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三三にとっての観客とは—「オデッサの階段」を見た感想。

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 先日、三三から届いたハガキの案内から、14日の「オデッサの階段」に出演することを書いたが、録画を今見たところだ。

 テレビでしか得られない情報として、お婆さんを見ることができて良かった。新宿末広亭の最前列で大きな声で笑っていた少年のことを、今でもよく覚えているようだ。
 三三にとって、お婆さんの存在が大きかったことは、フジTVサイト内の番組ページに次のようにあることで確認できよう。
フジTVサイトの該当ページ

落語家・柳家三三。彼は小学生の頃、落語の本やテレビを見たことで、その魅力にはまっていった。

落語好きの祖母とも、よく寄席に通った。


 タイトルが「柳家三三の観客」となっている。結局、この番組は、三三は誰を客として落語をするかというテーマに対し、あの時の“少年三三”が、年間600席以上の三三の高座全てを聴く唯一最重要な観客、ということで締めている。
 
 出演する噺家は小朝と談春と、市馬の三人。師匠のことは紹介されるが、本人のコメントは登場しない。逆に、稽古をつけない師匠や、中学卒業時に入門志願した際、「せめて高校は卒業しなさい」と言った言葉などを、三三や父親が、「きっと、こういう意味があるのだろう」と忖度するコメントが続く。

 談春は、「あの年で、あれだけ落語が好きな噺家はいない」と褒めながら、「私と付き合えるんだから、嫌な奴ですよ」と落し、小朝は、「落語の美学を持っている」と指摘しておいて、「変態です」と付け加える。まぁ、お約束とも言えるような内容。

携帯電話が鳴った場合の対応は、本人の言葉で考え方が分かった。なるほど。

 この番組は、「オデッサの階段」と呼ばれる階段に当人を座らせ、関係者や関連する内容について、本人に見てもらい、その感想などで構成するもののようだが、ちょっと、慌しかったかなぁ。力道山の街頭テレビやマジシャン、サーストンの三原則などは必要だったのか、私には疑問である。
 夏目漱石が『三四郎』の中で展開した、三代目小さんと初代円遊の評価を題材にしたのは結構。この部分をもっと拡大しても良かったように、個人的には思った。このテーマについて小朝や談春の見解を聞いて欲しかった。

 結果としては、短時間で三三という噺家の人と芸への考え方を鳥瞰できるような内容ではあった。とにかく、お婆ちゃんが良かった。もっと、三三との寄席でのエピソードを聴きたかった位だ。まさに、三三落語の原点が、そこにあったであろうから。
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by kogotokoubei | 2013-02-16 10:20 | テレビの落語 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


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