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第14回 さがみはら若手落語家選手権 第4回予選会 杜のホールはしもと 2月28日

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(相模原市民文化財団のサイトより。同サイトURLは、この記事の最後にあります。)

 1月の晦日に行った第2回目の予選に続き、2月晦日の第4回、最終予選へ行ってきた。
 
 大会のサイトから、これまでの予選参加者をご紹介。
(ただし、下記内容が掲載されていたサイトはすでに閉鎖されています)
【予選会・出演】 
<第1回>古今亭志ん八、柳家小太郎、春風亭一蔵、入船亭小辰、三遊亭遊里
<第2回>立川らく次、柳家わさび、春風亭正太郎、春風亭昇也、三遊亭天歌
<第3回>春風亭朝也、柳亭こみち、柳亭市江、三遊亭楽大、春雨や風子
<第4回>昔昔亭桃之助、林家たこ平、立川平林、柳亭小痴楽、三遊亭めぐろ

【本選会】 予選会1位4名+2位で惜敗率が最も高い出場者の計5名

 これまでの勝ち抜きと、惜敗率1位は次の通り。
●第1回予選会1位 柳家 小太郎
●第2回予選会1位 春風亭正太郎
●第3回予選会1位 春風亭朝也
 
2/14現在 惜敗率1位 柳亭こみち

 12時に入場券を買い求め、駅の近くで昼食をとって13:00の開場5分ほど前に戻ったら、前回と同じ位、40名位のお客さんが並んでいた。最終的に、パイプ椅子に満席近い200名ほどの来場かと思う。

 13:30から、前回と同じ大学落研の女子大生がルールなどを説明。「おもしろかった、楽しかった、一人を選ぶ」という表現、前回も書いたが、「良かった」という言葉も使って欲しい。また、持ち時間20分ということを、今回も言わなかった。

 抽選で順番が決まり、五人はいったん下がって、開口一番は林家つる子で『のめる(二人ぐせ)』。

 プログラムにネタ出しされている。五人出場順に、ネタと感想を記す。三人の高座の後で約10分の仲入りになる。

昔昔亭桃之助『熊の皮』 (16分 *13:49~)
 昨年11月に最初に神田連雀亭に行った際に初めて聴いて以来。
2014年11月8日のブログ
 五人の中で最年長の44歳。連雀亭での縁を感じ、私としては応援していたのだが・・・・・・。
 草津温泉で芸術協会が担当している温泉落語会についてのマクラは、たぶん前回聴いた内容と一緒。ちなみに草津温泉落語会は昨年12月で満五周年になったらしい。そういった七分ほどのマクラをふっていながら、持ち時間を余してサゲた。
 投票の際、お隣の高齢の男性が桃之助に投票していたように、内容そのものは、そう悪くはない。甚兵衛さんが女房から教わった科白を間違える「うけ・・・またがすれますれば」などで結構笑いもとっていた。しかし、後から出場する小痴楽、平林に比べて、それを上回る印象を与えるほどではなかったのは事実。
 連雀亭では『干物箱』をマクラを含めほぼ20分で演じており、桃太郎一門とは思えない古典に良い印象を持っていたのだが、少し残念。ネタ選びの問題と、抽選でトップバッターになった心理的なプレッシャーもあったかもしれない。
 私は連雀亭で聴いた『干物箱』を選んでいたらなぁ、などと聴き終わって思っていた。

三遊亭めぐろ『ニワトリ』 (19分)
 初である。円丈の弟子。自作の小咄や、二ツ目に昇進した際に兄弟子から贈られた「新明解国語辞典」に関するマクラを9分ほどふって、自作の新作へ。
 かつて屋台でカラーひよこを売っていた男が焼き鳥屋を始め、その開業初日に店に来た男の物語。
 なんとも説明できにくい噺だなぁ。
 プログラムのプロフィールにある「将来の夢」に「日本全国に、落語の笑を届けたいです。」と掲載しているが、この高座では、とても笑えなかった。

柳亭小痴楽『湯屋番』 (21分)
 仲入り前はこの人。髪型や話し振りからは、いわゆる“ちゃら男”の印象。マクラで師匠柳亭楽輔に連れて行ってもらったスナックでの話題をふった。若い(26歳)こともあり、言葉遣いも粗っぽく思え、どんな高座になるのか不安だった。しかし、本編に入ると、若旦那役もニンで調子が上がってきた感じ。特に、番台に上がってからの白浪五人男、弁天小僧菊之助の口上から“煙突小僧煤之助”とシャレる場面は、なかなか聴かせた。投票を集めたのも、この場面の強い印象があったように思う。
 若い力で突っ走るような高座でもあるが、潜在能力は高いように思う。文治門下から楽輔の元に替わった理由などは知らないが、今後化ける可能性は秘めている。

立川平林『崇徳院』 (21分)
 初、のはず。プログラムに掲載されているプロフィールによると、平成17年に談志に入門し、二年で二ツ目に昇進しているので、立川流では抜擢に相当すると思う。現在は談慶門下らしい。昨年10月から4月まで6回開催される立川流真打トライアルには参加していないなぁ。ちなみに同トライアル参加者は、立川志らら、立川らく朝、立川談奈、泉水亭錦魚、立川らく里の五名。プロフィールによると、安来節全国大会で優勝、とのこと。
 ほとんどマクラをふらず本編へ。そりゃ、そうだろう。しかし、特段に焦っている印象もなく、ほぼ持ち時間内でサゲまでこなしたのは、なかなか見事だった。地味な見た目、そして語り口なのだが、要所要所でしっかり笑いもとっていた。若旦那が自分の病気が何かを熊さんに明かす場面で、若旦那の「お医者さまでも、草津の湯でも、って言うじゃないか」という謎かけに対し、熊さんが草津節を歌って応えるという演出は、なかなか楽しかった。
 流石に家元に弟子入りしただけのことを感じさせたし、20分の持ち時間で、このネタに挑んだ心意気も結構だった。

林家たこ平『金明竹』 (20分 *~15:44)
 最後の登場は、この人。連雀亭の初席で『松山鏡』を聴いて以来、二度目。マクラで「二日ぐらい前に、屋形船の仕事があった」と語っていたが、二日なら、“ぐらい”は、ないだろう^^
 師匠正蔵が暴風で新幹線が止まり会場に来ることができず、一人でしのいだ長野での落語会の逸話など七分ほどのマクラから本編へ。全体的に粗っぽい高座、という印象。与太郎を預かっているおじさんも、傘を借りに来た男も、猫を借りに来た男も、すべて強面で、同じような調子。不思議な上方なまりの加賀屋佐吉からの依頼人の口上も、早くしゃべればいい、というものじゃない。横谷宗岷小柄付きの脇差しの柄前について、「だんなはんが古鉄刀木といやはったが」の、“だんなはん”が抜けていた。あの口上にも、意味があるわけで、単なる早口言葉ではないのだがなぁ。
 正月三日の『松山鏡』の印象は良かったので、期待していたのだが、やや残念な高座だった。


 全員の高座が終了となり、投票である。

 笑いと印象度からは、きっと小痴楽が票を集めそうに思った。なんとか平林にも本選に行ってもらいたいとの思いで、平林に投票。
 結果として、やはり小痴楽が第一位で突破。二位が平林となりこれまで惜敗率トップの柳亭こみちとの戦いの結果、思惑通り(?)平林が本選へ。
 ちなみに、四つの協賛者賞は、二つを小痴楽が獲ったが、一つはたこ平、そして八起寄席さんが平林というのが、なんとなく嬉しかった。

 本選は3月15日。予選は多目的室だったが、ホールでの開催だ。日曜なので行けないが、さて誰が優勝するだろうか。結構、接戦になりそうだ。
相模原市民文化財団サイトの該当ページ
Commented by at 2015-03-02 07:00 x
小痴楽、ウケるキャラですよね。
ぱっと見ミュージシャン?みたいな。

今後、注目の一人です。

Commented by 小言幸兵衛 at 2015-03-02 09:06 x
ブログを書いてから、五代目痴楽の息子さんということを知りました。
なるほど、血の良さもあるのかもしれません。
香盤では宮治より上かぁ。

芸協の二ツ目は、なかなか充実しています。
立川談幸のお弟子さん二人にとっても、良い刺激になるでしょう。

Commented by 彗風月 at 2015-03-02 15:18 x
ち太郎の時代に何度か見ましたが、とっぽいというよりあか抜けないという感じの方が強かったなww。ただ当時から、未熟の中に父親譲りの口跡のよさがあって、このまま上手くいってほしいな、なんて感じてました。おとっつぁんにももう少し元気でいてほしかったですね。

Commented by 小言幸兵衛 at 2015-03-02 15:40 x
お久しぶりです。
さすがに、よくご存知で!
とっぽさはまだ残っていますが、あか抜けてきたかもしれません^^
本選は、落語協会から三名、立川流と芸協から各一名の出場です。
個人的予想は、朝也と正太郎の一騎打ちのように思いますが、穴が小痴楽でしょう。

Commented by ほめ・く at 2015-03-03 10:29 x
小痴楽は芸協の二ツ目の中で注目の一人です。当代は3代ですが初代、2代目共に若死にでしたので、そういう意味でも頑張って欲しいと思います。

Commented by 小言幸兵衛 at 2015-03-03 10:40 x
たしかに、楽しみな人ですね。
下調べせず聴いたのですが、後で調べると、今は同じ初代痴楽門下だった父の弟弟子である楽輔の元で修業しているんですね。
小痴楽が入門しようとした時期にお父さんが倒れたので文治預かりとなったとのことで、若いわりには、いろいろ経験もしているようです。
ぜひ真打昇進の際に三代目痴楽を継いでもらいたいと思います。
3月15日の本選、結構、この人の優勝もありそうな気がしています。

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by kogotokoubei | 2015-03-01 17:23 | 寄席・落語会 | Trackback | Comments(6)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛