噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

落語者 市馬は、このままでいいのか?来週から金曜深夜の放送。

昨日深夜の柳亭市馬の『高砂や』を先ほど見た。市馬だから悪いはずはないのだが、とりたてて何かあるかというか、それも・・・・・・。
 時間の関係もあるのだろう、八五郎が隠居のところにやって来て何の用で来たか思い出せない、という部分をカットしたが、この噺からあの部分を取ると私は楽しめない。人によって演出は違うが、柳家の大先輩である小三治のこの噺は、この冒頭部分がもっとも可笑しい位に私は思っている。

 もちろん、隠居の「高砂や」も上手いし、八五郎の都々逸も、なかなかのものだ。しかし、噺からの印象は、、「上手い」「無難」以外にはあまり感じない。これは、はっきり言うが“好み”の問題かもしれない。私は落語については私自身の好みで書いていくしかないので、ご容赦を。
 こういう無難な噺を聴いているとこの人の今の立場などにも気を回してしまう。落語協会副会長。だから、無難なのか・・・?そして、素人にも通にもOK、なんていうことを番組の“マクラ”で言われる達者な噺家としての芸なのか。
 私は、市馬には、そろそろ「想定内」の落語だけではなく、もっと意外性も含めて挑戦しろ、と言いたくなる。もちろん、この会場の客層にも合わせただろうし、テレビという媒体にも配慮したのだろう。しかし、私は思う。「上手いだけなら、もっと上手いベテランの噺家が寄席にいるぞ!」と。落語協会、芸術協会を含め、寄席に行くと、そういう芸達者に会える。

 まだ、落ち着く年齢ではないのだ。「えっ、市馬が、こうやるの?!」という驚きだって欲しいじゃないか。たぶん、たくさんの市馬ファンには心外だと思うが・・・・・・。私はこの収録を消した。

 さて、来週からは、これまでの土曜の深夜から金曜の深夜に放送日が変更になるらしい。放送日変更の最初は、菊志んの『祇園祭』らしい。この放送は、期待している。彼は、もっと評価されていい噺家さんである。菊朗という名前がまだ親しみがあるが、そう遠くないうちに「菊志んって、凄いね!」と言われる存在になるはずだ。
 テレビ朝日のサイト「落語者」のページ
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Commented by home-9(ほめ・く) at 2011-04-03 22:13 x
お邪魔します。
10年位前に市馬を観たときに、なんて上手い噺家だろうと思いました。
しかしここ数年、進歩というのが全く見受けられません。
何をやらせても、そこそこ上手い、それだけです。挑戦しようという姿勢が見当たらないんです。このまま納まってしまう心算でしょうか。
並の落語家ならそれでもいいでしょう。
しかし市馬がそれでは困るんです。
未だ若いんですから、もっと積極的な姿勢を望みたいですね。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-04-04 08:45 x
コメントありがとうございます。
少し恐々書いた感想でもあったのですが、home-9さんのような大先輩からさっそくご支持をいたき、正直なところホッとしました。
市馬ファンは多いし、私も嫌いではないのです。間違いなく「上手い」のですが、あえて言えば、「感動」や意外性の「驚き」などは期待できにくい人になってきたように思います。
芸そのものもそうですが、小満ん師匠や三三などに負けず、埋もれたいい噺を掘り起こすとか、何か新たな挑戦をして欲しいし、それができる人だと思い、あえて書いた次第です。

Commented by otafuku at 2011-04-04 10:15 x
はじめまして。いつも楽しく拝見しています。私はチケットの7割は市馬さん入りという市馬ファンですが、それでも幸兵衛さんやhome-9さんのおっしゃる事に、腹3分横向きながら同感せざるを得ません。小さん師匠好き過ぎかな。今あまたいるライバルに刺激を受けて、何年か後に一際大きい花を咲かせて欲しいと思っています。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-04-04 12:21 x
お立寄りいただきコメントまで頂戴し、誠にありがとうございます。
市馬ファンの方にはやや刺激的な内容だったかと思いますが、昭和36年生まれで12月の誕生日でようやく50歳。
まだまだ、小奇麗にまとまるような年齢ではないと思います。
噺家としての基盤はもちろん確固たるものがあるので、これからもう一皮むけたら、という期待を込めて書いたつもりです。
副会長としての仕事もいろいろ大変なのでしょうが、一芸人として、まだまだ落語ファンには刺激的な人であって欲しいと思います。

Commented by 創塁パパ at 2011-04-05 07:47 x
市馬大好き、創塁パパです。
ご指摘の通りです。このところの
市馬に「どきどき感」を感じることは
ほとんどありません。元々オーソドックスな芸風で「歌」が一皮向けさせた
部分がありますが、それも「程」だと思います。あくまで「噺」で勝負。
今は、試行錯誤の時期かもしれません。たとえば「石返し」小さん得意の
噺でも言いと思うのですが、少し違った噺を出していくとか、もっと悩んで欲しいです。
「万人」に受ける市馬はもう充分の定着しています。
私が聴き始めた頃の「どきどき」を再現して欲しいですね。期待しているからこそ。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-04-05 08:58 x
市馬をたくさん聞いている創塁パパさんからご賛同いただけるのなら、私の目もまんざら節穴ではなかった^^
落語協会の副会長という仕事も大変なのかもしれませんが、このままだと「どきどき」しませんよね。
今後に期待しましょう!

Commented by シゲキ at 2011-04-05 12:17 x
小言幸兵衛様

落語者で引っかかりお邪魔しました。

私も市馬さんファンですが、今回は完全アウェイ状態だった気がします。

観客も若い女性でネタを振っても、ぽかぁ~んと言うように。

ちょっと痛い・・・。

歌を歌うことは良いと思いますが、例えば最近の歌を取り入れるなど、

ちょっと違うかもしれませんが「工夫」が欲しいですね。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-04-05 13:19 x
お立寄りありがとうございます。
ご指摘の通りで、“アウェイ”ではあったでしょうね。
(生の)落語は、高座と観客とが、特定の時間と空間を共有した結果として出来栄えが決まるのでしょうから、波長が合いにくい会場で苦労したことは察することができます。
しかし、市馬は、そういう会場でも、落語初心者の若い女性を落語に開眼させるだけの力を持った人だと思います。
例えば、喬太郎や三三があの高座に上がるとしたら、市馬より若いというだけではなく、その日の客層をよ~く考えてマクラをふり、ネタのクスグリも工夫するように思います。
いつ聞いても安定した落語もいいですが、「今日はどんな噺になるか?!」とワクワクさせる、“生きている”落語を楽しみたいですよね。

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by kogotokoubei | 2011-04-03 20:12 | テレビの落語 | Comments(8)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛