噺の話

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落語者 春風亭一之輔 『夏どろ』 (10月14日深夜)

録画を見たところだ。先週の『黄金の大黒』も見たが、二席とも来春の真打昇進決定後の収録。冒頭の女子アナの紹介も真打昇進のことが二度ともキャッチフレーズとして使われていたし、高座の後の対談も昇進のことが中心。
 
 先週は高座よりも、その対談の内容が楽しかった。一之輔はTwitterで真打昇進を知り、師匠の一朝に連絡したら、師匠は「連絡がない」、と不満だったらしい。一之輔が落語協会に連絡すると、一朝には何度も電話しているがつながらない、とのこと。一朝に連絡すると携帯のバッテリーが切れていたらしく、充電してみると五~六度も連絡が入っていたらしい。ある意味で一朝らしい、と思う。本人が「一朝懸命」頑張っても、携帯は充電しないことには頑張れないわなぁ。女子アナが、かつて出場した同じ一人昇進だった菊之丞との対談で、大変な借金をし返済に苦労した、という話を一之輔にふるが、本人はそのネタからしきりに逃げようとしていた。質素にやりたいようだが、ある程度の物入りは覚悟しているだろう。しかし、まだその心配をしたくない、というのは本音だろうなぁ。

 今回の対談のネタは昇進に関する親子の会話。六歳の長男が真打ということの意味がわからないので、真打になることはちょっと偉くなること、と説明したところ、「今がピークだね!」と言われたらしい。息子はポジティブな意味を込めたつもりだったうようだが。この表現はマクラの泥棒の小噺の場面で使われて笑いをとっていたが、息子の創作(?)だったのだ。使用量を長男に払う必要があるだろう^^

 さて、肝腎の高座。先週も感じたのだが、一之輔にしてはずいぶん大人しかったように思う。人情噺でも滑稽噺にしても、この人の出来の良い高座から感じるパワーが伝わらない。この人ならではのクスグリも目立たない。私の気のせいなのかもしれないが、泥棒も、泥棒から恵んでもらう貧乏な大工も、この人ならもっと弾けていたように思うのだが・・・・・・。昇進決定後に飲み会でも続いて疲れがあるのか?

 21人抜き、一人真打昇進、というプレッシャーが高座に影響しているとするなら、少し心配だ。もちろん上手いのは間違いがないのだが、それだけではない魅力が、本来はある人だ。
 私はこの人の魅力は、本寸法ながら若い視点で今日風に無理なく味付けする挑戦の姿勢、そして高座そのものから感じるバイタリティということだと思う。だから、決して小さくまとまって欲しくないし、その期待を込めての昇進なのだと思う。

 淡々として、無理に笑わせようとしないのに笑える、という小三治会長のような高座は一つの理想なのだろうが、一之輔には、まだまだ失敗を恐れず自分なりに噺に挑戦して欲しい。真打はゴールではなくスタートなのだから。それが出来る人だと思っているが、久しぶりの異例の大抜擢は、想像以上のプレッシャーを与えているのも字事実なのだろう。

 今更しょうがないが、もう一人二人、同時昇進者がいても良かったのだろうなぁ。頑張れ一之輔、とエールを送ろう。来年の昇進披露興行は、どこかで是非行きたいものだ。

 次回再来週は、番組のサイトには、このブログを書いている時点では案内されていないが、笑福亭たま『青菜』らしい。季節感のないネタ選びだけは、何とか改善して欲しいものだ。
 テレビ朝日サイトの次回予告ページ
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Commented by 佐平次 at 2011-10-17 11:04 x
せっかくの逸材、頑張って欲しいものです。
わたしはテレビで落語を観る習慣がないのです。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-10-17 13:10 x
末広亭で、昇進記念の落語会が11月11日(金)にあるのですが、始まりがPM9:30では、とても行けません。
一之輔の来年の昇進披露興行、50日間のうち、果たして何日行けることやら・・・・・・。

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by kogotokoubei | 2011-10-15 08:37 | テレビの落語 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛