噺の話

kogotokoub.exblog.jp

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

NHK「新人演芸大賞・落語部門」を見て。

10月20日に開催され、本日11月4日に放送された内容を録画し、今ほどようやく見たところ。

 以前に予想を次のように書いた。喬若以外は生で聴いている。
2012年10月2日のブログ

----------------
◎ 桂宮治
○ 笑福亭喬若
▲ 春風亭ぴっかり
△ 桂二乗
△ 春風亭昇吉
----------------

出演順にネタの紹介。

・春風亭ぴっかり『反対俥』
・桂二乗     『癪の合薬』
・桂宮治     『元犬』
・春風亭昇吉  『たがや』
・笑福亭喬若  『長短』

それぞれに感想を短く。

ぴっかり 
 トップバッターの緊張はあったろうが、ネタの特性もあるとは言え、スピード感のある高座。
 審査員からもコメントがあったが、“女性落語家”という枠を超える内容。少し慌ただしさ
 はあったが、この人の魅力は十分発揮できたのではなかろうか。ただ、最初の 老人の
 俥屋の“ヘルニア”のギャグが、ちょっと聴く方には「痛かった」かもしれない。

二乗
 春に聴いた時からの成長を感じた。実に本寸法な高座。五月深川での師匠米二の会で、
 師匠はパンフレットに「声はいいが間が悪い」、と書いてあったが、その間もほどよく、
 今後を大いに期待させた。東京の『やかんなめ』、落語らしい不可思議な噺ををしっかり
 演じた。見た目のほんわかした感じも、客を無駄に緊張させることなく好ましい印象。

宮治 
 高座に上がってから、アナウンサーの紹介をイジる余裕があった。三人終わってのインタ
 ビューでもアナウンサーに「矢口真里さんに聞いて欲しかった」と言ったり、優勝インタ
 ビューでもイジる。高座は、もう何十いや何百回かけて稽古もしてきたネタだろう、
 “体に染み込んだ”噺、そんな印象。何度か聴いているが、やはり可笑しい。 審査員の
 「犬に見えた」には「豚でなくてよかった」など、高座以外でも最後まで笑わせてくれた。

昇吉
 以前聴いた時よりは、よほど稽古をしてきたようだし、しっかりした高座。しかし、旬を
 まったく無視したネタ選びは、独りよがり的な高座姿と同様、やはり感心できない。
 落語は、客と特定の時間と空間を 共有できて、初めて“一期一会”の出会いが生まれる
 もの。夏に「忠臣蔵」はかからない。ネタ選びのことをどこで評価するか迷ったが、
 「将来性」でひきとることにした。
  *NHKもプロフィールに出身大学を書く野暮はやめて欲しい。
 
喬若
 このネタに挑んだ気持を買いたい。ネタの特性で笑いをとろうと思うなら、他にいくら
 でも上方の楽しい噺はある。登場人物がもっと多いほうが、噺の奥行きも出てくる、しかし、
 この噺は、たった二人。それも、長さん(上方版は名前はないが)を“与太郎”にしないで
 魅せるのは、なかなか 難しい。しかし、この芸、審査員の井筒監督が語っていたように、
 十分に聴かせてくれた。 この人の実力は、並大抵ではないと見た。

 最初に審査は、「演技力」「タレント性」「将来性」で評価すると紹介。この三つの指標で各10点、満点で30点で採点することにしたい。
------------------------------------------------
       演技力  タレント性  将来性    計
ぴっかり    8     8     8       24
二乗      8     8     8       24
宮治      8     9     9       26
昇吉      8     8     7       23
喬若      9     8     8       25
------------------------------------------------

 別に、自分の予想に合わせたわけではないが、こういう評価。想像通りの接戦。
 
 宮治が表彰インタビューで奥さんとお子さんの名を叫んだ場面が、今回の結果を象徴しているように思う。
 これを機に、ぜひ芸協において、“客を呼べる”噺家になって欲しいし、きっとなれるだろう。

 他の出場者の中では、特に上方の二人が今後もぜひ聴きたいと思わせてくれた。

 来年は、小辰か一蔵の出場を期待したいものだ。これは、あくまで好み、贔屓の問題だが^^
[PR]
Commented by ほめ・く at 2012-11-05 05:57 x
放映は分かっていたのですが、いずれ幸兵衛さんの記事が読めると思い、鈴本の小辰を聴きに行ってしまいました。
宮治は別にして東京の二人、もっと上手い人がいるだろうと思ってしまいますが。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-11-05 09:10 x
私はあくまで、自分の見た印象を書くだけですので、ぜひ収録して今後は実際にご覧いただきたく^^

東京で60名余りの予選参加があったようですが、どんな顔ぶれだったのでしょう・・・・・・。
非公開ですので、どんな人がどんなネタだったのか、どういう形式で行ったのか、まったく分かりません。
予選の情報公開も何とかならないかと思います。

小辰は、池袋か末広亭で捕えたい(?)と思っているのですが、都合がどうなることやら。
鈴本の出番が多いですよね。よほど席亭に気に入られているのかと思います。

来年、小辰が決勝に出れば、間違いなく本命だと思うのですが、さて師匠が出させるかな・・・・・。

名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by kogotokoubei | 2012-11-04 16:54 | テレビの落語 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛