噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

落語協会と落語芸術協会のHP、「訃報」に見える‘料簡’の違い。


 一昨日、亡くなった九代目入船亭扇橋のことを書いた。

 あらためて、リニューアル後の落語協会ホームページにある扇橋の訃報を読んで、その無味乾燥、町の回覧板的な内容に、がっかりする。

 あえて、二つの協会の訃報の違いを指摘したい。

 まず、こちらが扇橋の訃報。
落語協会ホームページの該当ページ

訃報 入船亭扇橋

当協会相談役の入船亭扇橋(本名:橋本光永)が平成27年7月10日(金)午後12時38分呼吸不全のため、逝去しました(享年85)

≪略歴≫
昭和6年5月29日生まれ(東京都青梅市出身)
昭和32年 三代目桂三木助に入門 「木久八」となる
昭和36年 二ツ目昇進 「柳家さん八」と改名
昭和45年 真打昇進 九代目「入船亭扇橋」を襲名

通 夜:7月14日(火) 18時~
告別式:7月15日(水) 10時30分~
式 場:平安祭典 高円寺会館 (東京都杉並区高円寺北2-1-7)
喪 主:橋本圭司(長男)

謹んでご冥福をお祈りいたします。

 掲載まで時間がかかったわりに、これだけか。
 他に伝えたいことは、ないのか・・・・・・。

 比較の対象として、落語芸術協会(芸協)の初代三笑亭夢丸の訃報をご紹介。
落語芸術協会ホームページの該当ページ

訃報 三笑亭夢丸

平成27年3月7日(土)午前5時40分
当協会理事の三笑亭夢丸(本名:坂田宏 さかたひろし)が中咽頭癌のため、
都内の病院にて逝去しました。享年69

≪略歴≫
昭和20年10月4日生まれ (出身地 神奈川県横浜市)
昭和39年 三笑亭夢楽に入門「三笑亭夢八」となる
昭和42年 二ツ目に昇進
昭和53年 真打昇進「三笑亭夢丸」となる

若い頃からマスコミで活躍していましたが(主な出演番組、NHK 連想ゲーム、日本テレビ 笑点/ルックルックこんにちは、讀売テレビ 11PM、TBS 街角パラダイス、フジテレビ 3時のあなた、テレビ朝日 アフタヌーンショー、他)、50代半ば過ぎ、自主的にテレビ出演を控えるようになり、落語家としての活動に精力的に取り組むようになりました。それだけにとどまらず、新しい落語の展開を求め自ら懸賞金を出し、『21世紀夢丸新江戸噺し』の台本を全国から募集、寄席の主任を務める際には受賞作を口演するなど、落語の普及向上に寄与しました。
得意演目は「親子酒」「ねずみ」「辰巳の辻占」、新江戸噺しでは「えんぜる」「小桜」「椿の喧嘩」など。

平成22年に発症した中咽頭癌の治療を終え寛解、平成26年2月下席、浅草演芸ホールの主任を務めるまで回復しましたが、同年3月下席の4日目、のどの不調から以後の出演を取りやめ再度治療を受けることとなり、以来療養中でした。
平成26年3月29日、千葉県長慶寺での高座が最後の高座となりました。演目「看板のピン」
平成16年から当協会の理事を務め、長きにわたり協会の指導役としても活躍しました。

すでに決定している弟子の朝夢(小夢と改名)、夢吉(二代目夢丸を襲名)の真打昇進披露興行が5月上席から行われますが、その愛弟子の晴れの舞台を目前にした逝去でした。

お通夜 平成27年3月13日(金)18:00~
告別式 平成27年3月14日(土)11:00~12:00
式場 町屋斎場 荒川区町屋1-23-4 TEL 03-3892-0311
喪主 坂田八重子(妻)

謹んでご冥福をお祈りいたします。

 芸協の訃報には、元気な頃の写真も掲載されている。

 どちらが、内容に人の‘情’が、そして哀悼の念がこもっているかは明白だ。

 この違いは、‘料簡’の違いなのだと思う。

 故人への感謝の念や、よく知らない人にもその噺家さんのことを伝えたいという熱い思いの有無が、これだけの差になるのだろう。
 

 画竜点睛という言葉を思い出す。

 落語協会は、予定した項目を埋めればリニューアルは終了、とでも思っているのだろうが、その内容にどれほど伝えたい思いを込めるか、という肝腎なことを忘れているように思う。

 いまだに、リニューアルが終ったとも何もアナウンスをしていない。
 工事中の迷惑を詫び、今後のホームページ管理と更新に関する方針や‘思い’を表明すべきだと思うのだが、そんな考えは微塵もないようだ。


 トップページで会長の写真を見るたびに、嫌~な思いを抱くのは、私だけではないだろう。
 
 私は、落語協会のホームページリニューアル問題と新国立競技場問題には共通点があると思っている。
 それは、「変えることに決めたんだから、しょうがない」という言い訳が背後から聞こえることと、「誰のため」「何のため」という視点が欠如していること。
 決定の責任者が、逃げていることも共通しているかもしれない。
 落語協会のホームページにどれほどの費用が発生しているかは知らない。しかし、無駄なコストがかかっていたら、これまた、共通しているように思う。


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Commented by 和爺ぃ at 2015-07-18 15:33 x
扇橋師匠といえば、落語協会のメルマガに毎回掲載されていた小袁治師匠との俳句の遣りとりを思い出します。
メルマガも廃止、インターネット落語会も廃止、ああ、やっぱり残念無念。
協会の理事さん方にはファンの声は届いていないのでしょうね
ボクらも大勢でプラカード持って、寄席の前で集会でもしましょうかねぇ
Commented by kogotokoubei at 2015-07-18 22:27
>和爺ぃさんへ

小袁治師匠のブログでも、扇橋師匠との思い出を書かれていますね。
いくらでも、訃報に中に込めるべき内容はあるはず。
それこそ「噺家渡世」編集者の長井好弘さんにでも書いてもらえば良かったと思うのですが、そういう発想もなかった、ということでしょう。
味気のない、情を感じないリニューアルです。

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by kogotokoubei | 2015-07-15 12:24 | 落語協会 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛