噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

2020年東京オリンピック、国家予算の使われ方に要注意。

ソチ・オリンピックの放送を見て、毎度この世界大運動会で感じることがある。

 古代オリンピックは、開催“都市”で語られるように、国家行事としての色彩は少なかった。

 しかし、今日では大きなスポーツイベントであり、放映権料がとんでもない金額になる。国家予算も相応に投入され、国別のメダル数が比較される。また、成績の悪い選手へは“税金どろぼう”的な発言まで出てくる。

 選手への非難について、日刊スポーツで為末大が、次のような発言をしていた。
日刊スポーツ・ソチオリンピック特集ページの該当記事

結果不振選手批判はブラック企業の論理
[ 2014年2月12日9時51分 紙面から ]

 毎回起こることだけれど、選手が結果を出せなかったとき、批判が出る。その批判の中には「選手の強化費は国費から出ているものだから、当然選手は結果を出すべきだ」というものがあるが、いったい、どの程度選手には強化費が使われているのだろうか。

 強化費に関して計算の仕方にさまざまな考え方があるので、どの程度、正確なのか分からない。12年ロンドン五輪では、ドイツが270億円強、米国165億円、韓国150億に対し、日本は27億円という試算がある。ある程度のばらつきがあるとみても、日本の強化費はかなり少なく、その中でメダル数はよくやっていると言える。

 メダル数に最も影響する要素としては、人口、GDP(国内総生産)が50%程度、あとは科学技術やサポート態勢など、10程度の要素で残りの50%となっている。GDPと人口は簡単には変化しないから、スポーツ界が努力できる領域は50%の部分にかかってくる。

 メダル獲得に関して、日本はかなり不利な状況にいる。人口はそこそこながら先進国中で少子高齢化はトップを走っていて、GDPも減少しつつある。また強化費は発表している国の中では最も低い中、選手たちは努力していると言えるのではないか。夏の五輪はそれでも注目が集まり、ある程度サポート態勢が整っているが、冬季五輪は器具を使うためにかなりお金がかかるのに、サポート態勢がそれほど充実していない。

 もちろんメダル数などに関係なく、ただスポーツを楽しめばいいという考え方も素晴らしいと思う。実際にそう割り切っている国もある。その場合は強化費を減らせばいいのだが、ただしメダルは望めない。「お金はないがメダルは取れ」は少々、選手に酷な状況となってしまう。

 私は日本的精神論とは、(1)足りないリソース(資源)を気持ちで補わせる(2)全体的問題を個人の努力に押し付ける、だと考えている。結果が出せないことに批判が集まるたび、ここ数年続くブラック企業を想像してしまう。全体として足りないリソースを残業などの個人の努力で補う。「できる、できない」は気持ちの問題。それと似た空気を五輪の期間中も感じている。

 マラソンの円谷幸吉さんが重圧に押しつぶされ、自殺をしたのは1968年(昭43)だった。日本はあれから、どの程度変わったのだろうか。(為末大)


 民主党時代の“事業仕分け”の結果、ソチ・オリンピックへの国の強化費用も相当削減されたと察する。

 費用のみならず、人的な支援や施設などに、そしてどのスポーツにどれ位の国による強化が必要なのかは難しい問題だが、2020年の東京オリンピックに向けて強化のあり方がテレビでも叫ばれつつある。

 ちなみに、昭和39年の東京オリンピックの国別メダルトップ10は次のようになっていた。
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 2012年のロンドンオリンピックは、こうだった。
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 日本は、トップ10には入れなかったが11位で、金7、銀14、銅17の計38個だった。

 六年後まで安倍政権が続くのは御免蒙りたいが、事前の目標やら予算化などについては、自民党政権が力を持ちそうだ。

 ソチでは、橋本聖子団長が長野を踏まえて金5、合計10個を目標としてあげていたが、達成はすでに厳しい状況だ。

 2012年、イギリスが自国開催で30個に迫る金メダル、合計でも65個のメダルを獲得した。

 イギリスを見習い(?)、2020年も、1964年の東京回顧もあって、根拠なく、金16個、合計50個位のアドバルーンを上げるかもしれない。
 国の強化費は、メダルの可能性のある競技から傾斜配分で投入されるかもしれないが、問題は、国家予算が、適切に選手たちの強化に向けられるのかどうか、ということである。

 なかなか日本の新聞や雑誌では目にすることのない記事が、ブルームバーグのコラムにあったので紹介したい。(太字は管理人)
ブルームバーグのサイトの該当記事

【コラム】2020年東京五輪、勝者はもう決まっている−ペセック

 2月17日(ブルームバーグ):日本は2020年東京五輪から大きな経済効果を得られると期待しているが、ロシアのソチの現状を見て多少は心配になっているかもしれない。ムーディーズはソチ冬季五輪がロシア経済にもたらす恩恵を疑問視している。

しかし日本には東京五輪で大もうけを約束されたグループがいる。東京はロシアのプーチン大統領のように五輪に500億ドル(約5兆1000億円)も費やすことはしないだろう。それでも20年までの6年間に40億−50億ドルを競技場などの建設に使うはずだ。そして建築現場にはいつも、やくざがいる。

日本のやくざに詳しいジャーナリストのジェイク・アデルスタイン氏が心配するのは、暴力団が見えないところで「みかじめ料」を取ってもうけることではない。彼らが暴力団対策法の下、指定暴力団として合法的に存在が認められている日本ではそんなことは普通だ。心配なのは、五輪を前にやくざの悪行が比較的堂々と、しかも大々的に行われることだ。同氏は東京五輪を「やくざオリンピック」と呼んでいる。

米国のニュース・ウェブサイト、デーリー・ビーストへの寄稿で同氏は、日本オリンピック委員会(JOC)の田中英壽副会長が暴力団と結び付きがあるとの指摘について詳細に説明。10年に回顧録「トーキョー・バイス」を上梓した同氏はまた、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を務める森喜朗元首相が過去に暴力団幹部の家族の結婚式に出席したり、関係者らと飲食を共にしたことにも触れている。

こうした話題から受けるイメージは、安倍晋三首相が五輪招致の際に約束したクリーンで犯罪ゼロの東京とずいぶん異なるとアデルスタイン氏は論じる。

バルバドスよりも腐敗

日本の腐敗が悪化したのは、11年の東日本大震災によって大規模な復興が必要となった後だった。トランスペアランシー・インターナショナルがまとめる腐敗についてのランキングで、日本は11年にはドイツに次ぐ14番目にクリーンな国だった。しかし13年には18位に順位を下げ、バルバドスと香港よりも下になったこれは土建国家への突然の逆戻りが理由だ。日本はそれまで、大規模な汚職の温床となる土建国家状態を脱しようと長年取り組んでいたところだった。

2020年東京五輪は新たな公共事業ラッシュを引き起こす。やくざの活動が顕在化すれば、日本が五輪から期待する経済的恩恵を相殺してしまうだろう。公的資金の無駄な遣い方は、本来ならば広く波及し最終的に家計を潤すはずの刺激策の効果を弱める。政治家と建設会社とやくざの癒着は経済改革の息の根も止めるだろう。最上層部での汚職が急増すれば、五輪関連の財政支出によって日本経済が潤うことも、「アベノミクス」が勢いづくことも難しくなる。

フロント企業

政府が組織犯罪と日本企業の薄暗い関係を断ち切ろうとする時、まず標的になるのはいつも建設会社だ。警視庁内部の人間がアデルスタイン氏に述べたところによると、建設プロジェクトからやくざに渡る金は通常そのプロジェクト規模の5%程度だ。しかし上層部にコネがあれば、内部情報によってこの取り分を飛躍的に増やすことができる。暴力団の「フロント企業」がおいしい契約を取ったり、下請け契約をごまかして2重に金をかすめ取ることもできるだろう。

五輪と汚職は、スポーツ選手とナイキの契約のように、切っても切れないものだ。どちらも避けようがない。しかし、汚職を防ぐための障壁を高くすることはできる。テンプル大学ジャパンキャンパスのアジア研究責任者ジェフ・キングストン教授は著書「コンテンポラリー・ジャパン」で、「巨大建設プロジェクトと官僚、政治家、産業界、やくざの結び付きは、イタリア、ロシアと同様に日本の特徴だ」と書いている。日本の「1990年代の公共事業費が米国防総省の予算と同規模だったこと、大幅な削減にもかかわらず依然として巨額であることを考えると」、建設プロジェクトほどやくざの懐を潤すものはない。

試されるのは日本の評判

というわけで、日本のやくざ諸氏にはわが世の春が戻ってきた。このところオバマ米大統領を含めあらゆる方面から資産凍結だの制裁だの締め付けが厳しかったが、東京五輪のおかげでやくざは建設プロジェクトからできる限りの金を搾り取ろうとするだろう。日本の債務は既に国内総生産(GDP)の2倍を超えているが、五輪のためにさらに増える見通しだ。まさかソチ五輪の費用に近づくことはないにしても、安倍政権の支払いは今考えているよりもはるかに高くつくと考えて間違いない。

政治家は近年、国民の生活よりもやくざを潤す建設・産業複合体の解体を約束してきたが、東京五輪はこれを試す機会となるだろう。ついでに日本の評判も試される。(ウィリアム・ペセック)

(ペセック氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。コラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Sure Winners in 2020 Tokyo Olympics? Gangsters: WilliamPesek(抜粋)



 なかなかメディアが明らかにしないが、福島の原発現場作業や除染作業において、現在でも国税が不正に使われていると思う。そこに政治家の圧力がかかっている。

 オリンピックは、土建行政によって、一層政治につながる闇企業が活躍できるチャンスである。

 競技や選手のことばかりを日本の大手メディアが取り上げる中、闇に消えて行く血税の流れが見えなくなることが気になる。今後も海外メディアに頼るしかないのかもしれない。
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Commented by 佐平次 at 2014-02-18 11:21 x
スポーツとヤクザ、似て非ではないような気もします。
どうもオリンピックに素直に夢中になれない。

Commented by 小言幸兵衛 at 2014-02-18 11:45 x
学生時代体育会だった私としては、スポーツ(の世界)とヤクザ(の世界)は、やはり明確に違うと思いたい^^
しかし、そこにお金がからむと、どんな組織でも利権をめぐる不正や、儲けるための癒着が出てきますね。
それは、企業でも同じかと思います。
オリンピックは、アナウンサーや解説者(?)、途中でテロップで紹介されるツィッターなどで「感動をありがとう」などという言葉を聞いた途端に白けます。
プロ野球などもそうですが、第二音声で無駄な音を消して、会場の自然音だけにして欲しいし、最近目立つ他人のどうでもよい呟きは消して欲しいものです。

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by kogotokoubei | 2014-02-17 19:14 | 幸兵衛の独り言 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛