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今どき落語 古今亭菊之丞 『湯屋番』 (BSジャパン) 10月13日

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BSジャパンのサイトの番組ページ

 10月からBSジャパンで始まった番組。この番組のことを知らなかったので一回目の権太楼は見逃してしまったが、二回目の菊之丞の収録を、今ほど見たところ。

 結論から言うと、古今亭右朝に稽古をつけてもらった本寸法の『湯屋番』は、なかなか結構なものだった。番組全般のBGMがジャズなのも、個人的には好ましい。会場が浅草は東洋館というのも、悪くない。
 マクラの噺家の前座修業のネタも楽しかった。あの圓蔵師匠が、なぜ前座の出すお茶を飲まないのか、とか、前座の寄席での給金の額なども暴露(?)されていた。
 
 右朝に稽古してもらったことは高座の後のインタビューで明かされたのだが、稽古をお願いした菊之丞への右朝の返事が、何とも右朝らしくていいのだ。

 右朝 「フルバージョンでやる、安直バージョンでやる?」
 菊之丞「ぜひ、フルバージョンでお願いします。」
 右朝 「だったら、120分テープ持っておいで」

 テレビの菊之丞の高座は、本編のみは約14分だったので、相当端折っている。しかし、若旦那が居候先から紹介された湯屋の主から、「(仕事は)まず、外回り」とか「煙突掃除」などと言われる場面のやりとりで、「白浪五人男」の弁天小僧菊之助の口上を披露するあたりや、番台に上がった若旦那が、妄想の中での歌舞伎仕立ての男女の会話などに、右朝から継承した古今亭の噺の片鱗が見えた。

 菊之丞に稽古をつけたの古今亭右朝は、師匠である志ん朝の後継者と見られていた逸材だった。しかし、残念ながら師匠より少し先に、2001年4月29日に亡くなった。二年前の命日に右朝のことを書いたので、ご興味のある方はご覧のほどを。2009年4月29日のブログ

 この番組のナレーター伊集院光が少しはしゃぎすぎだが、その昔に楽太郎に入門したという経歴の持ち主なので、ナレーション内容は、まぁまぁ妥当。「落語研究会」や「落語者」のような女子アナ路線よりは、いいかもしれない。

 BSジャパンのサイトの番組のページには、今月の内容が全て案内されているので、ご紹介したい。

10月6日
出演 柳家 権太楼
演目 「家見舞」
    引越しした兄貴分に、引越し祝いと二人の弟分が水瓶を
    贈る事に決めたが、二人には銭が無い。そこで、怪しい
    瓶を手に入れ兄貴分の新居に…その瓶の正体とは?
    喜んだ兄貴分が二人に出し、心ばかりのご馳走とは?
    先代の小さん師匠もよく語った滑稽噺を、現在、寄席界の
    爆笑王、権太楼が大いに語ります。大爆笑必至!

10月13日
出演 古今亭 菊之丞
演目 「湯屋番」
    道楽者で親から勘当された若旦那が、湯屋番の番頭を勤め
    る滑稽噺。
    お役者顔の菊之丞が得意とする若旦那モノ。笑いと、色っ
    ぽいシーンにご注目。

10月20日
出演 三遊亭 小遊三
演目 「替り目」
    酔っ払って帰った亭主が、妻や車屋、家の前を通る夜鳴き
    うどん屋などを困らせる滑稽話。
    おかしさの中にも妻への思いがにじみ出る、ちょっとイイ
    話。大爆笑なるか、妻への思いでちょっとホロリとさせる
    かは、小遊三のさじ加減次第。どちらに展開するかが、お
    楽しみ。

10月27日
出演 柳家 さん喬
演目 「天狗裁き」
    うたた寝していた亭主の夢を女房が気になり問い詰める、
    それで夫婦喧嘩となる。とかく他人の夢は気になるらしく、
    夢の話は夫婦喧嘩では終らず、大騒ぎへと発展する。
    古典落語の第一人者、人情噺のさん喬が、今回はSFタッ
    チな落語を披露。落語ファン必見です。



 テレビ朝日の「落語者」が若手と中堅どころが中心で、菊之丞はどちらにみ出演しているわけだが、こちらは基本的にはベテランが、今のところ主役のようだ。
 「今どき」という言葉で何を伝えたいのかは若干疑問だが、高座もインタビューもなかなか楽しめた。

 この番組を見て、思い出したことがある。BSジャパンはテレビ東京系だが、地上波のテレビ東京で、かつて「落語の極」という好番組があった。毎週水曜の深夜(木曜早朝)の放送だったので、収録して週末に見たものだ。

 Wikipediaに結構詳しく書かれていたので紹介したい。Wikipedia「落語の極 ~平成名人10人衆~」

落語の極 〜平成名人10人衆〜(らくごのきわみ へいせいめいじんじゅうにんしゅう)は、2006年11月9日〜2007年3月29日 毎週木曜日3:15 - 4:10(放送日により放送時間が変動)に、テレビ東京で全20回放送された演芸番組。
後に、2007年1月13日から毎週土曜日18:00 - 18:55でBSジャパンで放送開始。 2007年10月18日から毎週木曜日18:00 - 18:55に再放送。その後、BSジャパンでは、2008年、2009年にも幾度か再放送されている。


全20回の内容も記されている。

第1回 2006年11月9日 3:15 - 4:10 3代目三遊亭圓歌「坊主の遊び」
第2回 2006年11月16日 3:15 - 4:10 3代目三遊亭圓歌「中沢家の人々」
第3回 2006年11月23日 3:21 - 4:16 3代目柳家権太楼「不動坊火焔」
第4回 2006年11月30日 3:15 - 4:10 3代目柳家権太楼「お神酒徳利」
第5回 2006年12月7日 3:15 - 4:10 2代目古今亭圓菊「井戸の茶碗」
第6回 2006年12月14日 3:15 - 4:10 2代目古今亭圓菊「唐茄子屋政談」
第7回 2006年12月21日 3:15 - 4:10 4代目三遊亭金馬「紺屋高尾」
第8回 2006年12月28日 3:15 - 4:10 4代目三遊亭金馬「芝浜」
第9回 2007年1月11日 3:15 - 4:10 8代目橘家圓蔵「大山家の人々」
第10回 2007年1月18日 3:27 - 4:22 8代目橘家圓蔵「寝床」
第11回 2007年1月25日 3:15 - 4:10 5代目鈴々舎馬風「会長への道 改め 男の井戸端会議」
第12回 2007年2月1日 3:15 - 4:10 5代目鈴々舎馬風「禁酒番屋」
第13回 2007年2月8日 3:15 - 4:10 9代目春風亭小柳枝「文七元結」
第14回 2007年2月15日 3:15 - 4:10 9代目春風亭小柳枝「二番煎じ」
第15回 2007年2月22日 3:15 - 4:10 瀧川鯉昇「宿屋の富」
第16回 2007年3月1日 3:27 - 4:22 瀧川鯉昇「時そば」
第17回 2007年3月8日 3:15 - 4:10 8代目三升家小勝「抜け雀」
第18回 2007年3月15日 3:45 - 4:40 8代目三升家小勝「大工調べ」
第19回 2007年3月22日 3:45 - 4:40 6代目五街道雲助「明烏」
第20回 2007年3月29日 3:45 - 4:40 6代目五街道雲助「猫定」



 このブログを書く前だったので、記録として残ってはいないのだが、鯉昇、雲助は印象が強かった。収録していたものの多くを消してしまったのが悔やまれる。

 テレビ東京には、この「落語の極」で培った経験を生かして、BSでこの番組を始めたようにも思う。しばらくは、この番組が楽しみになった。
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Commented by hajime at 2011-10-15 06:46 x
菊之丞さんは、二つ目になつて間もない頃に鈴本で丁度この「湯屋番」で初めて見たのを思い出しました。
若くて綺麗でね(笑、噺も結構上手く、
「これからの逸材だな~」なんて・・・
右朝師も良かったですねえ。
少し追っかけみたいに、出る落語会や寄席をチェックして見に行ってました。
「追善 古今亭右朝」は私の宝物です。(^^)

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-10-15 07:31 x
お早うございます。
残念ながら生の右朝の高座には出会えなかったのですが、映像では相当の数のネタを見たものです。
テレ朝チャンネル「右朝の落語定席」(全76話)やMXテレビ「東京落語図絵」は、落語の“見る教科書”のような番組でした。再放送して欲しいものです。
私の初菊之丞は末広亭だったと思います。この人は、やはりいいですね。ホッとさせてくれる噺家さんです。

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by kogotokoubei | 2011-10-14 16:15 | テレビの落語 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛