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第12回 さがみはら若手落語家選手権 予選会 杜のホールはしもと 2月17日

 タイトルに書ききれない情報を補足。今年の予選会は、今日が第3回。会場は七階のホールではなく、八階の多目的室である。

 本来日曜日はテニスのため落語会には行けないのだが、今日はテニスクラブの催しのため休み。クラブの仲の良いコーチからは、「プロの無料レッスンもありますから、遊びに来てくださいよ」と言われていたが、今さら、もっと上手くなろうとか強くなろうとかは、まったく思っていないので、テニスではなく落語でプロへのレッスン途上にある人達の会に参上。

 この予選会、これで二度目である。予選会も本選も日曜開催なので、とても行けない。前回はブログを書き始める直前、2008年第7回の、一之輔が出場した予選会だった。その時は、会場投票では三笑亭可龍(『宗論』)が一位通過、私が一票を投じた一之輔(『鈴ケ森』)は僅差の二位。一之輔は、予選全体の二位でもっとも惜敗率が高いということで本選会に出ることはできたが、その年の本選会は三遊亭歌彦(現歌奴)が優勝した。

 開演の13:30に、壇上に青山学院の落研の何とかという学生が登場して、この会の概要を説明。その後、出演する五人が登場し、出演順を抽選で決めた。

出演順に名前、演目、感想を書く。持ち時間は開口一番が15分、予選会は20分である。

開口一番 林家つる子『たらちね』
 初。正蔵の弟子。12月に目白庭園での小満んおさらい会の開口一番だった林家なな子を含め、なぜ正蔵のところには女性の弟子がいるのか、不思議だ。最初に携帯電話の注意をくどい位に言っていたのは評価できる。ネタは・・・・・・精進してもらいましょう。

立川三四楼『肥辰一代記』
 初である。三十七歳。さん弥と同じ三回目の出場とのこと。しかし、何とも褒めようのない高座。最初の師匠ブラックのネタかどうか知らないが、スカトロ・ネタに閉口した。プログラムの「選手権に向けて一言」には「お客様に聴いてよかったと思って頂ける落語を心がけています」とあるが、まったく聴いて良かったとは思えない内容。ネタそのものの問題と、それを地噺として講談風に語りきる技量、そのどちらもいただけない。現在は談四楼門下らしいが、もうちょっと何とかならないものか。

昔昔亭A太郎『皿屋敷』
 初である。今日の最大の収穫はこの人。桃太郎に入門して七年目のようだが、口跡はしっかりしているし、噺の本筋を外さない内容に感心した。スケールの大きさ、という意味では、一之輔を初めて聴いた時に、少しだが近いものを感じないでもない。もちろん、あのふてぶてしさは、ない。逆に、今後の成長が大いに楽しみな人。
 プログラムの「選手権に向けて一言」には、二回目の出演だが、「三回目がないようにがんばります」とある。その思い、気合いを感じる高座だった。芸協にも、まだまだ期待できる若手がいるじゃないか。

柳家さん弥『子別れ(子は鎹)』
 プログラムのプロフィールによると、三回目の挑戦で、本選にも一度出場しているらしい。結論から言うと、ネタ選びの難しさがあったように思う。この人なら、前座噺ではあるが『かぼちゃ屋』や『熊の皮』なども味があるし、『もぐら泥』などはなかなか良いのだが、やはり人情噺で勝負した、ということか。
 八百屋に加えて亀ちゃんの友達の六ちゃんにクスグリを入れさせる工夫があったが、あまり感心しない。金槌ではなく玄翁にしたのは本寸法だったが、表彰式で本人が語っていた体調の悪さなのか、気合いと空回りした感があり、やや歯切れが悪かった。もちろん、出場者の中では上位だが、私は期待が大きかったので、少し残念。A太郎の印象が強かったので、投票結果がどうなるか、やや不安なまま仲入り休憩へ。

林家たこ平『宗論』
 初である。この人も正蔵門下。ネタそのものの可笑しさで会場は沸いたが、キリスト教かぶれの息子の仕種が画一的であり、ぎこちない。A太郎、さん弥には、とても及ばない。

春雨や風子『反対俥』
 初である。昨年のNHK新人演芸大賞のぴっかりも、このネタだったが、女流落語家でこの噺は、トレンド?
 噺が噺なので袴姿で登場。俥屋も女性という設定だが、そこまでする必要があったのか。雷蔵に入門して六年目、昨年二ツ目になったばかりの「シングルマザー」らしいが、高座内容は、まだまだ子どものためにも精進が必要だろう。

 15:25から始まった風子が、持ち時間を使いきらず15:42に、すべての演者の高座がお開き。
 さっそく会場の投票回収が始まった。どう考えても、A太郎か、さん弥である。この会のお客さんは、結構ご通家さんが多いので、さん弥も相応の票を集めるだろうと予想できた。ここは、あえて本日の大発見であるA太郎に投票。

 しばらくして、結果発表。

 第一位・・・・・・さん弥。第二位、A太郎。そして、これまでの三回の予選会における第二位の惜敗率一位に、なんとかA太郎が選ばれた。

 四年前の私の投票と、同じような結果に、既視感を抱く^^

 予選第一回の勝ち残りが春風亭正太郎、二回目は笑福亭羽光、次回3月3日(日)の最終予選には一蔵が登場するが、テニスを休んでまで行く気はない。
 本選会は3月17日(日)に七階のホールで、入船亭扇遊をゲストに開催される。なかなかの接戦になりそうだ。土曜や平日の夜なら、ぜひ行きたいのだが・・・・・・。A太郎には、最後まで惜敗率トップで本選会に出てもらいたいものだ。

 さぁ、なんとか『八重の桜』が始まる時間までに書き終えることができた。久し振りの日曜日、出来栄えはともかく一所懸命な若手の落語会、なかなか結構だった。
Commented by しらしら at 2013-02-18 23:53 x
前回、予選中に携帯電話の着信音が長時間鳴り響きました。
しかも大会協賛者の電話。
一気にしらけました。
それがあったので開口一番であれほどしつこく注意をうながしたのです。

Commented by 小言幸兵衛 at 2013-02-19 08:50 x
貴重なコメント、ありがとうございます。
関係者ですか、あってはいけないことですね。協賛・・・たしかにご高齢の方もいらっしゃったから、あの方かな。邪推です^^
次回の最終予選会、本選会とも行けそうにありません。土曜夜から続く大雨とか雪なら行けるんですがね。
もし、しらしらさんが参加されて結果などをご連絡いただけると、大変うれしく思います。ブログで紹介させていただいてもいいですよ。勝手なお願いで申し訳ありません。

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by kogotokoubei | 2013-02-17 17:21 | 寄席・落語会 | Trackback | Comments(2)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


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