噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

「落語者」 柳家花緑 『あたま山』 テレビ゛朝日 1月15日

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*テレビ朝日HPの番組案内ページより

 あれだけ煽ったのだから、見た後の感想も書かないわけにはいかないだろう。
 まず、このネタを選んでくれたことは、素直にうれしい。かつて彦六の正蔵が十八番(オハコ)にしていたが、最近は高座にかける人が少ない噺。しかし、その荒唐無稽さということで言えば、これほど落語的なネタもないだろう。

 まず、ケチ噺の定番マクラである“隣の家から金槌借りて来い”の小噺でも、会場はこの沸き様である。このほど良い暖まり方は決して悪くない。もちろん、いわゆるご通家より落語初心者の方のほうが多そうだが、なかなか幸せじゃなかろうか、この番組の収録で初めて落語の楽しさを知る人は。これは嫌味ではない。
 ケチ兵衛が冒頭でサクランボを食べるシーンもなかなか可笑しいし、何と言っても“お婆さん”がいい。ケチ兵衛の頭に桜の木が生えた際の「うんにゃ~」と驚くセリフや「あ・た・ま・の・う・え・に、桜の木」は、花緑オリジナルなのだろうが、素直に笑える。お婆さんが、後半はあまりの騒動に“切れる”が、これもご愛嬌だろう。

 演出の部分もあるだろうが、会場は笑うべき場面で相応に盛り上がっていたように思う。途中はさんだ『長屋の花見』や『愛宕山』のクスグリは、会場のお客さん大多数からあまり反応がなかったが、これはやむなし。

 カメラワークも思っていたほどゴチャゴチャ動かず、最近のテレビの落語としてはなかなか楽しめたほうである。

 今年四十路になる花緑には、昨今成長著しい後輩の三三や一之輔などの刺激をバネにより一層飛躍を期待しているし、こういう忘れられかけた古典ネタを現代に生かす担い手でもあって欲しい。 この人なりに新作なども出来そうに思うが、古典だけで行くのだろうなぁ。

 第2シーズンのスタート、期待通りに花緑で勢いがついたのではなかろうか。番組HPには次回は、彦いち『初天神』と紹介されている。テレビ朝日HPの「落語者」のページ
 顔ぶれに第1シーズンから新奇性が加わるのかどうか分からないが、中堅若手落語家のネタをそれなりの時間を割いて放送する稀有な番組として、今後もできる限り見ていきたいと思う。
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Commented by 創塁パパ at 2011-01-19 07:39 x
ずっと出張中でまだ見てないのですよ(笑)土曜まで関西です。今回は長いですよ(苦笑)

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-01-19 08:40 x
お立寄りありがとうございます。
長期ご出張のようですね。
週末、ごゆっくりご覧のほどを!

Commented by かずう at 2011-01-29 10:28 x
花録さんも時々新作をおやりなるようですね。

先日、花録好みの会で、SWAの四つの噺のブレンドストーリー「明日の朝焼け」を一人で通してやっていました。

また、脚本家の真柴さんが落語脚本にした、宮部みゆきの「我らが隣人の犯罪」も口演していました。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-01-29 11:48 x
お立寄りありがとうございます。
そうですか、花緑は新作もやってるんですね。
彼なら不思議はないし、結構期待できるとも思います。
いつか、聞いてみたいものです。

情報ありがとうございます。

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by kogotokoubei | 2011-01-16 15:19 | テレビの落語 | Comments(4)

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by 小言幸兵衛