噺の話

kogotokoub.exblog.jp
ブログトップ

「堪忍袋」を参詣者に配るお寺のこと-福井新聞の記事より。

 落語『堪忍袋』を元に、実際に「堪忍袋」を作って参詣者に配るお寺のニュースを福井新聞からご紹介。
福井新聞の該当記事
新聞記事がヒント、参詣者に堪忍袋 鯖江市の寺、不満解消効果に期待
(2015年9月24日午前7時10分)

 ストレスや鬱憤(うっぷん)をため込まず現代社会を明るく生きてもらおうと、福井県鯖江市小泉町の盛隆寺が、不満を入れる「堪忍袋」を千袋作った。同寺の檀家と住職が福井新聞の記事からひらめいたもので、10月4日に同寺で行われる「九月講大法要」で参詣者に配る。堀智泰住職(68)は「持ち歩いて心の平静を保つのに役立ててもらえれば」と効果に期待を寄せる。

 きっかけは、3月19日付の1面コラム「越山若水」。けんかばかりしている夫婦が堪忍袋に不満を吐き出して円満になる落語を通じて、怒りを抑える「アンガーマネジメント」を紹介した。

 堀住職と檀家が集まった際、この記事が話題になった。同じ時期、丹南地域の法華宗10カ寺が毎年持ち回りで行う「九月講大法要」がことし同寺に回ってきており、参詣者に配る記念品を考えていた。

 檀家代表の秋澤敬徳さん(72)は「現代は怒りや不満の行き場がなく心がすさみがち。堪忍袋があれば明るく優しい心で過ごせる」と選んだ理由を語る。

 袋は同県坂井市の縫製会社に製作を依頼。色とりどりの帯生地を使い、持ち歩けるよう縦横各約10センチの巾着にした。表は「堪忍袋」、裏には「御守」と金糸で刺しゅうを施し、中に法華経の世界を表現した「法華曼陀羅(まんだら)」を焼き印した木片を入れた。

 16日は町内の檀家13人が同寺で、袋をひとつずつ箱に詰め丁寧にのしをつけていった。堀住職は「つらい思いは袋に吐き出して心安らかな日々を送ってほしい」と話していた。

 これは、なかなか洒落た企画だと思う。


 兄弟ブログの「幸兵衛の小言」で、先日、コンラート・ローレンツの『攻撃ー悪の自然誌』に関する記事を書いた。
「幸兵衛の小言」の該当記事。

 数多くの動物行動を観察した動物心理学者で、ノーベル医学生理学賞受賞者のローレンツは次のような主張をしている。

 生物は本来、同じ種の仲間に対する闘争の衝動があり、人間の場合それが理性で抑制されている。
 理性で抑制されているからストレスが生じる
 そのストレスを解放するために、スポーツなどへの「熱狂」と、緊張を解きほぐす「笑い」が有効である、と彼は述べている。

 そして、ローレンツは「笑いは熱狂よりもっと高尚な意味で人間固有のもの」であり、「吠える犬は噛みつくことも多かろうが、笑っている人間が発砲することは決してない」と言う。

 闘争の衝動を理性で抑制している日本人は、今、いつになく多いのではなかろうか。
 
 だから、ストレスが結構たまっているように思う。

 私はラグビーワールドカップを見ることで、最近たまったストレスを解放しようとして、南アフリカ戦は実に効果があったが、スコットランド戦では、またストレスがたまってしまった(^^)
 今週末のサモア戦は、ぜひ、ストレスが発散できる試合を期待したいものだ。

 さて、ローレンツが指摘するように、ストレスを笑いで解放することは、結構、高尚な人間としての活動なのだろう。

 そういった笑いでのストレス解放ということで、この「堪忍袋」の企画は、なかなか洒落ている。

 そう、あくまで、「洒落」なのである。

 いや、もしかすると、本当に「堪忍袋」に怒りや不満の言葉がたまったりしてね。
 袋の限界を超えて緒が切れたら、さて、日本中で、どんな怒り、不満の声が吹き出すのやら・・・・・・。

 洒落ですよ、洒落(^^)


[PR]
Commented by at 2015-10-02 07:02 x
『堪忍袋』は金原亭世之介がうまいですね。
また『天災』にも、堪忍の袋を常に云々というくだりがあります。
CDですが、先代柳朝が威勢のよい感じでよかった記憶があります。
Commented by kogotokoubei at 2015-10-02 08:48
>福さんへ

私は八代目春風亭柳枝の音源をよく聴きます。
『天災』は、おっしゃる通り、師匠彦六譲りで先代の柳朝がいいですね。
鯖江までは行けないので、着払いで送ってもらおうかな。
私も、いろいろと袋に放り込みたいネタがたまっています(^^)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by kogotokoubei | 2015-10-01 12:48 | 落語のネタ | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛