噺の話

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FIFAの放映権料2000億円のうち、なぜ日本が400億も支払うのか?

サッカーW杯は、決勝リーグに入って、メディアが少し落ち着いてきた。それにしても、開会前や一次リーグ戦の間は、あまりの過熱ぶりに閉口した。

 ちょっと自慢だが、日本とギリシャ戦の前日に会社の同僚から、「どう予想しますか?」と聞かれて、「引き分けかな」と答えていた。結構冷静に分析したつもりだ。ただし1対1と予想したのだが・・・・・・。

 こんなこと書くと「非国民」と言われかねないが、勝って欲しいと思う気持ちと、戦力を分析して勝敗を予想することは、別だと思う。

 そりゃあ日本には勝って欲しい。しかし、先日も書いたが、2011年のなでしこジャパンの時のような高揚感は私にはなかった。

 それにしても、NHKが全試合を放送するのはなぜか・・・・・・。
 やはり、そこには経済の論理が大きく働いている。

 たしかにサッカーW杯は世界レベルのイベントには違いない。予選参加国は203カ国。FIFAは2006年に世界のサッカー競技人口が2億7000万人と発表している。世界でもっとも競技人口の多い球技、かと言うとバスケットボールは4億5000万人と言われている。ちなみに野球は1000万人ほどらしい。だからサッカー競技者が多いことは間違いなく、空き地があってボール一つさえあれば出来るスポーツは、貧しい国や地域においてサクセスストーリーを生む、夢のあるスポーツでもあるだろう。

 しかし、日本においては、サッカーがそんなに飛び抜けて競技人口が多いスポーツではない。
 調べていたら、総務相が実施している「社会生活基本調査」なるものの存在がわかった。

 総務省のサイトから資料がダウンロードできる。
総務省サイトの該当ページ

 調査についてはこう書かれている。
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 少し読みにくいので補足すると、昭和51年から5年毎に実施していて、前回は平成23年10月に約8万7千世帯、10歳以上の約20万人に実施した、とのこと。

 その中のスポーツの調査。これが「行動者率」の順位。
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 質問は、該当スポーツについて、次のような区分で設問があり、この回答結果を統計処理して「行動者率」に換算するらしい。

"年に1~4日"
"年に5~9日"
"年に10~19日(月に1日)"
"年に20~39日(月に2~3日)"
"年に40~99日(週に1日)"
"年に100~199日(週に2~3日) "
"年に200日以上 (週に4日以上) "

 この調査結果を見る限り、サッカーは際立って日本人の多くが実際に行なっているスポーツとは言えないのではないか。同じ調査を南米で実施したら、トップ5には間違いなく入るだろう。
 総務省のサイトからはエクセルの「統計表」をダウンロードできる。
総務相サイトの該当ページ

 この統計表によると、各スポーツの競技者数は次の数字になるらしい。
----------------------------------------------------
<スポーツ名>        <競技者数>(千人)
野球(キャッチボールを含む)     8,122
ソフトボール              3,538
バレーボール             4,558
バスケットボール           3,950
サッカー(フットサルを含む)     6,375
卓球                  5,121
テニス                 4,750
バドミントン              5,426
ゴルフ(練習場を含む)        9,240
柔道                   603
剣道                   779
ゲートボール              788
ボウリング              14,621
つり                   9,281
水泳                  12,030
スキー・スノーボード         6,043
登山・ハイキング          10,457
サイクリング             10,110
ジョギング・マラソン         10,956
ウォーキング・軽い体操       40,172
器具を使ったトレーニング     11,243
その他                 6,696
----------------------------------------------------
 
 行動者率、競技者数を見ても、球技の中でサッカーは、バドミントン、卓球、テニス、バレーボールなどと同じような競技人口群のスポーツと言ってよいのではないかと思う。
 
 あらためて、サッカーと同じような競技人口のいる日本のスポーツとサッカーを比較した場合、やはりサッカーが人口比よりは多くマスコミが取上げているのは間違いない。

 プロスポーツだから、と言うことはできる。野球、相撲も然り。
 相撲は世界一決定戦はないなぁ。野球のWBC、全試合をNHKは放送しない。
 
 「四年に一度の世界一決定戦だ!」と言うなら、つい最近、二年に一度の世界一決定戦で、史上初めて世界一になったスポーツがあるのをご存知だろうか。

 先月インドで開催されたバドミントンのユーバー杯、トマス杯のことだ。

 バドミントンにおいてこのユーバー杯、トマス杯はワールドカップに相当する団体世界一決定戦である。

 この大会における女子のユーバー杯準優勝も立派だが、男子は初の優勝。それも準優勝で中国、決勝でマレーシアを破っての堂々の世界一なのだ。

  日本バドミントン協会のサイトでトマス杯の結果などを御確認のほどを。日本バドミントン協会のサイト
 なお、ユーバー杯とトマス杯の決勝のダイジェスト版を「Jスポーツ」のサイトで見ることができる。
「Jスポーツ」サイトのバドミントンのページ
 
 この快挙に関する日本のメディアの冷淡な扱いについて、東スポの記事が残っているので、ご紹介。(太字は管理人)
東スポの該当記事

バドミントン男子世界一にも騒がぬ日本に中国驚く
2014年05月27日 16時00分

 バドミントンの国・地域別対抗戦、男子トマス杯(インド)で初の世界一に輝いた男子日本代表が26日、凱旋帰国した。1949年から続く伝統の大会。強豪の中国、マレーシアを下しての優勝に、元バドミントン選手の潮田玲子(30)は自身のブログで「サッカーW杯で(日本が)ブラジルやスペインに勝って優勝するようなもの」と快挙をたたえた

 主将を務めたダブルスの早川賢一(28=日本ユニシス)は「信じられない。本当に優勝できて良かった」笑顔。空港に多くのメディアが待ち構えていたことにも「すごく驚いた。バドミントンはメジャースポーツではないので、そういう場面が出てきたのがうれしい」と感慨深げだ。

 準決勝で6連覇中の中国を破った際は「海外メディアがすごかった」(シングルスの桃田賢斗=19、NTT東日本)と取材が殺到したように、今回の偉業は特に競技人気が高いアジア諸国などで、大々的に伝えられている。
 また、日本バドミントン協会の関係者によると「中国では日本に負けたことで大ニュースになっているのに、逆に勝った日本であまり騒がれていないことに中国人が驚いています」。


 “空港に多くのメディアが待ち構えていた”、と主将の早川は言っているが、それは普段に比べてのことで、それも世界一になってからのこと。実際の大会開催中は地上波もBSも放送していない。CSでの準決勝、決勝の様子は、すべては見ることが出来なかったが、手に汗を握るものだった。
(何度か書いているが、私の家は、近隣に住宅公団の高層マンションが建設される際、工事費が無料だったのでケーブルテレビに加入している)
 
 さて、今回のW杯のメディアの過熱ぶりは、FIFAに多額の放映権料を支払うことが背景にある。

 フットボールチャンネルのサイトに、今大会の放映権料金や、高騰してきた経緯についての記事があったので引用。
フットボールチャンネルの該当ページ

跳ね上がる金額、使途不明金、スカパーの撤退。W杯放映権料ビジネスの闇に迫る

 W杯の放映権料は高騰し続けている。このままいけば、日本でW杯が見られなくなると懸念する声もある。放映権料ビジネスの裏側には一体何があるのか?

2014年03月21日
text by 藤江直人

跳ね上がる放映権料

 形の上では前回の南アフリカ大会までと同じになった。昨年12月中旬に都内で行われた、W杯ブラジル大会の地上波放送局を決める抽選会。日本代表が登場するグループリーグはくじ引きの末、NHKがコートジボワールとの初戦、日本テレビがギリシャとの第2戦、テレビ朝日がコロンビアとの第3戦を中継する権利を獲得した。

 NHKが日本の初戦を中継することが慣例となっている中、2002年の日韓共催大会から4大会連続で日本戦の中継権を引き当てたテレビ朝日の関係者は特に喜びもひとしおだったはずだ。しかし、舞台裏ではこれまでにない危機感が漂っていた。

 日韓共催大会以降、日本国内へ向けたW杯中継はNHKと民放連加盟各社で組織されるジャパンコンソーシアム(JC)が、2006年ドイツ大会からは衛星放送のスカパーJSATも加って放映権料を分担してきた。

 しかし、ブラジル大会で提示された放映権料は実に400億円。南アフリカ大会の250億円から一気に60%も高騰したことで、スカパーJSATと窓口である広告代理店の電通との交渉が合意に至らなかった。

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 南アフリカ大会では、スカパーJSATが100億円を負担したとされる。ゆえに今回はJCだけでは放映権料を賄えないのでは、という憶測も流れたほどだ。

 最終的にはNHK衛星も含めて全64試合が中継されることとなり、ファンも胸をなでおろしたはずだが、日本が初出場を果たした1998年のフランス大会で、中継したNHKが支払った放映権料は6億円だった。なぜこうも跳ね上がってしまったのか。

きっかけは94年アメリカ大会

 フランス大会までは各国の国営放送局がW杯を中継するのが慣例で、放映権自体も各大陸の放送連合体が一括して購入。大陸ごとのサッカーの普及度を基準にして、負担金額が決められてきた。

 当時のアジアのサッカー普及度はいま現在ほど高くなく、加盟していたアジア太平洋放送連合に対してNHKが支払う金額も安価で済んだ。

 しかし、サッカー不毛の地とされたアメリカで開催された1994年大会の大成功を受けて、サッカーが「金のなる木」であることが再認識されたのだろう。W杯の放映権はスポリスとキルヒ・メディアという民間企業に買い取られ、2002年大会から各国放送局による競売形式に変更。

 イギリスで産声を上げた有料放送の急速な台頭もあり、放映権料は常軌を逸した数字を刻んでいく。2002年大会において、JCには65億円が提示されている。

 窓口となった2社のうち、前者はアディダスの総帥として、サッカーをはじめとするスポーツ界に多大なる影響を与えた故ホルスト・ダスラー氏の持ち株会社。そして、生前のダスラー氏と電通が1982年に共同で設立したISLは、瞬く間にサッカーをはじめとする世界中のスポーツマーケティングを牛耳る総本山へ成長を遂げている。

 
 日本が“ドーハの悲劇”で本選に参加できなかったアメリカ大会の成功が、サッカーW杯を、ビッグビジネスに変貌させたのだ。
 FIFAとビジネスパートナーはいったいどれほど、儲けることになるのだろうか。

明らかにされない販売手数料の詳細

 1978年のアルゼンチン大会からW杯の公式パートナーを務めるコカ・コーラカンパニーと、国際サッカー連盟(FIFA)を引き合わせたのがダスラー氏だった。そして、電通は翌1979年に日本で開催された第2回ワールドユース選手権の大成功に舞台裏で尽力し、現在のU-20W杯に至る道筋をつけている。

 こうした事例からもFIFAと電通、FIFAとの公式パートナー契約を2030年まで延長したばかりのアディダスの絆がいかに深いかがわかる。ISLは2001年、キルヒ・メディアは翌2002年に経営破綻を起こして倒産したが、電通はISLから日本向けのW杯放映権を購入。2007年には、W杯を含むFIFA主催試合のアジア向け放映権も7年契約で購入し、現在に至っている。

 南アフリカ大会でJCが支払った250億円は、電通経由でFIFAに収められた。その過程で発生した「W杯放映権販売手数料」の詳細はいっさい明らかにされていない。日本を含めた全世界では2700億円もの放映権料が発生し、FIFAは2000億円を得たとされる。差額はどこに消えたのか。

 開催国に支払われる約100億円の大会運営分担金、総額で430億円に達した賞金などを差し引いてもまだ残る大金の使途や、ブラジル大会で賞金総額が586億円に、JCへの提示金額が400億円に跳ね上がった理由も然り。FIFAとその周辺企業は、完全なる伏魔殿と化している。



 日本の支払った400億円の支払いがどのように分担されたのか。日刊ゲンダイから引用。
日刊ゲンダイの該当記事

最終的に全国民の負担…「400億円」W杯放映権料に大疑問
2014年6月26日

 日本が支払うW杯の放映権料は400億円とされる。全世界の放映権料が推定2000億円だから、ナント5分の1を日本だけで支払っている計算だ。

 400億円のうち、7割の280億円をNHKが負担。残り3割を民放各局が分担するという。NHKは受信料で成り立っているし、民放もスポンサーの広告料が商品価格に跳ね返ってくるので、最終的に国民の負担である。

 それでも、視聴者がどうしても試合を見たいというのならわかる。

 ところが、視聴率は20日のギリシャ戦は33・6%。早朝ということもあり、4年前の前回より低調だ。

 これが日本以外の試合になると目も当てられなくなる。24日の「クロアチア×メキシコ」(フジテレビ)1・7%、23日の「韓国×アルジェリア」(NHK総合)1・4%、22日の「ドイツ×ガーナ」(NHK総合)2・7%といった具合なのだ。



 フランス大会までの負担額は、“放映権自体も各大陸の放送連合体が一括して購入。大陸ごとのサッカーの普及度を基準にして、負担金額が決められてきた”というのは、普及度を基準とすることで、理解できる。

 放映権料の総額を、とりあえず日刊ゲンダイ記事の2000億円とした場合、その5分の1に相当する400億円を日本が負担することに妥当性はあるのか。
 全世界で2億7000万人のサッカー競技人口を分母にするなら、日本の637万5000人は、2.5%。
 2000億の2.5%は50億円。せいぜいそれ位が妥当な気がするではないか。
 別に全試合見れなくても、私はいっこうに構わない。

 そして、その400億円のうち280億円を、“公共放送”を語るNHKが支払うことに問題はないのか。

 NHKの経営委員会って、こういう無駄遣いこそ議論すべききだと思うのだが、あの顔ぶれでは無理だろうなぁ。

 NHKは、サッカーW杯に大金を支払うことを決めた以上、権利のあるコンテンツを放送しないわけにはいかない。サッカーファンは嬉しいだろう。私も興味のある試合は見ている。しかし、決勝以外は放送されなくても結構だ。

 NHKの280億円の投資は、幅広い視聴者のことを熟慮して決めたことなのだろうか。

 29日の日曜夜、BSプレミアム「古典芸能への招待」では、国立文楽劇場での竹本住大夫最後の舞台「菅原伝授手習鑑」が放送され、私は初めてまとまった時間文楽を観て感動した。
 
 NHKには他にも伝統芸能などで放送に値する素材が宝の山のように存在するはずだ。東京落語会の古今亭志ん朝の高座や、山田五十鈴主演の舞台「たぬき」(榎本滋民作)などもあるし、歌舞伎や文楽などの名作など、私がBSで放送して欲しいものはたくさんある。

 サッカーW杯のために280億円の大金を費やした事実。また、そのために観たい番組の放送機会が失われたかもしれないということを考えると、NHKの視聴者の多くが、受信料不払い運動を行なっても何ら不思議はないと思う。

 ネットのニュースによると、サッカー男子日本代表の次期監督の推定年俸が2億円を超えるらしい。
 
 放映権料にしても監督の報酬にしても、サッカーだけに、日本は“足元”を見られていると言えそうだ。
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by kogotokoubei | 2014-06-30 00:00 | 幸兵衛の独り言 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛