噺の話

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「NHK 新人演芸大賞 -落語部門-」 NHK総合 11月6日

これほどの接戦とは思わなかったので、うれしい誤算。
 最初に審査のポイントが紹介された。「演技力」「タレント性」「将来性」らしい。それぞれについて私の採点を記す。項目ごとに10点、計30点満点として採点する。また、持ち時間(11分)が公表されたのは初めてかもしれない。良いことだろう。

出演順にネタと、私の採点。(30点満点)
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笑福亭由瓶  『阿弥陀池』   24点
春風亭一之輔  『初天神』   27点
桂まん我   『お玉牛』     27点
立川志らら  『風呂敷』      25点
立川談修   『宮戸川』     26点
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由瓶(24点)
「演技力」:9点
「タレント性」:8点
「将来性」:7点
鶴瓶の弟子ということはノーコメントとして、出来はすこぶる良かった。 *しかし、なぜあの人に十人以上も弟子がいるのだろう・・・・・・。
東京では『新聞記事』になるが、上方版のほうが落語らしい味付けができる。それをきっちり」仕上げてきたという印象。初めて聞くのだが、少し驚いた。「鶴瓶の弟子に、落語のできるこんな若手もいるのか!?」という、印象。トップバッターの緊張のためだろう、ややリズムが乱れたマイナスがなければ、勝ち負けにからんだと思わせる出来栄えだった。

一之輔(27点)
「演技力」:9点
「タレント性」:9点
「将来性」:9点
「取りに来たな!」ということが十分に伺える高座。オマセな金坊の言動、団子屋の台詞「ナイス・ジョブ!」なども含め、一之輔ならではのクスグリも随所に効いて想定通りの出来。そう、一之輔を知っている客なら、これは当り前の出来。三年前に『鈴ケ森』で勝てなかったことの反省もあるのだろう、普段着の滑稽噺で緊張を感じさせない高座だった。「後は、他の人次第」、という開き直りのようなものがあったように思うし、その潔さが結果につながったのだろう。 しかし、この後のまん我や談修を聞いて、審査結果発表までは結構緊張したのではなかろうか。

まん我(27点)
「演技力」:9点
「タレント性」:9点
「将来性」:9点
三代目(春團治)に稽古をつけてもらったらしい。それはちょっと贅沢だと思うぞ!しかし、その稽古は十分に活かされたと思う高座。 しかし、このネタでこの戦いに挑むのか・・・という疑問はある。勿体ない、というのが正直な感想。 一之輔がどう思っていたかは知らないが、まん我が“賞取り”にきて上方ならではの滑稽噺で臨んでいたら、結果も違っていただろうと思う。しかし、こういう上方でもそれほどポピュラーとはいえず、決戦舞台の東京ではなおさら不利と思われるようなネタにチャレンジしたことは評価したい。来年ガンバレ!

志らら(25点)
「演技力」:9点
「タレント性」:8点
「将来性」:8点
結構、感心して聞いていた。2年前の『壷算』に比べればネタの選択も出来栄えも出色である。とにかくこの噺を選んだことがうれしい。志ん生の十八番の一つだが、今日では、なぜか寄席でなかなか聞けないネタ。この高座には、このネタをもっとアピールしたいという熱意のようなものも、私には伝わった。“一皮むけた”印象。 まだ、チャンスがるのなら、次回の優勝候補の一人である。

談修(26点)
「演技力」:9点
「タレント性」:9点
「将来性」:8点
立川流の底力のようなものを感じた。「こういう人がまだ、この大会に出ていいの?」という印象。あえて欠点を言うならば、「立川流なのに本寸法過ぎるだろう!」、ということか(?)。 少しづつ自分流の改良は加えているんだが、基本ははずれていない。個人的には、この人は、また次に聞きたい。


 非常に拮抗した戦いだった。ここ数年では全員のレベルが高く、もっとも審査が難しかった。私はまん我でも談修でも、納得した。 一之輔には、非常に良い刺激になったのではなかろうか。まん我がこのネタできたこと、そして一之輔があのネタ。当事者達にとっては非常に心地良い緊張感のあった戦いの場であったように察する。
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Commented by 創塁パパ at 2010-11-07 17:13 x
おつかれさまです。出張で見損ないました(苦笑)残念・・・三代目に稽古つけてもらうとは、これまた贅沢です。ああ見たかった。

Commented by 小言幸兵衛 at 2010-11-07 18:26 x
土曜も出張ですか、ご苦労さまです。
来年も、まん我が本選に出場した場合の優勝確率を80%と予想します。
今回の三代目譲り『お玉牛』は、別途じっくり聞いてみたい、そんな魅力を感じます。
来年は、滑稽噺で“賞トリ”に徹して欲しいですね。
実力は十分に蓄積している噺家さんです。師匠がいいからね。
立川流の二人も予選を勝ち抜いただけの力量を感じました。
一之輔のぶっちぎりかと思っていたので、やはり見てみないといけないなぁ、と思いましたよ。

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by kogotokoubei | 2010-11-06 20:00 | テレビの落語 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛