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安倍と安倍自民広報部門の産経新聞には、十分に注意しよう!

自民大勝の勢いで、同党の広報部門に成り下がった産経に、さっそくこんな記事が載った。

MSN産経ニュースの該当記事

安倍氏、憲法改正へ一歩 雌伏5年…「蹉跌乗り越え」
2012.12.17 09:16 [自民党]

 自民党の安倍晋三総裁が再び首相の大任を担う。1度目は前任者の小泉純一郎元首相がレールを敷いた「禅譲」の色合いが濃かったが、今度は違う。不利な情勢にあった9月の党総裁選に逆転勝利し、さらに衆院選でも自力で2度目の首相の座を引き寄せた。だが、大勝しても安倍氏は16日夜のフジテレビ番組で淡々とこう述べた。

 「基本的に自民党に対して完全に信頼が戻ったということではない。(有権者は)期待に応えていくか厳しい目で見ている」

 勝利は民主党や第三極の自滅によりもたらされたもので、浮かれている場合ではないと引き締めているのだろう。

「気負い」見えず

 5年3カ月前、病に抗せず退陣を余儀なくされた安倍氏は今回、尊敬する幕末の志士、吉田松陰の戒め「一蹉跌(さてつ)を以(もっ)て自ら挫折することなかれ」を実践してみせた。

 「私は政治的に一度ほとんど死んだ人間だ。もう怖いものはなくなった」

 安倍氏は総裁選以降、会合などで現在の覚悟についてたびたび強調してきた。その通り、最近の安倍氏の言動からは以前は目立った「気負い」はうかがえず、自然体にみえる。


 安倍に好意的な記事には、同じグループのフジテレビでの発言が続けて紹介されている。

フジテレビ番組ではこうも語った。

 「(前回は)今より6歳ほど若く、肩に力が入りすぎていた」

 政権を投げ出したとの批判にさらされ、いったんは議員引退すら考えた安倍氏が、親族を含む周囲の反対の声を押し切って再び立ち上がったきっかけは何か。

 それは皮肉にも、自民党から政権を奪った民主党政権のあまりの体たらくゆえだった。連戦連敗の外交、誤った政治主導、東日本大震災の復旧・復興の歯がゆいばかりの遅滞、改善されないデフレと円高…。



 私は、あの時に安倍は引退すべきだったと思う。

 今回の選挙に当たり、かつて政権を投げ出した安倍を、産経は精一杯支援する報道に徹してきた。もちろん、このメディアが「右」なのは明白だが、ある特定の政治家に、これだけ確信犯的な支援をするメディアに、“公平性”とか“中立性”などは、もはや求めることはできない。
 この記事は次のように締められている。

 日米関係を対等にするための集団的自衛権の政府解釈変更、根拠もなく慰安婦募集の強制性を認めた河野談話の見直し、靖国神社参拝などやり残した宿題も片付けなければならない。

 「何とか来年の参院選と4年後の参院選に勝ち、憲法改正を果たしたい」

 安倍氏は総裁選後、周囲にこう大望を明かした。ただ、政権に返り咲いたからといって、いっぺんに何でもできるわけではない。やるべき政策課題に優先順位をつけ、一歩一歩確実に前に進んでいくしかない。(阿比留瑠比)



 上杉隆著『官邸崩壊』(幻冬舎文庫)から、上記の記事の執筆者である阿比留瑠比の名も登場する部分を、引用する。なお本書は初版は2007年8月に新潮社から単行本で発行され、文庫は昨年11月に発行されている。
 なお、以前にも本書を紹介したことがあるので、ご興味のある方はご覧のほどを。
2012年9月15日のブログ
2012年9月17日のブログ

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上杉隆著『官邸崩壊』(幻冬舎文庫)

 安倍政権では、当初から一部の記者が安倍側近と手を結んで、政権プランを決めているという話が流れていた。とりわけ、フジテレビ、産経新聞、夕刊フジのフジサンケイグループは安倍政権の「特務機関」とさえ言われた。安倍政権は間違いなく彼らで動いている部分があると、政治記者の多くが感じる。中でも、産経新聞の阿比留瑠比と石橋文登の両記者の食い込みは群を抜いていた。
 阿比留は安倍との関係を隠すどころか、自身のブログで誇らしげに語っている。安倍との親密さを謳い、そのブログをまとめた本の出版記念パーティーに安倍官邸の錚々たるメンバーが参集した。紙面に載せられないような内容も、ブログで堂々と公表している。民主党のような勢力を蛇蝎のごとく嫌っている。ブログにも頻繁に民主党への攻撃がエントリーされる。代わりに安倍に対しては驚くほどの共感を表明している。



 このブログの内容の異様さが、次のように書かれている。

 他社の記者が、通常国会における安倍の方針を取材しようとした時のことだ。世耕、的場などの側近に取材してもなかなか要領を得ない。取材対象を増やし、自民党幹部や閣僚にも聞く。だがやはり安倍からの完全な情報は伝えられていないようだった。半ば諦めながら記事を仕上げる。当日、安倍が、官邸でのぶら下がり会見に答える。まさしく取材案件について言及していた。直後に、ふと、阿比留のブログを訪れてみた。するとそこには、たったいま安倍が話したばかりの内容が、極めて正確に記されていた。しかも、そのエントリーの日付は前日のものだったのである。


 当時、日本の記者クラブの閉鎖性と戦いながらフリージャーナリストとして取材していた著者にとって、この事態は驚くべきことだったに違いない。

 阿比留の安倍への共感は、個人としての関係なら問題はない。しかし、阿比留は、現在産経の編集委員である。

 第一次安倍政権の時と同様に、産経は阿比留を中心に安倍自民党を擁護し、支援して、今回の圧勝を導いたと喜んでいるに違いない。
 しかし、こんな偏向報道を垂れ流すことが、国民の幸福につながるとは到底思えない。

 日本人なら、「あっ、産経ね・・・・・・」で、済ますことができるかもしれない。
 しかし、中国を含むアジア諸国の政府は、メジャーなメディアの一つとして捉え、その内容を利用することができる。そして、安倍との蜜月構造がバレバレの産経の内容は、きっと中国政府の絶好のターゲットになるだろう。産経が浮かれて書く記事は、今後の外交の火種を作りかねない。

 自民党のデフレ対策は、頑張ってもらおう。広報部門の産経も後押しすべきだろう。
 しかし、憲法改正を含む右傾化路線の記事を、フジサンケイグループが自社のメディアで今後垂れ流すことについては、十分警戒の目を向けなければならないと思う。
 
 「勝てば官軍」で、安倍も産経も“怖いものなし”状態に、今はあるだろうから、なおさら要注意である。

 あらためて、五年前のことを思い出す必要がある。
 政権発足の翌2007年七月の参議院選挙で歴史的大敗を喫し、政権発足からほぼ一年後、所信表明演説から二日目に辞任するという身勝手で、政治の混乱を招いたのは、たった五年前。『官邸崩壊』文庫版のみに追加された「最終章 散花」から引用したい。

 9月12日、突然の辞任に日本中が驚いている時、安倍は憔悴しきった表情で、首相官邸の会見場に立っていた。誰一人、その辞任理由を納得した者はいない。その証しに、記者たちからは繰り返し同じ質問が繰り出されたのだった。
「党首会談を、小沢さんに、断られました」
 うつろな目で辞任会見に臨む安倍。時に詰まりながら、心ここにあらずといった様子で淡々と言葉を紡いでいる。記者から辞任の理由を問われた時、少しだけ困惑した様子で、こう語るのがやっとだった。
 結局、この会見で、国民への謝罪の言葉が述べられることはなかった。
 (中 略)
 初出馬直前、安倍晋三は、母・洋子と一緒に、若くして自民党の幹事長を務めた小沢一郎の元を訪ねていた。政治の「イロハ」を学ばせるつもりで、当時の政界最強の実力者に「あいさつ」のために訪れた。父・晋太郎の無念を知る小沢は、この母子に優しく接する。そして、何かあったら遠慮なく訪ねてくること、その時は力になろうと約束するのであった。
 結局、安倍が最後に頼る人物は自民党にはいなかった。皮肉なことにそれは野党の小沢一郎、その男しかいなかったのである。
 辞任直前、安倍は、小沢との党首会談を熱望した。いったい何のためにそこまで「あいさつ」をしたかったのか。
 官邸の崩壊したあとでは、それは誰にも分からない。そう、当の安倍ですら、当時の自らの胸の内を掴み切れないくらいなのだから・・・・・・。



 安倍が投げだした後も自民党の不調は続き、民主党は2009年に政権交代を実現した。

 にもかかわらずの今日の状況である。
 
 今の安倍は、小沢一郎と会おうなどとは毛頭思っていないだろうし、たった九議席の弱小政党になったことを、「ザマァ見ろ」と思っている、かもしれない。
 しかし、野田の師走拙速解散は民主の自殺行為であったが、そのあおりを「未来」他の政党も被ったわけで、来年の参議院選挙までには、しっかりした体制ができることを、私は期待している。


 たしかに、安倍晋三も、五年前とは違うのかもしれない。
 そうであるならば、2007年9月12日のことを、今あらためて振り返って、政権を投げ出した身勝手を国民に謝罪することから、出直して欲しい。

 歴史を誤魔化すことはできないし、自分たちの都合の良いように、これからの歴史をつくることだってできない。ましてや、産経のように軽率に安倍自民の提灯を持つメディアが、国民をリードできるはずもない。今回の選挙結果は、あくまで、“反民主”の慣性で自民が勝っただけであり、正念場はこれからであることを安倍も広報部門(?)も、肝に銘じるべきだろう。
Commented by 佐平次 at 2012-12-18 10:09 x
産経の未来憎しもおかしかったですよ。
よくもこうもいろいろと思へるほど、いろんなことにかこつけては未来をけなしくさし、、。
弱虫犬がきゃんきゃん吠えているようで、かわいいくらい。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-12-18 13:53 x
本当に“弱虫”ならいいんですが、なかなかしぶといんですよ“さん犬”は^^
投票率の高い高齢者の方は、いわゆる保守の方が多いでしょうし、朝日嫌いの方もいらっしゃれば、アンチ読売の方もいらっしゃるでしょう。
購読料の安さも手伝ってあの新聞を読んでいるとすると、知らず知らずのうちに“洗脳”されないとも限らない。

それにしても、阿比留のやり方は、露骨すぎますね。

Commented by 創塁パパ at 2012-12-19 07:51 x
マスコミがこぞって、安倍を持ちあげている。最低のメディアです!!

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-12-19 08:46 x
産経は確信犯です。
朝日は、アンチ安倍の勢いが少しなくなってきたような気がします。
流れには逆らえないのかもしれません。
まぁ、いずれにしても、本当のことはマスメディアには登場しないでしょう。

Commented by ほめ・く at 2012-12-19 09:52 x
かつて自民党幹事長が全国の支部宛に、産経新聞の部数拡大協力願いを出したことがあり、その中に「機関紙」だということも書かれていました。
自民党機関紙だと思って読めば腹は立たないんです。とっくに公器という立場は投げ捨てているんですから。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-12-19 10:13 x
すでに「機関紙」として扱っているんですね・・・・・・。
そう思えば何ら不思議はないです。
ウェブは「MSN産経ニュース」ですが、マイクロソフトも自民党贔屓なのでしょうか。
それは考えすぎかな^^

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by kogotokoubei | 2012-12-18 20:52 | 責任者出て来い! | Trackback | Comments(6)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛