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もったいなくて、景観も思い出も破壊する新国立競技場建設に反対!

現在の国立競技場は、先日のラグビーの日本対香港戦を最後に7月から解体され、2020年に向けた新国立競技場建設が進められることになっているのだが、この計画には各方面から反対の声が上がっている。

 北海道新聞の記事が、これまでの経緯を含めよくまとまっているので引用したい。しかし、4月の毎日や朝日の記事が、すでにリンク切れになっているのが、なんとも不可思議だ。(太字は管理人)
北海道新聞の該当記事

国立競技場 著名建築家ら解体見直し求める 景観破壊、費用…不透明な建設計画
(05/25 11:57、05/25 14:32 更新)

 2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設に向け、7月から現国立競技場(東京都新宿区)の解体工事が予定される中、建築界を中心に取り壊し延期を求める声が高まっている。3月末までに完了するはずだった新競技場の基本設計が示されていないなど計画が不透明で、巨大な施設が明治神宮外苑の歴史的景観を壊してしまうという危機感がぬぐえないからだ。建設費が一層膨らむのではないかという懸念も根強く、計画を見直すべきだという意見は少なくない。

 ■市民知らず進展

 「市民が知らないところで計画が進む。こうしたことが成熟した国で行われることが信じられない」—。建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を受賞している世界的建築家槙文彦氏(85)は4月23日、都内で開いた記者会見で、新競技場建設計画の進め方を嘆いた。

 会見は、明治神宮外苑の中心ともいえる聖徳記念絵画館前に、新競技場建設に伴う陸上サブトラックを設置する計画が突如明らかになったことなどから開かれた。イチョウ並木の美しさでも知られる場所で、会見に臨んだ槙氏ら6人は、景観への悪影響を心配した。

 12年に行われた新競技場のデザインコンペで最優秀賞に選ばれたのは同じプリツカー賞受賞者で英国の建築家ザハ・ハディド氏のデザイン。槙氏は昨年9月の東京五輪招致決定前から、高さ70メートル超ともいわれる新競技場の巨大さに違和感を示し、絵画館や広場との不調和を指摘。神宮外苑の歴史的経緯を抜きに進められたコンペを批判した。

 ■国などに要望書

 五輪招致決定で新競技場建設がクローズアップされると、槙氏の指摘は一層注目され、建築や景観の専門家らの共感を集めた。同11月には槙氏ら約100人が結集し、国などに新競技場の規模縮小や情報公開の徹底などを求める要望書を提出した。

 こうした要望も本質的には考慮されず、新競技場建設計画は進展。会見で槙氏は「異論が噴出している現段階で、取り壊し開始は拙速だ」と、立ち止まって計画を見直すよう訴えた。

 槙氏同様、プリツカー賞受賞者で日本を代表する建築家の伊東豊雄さん(72)は今月12日、都内で開かれた市民有志によるシンポジウム「新国立競技場のもう一つの可能性」で現競技場の改修案を公表した。

 伊東氏は新競技場のコンペに参加しており、「敗軍の将、兵を語らず」と発言を控えていたが、計画に疑問を抱く人類学者の中沢新一氏(63)に説得され改修案作りに取り組んだ。伊東氏も「コンペから1年半もたっているのに、いまだにどういうものができるのか、ほとんど一般の人には知らされていない」と、計画の進め方を問題視。コスト面から現行計画を遂行する難しさにも言及した。

 ■“遺産”残す改修

 改修案は、現競技場の一部を取り壊し観客席を8万人収容まで増設。聖火台を残すなど、1964年東京五輪のレガシー(遺産)としての現競技場の価値にも注目した。コンサート会場としての機能は考慮せず、開閉屋根をやめることで、「競技場本体の建設費はラフにみて半分ほどで済むのでは」と述べた。

 改修案が実現されたとしても自身が設計を引き受けることはないと強調し、「コンペに参加したからこそ分かったこともある。今は改修が一番いいと思う」と話した。また、シンポでは中沢氏も登壇し、「まずは解体を延期し、改修も含め国民的な議論をすべきだ」と主張した。

 「どちらも指摘しているのは日本の公共建設の問題点だ」。こう語るのは、インターネットなどを通じて新競技場問題について積極的に発言している建築エコノミスト(一級建築士)の森山高至氏(48)。建築界の権威でもある槙、伊東両氏が異議を唱えていることを「プロ野球界でいえば、長嶋と王がそろって発言しているようなものだ」と驚きの目でみつめる

 森山氏は「大物2人が発言することで建築界の議論は活発になっている」と感じる。「建設費が高騰している中、本当に計画の予算でできるのか。基本設計が示されれば『このままでいいのか』という声がより大きくなるのでは」と話す。

 市民の立場で競技場問題を考える「神宮外苑と国立競技場を未来に手わたす会」の共同代表の一人で作家の森まゆみ氏(59)は「多くの専門家が疑義を唱える計画が省みられないのはおかしいが、これは建築界だけの問題ではない。税金の使われ方が適切かなど国民全体の問題だ。説明不足のまま、なし崩し的な解体は許されない」と訴える。(編集委員 佐藤元彦)



 建築界の“長嶋、王”に、あの森まゆみさんも登場。 長嶋・王・森・・・・・まるでV9時代の巨人だ!

 森さんが共同代表を務める「神宮外苑と国立競技場を未来に手わたす会」のサイトから引用。(太字は管理人)「神宮外苑と国立競技場を未来に手わたす会」のサイト

11万平米の土地に29万平米の広さの競技場を建てるこの計画、
予算の1300億では出来そうにありません。3000億とも噂されています。

しかも70メートル(マンションでいうと20階建て以上)のため、東京都の都市計画審議会は日本で最初の風致地区、神宮外苑の高さ規制を20メートルから75メートルへとまともな論議もないままに緩和してしまいました。
このままいくと、神宮外苑のあの美しい銀杏並木、重要文化財の聖徳絵画館の左後ろに、この巨大な競技場が建ってしまいます。そんなこと認めるわけにはいきません。
そうしたらきっとたくさんの木が切られるでしょう。
そうしたら霞ヶ丘都営アパートの住民も二度目の移転を迫られます。

コンクールの粗雑さ、デザインや防災面での不安については
建築家たちも異論を唱えています。
わたしたちは市民の目線から、この新国立競技場計画を考えたいのです。
巨大な建物を造っても需要がなければそれは子孫への巨大なお荷物です。
たくさんの都民、国民がこの問題に興味を持って、東京の空を
もうこれ以上狭くしないこと、東京一極集中をこれ以上進めないようにしませんか?

国民の税金でつくられるのですから。
そう考えて「神宮外苑と国立競技場を未来へてわたす会」をつくりました。

わたしたちは1964年の歴史ある思い出のあるスタジアムを
直して使うことを提案します。



 同会が安倍首相や舛添都知事宛てに5月21日に提出した要望書の内容を引用。(太字は管理人)

                              記


 現国立競技場は、1940 年に開催が決まりながら、幻となったオリンピックの記憶、雨の学徒出陣の記憶、さらに1964 年東京オリンピックへと神宮外苑の歴史の記憶を連綿と感じさせることのできるスタジアムです。これには、神宮外苑の歴史の継承と景観の保全に取り組んだ先人の努力の結果として現国立競技場があります。これは軽々に壊して良いはずがありません。


 現在進められている計画は、陸上競技、サッカー・ラグビー会場として、どちらにも使い勝手の悪い計画です。中途半端な計画を推し進め、維持費ねん出のために音楽イベント会場化するのは本末転倒です。もっと、スポーツを市民生活の中に活かしていけるような整備をするべきです。


 2020 東京オリンピック・パラリンピックでは、「もったいない」という、モノを大切にする日本人の美徳を世界に発信するチャンスです。現国立競技場を改修して使いつづけてこそ、『さすが日本人』といわれるオリンピックとなるでしょう。また、改修して使い続けるための技術こそ、今、確立していかなければならない急務であると考えます。


 新国立競技場のために膨大な費用をかけるより、建設費を抑制して、その分、遅れている震災の被災地への復興に向けるべきです。東日本大震災から3 年以上経過してなお、多くの人たちが避難生活を余儀なくされていることを忘れてはなりません。


 ザハ・ハディット氏の作品が、先ごろソウルでオープンいたしましたが、新国立競技場よりも小さな規模でありながら設計から完成まで8年の歳月がかかっており、費用も増大しています。隣国の事例を見ても、新国立競技場案が2020 東京オリンピック・パラリンピック、いや2019 年ラグビーワールドカップ開催に間に合うかどうか確証がありません。確証がない中で国立競技場を解体することは、オリンピック開催を危うくするものです。

以上


 私は、このすべての主張に賛成だ。
 
 同会のサイトから、森まゆみさんのメッセーも、全文ご紹介しよう。

共同代表 森まゆみ(作家・谷根千工房)

わたしたちは「いちばん」をのぞまない

「世界最高のキャパシティ」
「世界最高のホスピタリティ」
(以下、かっこ内はJSCのコンクールのメッセージより)

そんなものが何になるのか、この放射能汚染にふるえる日本で。
いまもふるさとを追われさまよう15万人を置き去りにして。
仮設住宅で冬の訪れを待つ無口な人びとの前で。

「この国に世界の中心を作ろう」
「スポーツと文化の力で」
「世界で「いちばん」のものをつくろう」

私達が東京に欲しいのは「いちばん」の競技場ではない
神宮外苑の銀杏をすかして降り注ぐ柔らかな光だ。
その向こうの伸びやかな空だ。
休みの日に子どもと一緒にあそべる自転車練習場だ。

1964年、アジアで初めてのオリンピックが東京で開かれた。
それは戦争に負け320万人が死んだ日本、その復興を示すイベントだった。
植民地支配を脱したアジア・アフリカの参加国、その民族衣装の誇らしさ。
「世界史にその名を刻む」のなら、この競技場を残すべきだ。
灯火台をつくった日本の誇る職人技とともに。アベベや円谷の記憶とともに。

ベルリンでは1936年のナチス政権下のオリンピックスタジアムを今も使う。
それは同じ過ちを繰り返さないことを己が記憶に問うモニュメントでもある。
22年後、1958年築の国立競技場を残す道がないわけはない。
いまこそ「もったいない」の日本を世界につたえよう。

人口減、資源の枯渇、非正規雇用、食料自給率、そこから目をそらして
「世界一楽しい場所」なんてできるのか?
”パンとサーカス”に浮かれたローマ帝国末期のようではないか。

わたしたちは「いちばん」をのぞまない。
子どもの時代に、健やかな地球が存続していることを願う。
「世界一楽しい場所」は私たちの近所につくりたい。

風と木と匂いのある町を。路地や居酒屋のある町を。
赤ちゃん、子ども、お年寄りを見守る町を。
若者が自由に仕事を作り、みんなで応援できる町を。
お金がなくても、助け合って暮らせる町を。
あたたかく、風通しのいい、つつましい町を。


 かつて話題になった「一番じゃなけりゃダメなんですか」と、ここで言う「いちばん」は、まったく意味が違う。
 
 五輪開催のために、生活と密着した自然と歴史や文化的遺産をないがしろにして、“ハコモノ”の「いちばん」を作るのが、いったい誰のためなのか考えなければならない。

 同会のサイトには、問題を整理し署名用にも使えるチラシがある。抜粋してご紹介。 該当チラシ

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 この問題提起に賛同できる方は、ぜひ同会のサイトからご署名のほどを。

 2020年の東京五輪のための“建設という名の破壊”の象徴的な暴挙が、新国立競技場建設だと思う。
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Commented by 佐平次 at 2014-05-27 10:52 x
安藤忠雄も審査員に加わっていたはず。
彼の感想を訊きたい。

Commented by 小言幸兵衛 at 2014-05-27 12:06 x
安藤忠雄は、反対派から相当批判を受けていますが、無言ですね。
言いたいことはあるのでしょうが、あえてダンマリを決めているようです。

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by kogotokoubei | 2014-05-25 19:26 | 幸兵衛の独り言 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


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