噺の話

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司法は死んだか・・・沖縄密約事件の最高裁判所判断は安倍の暴挙!

元毎日新聞記者の西山太吉さんが、人生を賭けて闘っているように思う沖縄密約事件について、最高裁が実に理不尽な結論を出した。(太字は管理人)
東京新聞の該当記事

沖縄密約の歴史、闇に 最高裁「請求者に立証責任」
2014年7月15日 07時08分

 一九七二年の沖縄返還をめぐる日米間の密約文書開示訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は十四日、元毎日新聞記者西山太吉さん(82)ら原告側の逆転敗訴とした二審判決を支持し、上告を棄却した。西山さんらの敗訴が確定した。行政機関が存在しないと主張する文書について「開示の請求者側に存在を立証する責任がある」との初判断を示した。裁判官四人の全員一致の意見。

 情報開示を求める市民に重い立証責任を課した判断で、特定秘密保護法の施行を控え、国民の知る権利に大きな制約を与えそうだ。

 判決理由で千葉裁判長は「いったん文書があると立証された場合、その後も行政機関が持っていると認められるかどうかは文書の内容や性質、作成の経緯などに応じて個別具体的に検討すべきだ」と判示。文書廃棄などの立証責任を行政側に負わせた一、二審とは異なる判断を示した。

 その上で、密約文書の探索調査をした外務、財務両省が「文書は見つからなかった」としたことを踏まえ、「交渉過程で作成されたとしても、不開示決定時に文書があったと認めるには足りない」と結論づけた。密約の存在を認めた一、二審の判断は維持した。

 一審・東京地裁判決は、米国立公文書館で見つかった米公文書や元外務省局長の法廷証言を基に、国が文書を作成、保有していたと認定。国に文書の全面開示を命じ、原告一人当たり十万円の賠償も認めた。二審・東京高裁判決も国が過去に文書を保有していたことは認めたが「外務、財務両省が秘密裏に廃棄した可能性を否定できない」とし、不開示は妥当と判断した。

 西山さんらは、日本が米軍用地の原状回復費を肩代わりするなど三つの密約に関する文書を開示請求。外務、財務両省は二〇〇八年、文書の不存在を理由に開示しなかった。


 裁判の経緯は、一審、二審、最高裁の三審になるにつれて、国(≒永田町&霞ヶ関)有利な、まったく理不尽な判決と言わざるを得ない。三審制は、誰のためにあるのか・・・・・・。

 記事の後半にある次の西山さんの言葉の通り、日本の民主主義がどんどん崩壊しつつある。もちろん、安倍政権によって、である。

国の主張を正当化

 西山太吉さんの話 日米政府が共同して国民をごまかすために作ったのが密約文書で永久に保存されるべきだ。最高裁判決は、その文書がないという国の主張を正当化した。国民主権にのっとった情報公開の精神がみじんもなく、民主主義の基礎を崩壊させかねない。

 <沖縄返還協定の密約> 1972年5月に発効した沖縄返還協定をめぐる日米の交渉過程で、米軍用地の原状回復費400万ドルや米短波放送中継局の国外移設費1600万ドルを日本政府が肩代わりし、協定で定められた米国への支出金に上乗せして負担することにした密約。「沖縄を金で買い戻した」との批判が予想されたため、国民には伏せられた。毎日新聞記者だった西山太吉さんが外務省の極秘公電を入手し、報道で密約を示唆したが、公電を提供した同省女性職員とともに国家公務員法違反罪で起訴され、2人の有罪判決が確定した。2000年以降、米国立公文書館で密約文書が見つかり、外務、財務両省は10年3月に「広義の密約」があったと認めた。

(東京新聞)



 朝日では、今回の最高裁判断について次にように書かれている。
朝日新聞の該当記事

 最高裁はこの日、「行政機関が存在しないとした文書の開示を裁判で求める場合は、請求した側が文書の存在を立証する責任がある」との初判断を示した。

 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「報道によって文書の存在がわかった今回のケースは異例であり、情報公開の請求者が文書の存在を証明するのは現実的には困難だ。判決はこの実態にお墨付きを与えるものだ」と批判する。

 仮に国による意図的な文書隠しがあっても、国が「ない」とすればそれを暴くこともできなくなってしまう。「国民の共有財産をしまい込み、都合が悪くなれば捨てるような国の姿勢こそ、厳しく断罪する必要がある」

 西山さんとともに会見した原告で、密約事件についての著作がある作家の沢地久枝さんは「今後も密約文書の行方をはっきりさせる努力をしていく」と力を込めた。


 立証するったって、今後は特定秘密保護法が、その立証を阻むわけだから、役所が「ない」と言う情報をあぶり出すのは、ますます難しくなる。最高裁は、そういうことも踏まえて、安倍政権の圧力を受け、秘密国家化の片棒を担ぐのだろうか。三権分立の名が泣く。

 アメリカで公開された情報で密約の存在は明白。加えて、外務省の元局長が密約の存在を認めてもいるのだ。
 東京地裁が、もっとも真っ当な判断を下している、としか言いようがない。

 その元外務省局長については、北海道新聞の過去の記事からご紹介。
北海道新聞サイトの該当記事

2006/02/08(水)朝刊
1971年 沖縄返還協定 「米との密約あった」
佐藤首相判断で400万ドル肩代わり 外務省元局長が認める

 沖縄の祖国復帰の見返りに、本来米国が支払うべき土地の復元費用を、日本が肩代わりしたのではないかとされる一九七一年署名の沖縄返還協定について、当時、外務省アメリカ局長として対米交渉にあたった吉野文六氏(87)=横浜市在住=は、七日までの北海道新聞の取材に「復元費用四百万ドル(当時の換算で約十億円)は、日本が肩代わりしたものだ」と政府関係者として初めて日本の負担を認めた。

 この肩代わり問題は外務省密約事件として知られ、警視庁が当時の毎日新聞記者西山太吉氏(74)を逮捕、国民の知る権利をめぐる論議になった。

 四百万ドルは、米国が軍用などに接収していた土地を、元の田畑などに戻すための費用。「米国が自発的に払う」と同協定四条で決めた。一方、七条は、沖縄にあるとされる核兵器の撤去や、米国資産の買い取りのため日本が米国に三億二千万ドル払うと決めており、西山氏らは電文などをもとに「三億二千万ドルの中に四百万ドルが含まれている」と主張してきた。

  吉野氏は「当時のことはあまりよく覚えていない」と断った上で「国際法上、米国が払うのが当然なのに、払わないと言われ驚いた。当時、米国はドル危機で、議会に沖縄返還では金を一切使わないことを約束していた背景があった。交渉は難航し、行き詰まる恐れもあったため、沖縄が返るなら四百万ドルも日本側が払いましょう、となった。当時の佐藤栄作首相の判断」と述べた。

 また、日本政府が、円と交換して得た返還前の通貨、米ドルを無利子で米国に預託し、自由に使わせたことも明らかにした。金額には言及しなかったが、米側文書によると、連邦準備銀行に二十五年間無利子で預け、利息を含め計算上約一億千二百万ドルの便宜を与えたとみられる。

 これらの肩代わりや負担は、これまでマスコミや沖縄の我部政明琉球大教授(国際政治)が、米国の情報公開法で米側外交文書を入手し、指摘してきた。しかし、日本政府は否定し続け、情報公開もしていない。外務省は「現在、西山氏から当時の報道は正しかったと謝罪を求める裁判を起こされており、コメントできない」としている。

 我部教授は「証言が正しければ、米側外交文書を裏付けたことになる。日本政府は負担を三億二千万ドルと言っているが、米側文書によるとこのほか、基地の施設改善移転費などが七千五百万ドルあり、現在の巨額の思いやり予算につながっている。政府はきちんと説明すべきだ」と話している。


 こういう証言があったにもかかわらずの、今回の最高裁、なのだ。

 吉野文六元局長の言葉を続ける。

 「西山さんの言ってることは正しい」

 吉野文六元外務省アメリカ局長は、続けてこう言って苦笑した。

  「だから機密扱いなんです」

 一九七二年、国会で横路孝弘衆院議員(現副議長)から「沖縄返還には密約がある」と追及された。証拠の外務省機密電文のコピーを持っているというので、電文の原本を持ち、国会内の小部屋で見せ合った。本物だった。

 秘話がある。吉野さんは、横路氏と見せ合う前に、総裁派閥佐藤派の実力者二人に相談した。そして二人の言葉に驚く。「おまえ、何言ってるんだ。外務省の電報なんて前からおれたちのところにもこんなに来ているぞ」

 政府与党は一体だから外務省が実力者に情報提供することはあるだろう。だが、もし、別ルートの情報流出が常時あったとすると、問題の様相はまったく異なってくる。
二人は故人となり、真相はやぶの中だ。

 電文を見せ合った直後、警視庁は、外務省女性職員が毎日新聞の西山太吉記者に国家機密を漏らしたとして、二人を国家公務員法違反の疑いで逮捕する。吉野さんは西山さんをよく知っていた。

 「新聞記者なら機密を書くのが本能でしょうから、西山さんのやったことは仕方がない。でも、交渉の最中に機密の話が漏れると、相手から信頼されなくなる。米国側から苦情を言われたわけではないですよ。だが、過程を明かさないのは外交の常識。西山さんの書いたことが真実かどうかという問題と、機密漏えいを司法が罰するかどうかは別問題です」

 事件で、毎日新聞を退社、現在北九州市に住む西山さんは反論する。

  「機密は権力の都合のいいよう、時には秘匿され、時には世論誘導のため漏らされる。外務省の立場には何ら拘束されず、新聞は過程を報道しなければならない」

  昨年「政府はウソをついた。報道は正しかった」と国に謝罪を求める民事訴訟を起こした。怒りは募る。

 「四百万ドルを肩代わりしたという吉野さんの言葉が本当だとすると、私の主張を事実上認めたことになる。米国の情報公開文書も正しかったということだ。先進国なら二、三十年もたてば公文書を公開する。日本はなぜしない」

 問題は四百万ドルにとどまらない。協定七条で日本側が負担する三億二千万ドルの内訳は、水道、電気など米国が造った資産の買取費一億七千五百万ドル、沖縄に貯蔵されていたとされる核兵器撤去費用七千万ドル、人件費増加分七千五百万ドルだ。しかし、吉野さんは言う。

  「はじめ米国が無償で沖縄を返すというので、佐藤首相も無償返還をバーンとぶち上げた。ところが、まず大蔵省が折衝を始めたら、米国はこれだけ日本でもってくれとリストを出してきた。外務省は驚きましたよ。三億二千万ドルだって、核の撤去費用などはもともと積算根拠がない、いわばつかみ金。あんなに金がかかるわけがない。費用を多くすればするほど『核が無くなる』と国民が喜ぶなんていう話も出た。三億二千万ドルの本当の内訳なんて誰も知らないですよ」

 マスコミや琉球大の我部政明教授らが米国の情報公開で調べた日本側の財政負担は、このほかに《1》円と交換した返還前の通貨、米ドルを二十五年無利子で米国に預金(一億千二百万ドル相当)《2》基地施設改善移転費六千五百万ドル《3》労務管理費千万ドル−がある。吉野さんは無利子預金については一部認めたが、他は「よく覚えていない」という。

 現役時代、国会答弁では、知らぬ、存ぜぬを繰り返してきた。だが今「もう年で記憶がない」と言いながら、知られていない背景説明を語り、固有名詞を次々に繰り出す。吉野さんはこうつぶやいた。

  「国会で『記憶にありません』と答弁したら、本当に記憶に無くなる。過去を振り返らないようになります。意識的に忘れようとする。大部分は不愉快なことですから。覚えていることを覚えていないというんだから」 (編集委員 往住嘉文)



 再度引用するが、吉野元局長が2006年に語った、次の内容に驚くではないか。

「はじめ米国が無償で沖縄を返すというので、佐藤首相も無償返還をバーンとぶち上げた。ところが、まず大蔵省が折衝を始めたら、米国はこれだけ日本でもってくれとリストを出してきた。外務省は驚きましたよ。三億二千万ドルだって、核の撤去費用などはもともと積算根拠がない、いわばつかみ金。あんなに金がかかるわけがない。費用を多くすればするほど『核が無くなる』と国民が喜ぶなんていう話も出た。三億二千万ドルの本当の内訳なんて誰も知らないですよ」

 沖縄返還問題は、まだ終わっていない。これまでに、いかに理不尽な要求をアメリカから飲まされてきたのだろうか。

 8年前の西山さんの言葉を、再度。
  「四百万ドルを肩代わりしたという吉野さんの言葉が本当だとすると、私の主張を事実上認めたことになる。米国の情報公開文書も正しかったということだ。先進国なら二、三十年もたてば公文書を公開する。日本はなぜしない」

 吉野元局長が密約の存在を語った時に、安倍は官房長官だった。彼はどう対応したのか。
 西山さんについては、昨年11月に、参院の国家安全保障特別委員会に参考人として登場された時にも記事を書いた。その時に引用した日本記者クラブでの会見に関する11月19日の朝日から再度抜粋。
2013年11月22日のブログ

 2000年、アメリカは日本との沖縄返還交渉の外交文書を一挙に公開した。そこには西山さんがつかんだ密約が明らかにされていた。ふつうはそれで日本政府も兜(かぶと)を脱ぐだろう。ところが違った。外務省は密約の当時のアメリカ局長吉野文六氏を呼んで「密約は一切ないと言ってくれ」と口止めをした。吉野さんはOKした。外務省はあわてて日本側の資料を焼却した。1200トンに及ぶ量だった、と西山さんは語った。

 2006年、吉野さんは良心の呵責(かしゃく)からか、「密約に私が署名した」とマスコミに告白した。それでもなお、当時の安倍晋三官房長官、麻生太郎外相、河相周夫北米局長は「密約はない」と言い張った。このシラの切り方は尋常な「秘密体質」ではない。



 安倍晋三の「秘密体質」は、まったく変わっていない。より一層厚い鎧で覆われているかもしれない。

 特定秘密保護法と集団的自衛権により、ますます国民の死活問題が秘密のままに扱われる危険性が出てきた。
 北海道新聞の12日の記事から。北海道新聞の該当記事

集団的自衛権行使 秘密保護法「盾」に自衛隊派遣理由、秘匿も 国民議論できぬ恐れ
(07/12 09:44、07/12 09:49 更新)

 政府が集団的自衛権を行使し、米国の要請などで自衛隊を派遣する際、その理由が国民に十分に知らされない恐れが出ている。今年12月に施行される特定秘密保護法を「盾」に、政府が判断に至る議論を秘匿する可能性があるためだ。専門家は自衛隊派遣の是非を国民が判断できないまま、政府が戦争に突き進むことに警戒感を募らせている。

 特定秘密保護法は、政府が「漏れると安全保障に著しい支障を与える恐れがある」と判断した情報を特定秘密に指定できると定める。対象となる防衛や外交など4分野23項目のうち、参戦理由は「外国や国際機関との交渉内容や方針のうち安全保障に関する重要なもの」に当たる可能性が高い。森雅子内閣府特命担当相は11日の記者会見で「23項目に該当する場合に主務大臣が秘密指定する。それに該当するかどうか、という話になる」と述べ、参戦理由が特定秘密になる可能性を認めた。

 集団的自衛権は、日本と関係が密接な他国への武力攻撃が発生し、日本人の生命や権利が「根底から覆される明白な危険」があると判断すれば発動できる。実際に米国などから協力要請があった場合、国家安全保障会議(NSC)で審議し、内閣が決定するが「安全保障に著しい支障を与える恐れがある」と判断されれば、詳細な理由や議論の過程は秘密となる。第1次安倍内閣で防衛担当の内閣官房副長官補を務めた柳沢協二氏は「米艦が攻撃を受けて日本に防護要請した場合、なぜ米艦が攻撃を受けたのか—といった米軍の行動に関する情報は秘中の秘。表に出てこないだろう」と指摘。「そこを議論しないと参戦の正当性は説明できないが、材料が提供されない可能性は高い」とみる。

 ベトナム戦争では、1964年にベトナム沖で米艦が攻撃を受けたトンキン湾事件をきっかけに各国が参戦したが、その後、事件の際の攻撃は米国の捏造(ねつぞう)だったことが発覚した。当時の日本は集団的自衛権が行使できず参戦しなかった。特定秘密保護法が施行されれば、こうした情報も検証できなくなる恐れがある。

 米軍の動向に詳しいNPO法人ピースデポ(横浜)の塚田晋一郎事務局長代行は「秘密法は何でも秘密にできて、何が秘密か分からないのが特徴だ。参戦後、米軍などと理由をねじ曲げる恐れもある。こんなことで自衛隊が危険にさらされていいのか」と疑問視している。(東京報道 村田亮)<北海道新聞7月12日朝刊掲載>


 今回の判決や諸々を思うと、新たな密約の存在も匂ってくる。
 特定秘密保護法、集団的自衛権、それらの背後に安倍政権とアメリカとの間にTPP交渉にからんだ「密約」があるのなら、それこそ、メディアは追求すべきだ。しかし、かつての西山さんのような気骨のあるジャーナリストは存在しないだろうなぁ。

 もし、密約などなく、単にアメリカ政府への「忖度」による行動であれば、それはあまりにも主権国家として情けない。

 密約でも忖度でもなく、アメリカの影をちらつかせながら、安倍晋三が大好きな戦争をしたがっているだけなら、馬鹿に刃物を持たせてはいけない。

 集団的自衛権を憲法違反と主張することなど、とても無理なところまで、日本の司法は存在意義をなくしている。
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Commented by 喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう) at 2014-07-16 14:53 x
キャッシュで雲助五拾三次の記事を拝読しました。
ご意見に深く頷いた次第です。
実は私も暮れの「市馬師、掛取り」に違和感を持ちました。
余計事を書いて申し訳なし。

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by kogotokoubei | 2014-07-15 07:47 | 責任者出て来い! | Comments(1)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛