噺の話

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上方版の『蜆売り』、大変結構でした!---落語者 桂まん我

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 外出する前に、少し早く起きて昨夜の録画を見たところ。

 この噺は、東京では鼠小僧次郎吉が登場するが、上方版は、いわゆる匿名の“親方”に代わることが多い。しかし、まん我の噺では、名前が明確になる。大阪の南堀江に住む中川清之助という土地の顔役という設定。金が余っているようなところから取り立てて、恵まれない人に施している、一種の慈善家のような人。季節は十日戎の寒い夜、重要なバイプレーヤーとなる少しネジのゆるんだお調子者の子分は留。

 なかなか結構だった。中川清之助という特定の名を設定したのは、師匠の桂文我のようだが、実在したかどうかは分からない。鼠小僧も、実際には恵まれない人に施しをしてはいないらしいので、いずれにしてもフィクションが土台の、人情噺。東京版は古今亭志ん生が本寸法で、改作では立川志の輔が有名。上方版は東京で活躍した桂小南が定評のあるところで音源も残っている。

 まん我のこの噺、中川清之助、蜆売りの子供、そして留の三人の登場人物が十分に描かれ、くどすぎない演出も好感が持てた。やはり、この人は良い。東京で生の高座をもっと聞きたくさせる内容だった。
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Commented by at 2012-05-12 09:30 x
久しぶりに、寄せていただきました。

いつも嬉しく拝見させてもらっております。

まん我さんの 中川清之助は、米朝師の本名から付けさせて いただいたかも知れないですね。思いつきですが[i:63943]

私も権太楼師『笠碁』録画見ました。楽しげですね。本人が。

またの 落語散歩 楽しみにしております。

乱文、ご容赦くださいね。

Commented by hajime at 2012-05-12 09:47 x
まん我さんは中々評判の高い若手ですねえ。評判も良い様ですね。
東京にいらしたら是非見たい噺家さんの一人ですね。

先日、浅草で小三治師の「あくび指南」を見てきました。
その素晴らしさに震撼しました。
ただ、噺をあるがままに、素直に、噺そのものの面白さを100%伝えようと言う事しか感じられませんでした。

きっと小三治師には、お客に受けようとか、上手く語ろうとか云う意思も無かったかも知れません。
当日は市馬「粗忽の釘」、志ん輔「宮戸川」、三三「妾馬」と中々の顔ぶれで、皆さん、かなり気合の入った高座でした。ホントそれぞれ出来が良かったです
が、小三治師とはランクが違うと言う感じでした。
数多く小三治師の高座は見ていますが、自分の生涯で間違いなく一番の高座でした。
関係ない事書いてすいませんでした。
どうしてもお伝えしたくて・・・(^^)

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-05-13 18:36 x
あっ、米朝師匠の本名は中川清でしたね!
まず間違いなく、文我が大師匠の名からつけたのでしょう^^

権太楼の『笠碁』は、ご本人の年齢に近いであろう二人が主役なので、感情移入しやすいのでしょうね。そして、似たような経験もこれまでにあったのだろうと察します。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-05-13 18:49 x
まん我の高座には、枝雀一門では稀な、“爆笑落語”ではなく“上方本寸法”の世界をつくる師匠文我と同様の品の良さのようなものを感じます。しかし、滑稽噺は師匠よりもまん我の方に可能性を感じます。

出色の小三治版『あくび指南』に出会うことができたようで、うらやましい限りです。煙草を素材にしたクスグリや、吉原ネタの部分が楽しいですよね。そして、師匠の悠然とした指導ぶりが、出来の悪い弟子と好対照で、見事だと思います。
 三三や他の中堅の噺家さんもよく高座にかけるネタですが、あの領域に達するのは相当に時間が必要でしょう。

Commented by 明彦 at 2012-05-16 00:57 x
昨日ワッハ上方の小演芸場で、久々にまん我さんの勉強会「お笑いまん我道場」を観ました。
1席目は『胴切り』、胴が飛ばされた瞬間のアクションの迫力、各人物の妙に常識的な反応や演者に戻っての突っ込み等、ありえない世界を緻密に演出して「臨場感」を持たせてしまう腕が光りました。
2席目は実はこの頃上方でもよく演じられる『井戸の茶碗』。極力移植に伴う無理をなくした、文我師匠の型でしたが・・・。
「いい話」というよりテンポの速い滑稽話になっていて、屑屋さんも侍達の滑稽と紙一重の清廉さに大阪人らしく突っ込むのですが、
それでいて娘の気品もそれぞれの心根のよさも伝わって来ました。
ゲストは笑福亭鶴二師、こちらは松鶴師匠が乗り移ったような『猫の災難』で、米朝一門とは一味違う笑福亭の味を見せ、盛り沢山の会でしたよ。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-05-16 08:47 x
ワッハ上方でも、まだ落語会は行われているんですね。それは良かった。
松喬・さん喬、三喬・喬太郎の二人会の会場が替わったので、吉本の若手漫才ばかりの場になったのだと思っていました。
まん我は、東京落語も積極的に挑戦していますよね。そのへんも、私がこれからの上方落語の期待の星と思う所以です。
柳家権太楼、滝川鯉昇の二人に私が芸の幅広さを感じる理由は、枝雀が十八番の上方ネタを彼らが持ちネタにしていることだと思っています。
三代目小さん、三代目円馬などの努力で、上方の優れた演目が東京に移入されたわけですが、文我やまん我には、その逆の努力をしようという姿勢が見られます。非常に価値あることだと思います。

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by kogotokoubei | 2012-05-12 07:35 | テレビの落語 | Comments(6)

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