噺の話

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余興の落語のこと、など。

 ここ数年、テニス仲間との年二回の合宿、および大学の同期会の宴会の余興で、下手な落語を披露している。それも、毎度、二席。

 明日から同期会がある。

 体育会で、いわゆる同じ釜の飯を食った仲間とは、会えばすぐ四十年前に戻る。
 今回は、京都の日本旅館に一泊。浴衣が備えてあるので持参する必要がないのが、なにより助かる。

 記憶のままにこれまで披露したネタは次のようなものだった、はず。

  『道灌』・『金明竹』・『寿限無』・『牛ほめ』・『替り目』・
  『小言念仏』・『千早ふる』・『代書屋』・『高砂や』・『居酒屋』・
  『うどん屋』・『雑排』・『厩火事』・『買い物ブギ』・『看板のピン』・
  『天災』・『目黒のさんま』・『紙入れ』・『元犬』・『持参金』・
  『三方一両損』・『たらちね』・『そば清』・『親子酒』

 最後の二席は、今年春のテニスの合宿のネタ。

 もちろん、これらのネタを、いつでも演じることができるのではない(誰もそんなこと思っちゃいないか)。
 直前の二週間くらいは、候補のネタを携帯音楽プレーヤーで聴き続け、道すがら、ぶつぶつ稽古するのである。

 できることなら、同じネタは二度演りたくない。
 二週間ほど前から、今年のネタを何にしようか迷いながら、いろんな音源を聴き、いくつか動画も見ていた。ようやく、候補を三つに絞ったが、まだ二席を決めきれていない。これは、まずい。

 どんなネタかは、今はナイショだが、一席はある噺家さんによる新作にするつもり。古典の一席を二者択一しないといけない。
 『文七元結』や『芝浜』ではない、とだけお断りしておく(当たり前か)。

 今月末には、テニスの合宿もあるので、同じ二席にするつもり。

 同期の連中もテニス仲間も、皆、忍耐強いのか、憐み深いのか、「今回は、やらなくてもいいよ」とは言わない(^^)
 「楽しみにしているよ」などというお世辞を、結構、真に受けている。

 だから、いつもお客さん(?)に甘えて、酒の勢いも借り演ってしまう。


 これまで、難しい噺なのに意外に上手くできたなぁ、と思ったのは小三治の動画を何度も観て練習した『うどん屋』。
 当日までの一週間に四日くらいは、無理してでも、立ち食いのうどんを食べていたものだ。

 逆に、甘く見て失敗したのが『道灌』。談志の音源を元に覚えた。
 テニス合宿では上手く出来たつもりで、同期会で油断した。肝腎の『七重八重 花は咲けども山吹の みのひとつだになきぞ悲しき』の古歌が、頭から吹っ飛んだ(^^)
 しどろもどろで、いったん休憩してやり直した、苦い思い出がある。

 基本的には、素人が演るには前座噺が相応しいだろうと思っている。しかし、『寿限無』のような有名な噺はともかく、落語初心者が初めて聴く噺は、やや気配りも必要になる。
 特有の言葉が並ぶ言い立てが中心のネタは、『金明竹』(三代目金馬の型)にしても、『牛ほめ』(四代目柳好の型)にしても、補足説明が必要になるのだ。噺の流れで笑ってはくれるが、意味がよく分からないので、置いていかれる人もいる。
 だから、謎の上方人の話す道具七品の内容や、牛の褒め言葉の意味などを、蛇足ながらも後から解説した。せっかく演るのだから、少しでも内容を分かって欲しいのだ。

 今年の春の二席は、『そば清』(十代目馬生の型)が、予想外に受けたが、これも、直前の数日、そば屋に行った賜物(^^)


 自分で演じることにより、その場における、ある種のカタルシスとともに、副次的な効果がある。

 落語会や寄席でのプロの高座への視点、観方が変わるのだ。

 一つは、自分で演じる場合のテキストとして見て聴こうとする、ということ。
 上・下のつけ方は、どうか。語り口は、抑揚は、仕草、顔の表情、などなど。だから、どうしても、笑わせどころでもむすっとして凝視してしまうので、高座の噺家さんは、私の目つきの悪い視線を感じているのではなかろうか。

 もう一つ、演じることで変わるのは、どうしても辛口になる。
 あれ、「上・下が逆だろう!?」とか、「リズムが悪いなぁ」「肝腎な科白を間違えた!」などと思いながら聴いてしまうのだ。
 自分がど素人の癖に、「あれなら、オレの方が上手い!」などと思うことが、たまにあるから、まったくのお調子者だ。


 さて、そろそろ古典のネタを、決めなきゃ。
 まだ披露していない、前座噺かなぁ・・・・・・。

 明日の新幹線の中も、携帯音楽プレーヤーを聴きながら、ぶつぶつつぶやいていることだろう。車掌さんに不審人物と思われないようにしなきゃ(^^)

 
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Commented by saheizi-inokori at 2015-11-13 21:58
こんど忘年会で一席、お聴きしたいものです。
Commented by ほめ・く at 2015-11-15 06:18 x
幸兵衛さんの持ちネタのレパートリーの広さに感心します。意外なのは志の輔の『買い物ブギ』が入っていて、名刺代わりの『小言幸兵衛』が無いことです。昨晩もきっと「大受け」だった事でしょう。
演じる立場からでは高座を見る目が違ってくるというのは成る程と思いました。
Commented by kogotokoubei at 2015-11-15 20:26
>佐平次さんへ

先ほど、帰宅しました。
忘年会では、場所柄も含め、せいぜい小咄程度しかご披露できないと思います。
しかし、同期やテニスの仲間と違って、ほとんどネタをご存知のご通家の皆様の前では、とても演れません(^^)
Commented by kogotokoubei at 2015-11-15 20:31
>ほめ・くさんへ

お恥ずかしい限りです。
新作では、あの噺は結構自分なりのクスグリも入れやすく、数年前に挑戦し、まあまあの受けでした。
ネタの『小言幸兵衛』は、生半可な噺ではないですよ(^^)
昨晩のことは・・・明日、ご報告します。
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by kogotokoubei | 2015-11-13 20:54 | 幸兵衛の独り言 | Comments(4)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛