゴソされること位、興醒めなことはない。
  一般的には、開口一番なら高座の途中でもまだ許される。色物も、まぁ途中着席も
  構わない、という風潮がある。
  しかし、私の場合は、開口一番も色物も、できるだけ切れ場になるまでは着席しないよう
  心がけている。演者に、そしてお客さんに耳障り、目障りであることに、変わりはない。
  また、奇術や太神楽の後には、道具の片づけや高座の準備のために少し時間がかかるので、
  着席するのに余裕もできる、ということを付け加えておこう。

(2)音(ノイズ)に注意  
  落語は、見て、そして“聴く”芸。
  人によっては、目をつぶって聴いている。だから、“ノイズ”は大敵である。
  近くで、お菓子の袋やポリ袋でガサゴソと音を立てられる位、気になることはない。
  音を立てそうな場合、これも、切れ場にするよう心掛けたい。
  また、高座の途中で、入場の際にもらったチラシを音を立ててめくっている人
  (だいたいは中高年の女性)がいるが、困ったものだ。
  
(3)携帯・スマホは電源を切る
  私は、マナーモードではなく、電源を切る。
  着信が途中で鳴るのは言語道断だが、バイブレーターの音だって、耳障りだ。

(4)メモは、迷惑にならないように
  私もメモは取る。ほとんどはチラシの裏。
  しかし、高座の噺家や近くのお客さんに迷惑をかけないよう出来るだけポイント
  を絞り、短時間で殴り書きするようにしている。
  場合によっては、前を向きながらペンを見ずにメモる。
  その結果、後から自分の字が判読できないこともあるが、熱心に下を向いて
  メモを取り続けるのは、噺家にも周囲のお客さんにも迷惑なことだ。

(5)高座途中の会話や発言はご法度
  若いカップルもお客さんに増えたようだが、高座の途中での会話はダメ。
  切れ場に小さな声で話すのは構わない。
  最悪な例は、ネタが分かった時に隣りの連れの人に告げる人や、サゲ前に
  サゲを言う人。
  これは、初心者ではなく、少し落語を知っている人なのだが、勘弁願いたい。
  以前、地域落語会で、高座の噺家に話しかけるお婆さんがいたが、実に驚いた。


 主だったマナーは、こういうことかと思う。

 あえて付け加えると、笑い方にも、できれば注意したいものだ。
 なかなか矯正するのが難しい面もあるが、無駄に大きな声で笑う“ゲラ男”さん“ゲラ子”さんが、たまにいらっしゃる。できれば、そのボリュームを調整していただきたい。
 本当は、笑いのツボでもないのに、むやみに笑う人も迷惑なのだが、これは感性の問題だろうから、治らないだろうなぁ。
 他に、座高が高い人や、頭の大きい人が前に座っていると高座が見えにくいが、これは、そういう席を避けるしかない^^

 マナーに関連して、お客さんではなく、落語会や寄席のスタッフにも言いたいことがある。
 お客さんを“高座の切れ場”ではなく、途中で客席に誘導するスタッフがいるが、困ったものだ。
 切れ場になるまでは、後ろで立って待つように注意すべきなのに、お客さんのマナー違反を誘導しているようなものである。
 
 主催者側に言いたいことは、他にもあるが、マナーのことから話が別な方向に進みそうなので、これ位にしておこう。

 結局は、他のお客さん、そして噺家の立場になって行動しよう、ということに尽きる。
 想像力の問題、と言えるかな。

 そういう想像力の豊かな人は、落語を堪能することも出来るはず。

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Commented by 山茶花 at 2016-06-21 22:27 x
大阪の天満天神繁昌亭は飲食禁止です。
http://www.hanjotei.jp/qa/

大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)に併設されていたワッハホール(今はない)は、落語会にピッタリな大きさのホールでしたが、ここも飲食禁止でした。今は「よしもと漫才劇場」と名を変えましたが、この劇場も飲食禁止だそうです。

行った事はないのですが、なんばグランド花月も持ち込みは厳禁だそうです。昔のうめだ花月やなんば花月は飲食可でした。何しろ当時は吉本興業自体が映画館も経営していましたから、確か花月でもアイスクリーム等を劇場へ売りに来ていた様に思います。売店にもポップコーンやクッキー、お煎餅等も売られていた様に記憶しています。小さい頃、クッキーを囓りながら月亭可朝師の落語を見た記憶があります。

今のNGKになってからは行っていませんが、最初の頃は飲食可能だったのが、いつ頃からか禁止になったと聞いています。今は殆どが観光バスでやって来る地方からの団体さんがお客さんだとか。まぁ、私にはNGKで見たい物はないですが。

困った客といえば、「サゲを言ってしまう人」でしょうか。私などはある程度の数の噺は聞いた事がありサゲも知っていますが、初めて聞く人にすればサゲの事をひそひそ話されたら、興ざめな事でしょうね。

上手な噺なら、惜しみない拍手。下手な落語でも一応拍手(これから伸びる)。これが一番のマナーかも知れませんね。
Commented by kogotokoubei at 2016-06-22 08:43
>山茶花さんへ

へぇ、そうですか。
結構、大阪の会場は厳しいんですね。

そうか。飲食を許可すると、きっと大変なことになるのでしょう、特におばちゃん達が^^

おっしゃるように、拍手にも意味の違いがありますね。

それぞれの一人一人のお客さんにとって、得難い一期一会となるためにも、それぞれのお客さんに最低のマナーを守って欲しいものです。

Commented by 幾代太夫 at 2016-06-22 15:16 x
幸兵衛様

流石です。
これ以上のガイドラインはないと思います。
落語初心者の方が一度こちらの記事に目を通して頂ければ良いのですが…
Commented by kogotokoubei at 2016-06-22 15:24
>幾代太夫さんへ

過分なお褒めをいただき、恐縮です。
一人でも多くの若い落語ファンに、こういうことを守って欲しいと思いますが、ベテラン落語愛好家の方にも参考にしていただきたい、という気持ちです。
指摘されないと周囲の迷惑になっていることに気がつかない、かと言って、注意してくれる人がいない、という方も少なくないような気がします。
Commented by ほめ・く at 2016-06-22 16:44 x
私のブログでも同様の記事を何度か書いたことがありますが、マナー違反の問題は頭が痛いです。実は幸兵衛さんが上げた5つの内メモを除けば、程度の差はありますが歌舞伎(意外にマナー違反が多い)や新劇、コンサートなどでも共通の問題なんです。寄席だけではなく、劇場で公演される催し共通の問題で、年齢はあまり関係ないと思います。
あと困るのはイビキで、他人だと注意しにくいですね。寝る時には隣の人に寄りかからぬよう、これも注意して欲しいです。
Commented by kogotokoubei at 2016-06-22 17:20
>ほめ・くさんへ

おっしゃる通り、若者に限らない問題ですね。
そうそう、イビキも困ります。
後、すぐ前の席の方が右に左に頻繁に動く場合も、それに合わせてこちらも高座を観やすいように位置を動かさなければならないので、困ります。
座席に余裕のある会や寄席なら、場所を移動できますが、ほぼ満席の指定席の場合は、運がない、と諦めるしかない。

とにかく、演者や他のお客さんへの気配りをして欲しいものです。

Commented by 初心者 at 2016-06-23 01:38 x
こんばんわ。
先日、「初めまして」でお邪魔しました。

私は、月に1回か2回ほどしか落語会へ行けません。
まだまだ知らない噺、聞いた事が無い噺が多い初心者です。

先日、ある落語会で気になる事がありました。
私は、「かみて」側に座ってたのですが、左隣りの男性が
高座中、キョロキョロ辺りを見回したり、私のほうをチラチラ見るんです。
(私は男です)

においも気になる季節なので、出かける前にシャワーも浴びましたし。
何か私のほうで、相手に知らないうちにご迷惑を掛けてたかな?と
心配になったのも事実ですが、視界に入る落ち着きのない人
というのも私からすると気になりました。

以前、別の会では後ろの席に座ってた70代位の男性が
私の座ってる席の背もたれを何度も蹴るんです。

そのたびに振り向いて相手を見るのですが、無視されます。
高座中に注意も出来ないし、困りました。

あと他に気になるのが、お客さんの体調管理です。

以前とても楽しみにしていた会で隣りに座った人が酷い風邪を
引いいていて、マスクもしないで終始酷い咳をしながら観覧してました。

おかげで後日、風邪を移されるわ、聞きたかった落語会も集中力が
途切れるわで酷い目にあいました。

その人の顔は絶対に忘れられないし、それ以降も他の落語会で
何度も顔を合わせてます。その度に、腹がたってしまいます。
ちなみにそれほどのお年ではなく、病弱そうには見えない
普通に健康そうな体格の人でした。

せっかく楽しみにしていた会というのは誰も同じかと思いますが、
体調が悪い時などは、他のお仲間さんへ券を譲ったりして
勇気ある撤退も時には必要だと考えてます。
Commented by kogotokoubei at 2016-06-23 08:58
>初心者さんへ

コメントありがとうございます。

たしかに、いろんなお客さんが、いますね。

いわゆる“挙動不審”なお客さんも、たまにいます。
私が時たま出会うのは、とにかく体を動かす人。右に左に、伸びたり縮んだり(?)という具合。

そして、寒くなると増えるのが風邪ひきさん。
会場のあちこちで咳をする人がいると、なかなか高座に集中できない。

おっしゃるように、自分が周囲に迷惑をかけそうだと思う場合は、“名誉の撤退”も重要です。

今後も、懲りずに落語をお楽しみいただければ、少し先輩の落語愛好家として、嬉しい限りです!

Commented at 2016-06-23 13:20 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kogotokoubei at 2016-06-23 15:10
>鍵コメさんへ

お問い合わせの件、残念ながら私は存じておりません。
予想はできないこともないですが、鍵コメさんでもあり、ここには書かないでおきます。ご了承ください。
Commented by じゅんちゃん at 2016-06-24 01:53 x
天満天神繁昌亭はあめ玉も匂いを気にする人がいるので禁止です。
まあ、規則破りは黙認ですが。

私は手を叩いて笑う人が気になります。
Commented by kogotokoubei at 2016-06-24 12:14
>じゅんちゃんさんへ

コメントありがとうございます。
ほう、大阪のお客さんは、気になることがあると自己主張しますから、そういうものも禁止になるのでしょうかねぇ。
ちょっと、行き過ぎのような気がします。

たまに、いますね手を叩いて笑う人。
どちらかにして欲しいものです。
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by kogotokoubei | 2016-06-21 12:47 | 幸兵衛の独り言 | Comments(12)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛