噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

自分が聴いた三代目の高座、大事な一つを忘れていた・・・・・・。

 大失策!

 三代目桂春団治の訃報に接して書いた記事で、自分が生で聴くことができた高座は二席、と次のように書いていた。
2016年1月14日のブログ
 私が生で聴くことができた高座は、二席。

 2009年12月、麻生市民館で開催された「桂枝雀 生誕70年記念落語会」での『祝い熨斗』。
 あの時、米朝と三代目と同じ空間を共有できた、至福の時間だった。
2009年12月4日のブログ

 そして、翌2010年、同じ師走の場所は渋谷、志ん輔との「東へ西へ」で聴いた、『代書屋』。
2010年12月11日のブログ

 その後、何か抜けているような妙な気がしていたのだが、そのうち、その“妙な心のうずき”のことを忘れていた。

 大西信行の本のことについて記事を書き、「大西さんは昭和4年生まれ、三代目は昭和5年生まれか・・・・・・」などと思っていたら、あの“妙な心のうずき”がよみがえった。

 あらためて振り返ってみて、「たしか、『お玉牛』を聴いたはず・・・」と思い確認してみたら、やはり2011年の師走に「東へ西へ」で聴いているじゃないか!
2011年12月22日のブログ

 そして、この高座が、私が接した最後の三代目だった。

 三代目直伝のこのネタを桂まん我がNHK新人演芸大賞で演じたので、「あれは、まん我か・・・・・・」と思い込んでいたのかもしれない。

 実に情けなくも恥ずかしい失態。

 恥の上塗りを覚悟で、その時の三代目の高座に関し書いた内容を引用する。
 昨年の渋谷での会の『代書屋』も楽しかったが、今回のほうがお元気そうにお見受けした。結構前のほうの席だったので、お顔の色合いなども十分に分かったのだが、元気一杯の感じで、うれしかった。志ん輔がマクラで言っていたが、毎年だんだん元気になるような気がする。「百二十歳まで」は無理としても、過去に百歳で現役の落語家は存在したはずなので、頑張っていただきましょう。
 いつものように短いマクラからの本編は、感心と爆笑の連続。
・最初に大勢登場する村の若い衆の名前を並べる、道中言い立て風の楽しくも見事な口調
・アババの茂平が、若い者の憧れであるお玉ちゃんの唾のついた煙管を舐める場面
・夜這い男が、牛と知らずに寝床に忍び込み、牛の尻尾をお玉ちゃんのお下髪げと間違い、
 そのお下げ(尻尾)で頭を叩かれる場面での、扇子を使った見事な芸
・鬢付け油と間違えた○○○の臭いを嗅いだ時の、何とも可笑しな仕草
などなど。
 絶妙と言うか何と言うか、終演後も余韻がしばらく消えない素晴らしい三代目の高座に、ただ感謝である。

 こうまで書いていた高座を、すっぽりと忘れていたなんて・・・・・・。

 三代目と志ん輔に、心からお詫びしたい。

 あんな素敵な会、高座を忘れていて、ごめんなさい。

 それにしても・・・・・・。

 毎日、とんでもない数の脳細胞が死滅しているだろうから、つい最近のことは忘れることはしょうがないにしても、数年前のことは結構覚えているつもりでいたのだが、そろそろ危ない状況になってきたか(^^)

 昨日の立春に書いた記事で紹介した、一茶が還暦の時の句、

 春立つや 愚の上に又 愚にかへる

 を、しみじみと口ずさむのであった。

 ところで、今夜のNHK BS「大岡越前」の脚本は、大西信行ではなかったなぁ。

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Commented by kanekatu at 2016-02-06 10:26
旅行中だったのでこの訃報を見落としていました。『野崎詣り』は絶品でした。あの高座の粋、優雅さは三代目以外には表現できないでしょう。残念です。
(ほめ・く)
Commented by saheizi-inokori at 2016-02-06 10:46
居残り会も忘れんといて^^。
渋谷の三魚洞でしたよね。
渋谷再開発でなくなるとかなくなったとかの噂です。
Commented by kogotokoubei at 2016-02-06 18:03
>kanekatuさんへ

ということは、私が一席忘れて、また記事を書いたことは無駄ではなかったということですね。
なんとも、都合のいい考え(^^)

『野崎詣り』は、ある方のおかげで先日ラジオの音源を聴くことができたのですが、たしかに絶品!
船上と陸の人間との口喧嘩という奇妙なやりとりを、なんとも軽妙洒脱に演じており、上方落語の一つの真髄、という印象を受けました。

生で聴けた三席、今後は忘れません!
Commented by kogotokoubei at 2016-02-06 18:04
>佐平次さんへ

そうそう、渋谷でしたね。
えっ、そうなんですか・・・・・・。
「再開発」っていう言葉は、私には「破壊」と聞こえます。
Commented at 2016-02-06 22:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kogotokoubei at 2016-02-07 16:39
>鍵コメさんへ

いつも、貴重な情報をいただき、誠にありがとうございます。

私もfacebook、ツイッターもLINEもしておりません。
SNSという範疇に入るのは、このブログのみです。

日が経つにつれて、ますます三代目のことを寂しく思う今日この頃です。
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by kogotokoubei | 2016-02-05 21:18 | 幸兵衛の独り言 | Comments(6)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛