噺の話

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「道州制」と本来一体の「首長と議員の兼務」を主張する、橋下の下心。

「日本未来の党」の嘉田代表に対し、滋賀県議会で「県知事と党首」の兼任への疑問や批判があったとニュースに掲載されていたが、たしかに、兼務には無理があると思う。
 しかし、橋下は、大阪市長のままで参院議員になろうと、法改正案の提出を目論んでいるらしい。

 そういった無茶に対し、自民党の広告塔の一人、三原じゅん子がブログで噛みついたようだ。
デイリースポーツの該当記事

三原じゅん子氏、ブログで橋下氏を批判
2012年12月19日

 自民党の参院議員で元女優の三原じゅん子氏が19日、更新した自身のブログで、日本維新の会・橋下徹代表代行を批判した。

 橋下代表代行は前日、自治体の首長と参院議員の兼職を認める地方自治法改正案を来年の通常国会に提出する方針を明らかにしたが、三原氏は「首長の仕事ってそんなに楽なのでしょうか」とけん制。朝8時の部会から始まり、各委員会での質問作成や各省庁担当者への質問通告など、地道で過密な参院議員の日常をつづった上で、「首長との兼務だからといって特別扱いで本会議だけ出席すればいいとでも?」と大阪市長のまま、来夏の参院選出馬を視野に入れている橋下氏の動きにチクリとクギを刺した。

 三原氏は「国会議員になったら、ただの1期生ですよ。雑巾がけから、というのが当たり前。お分かりなのかな?」と、橋下氏の“二刀流”への拒否反応を示した。



 私は、この件については三原じゅん子を支持する。興味のある方は、ご本人のブログもご確認のほどを。三原じゅん子のブログの該当ページ

 たとえば、自治体首長と議員の兼職を認めているフランスと、日本は事情が違う。フランスは小さな町、市の首長が議員を兼任している例がほとんどで、首長としての業務負荷は、日本よりもきわめて少ない。たとえば、サルコジが議員と兼職していたパリ郊外のヌイイ市は人口約7万人。ちなみに、政令指定都市である大阪市の人口は約270万人。また、フランスでは議員と閣僚の兼務を認めていないので、大臣になると議員を辞職しなくてはならない。

 大阪の市長は、本来、多忙であって然るべきだろう。しかし、その仕事は、“公開”の名の元にマスコミを利用して、いかにも誰もが反対しそうにない論点を見つけて声を荒げ、自らを目立たせようとするパフォーマンスのことではない。

 270万人市民の生活や市内の産業を守り豊かにするために、忙しくすべきである。時によっては、大阪府との利害対立の中で丁々発止の交渉だってあるはずだ。

 維新は兼職を認めるさせることを衆院選の公約に入れていたので、今回の法案提出は既定路線かもしれない。しかし、それは、「道州制」とセットのプランであったはずで、「道州制」という土台の仕組みも出来ていない状態で、兼務のみ実現しても、本来は意味がないはず。

 維新のサイトにある「維新八策」の「各論」の中から、「統治機構の作り直し」の部分を引用する。「道州制」と「兼職」の部分を赤字にした。
「日本維新の会」サイトの該当ページ

1. 統治機構の作り直し~決定でき、責任を負う統治の仕組みへ~

理念・実現のための大きな枠組み
中央集権型国家から地方分権型国家へ
難問を先送りせず決定できる統治機構
自治体の自立・責任・切磋琢磨
国の役割を絞り込み、人的物的資源を集中させ外交・安全保障・マクロ経済政策など国家機能を強化する
内政は地方・都市の自立的経営に任せる
国の仕事は国の財布で、地方の仕事は地方の財布で
倒産のリスクを背負う自治体運営
国と地方の融合型行政から分離型行政へ

基本方針
首相公選制(人気投票的になることを防ぐ方法を措置)
現在の参議院廃止を視野に入れた衆議院優位の強化
首相公選制とバランスのとれた議会制度
国会の意思決定プロセスの抜本的見直し
政府組織設置に関し、法律事項から政令事項へ
道州制を見据え地方自治体の首長が議員を兼職する院を模索(国と地方の協議の場の昇華)
条例の上書き権(憲法94条の改正)
地方財政計画制度・地方交付税制度の廃止
消費税の地方税化と地方間財政調整制度
自治体破綻制度の創設
都市間競争に対応できる多様な大都市制度=大阪都構想
道州制が最終形



 「道州制を見据え」とあるが、「兼職」が先に実現するのは、やはりおかしい。維新としては、「兼務」を主張して、「道州制」の議論をテーブルに早く上げたいのだろう。

 それにしても、“自治体の首長が議員を兼職する院を模索”、って何?


 では、そもそも「道州制」は、誰のための施策なのか疑問だ。決して、国民生活が豊かになるようには思えない。

 橋下は、とにかく手をつけやすい支出の削減策に目を向けて「ムダ」と言って切り捨てることは好きだが、果たして「道州制」によって、経済面でも、心情の面においても、日本は豊かな国になるのだろうか。


 小泉純一郎元総理大臣首席秘書官の飯島勲が、雑誌「PRESIDENT」11月12日号に寄稿した内容を、「PRESIDENT Online」で読むことができる。タイトルは、維新八策のゴール「道州制」は日本を滅ぼす、である。冒頭箇所から引用。
「PRESIDENT Online」の該当ページ

橋下市長率いる維新の会、
支持率凋落の原因は何か


 橋下徹氏率いる大阪維新の会の支持率凋落が激しい。私は大きく期待をしていたほうだったが、維新の会に群がった国会議員や有識者たちのあまりにも残念な顔ぶれを見て有権者が離れていったのだろう。

「生活保護の不正受給は許せない」「大阪市のバス運転手の給料が高すぎる」などと、どんな相手でも反論できないことだけをずっと発信していればよかった。わざわざ「竹島を共同管理に」などと、どう考えても反発がきそうなことを発言するのは、自分が未熟で幼稚な政治家だとさらけ出しているようなもの。ここは「激しい憤りを感じる。政府には早急に明確な実効性の高い対応を求めたい」などと具体性の一切ないものでお茶を濁しておくべきだ。声を荒らげる・机を叩くなどの演出を入れるとテレビなら誤魔化せる。

今後は、絶対に勝てる論点・相手を見極めたうえで(行政全体から見ればまるで大したことがない課題でも)論戦を挑むという初心に帰るしかないだろう。

ご同情、申し上げる。

そんな橋下氏が、次に旗印として掲げそうなのが「道州制」だ。維新の会につられるように、各政党も力を入れはじめた。

その内容は、明治維新以来の中央集権的な国家体制を否定し、外交・防衛といった「国」にしかできない仕事以外は、地方に委ねるというものだ。首長出身者が多く集まる維新の会にとって選挙向けに都合がよい政策といえる。とはいえ国民がこの問題について関心があると思えないのが橋下氏にとって頭の痛い問題だろう。

維新の会が発表した「維新八策」では、一番目に登場する「統治機構の作り直し」の理念として、中央集権型国家から地方分権型国家へ、と書かれている。具体的な道筋としても「道州制を見据え地方自治体の首長が議員を兼職する院を模索」して、道州制が最終形とまとめている。

しかし、この維新八策の「最終形」という道州制と橋下氏の最大のテーマである大阪都構想は、日本や大阪の経済成長にはつながらないことは当事者が認めていることだ。

橋下氏や維新の会は、かつて大阪都構想について大阪経済の低迷を打破するものだと主張してきた。たしかに府と市が一体化して、都となった場合、行政の無駄が省かれるというメリットはあるかもしれない。しかし、国だろうと地方自治体だろうと、行政の歳出が減れば、国やその地域の景気が悪化するのは経済学では自明の理である。もし維新の会の言うように、都構想や道州制が行政のムダを省くものだとしても、景気対策・成長戦略には決してならない。実際に大阪府自治制度研究会において、「経済と大都市制度の因果関係を明確に論証することは困難」という結論に至っており、少なくとも府市がバラバラだから景気や成長を下降させたわけではないことがわかる。

橋下氏が都構想を実現したいのは、自分の大阪府知事時代の失政を隠したいからだ、とまでは言わないが、実際に隠し通せる可能性があることも指摘しておく。



 前半にある、“わざわざ「竹島を共同管理に」などと、どう考えても反発がきそうなことを発言するのは、自分が未熟で幼稚な政治家だとさらけ出しているようなもの。ここは「激しい憤りを感じる。政府には早急に明確な実効性の高い対応を求めたい」などと具体性の一切ないものでお茶を濁しておくべきだ。声を荒らげる・机を叩くなどの演出を入れるとテレビなら誤魔化せる”、の指摘、なるほど小泉を支えた飯島ならではの論である。

 市民の生活を豊かにする、という発想は、橋下にはない。パフォーマンス化しやすいテーマを選び、コストカットを進めるだけでは、経済が向上するわけもない。

 そして、引用した部分の最後、“橋下氏が都構想を実現したいのは、自分の大阪府知事時代の失政を隠したいからだ、とまでは言わないが、実際に隠し通せる可能性があることも指摘しておく”については、私は、大阪都構想は、大阪府知事時代の失政を隠すためでもある、と思っている。

 引用部分のすぐ後から、飯島勲の「PRESIDENT」3月19日号の記事にリンクできるが、その中からグラフを含めご紹介したい。「PRESIDENT Online」の該当ページ

 あまり知られていないが、橋下市長が府知事だったとき、「総負債残高(府の借金)」は就任から辞任までに増えている。記憶に残るようなセンセーショナルなコストカット策を打ち出したので、橋下市長には、徹底的に歳出を切り詰めた印象があるが、実際には「臨時財政対策債」を大量に発行した。

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 臨時財政対策債とは、府で発行しつつ、償還は地方交付税で行う。実質的には、地方交付税の前借りと考えてよい。地方交付税が不要だという理念と、現実の行動が、まったく逆の方向になってしまっている。

 私の実感からすれば、橋下市長が二重行政の解消に寄与したことは正しいが、その他の点に関しては、2年という短い府知事在任中にほとんど結果は残せていない。


 大阪都構想や道州制という施策には、彼なりの「理念」や「展望」もあるのかもしれない。しかし、その施策が、彼の府知事時代の失政を覆い隠す効果があることも明白である。

 彼の府知事としての使命を果たさないまま、市長となり、何ら具体的な成果を出さないまま参院議員との兼務を欲している。しかし、もし兼務することになった場合、彼は確実に市長の仕事をサボタージュするだろう。

 繰り返すが、この兼務は、道州制とセットで検討されるべきことだ。そして、その検討のためには、さまざまな立場の人間が参加すべきであり、相応の時間を必要とするはずだ。

 道州制に関しては、維新のみならず、自民党も議論すべき施策として掲げているし、みんなの党などは、維新同様に積極的だ。みんなの党は、TPPへのスタンス、そして道州制へののめり込み方を見て、どうしても私が支持できない政党と思われた。反民主効果は、自民とみんなの党、そして維新に働いたと言える。

 維新が掲げる地方交付税の廃止や消費税の地方税化が、果たして本当に市民、州民、国民のためになるのかどうか疑わしい。
 これから、議論を重ねていかなければ、単に地方を今まで以上にやせ細らせるだけの道州制になる危険性は高い。

 「兼務」そして「道州制」の実現を目指す橋下の、その下心は何か。

 一つは、参院議員として、ますますパフォーマンスを派手に繰り広げたいということだろうし、もっと大きな狙いは、彼の大阪府知事としての失政、そして大阪市長としてのサボタージュを隠すこととしか、私には思えない。

 大手の日刊紙やテレビなどのマスメディアは、決して、大阪府、そして大阪市の首長としての橋下の評価をしようとしない。それは、今のところは、タレントとしての橋下を敵にしたくない、それだけであろう。その賞味期限が、決して長いとは思えない。
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Commented by ほめ・く at 2012-12-23 16:11 x
維新の会は元々一院制、つまり参院を廃止するという政策をとっています。
なぜ廃止を主張する参院議員になりたいのか理解不能です。
ツイッターで人の悪口を書きながらその片手間に市長をやり、もう片手間で国会議員ですか。
そのうち首相も兼務なんて言いだしますよ。
いい加減にしろと言いたいですね。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-12-23 18:46 x
本当に困った男ですね。
しかし、政治への取り組み方などにおける底の浅さは次第に露呈していますので、民意はどんどん離れるでしょう。
“暴走老人”との決裂も時間の問題でしょう。

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by kogotokoubei | 2012-12-20 19:44 | 幸兵衛の独り言 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


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