今年上期の落語会・寄席を振り返る。
2015年 07月 01日
早いもので、今年も半分終わった。
上期に行った落語会・寄席を振り返りたい。
行った回数と聴いた高座数は次のようになった。
1月 5回(うち寄席2回-連雀亭・池袋-)、高座数31
2月 3回(寄席1回-末広亭-)、高座数24
3月 3回、高座数12
4月 3回(寄席1回-池袋-)、高座数23
5月 3回(寄席1回-末広亭-)、高座数21
6月 2回、高座数9
合計で19回(寄席は5回)、高座数は120だった。
ちなみに、昨年は23回(寄席は3回)で118だった。
今年は、月2~3回位でいいか、と思っていたので、想定通り。
基本的には、寄席を大事にしたいと思っていた。
また、地域落語会や手作り感のある小さな会に行きたかった。
数年前の末広亭席亭からの一喝を受けた後、ホームページの充実を図り、若手を一所懸命育てようとする姿勢が見受けられた落語芸術協会(芸協)を応援したいという思いもあった。
また、まだ聴いていない二ツ目さんにも連雀亭などを含め出会いたかったし、同様に、まだ聴いていない噺家さんを聴く機会を作りたかった。
結果として、昨年多く行った雲助の会などには行けなかったが、それもやむなし、と思っている。
そういう思いだった半年を振り返ると、寄席には、落語協会のホームページ問題がなければ、もう二回位は行っていたかなぁ、と思う。こっちも意地があったからね(^^)
「ざま昼席落語会」は六回開催中五回行くことができた。今年で二十周年、通算二百回を迎える、特筆すべき地域落語会だと思う。近所に住んでいるのは幸運としか言いようがない。
また、先月、「しんゆり寄席」という、川崎の手作り感一杯の会に行けたのは、嬉しい出会いだった。
芸協の真打昇進披露興行には、とりあえず一回行けた。
また、上期最大の発見は、柳亭小痴楽だ。「さがみはら若手落語家選手権」、『佐々木政談』ではなく、私が赤坂で聴いて感心した『大工調べ』で挑んでいれば優勝もあったのではないかと思っている。
小柳枝・小里ん二人会や龍志・志ん輔二人会も、協会の壁を越えた巧者同士の組合せによる良い会だった。
そういった120席の高座から、今年のマイベスト十席候補としたのは、次の十八席。
(1)瀧川鯉昇『御神酒徳利』
>ざま昼席落語会 ハーモニーホール座間 1月10日
*同会の柳家喜多八 「正しい酒の飲み方」も特別賞候補
(2)入船亭扇辰『徂徠豆腐』
>池袋演芸場 一月下席 昼の部 1月24日
(3)柳家小満ん『居残り佐平次』
>新宿末広亭 二月上席 昼の部 2月7日
(4)桂ひな太郎『締め込み』
(5)入船亭扇遊『鼠穴』
>ざま昼席落語会 ハーモニーホール座間 2月14日
(6)柳亭小痴楽『大工調べ』
>柳亭小痴楽・古今亭始 二人会 赤坂カルチャースペース嶋 3月7日
(7)桂文我「3.11と小金治さんの思い出」&『紺田屋』
>ざま昼席落語会 ハーモニーホール座間 3月14日
(8)柳家小満ん『樊會』
(9)柳家小満ん『おせつ徳三郎』
>柳家小満んの会 関内ホール 3月18日
(10)橘家圓太郎『雛鍔』
>池袋演芸場 四月上席 昼の部 4月4日
(11)柳家小里ん『棒鱈』
>小柳枝・小里ん 二人会 三輪田学園百年記念館 4月18日
(12)立川龍志『花見の仇討ち』
(13)古今亭志ん輔 『幾代餅』
>龍志・志ん輔 二人会 国立演芸場 4月29日
(14)むかし家今松『家見舞い』
(15)橘家圓太郎『野ざらし』
>ざま昼席落語会 ハーモニーホール座間 5月9日
(16)柳家小満ん『大師の杵』
(17)柳家小満ん『転宅』
>柳家小満んの会 関内ホール 5月18日
(18)初音家左橋『棒鱈』
>しんゆり寄席 川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場 6月27日
柳家小満んが五席。
これは、関内ホールの会の年間会員になってしまった(?)ので、皆勤なのだが、すべての会で珠玉の高座を楽しんだ。その後の居残り会の楽しみも含め、この会は大事にしたい。
圓太郎は、遅ればせながら、‘マイブーム’(古いなぁ)の噺家さん。
以前は聴かず嫌いな面もあったが、この人は師匠に似ずに実に結構。
文我の座間でのマクラも印象深い。
二ツ目でただ一人、小痴楽。彼は、見た目と違って(^^)落語に真剣に取り組んでいると思う。再来年には真打昇進が見込まれるが、近い将来、この人はチケットが取りにくい噺家になるだろう。
それぞれ、ブログを読み返すと、高座が蘇ってくる。
さあ、後半はどんな落語会、寄席、高座に出会えるだろうか。
雲助、志ん輔、今松などの贔屓の噺家さんの会にも行きたいと思っているが、他の会との日程や自分の都合も含め、‘縁’次第だなぁ。
いろいろときな臭い空気のある日本だが、落語を心から楽しめる日々が続くことを祈るばかりだ。
私は三歩歩くと忘れてしまうのでこういう企画ができません。
初めての人かと思うとなんども聴いていたり^^。
下期もよろしく!
佐平次さんから小満んの会を教えていただき、本当にありがたく思っています。奥さん娘さんと一緒につくる、まさに家族的な会で、存分に小満んの本領を発揮していますね。
私も、最近は見事に、いろいろと忘れます(^^)
こちらこそ、今年後半戦、よろしくお願いします!
入船亭の面目躍如でしょうか。よく前座噺ではないといいますが、この噺くらいそれと合致するものはないですね。
私は圓生と談志のものをCDで聴きました。
談志の場合、2月の記事のご指摘のように「兄が酷薄」という感じは確かにあります。
ただ、さだめを悟った女の子の声が哀れでした。
扇遊を「安打製造機」とは、言い得て妙!
三代目円馬が発掘した元は上方落語が円生に伝わったとのことですが、上方で演る噺家さんは少ないのではないでしょうか。私は聴いたことがないですね。
それだけ、円生、談志の高座が際立っていて、まるで東京落語のように認識されていると思います。
娘が吉原に身を売って親を助けるというのは、『柳田格之進』『文七元結』と、この噺が代表でしょうが、もっともいたいけな少女という設定では、たしかにこの噺の女の子をどう描くかは重要ですね。
談志のこのネタ、そういう面では、たしかに傑作ではあります。
扇遊は、もっと評価されて良い噺家さんだと思います。
今年後半、どこかでぜひ聴きたいものです。
文我、ひな太郎、圓太郎といった私の好きな人の名前が見えますし、小痴楽への評価は同感です。
(ほめ・く)
同じエイサイト・ブログから、ようこそのお出ましで!
小満の会で、ぜひ、同じ空気を吸いましょう(^^)
最近は、手作り感のある、小さな落語会に惹かれます。
せいぜい、200席から300席位の空間が、程よく感じます。
また、小痴楽などの二ツ目さんは、後半もぜひ聴きたいと思っています。
都合との相談ですが、落語を楽しんでいる時だけ、世間の諸々を忘れることができるのは、良いことなのでしょうね。