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桂吉の丞が優勝-第一回上方落語若手噺家グランプリ


 「上方落語若手噺家グランプリ」の開催については、以前拙ブログでご紹介した。
2015年2月24日のブログ

 昨日、本選が行われ、桂吉朝の最後の弟子、桂吉の丞が優勝したらしい。朝日から引用。

朝日新聞の該当記事
桂吉の丞さんが優勝 初開催の上方落語若手噺家GP
篠塚健一 2015年6月23日23時57分

 関西の芸術文化活動を支える「アーツサポート関西」の助成で初めて開かれた「上方落語若手噺家(はなしか)グランプリ」の決勝が23日、大阪市北区の天満天神繁昌亭であった。桂吉の丞さん(32)が栄冠に輝いた。

 吉の丞さんは堺市出身で、2002年に故・桂吉朝に入門。上方落語独特の道具である見台(けんだい)やひざ隠しの由来を語るマクラから、「がまの油」で活気のある高座を見せた。「ホントにお客様に乗せられて。お客様のおかげ」と喜んだ。準優勝は、笑福亭鶴瓶門下の笑福亭べ瓶(べ)さん(32)だった。

 上方の有望な若手を発掘するためのコンテスト。決勝は、31人が参加した予選を勝ち抜いた9人で争い、朝日放送、関西テレビ、毎日放送、読売テレビなど在阪放送各局のプロデューサーらが審査員を務めた。

 表彰式で桂文枝・上方落語協会会長は「各局の皆さんに『使えそう』という人を見つけてもらえたんじゃないか。ただ『M―1』などを見ておりますと、優勝者が必ず売れるとは限りません」と笑わせた。「決勝に駒を進めただけでもすばらしい。テレビに出た時は応援してあげてください」と呼びかけた。(篠塚健一)

 吉の丞は、三年前、内幸町ホールで開かれた桂米二の会で聴いている。
2012年9月14日のブログ
 あの時は、吉坊も出演し、吉朝門下から二人が米二の会に登場という、彼らいわく、上方でも滅多にない組合せ、だった。
 吉の丞は、ざこばから稽古をつけてもらった『強情』という珍しいネタを披露してくれた。
 ブログを振り返ると、印象は悪くなかったようだ。

 「上方落語家名鑑」から、この人のプロフィールをご紹介。

上方落語家名鑑の該当ページ

1.芸名/桂吉の丞(かつらきちのじょう)
2.本名/飯村 隆祥
3.生年月日/1982年 (昭和57)年 7月31日
4.出身地/大阪府堺市
5.血液型/B型
6.入門年月日/2002年 (平成14年) 8月13日「桂吉朝」
7.出囃子/
8.紋/結び柏
9.趣味/だんじり
10.ホームページ/http://nazokake.watson.jp/kichinojo/
11.所属/米朝事務所
12.その他/八州学園高等学校卒
平成21年第4回繁昌亭輝き賞受賞
ひとこと/大師匠米朝、師匠吉朝のもとで修業した最後の弟子です。米朝師匠からは「吉の丞はこわい」と言われてますが、笑うと以外にかわいい顔になるんですよ!勢いのある元気な落語家を目指します。とにかくなんでもやります!元鳶職ですから、空からでも飛んでみせます!!

 へぇ、元鳶職か!
 きっと、元気な『がまの油』を演じたのだろう。

 吉朝一門は、優秀な弟子が揃っている。
 総領弟子のあさ吉は未見。
 二番弟子の吉弥は、テレビの露出も多い人気者だし、その力量も安定している中堅の大事な存在になっている。
 以前、テレビ朝日の「落語者」の『蛇含草』には、きつい小言を書いたが、実力は私も認めているのだよ。
 よね吉は、2007年のNHK新人演芸大賞を受賞した時に、目頭を熱くして「師匠にご報告したい」と言った言葉が、今でも忘れられない。この人を、私は一番の師匠の芸の後継者ではないかと思っている。
 吉坊については、私が言うまでもなく、定評のある若手だ。著作もある達者な人。
 米朝落語を、米二より若い世代で継承してくれることを期待する人で、珍しいネタにも挑戦する。先月、国立演芸場で『冬の遊び』を演じるのを楽しみしていたのだが、野暮用で行けなかったのが、残念無念。

 もちろん、他にも一門の人はいるが、未見。

 しかし、なんとなく、吉朝門下の芸、ある程度想像はつく。
 きっちりした落語を、皆さん演じてくれるのだろう。何と言っても、あの師匠の弟子なんだから。

 米朝にとっては、枝雀、そして吉朝は、後継者として期待していた愛弟子だったが、相次いで師匠より早く旅立った。
 その大師匠亡き上方落語界で、ぜひ今回のような企画もきっかけとして、将来性のある若手に頑張って欲しい。

 彼らには、米朝、松鶴、文枝といった亡き師匠たちが、戦後の苦しい時代に耐えてきた上方落語の伝統をしっかり繋いで欲しいと思う。そう言えば、「上方四天王」のお一人、三代目(春團治)のニュースを聞かなくなって久しい。お元気なのだろうか・・・・・・。

 
Commented by hoshi-ake at 2015-06-24 23:52
筆頭弟子は吉弥さんでなく、あさ吉さんです・・・。
正直吉弥さんに比べると不安にさせられるのですが、若旦那風の「華」と「フラ」はありますね。

吉朝一門は、妙に整った顔立ちの若者が多いのですが、その典型とも言えるしん吉さんは、腕は確かな上に梅團治師匠と並ぶ「鉄ちゃん」の地位を確立しています。
そして最年少の佐ん吉さん(吉坊さんの高校の後輩)は、常に小気味よい高座を見せてくれます。東京での会も多いので是非。
Commented by kousagi at 2015-06-25 00:13 x
こちらへは初めてのkousagi(子兎)です。どうぞよろしく。

吉の丞は、吉朝一門の武闘派、内弟子時代は米朝師匠の運転手でした。今ごろはあちらでお二人が末っ子に祝杯をあげておられるでしょう。

私は吉朝ファンになって2年少しで師匠が他界されてしまい、ずっと弟子達を応援してきました。追悼会(尼崎と国立演芸場)で見た初々しい面々から、今はすっかり頼もしくなりました。

出世頭は吉弥さんですが、一番弟子のあさ吉兄さんも天然で憎めないキャラで英語落語も独特です。私はしん吉くんの高座に吉朝さんの声色と間を感じますし、佐ん吉くんも達者です。土曜日の米朝追悼番組「洒落が命」で「地獄」のお囃子をやっていたのもこの二人でした。

そんな楽しい一門が趣向をこらす毎夏の徳本寺スペシャル、今年も都合がつかず(チケットも大変みたいですが)、残念です。
Commented at 2015-06-25 06:47 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kogotokoubei at 2015-06-25 09:13
>kousagiさんへ

お立ち寄りいただき、コメントまで頂戴し、誠にありがとうございます。
吉朝一門、全員、見どころがありそうですね。
吉の丞は、「武闘派」ですか(^^)
元鳶ですからね。

こういう情報をいただくと、関西の落語ファンが羨ましくなります。
上方若手で未見の噺家さん達の関東での会を、できるだけ発見して駆けつけたいと思います。
今後も、お気軽にお立ち寄りください。
Commented by kogotokoubei at 2015-06-25 09:14
>鍵コメさんへ

相変わらず間違いが多くて、申し訳ありません。
訂正いたしました。
Commented by kogotokoubei at 2015-06-25 09:16
>hoshi-akeさんへ

総領弟子が、あさ吉さんであること、他の方からもご指摘いただきました。
誠に申し訳ありません。訂正します。

そうですか、しん吉、佐ん吉も楽しみな人のようですね。
ぜひ、今後は未見の上方の若手も聴きに行こうと思います。
相変わらず間違いも多いですが、懲りずにお立ち寄りのほどを願います。
Commented by kousagi at 2015-06-25 19:34 x
お返事ありがとうございます。私も関東なので(出は関西ですが)、なかなか弟子達の落語が聞けていません。

今はないのですが、神楽坂にあったイワト寄席(小劇場の落語会)で、吉朝一門会を定期的にやっていて、一門をまとめて聞ける貴重な機会でした。

やはりそこで定例会をやっていた志ん輔師匠が、吉坊をすぐ近くにあった故志ん朝邸の門前に案内したとブログに書いておられたのも印象に残っています。師匠を早く亡くした者同士の想いがあったのでしょうね。
最近の吉坊の「声変わり」には、まだ慣れないのですが。(キュートな丁稚とか好きだったので。)
Commented by kogotokoubei at 2015-06-25 21:21
>kousagiさんへ

イワト寄席、志ん輔のブログで何度か目にしたことがあります。

私は、北海道で生まれ、学生時代に関西で過ごし、社会人として越後を経由して今は関東、という経歴です。
早い話が、国籍不明です(^^)

吉坊、「声変わり」が、あったんですか?

それはともかくとして、今後も気軽にお立寄りください。
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by kogotokoubei | 2015-06-24 19:05 | 上方落語 | Trackback | Comments(8)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛