テニス仲間との合宿ー美味いお蕎麦や、宴会での落語のこと。
2016年 06月 06日
土日は一泊二日でテニス仲間との合宿だった。
年二回の恒例で、次回は12月の予定。
ここ数年は、鎌倉のテニスコートのある宿泊施設を利用している。
土曜にテニスと夜は宴会、日曜は希望者で鎌倉近辺の観光というのがお決まりのパターン。
今回は、天候が危ぶまれたが、土曜日にしっかりテニスを、それも大会形式で行うことができた。
そして芒種の昨日、計ったように関東地区が梅雨入り(した模様?)。
昨日がテニスなら、ちょっと無理だったなぁ。
結構、我々の旅行、天候には際どく恵まれている。
例年5月開催だったが、複数のメンバーの都合が合わず、この時期になり、「梅雨は大丈夫か?」と心配していただが、メデタシ、メデタシであった。
昨日は雨のため、希望者で江ノ島でボーリングをした後、知る人ぞ知るらしい(私は知らなかった^^)「九つ井(ここのついど)」という蕎麦懐石などのお店へ。
他にもお店があるようだが、向かった先は本店。
拙ブログでは「グルメ」系の記事はほとんど書いていないし、居残り会で行ったお店も、あえて名前は明かさないようにしている。
しかし、このお店は紹介したいので、ご興味のある方はサイトをご覧の程を。
「九つ井(ここのついど)」サイトの「本店」のページ
竹林の中の古風な佇まいのお店だった。
離れなどもあり、法事などでの利用も多いようで、昨日も、それらしきご一行が数組いらっしゃった。
もっと、混んでいるかと思ったが、12時半頃着いて、15分~20分待ち。雨のおかげかな。
味のある建屋の中もいいが、外に、壁はないが屋根がある小屋の席がある。
周囲を、竹林と雨に濡れるアジサイが囲む。
大きさの違う、しっかりした天然木のテーブルが五卓ほどあったが、誰も座っていない。
屋根があるから濡れることはないし、寒いというほどの雨でもない。
我々一同「外がいいね!」となった。このへんは、気が合うのだ^^
「外でいいですよ」と言ったら、思惑通り(?)、すぐに座れた。
実に客対応が素晴らしい女性店員の方がお茶と品書きを持ってきた。
私は、迷わず「もり」を頼もうとしていたのだが、品書きには「ざる」しか見当たらない。
彼女に、「もりはないんですか、海苔はいらないんですけど」と言うと、「ざるに、海苔はついていないんですよ」とのこと。
このお店、本来、「もり」は“ぶっかけ”のことで、「ざる」は“竹ざる”にのった蕎麦をつけ汁で食べる、という本寸法をわきまえているのだろう。
もっと言うなら、「もり」と「ざる」は、その汁にも違いがあるのだが・・・細かいことは後日書くことにしよう。蕎麦は、奥が深いのであるよ。
その、客あしらいが見事な店員さんの言葉を再現。
「私もお蕎麦が大好きで、ざるの大盛りでも平気で食べますよ。ここのお蕎麦食べたら、他で食べれなくなりました」と、嫌味っ気なしで、笑っておっしゃった。
お奨めにしたがい、大盛りを注文。ざる800円に大盛りがプラス350円。
たしかに、大盛りでもペロっ、だったし、実に美味かった。
ネギもついてきたが、私は山葵を少しだけ汁に入れて食べる。
好みの問題だが、私は、海苔もネギも、本来の蕎麦の味を楽しむには、邪魔になると思う。
残ったネギ・・・もちろん、酒の肴。
熱燗の徳利は、お店の窯で焼かれた、鳥にも似ているが、なんとも個性的なものだった。
いただいた後であの店員さんに確認したら、二八蕎麦。
蕎麦粉は北海道中心、この日は幌加内産とのこと。
もちろん、蕎麦はお店で打っているのである。
原料を吟味しての打ち立て、茹で立て、まずいはすがない。
借景も良かった。
芒種の雨に濡れるアジサイを見ながら、しばし、絶妙な蕎麦と熱燗で、池波正太郎気分を味わった。
我々(私?)の我がままな注文にも嫌な顔一つせず、そば湯も何度も出していただいた。
そばがきも、酒のあてにはもったいないほど美味。
運転手の二人は甘党で、蕎麦ぜんざいと、くずきりを楽しみ、私のような辛党は、熱燗をおかわり。
締めて金額を聞いても、その内容から考えて、満足度は高い。
このお店、蕎麦以外に懐石料理、炭火焼ステーキ、しゃぶしゃぶなどもあるようだ。
コースのメニューは、決して安いとは言えないかもしれないが、次回はぜひ蕎麦懐石などを楽しみたい、と思った。
蕎麦と肴、お酒を堪能し、運転手さんには悪かったが、帰りの車の後部座席で熟睡してしまった^^
帰宅して、ブログを眺め、コメントに返事をしてから、記事を書き始めたが、テニスとボーリングの疲労もあるだろうし、昼の酒もきいてきたようで、途中で断念。
振り返って、土曜の夜の宴会。
食堂での懐石料理の夕食後には、カラオケ。
どうしても踊りたい人がいたので、私はアバの「ダンシング・クィーン」などを歌ったのであった^^
その後、幹事部屋で宴会。
「先に落語!」とのご要望に応え、二席ご披露。
一席は、喜多八の音源を元にした『あくび指南』。
もう一席は、前座噺でまだ残っていた『転失気』。
どちらも、自分ではまあまあの出来だと思う。
しかし、笑いは、圧倒的に『転失気』が多かったは、仕方がないなぁ。
『あくび指南』のマクラでは、「下地」のこと、吉原を「なか」と呼ぶことなどの前置きをふっておいたので、言葉が分からないので楽しめない、ということはなかったと思うのだが、「大笑い」ではなく「微笑」の噺である。
演じた後の感想の一つに「落語や昔のことをよく知っている人なら、楽しめるんでしょうね」という言葉があった。
その通りで、それを百も承知で選んだのだから、私自身は、笑いが少なくても、納得している。
それに比べて、『転失気』は、予想以上に笑ってもらえた。
ほとんどの人が初めて聴くので、ネタそのものの可笑しさでウケる。
昨年冬の合宿では、柳家喬太郎の『夜の慣用句』が、バカ受けだった。
いろいろ、自分なりのクスグリも入れたしね。
『子ほめ』では静かだったので、その差が大きかったなぁ。
これで、思い出す限り、テニス仲間の合宿と大学の同期会で演じたネタは、次のようなものになる。
『道灌』・『金明竹』・『寿限無』・『牛ほめ』・『替り目』・
『小言念仏』・『千早ふる』・『代書屋』・『高砂や』・『居酒屋』・
『うどん屋』・『雑排』・『厩火事』・『買い物ブギ』・『看板のピン』・
『天災』・『目黒のさんま』・『紙入れ』・『元犬』・『持参金』・
『三方一両損』・『たらちね』・『そば清』・『親子酒』・『藪入り』・
『子ほめ』・『夜の慣用句』・『あくび指南』・『転失気』
自慢でもなんでもなく、次のネタを考えるための備忘録である。
いつでも、これらのネタが出来るわけでは、ない。当たり前か^^
11月には大学の同期会、12月には次のテニス合宿。
まだ、先なのだが、最近は、月日が経つのが、早いこと早いこと。
さて、次回は、どんなネタで挑もうか・・・・・・。
「笑い」をとれるネタか、「微笑み」を誘うネタか・・・演じてみると、これが悩ましい。
やはり、ウケたい、という気持ちもある。
笑ってもらった時の快感は、演じた人しか分からないだろうなぁ。
しかし、自分が聴き手の立場からは、やはり、「微笑み」を誘う、いわば、大人のネタにも挑戦したいと思う。
それは、自分の力量も上がなければならない、ということだ。
笑いがそれほど多くない噺でも、「いいねぇ、渋いねぇ」とでも仲間が言ってくれるようにならないといけないなぁ。
さて、次はどのネタにしよう・・・アレ、コレ・・・・・・。
こうやってネタを考えるのも、実は、楽しみの一つではあるのだ。
思い出した。
私が持っているフジテレビお台場寄席の喜多八の『あくび指南』の音源、まくらで「立ち食い蕎麦は、かき揚げ蕎麦」に限ると言っていたなぁ。それも、かき揚げをダブルで、という贅沢な蕎麦。
それも一理ある。
立ち食いでは、私も結構、かき揚げ蕎麦を頼むのである。
手打ちで二八の「もり」もいいが、蕎麦粉が半分も入っていないだろうが、立ち食いでの「かき揚げ」も悪くない。
ということは、落語も「笑い」をとれるネタもいいが、「微笑み」を誘う噺もいい、ということか。
なんとも無理のあるサゲとなってしまった・・・・・・。
「転失気」を初めての人がほとんど!私は小学生のとき知っていましたが、それは時代のせいかな。
たしか絵本で読んだような気がします。
「転失気」は、たしかに、私も小学生時代に何かで読んだか見た気がします。
同様に、淡い記憶のある方もいたかと思いますが、落語を聴くのは、皆さん初。
笑ってくれると、やはり、嬉しいものですね。
つい、そういうネタを選んでしまう噺家の気持ちが、少し分かったように思います。