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「文枝」を継ぐなら、「三枝」への未練を断つべきだ!

もう襲名の流れは動かないのだろうから、最近のニュースも無視していたのだが、パーティー会場での発言として、未だに文枝と三枝との両刀使いをするつもりでいることには、抵抗がある。
スポーツニッポンの該当記事

「文枝」襲名の三枝、落語作家は「三枝で続けていきたい」

 上方落語の大名跡「桂文枝」を16日に襲名する落語家の桂三枝(68)の襲名披露パーティーが2日、都内で行われた。テレビ出演にも「文枝で出演する」と表明し、落語作家としては「三枝で続けていきたい」と、あらためて三枝の名も使い続ける意向を示した。

 一門の弟弟子とともに開いた会見では、襲名2週間前だけに「ちょうど三枝と文枝のはざまにいる感じ」と苦笑い。長年親しんだ看板への愛着は大きいようで、三枝の名を誰かに譲ることは「現在のところ全く考えておりません」と明言した。

 また最近、周囲から「痩せた」と指摘されるといい、「祝ってもらうほどにプレッシャーを感じてまして…。いろんな方の訃報があり、私もあんまり(先は)ないな」と自虐的発言で笑わせたが、「19人の弟弟子がついているので、元気に乗り切りたい」と力強く宣言。桂文珍(63)は「民主党は分裂しましたが、われわれは一丸となっていきます」と、兄弟子の後押しを誓った。

 披露パーティーでは、引田天功のイリュージョンでボックスの中から華麗に登場した。パーティーには、鳩山由紀夫元首相(65)や森喜朗元首相(74)、朝丘雪路(76)や三田佳子(70)ら豪華セレブが駆けつけた。
[ 2012年7月3日 06:00 ]



 落語作家で三枝、高座で文枝を名乗るなどという気持ちが残っていては大名跡が泣く。

「別にペンネーム桂三枝だっていいじゃないか!」とご指摘を受けそうだが、大名跡を継ぐ覚悟の問題なのである。この人は、まだ腹が据わっていないのだ。文枝という名跡を継ぐということは、私生活も高座もテレビも含め、すべて六代桂文枝なのだ。もし作家としてのペンネームを別に持ちたいのなら本名の河村静也だろうが何だろうが名乗ればいいわけで、旧名の桂三枝は捨てるべきではないか。以前にも同じようなことを書いたが、三枝の名にそれほど未練と愛着があるのなら、文枝を襲名しなければいい。三枝を捨てる覚悟もなしに、美味しいところだけいただこう、そして吉本と一緒に襲名披露興行で儲けよう、というこの人の態度には閉口する。
 
 好対照なのが、笑福亭だ。六代目の死後しばらくして、大名跡松鶴を復活させたい松竹芸能の意向を踏まえ、強く要望をされながらも自分が継がないことを決めた筆頭弟子仁鶴をはじめとして一門全員がそれぞれの立場で悩みに悩み、結果として仁鶴から指名を受けた松葉が、当初披露目を行う予定の日に亡くなってから七代目を追贈された。こういった六代目笑福亭松鶴一門による大名跡への真剣な関わり方と、三枝の文枝という大名跡へのスタンスは、あまりにも違いすぎる。

 「文枝の名を全国に広めたい」などとも言っているらしいが、落語愛好家の方は十分に知っている。若い落語ファンが五代目を知るためには音源もあるし関連する本だってある。「高座は文枝、作家は三枝で~す」などと言う姿勢で、なにを広めたいと言うのだ。

 国立劇場での高額な木戸銭での興行なども含め勝手にはしゃぐのはいいが、新旧名跡の両刀使いは勘弁願いたいものだ。

 あらためて、こう言いたい。
 河村静也さん、どうぞ六代桂文枝をご襲名ください。しかし、ペンネームも含め、桂三枝の名はきっぱりを忘れ、あなたならではの文枝になってください。

 周囲から「せこ文枝」と言われようが、そんなことは百も承知二百も合点の襲名なのだろう。退路を断ってもらいたい。
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Commented by hajime at 2012-07-03 19:09 x
この間刊行された「東京かわら版」のインタビューでは、三枝と文枝の名を使い分けて高座に上がる事について、金馬師から嗜められたそうです。「師匠の名を継ぐのはそんなに簡単な事ではない」と云われたそうです。

それに、その時は創作落語について、すでに作ったのは三枝作で残し、これからの新作については文枝で書くと言っていたのですが、尻が落ち着か無いと言うか・・・・

それに六代目文枝ではなく、六代文枝とするのは、上方では「六代目」とは松鶴師の事なので、自分は遠慮する。と言う事なのだそうです。

私見ですが、間違っていますよね、絶対!
三枝作の事はインタビュー後に誰かに云われたのでしょう(吉本かな?)

六代文枝と目を付けないのも、自信の無さですかね?
結局この方は「目」が無いんですね。
全てにおいて・・・オチがついたようで・・・(^^)

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-07-03 19:29 x
まったくご指摘の通りです。
何を考えているのか、と思います。
談志が相談を受けて襲名に反対したのにも関わらず襲名することに決め、談志から「ばかやろう~勝手にしろ~」などと書いたFAXが届いたという話があったように記憶していますが、談志は先代が小文枝時代に二人会を開催した仲。家元は本気で継いでほしくなかったのだと、私は思っています。
きっぱり三枝を捨てる了見にならずに、大名跡を継ぐ資格なし、です。

「六代目」は上方では松鶴、ということは、「六代文枝」にしようが「六代目文枝」だろうが、変わらないでしょうね。
東京の落語の「六代目」なら円生、歌舞伎なら菊五郎、ということでしょう。
遠慮したんでしょうが、そこに「引け目」と「自信のなさ」が露呈しています。
すでに、「セコ文枝」ですね。

Commented by 明彦 at 2012-07-04 00:38 x
繁昌亭に入り浸っている身としては、この小屋が出来た意義を日夜痛感しているため、三枝会長の功績を否定することは到底出来ません・・・。
と同時に、何度か三枝師匠の生の高座を拝見した上での実感として、「六代文枝襲名」には殆ど関心が持てません。
五代目文枝師匠はとうとう拝見出来ませんでしたが、その芸は(僕の印象では)直弟子の文太・枝女太・枝光・坊枝・文華・文三・阿か枝の諸師が受け継がれていると思っています。
また同じ一門でもあやめ師の現代女性の真情溢れる自作は、兄弟子の当たり障りのない作品よりも、ずっと力があると断言します。

なお、同じあの会社ですが、月亭一門の誇る正統派でありしかも新作にも意欲的な八天師の、「月亭文都」襲名には行くつもりです。
こちらは本当に成功して欲しいと願っています。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-07-04 08:41 x
繁昌亭は、三枝だけの力で出来たものではないはずです。もちろん、彼も貢献したのでしょうが。
是々非々だと思います。創作落語家としては私も評価していますし、有名人としてのやり方で繁昌亭など上方落語の発展に貢献していることも事実でしょう。
しかし、今回の襲名を直前にしての了見の悪さが問題だと思います。

文枝一門、三枝の後輩には五代目の芸を継承する噺家さんがたくさんいるようですので、将来は楽しみですね。
月亭文都も、懐かしい名跡復活ですね。
ぜひ、機会があれば聴いてみたいと思います。

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by kogotokoubei | 2012-07-03 18:01 | 襲名 | Comments(4)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛