半夏生に食べるのは、蛸か、鯖か、それとも!?
2014年 07月 02日
半夏(烏柄杓-からすびしゃく-)という薬草が生える頃、ということで名がついたと言われる。田植えをこの日までに終わらせるという目安で、この日は空から毒気が降るので井戸に蓋をする風習もあったようだ。
ちなみに、雑節(ざっせつ)とは、春分や夏至などの二十四節気のほかに、季節の移り変りを知る知恵としてできたもので、節分や八十八夜、土用、二百十日なども雑節である。
その半夏生だが、関西では、稲が蛸の足のようにしっかり根付くことを祈って蛸を食べる風習があると言われているが、福井では鯖らしい。福井新聞より。福井新聞の該当記事
丸焼きサバ食べて暑さ克服 福井・大野で半夏生の伝統食
(2014年7月2日午前7時30分)
夏至から数えて11日目の2日は「半夏生(はんげしょう)」。この日にサバの丸焼きを食べる風習がある福井県大野市では1日、鮮魚店やスーパーの店頭から大きなサバを焼く香ばしい匂いが漂った。
江戸時代に大野藩主が田植えで疲れた農民に栄養をつけてもらおうと、飛び領地のあった越前海岸から運ばせ、丸焼きサバを奨励したのが始まりとされる。
同市明倫町の鮮魚・飲食店「うおまさ」では、県外への発送分も含めて2日間で約750匹を焼き上げる。早朝から店主の山本秀夫さん(66)が家族と一緒に調理。体長40センチ近くあるサバを串に刺し、みりんとしょうゆのたれを付け、専用グリルと炭火で焼くと脂がジューッと滴り、表面はこんがり。周囲に広がる煙に誘われるかのように、近くの主婦らが次々に買い求めていた。
山本さんは「今年のサバは身が厚く脂も乗っている。これからますます暑くなり疲れが出てくる季節。サバを食べて元気になってほしい」と話していた。
その昔、若狭湾でとれた鯖は塩でしめて、鯖街道を通って京都まで運ばれた。だから、京都の名物に鯖寿司がある。
「若狭鯖街道熊川宿」のサイトに鯖街道の地図があったので、説明文と一緒にご紹介。
若狭「鯖街道熊川宿」サイトの該当ページ
若狭から京都へ至る多数の街道や峠道には、本来それぞれ固有の呼び名がありますが、近年、運ばれた物資の中で「鯖」が特に注目され有名になったことから、これらの道を総称して「鯖街道」と呼ぶようになりました。
その内、最も盛んに利用された道は、小浜から熊川を経由して滋賀県の朽木を通り、京都の出町柳に至る「若狭街道」です。これ以外にも、多くの道がありますが、この中で京都への最短距離をとる峠道として「針畑越え」があり、小浜から熊川を経由し滋賀県の今津に至る「九里半越え」も古代からの歴史があり西近江路につながる重要な道です。
さらに、京都と小浜の間の多数の峠を越えて「鞍馬街道」に至る道や、小浜から名田庄の掘越峠などを越えて京都の高雄につながる「周山街道」、美浜の新庄から滋賀県のマキノへ抜ける「栗柄越え」も重要な街道の一つです。
若狭から運ばれた鯖が京の都に着く頃には、ちょうどよい塩加減になったと言われ、京都の食文化の中に今も若狭の魚が生きています。なお、若狭の鯖は遠く兵庫県の篠山までも運ばれていました。
鯖をこの時期食べるなら丸焼きや塩づけではなくては危ない。素人が料理して食べたりすると『地獄八景亡者戯』の喜ぃさんのようにあの世の住人になってしまう。
福井の鯖に、蛸で有名な明石も負けてはない。数日前の毎日神戸版で次のように伝えている。
毎日新聞の該当記事
明石タコ:「半夏生の日は明石タコ」 食べて特産PR 給食や料理振る舞う /兵庫
毎日新聞 2014年06月26日 地方版
夏至から数えて11日目に当たる半夏生(はんげしょう)の日に、特産の「明石タコ」を食べる取り組みが7月2日、明石市内である。小学校の給食にタコを使ったメニューを提供したり、明石駅周辺や商店街でタコを使った料理を振る舞ったりして、「明石タコ」のPRを図る。
同市などでは、田んぼに植えた稲がタコの足のようにしっかりと根付くことを願って、半夏生の日にタコを食べる風習がある。この時期のタコは身が締まって味が濃く、おいしいとされており、市と市内の団体が「半夏生にタコを食べよう」という機運を盛り上げることにした。
まず、市内の小学校で、給食に明石タコを使った献立「キャベツとタコのドレッシング和(あ)え」を提供するとともに、タコについての資料を学校に配って食育に役立ててもらう。明石小では、市漁業組合連合会による明石タコの出前授業も行う。14日(一部は15日)にも「タコの唐(から)揚げ」を提供する予定で、これらのタコ購入費用の一部を市漁連が負担する。
一方、明石駅南側と西明石駅東口北側、魚の棚商店街では、明石飲食業組合と明石観光協会などが市民や観光客らにタコを使った料理を無料で振る舞う。明石駅では午前11時から「天ぷら」400食▽西明石駅では同時刻から「ガーリック炒め」200食▽魚の棚商店街では午後1時から「たこぶつ」500食−−をそれぞれ用意する。
このほか、2~13日には「半夏生たこまつり」として、明石タコを使ったオリジナルメニューを各店舗がタコにちなんだ金額で提供する。【駒崎秀樹】〔神戸版〕
明石の歴史のある商店街「魚の棚(うおんたな)」のサイトに、「たこの日まつり 半夏生七夕夜市」のポスターがあったので商店街の説明と一緒にご紹介。
「明石 魚の棚」のサイト
「うおんたな」と呼ばれる明石・魚の棚商店街は、約400年前に明石城の築城とともに誕生したと伝えられており、宮本武蔵の城下町の町割りの設計により造られたと言われる古い歴史を持つ市場。
全長350mのアーケードに明石特産の海の幸や練り製品、海産物の乾物などを扱う商店を中心に約110店の店舗が建ち並んでいます。
瀬戸内海・明石海峡に面し、東に大阪湾、西には播磨灘があり、この海域は流れの速い潮流と複雑な地形に形成された多くの産卵場、育成場があります。自然環境にも恵まれ古くから漁業が盛んに行われ気候が温暖で潮流の変化が大きい瀬戸内海では、小型船による底びき網漁業、船びき網漁業、刺網漁業、一本釣り漁業の他、網、つぼ、かごなど多種多様な沿岸漁業が行われ、さらに、ノリ、ワカメなどの養殖、そして、タイやヒラメ、クルマエビなどの栽培漁業も行われています。
週末までいろいろ催しがあるようだ。それにしても、半夏生と七夕までくっつける商魂、さすが関西人。
さて、半夏生のこの日、鯖を食べる日か蛸を食べる日か・・・・・・。
しかし、少し調べたら二択ではないようだ。
奈良の一部の地域では玄米のお餅を食べ、香川ではうどんを食べるらしい。
鯖か、蛸か、餅か、うどんが、いったい食べるのは、何でしょう、半夏生・・・・・・。
以前から拝読させて頂いております。
この時期福井では、魚屋をはじめ各スーパー、
職場に出入りする旬のものを軽トラで売りに来る行商人も含めて
焼き鯖を目にする機会はふんだんにありますね。
残念ながら地元の近海で獲れる鯖よりも
ノルウェー産などの海外から運ばれるものが多かったりするのですが、美味しく食させております。
夏でも熱燗にした地酒と一緒にいだだくともう最高に幸せですね。
今年から毎週土曜日に上方を主にした定席が福井にもできまして、落語を楽しむ機会が増えました。
今後もここのブログを楽しみにさせて頂きたく申し上げます。
福井、小浜、NHK「ちりとてちん」という連想が浮かびます^^
鯖の産地で羨ましい、と思ったらノルウェー産ですか!?
私も鯖は大好きです。焼いても〆ても美味いですよね。
お近くに定席ができて良かったですね。
私などは、自分の恵まれた落語環境(?)に感謝しなくてはならないと思います。
拙ブログで落語の神様に何らかのお返しができればよいのですが。
今後も気軽にお立ち寄りいただき、福井の落語便りなどお知らせいただければ幸いです。
しかし、お店の方は半夏生と知ってお餅だったのかなぁ。
私も昨夜は家で、鉄火丼(マグロ)でした。
鯖だ蛸だと書いておきながら・・・「鯖を読む」のがせいぜいです^^