噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

今週末の「NHK 新人演芸大賞」や、来年の真打昇進者のこと

 今週末16日(土)に、恒例の「NHK 新人演芸大賞」の落語部門の本選(決勝)が行われる。観覧募集はもう終了したが、今年は東京での開催。下記の案内にあるように、渋谷の「NHKみんなの広場 ふれあいホール」での開催。
「NHK 新人演芸大賞」の日程や場所
落語部門は午後1時半:から3時半の2時間で収録するらしい。たしかに一人の持ち時間10分余りしかなかったはず。審査も含め2時間あれば撮れてしまうわけだ。しかし、審査時間も1時間に満たないいうことだろうなぁ。声の大きな人の言いなりにならなければいいが・・・・・・。

テレビ放映は例年通りなら11月23日だろうが、芸能ニュースや会場へ行かれた落語愛好家の方のブログでその模様や結果が速報されることと思う。私もニュースやブログを楽しみに待つ。

本選出場者は、複数のブログ情報によると次の通りらしい。

春風亭一之輔、立川志らら、立川談修、桂まん我、笑福亭由瓶

それぞれの入門年と師匠は次の通り。
一之輔:平成13(2001)年に一朝に入門。平成16(2004)年に二ツ目昇進。
志らら:平成9(1997)年に志らくに入門。
談修:平成7(1995)年に談志に入門。
まん我:平成11(1999)年に文我に入門。
由瓶:平成9(1997)年に鶴瓶に入門。

一之輔は平成19(2007)年以来。三年前の演目は十八番の『鈴ケ森』。なかなかの出来だったが、桂よね吉の『七段目(芝居道楽)』には勝てなかった。私の採点では、二人はほぼ同点だったので異存なし。二人に続いて良かったのが菊六の『権助提灯』だったと記憶する。
志らら、まん我は一昨年、平成20(2008)年に出場。志ららは『壷算』、まん我が『野ざらし(骨つり)』だった。まん我も良かったのが、それ以上に感心したのは菊六の『やかん』。しかし、なぜか王楽が大賞。この結果にはブログで疑問を書いた。
2008年11月24日のブログ

 談修と由瓶はこれまで聞いたことがないので、コメントできない。

 さて今年の興味は、関東の落語愛好家の多くが本命と思うだろう一之輔が、果たして大賞を取るかどうか、ということ。
 昨年の菊六は入門年次でもっとも若かったが、四年連続本選出場という実力を発揮して栄冠を獲得した。まったく異存のない結果だった。
2009年11月23日のブログ
 菊六は平成14(2002)年の入門なので、一之輔の一年後輩だが、先に大賞を受賞した。だから、今年の出場者の中で入門年次がもっとも若いことは一之輔のハンディにはならないはず。同じ落語協会からの出場者はいないので、立川流二人と上方二人との戦いということ。予選に誰が出たのか知らないが、落語協会と落語芸術協会の二ツ目代表と言ってもよいだけの人気と実力を有していると思うので、個人的にはぜひ大賞を取って欲しい。予選の演目は分からないが、時間と彼の持ちネタから想像すると『短命』あたりかなぁ。どう刈り込んでも、とても『五人廻し』や『らくだ』をかける時間はないだろう。『抜け雀』もあるか・・・・・・。まぁ、それは当日の楽しみということにしよう。

 そして、大賞を受賞してもしなくても、小三治新体制になった落語協会には、一之輔を来年真打に昇進させて欲しい。もう十分に真打の実力と人気があるし、個人的にはチケットが取りにくくなり困ったものだが、独演会での動員力はたいしたものである。

 もし一之輔が昇進する場合、いわゆる“何人抜き”になるかを予想してみる。
彼より入門年次と二ツ目昇進の両方で先輩の二つ目は、次のような名が並ぶ。
(落語協会HPより。名前の五十音順)
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三遊亭亜郎:平成9(1997)年入門、平成14(2002)年二ツ目。
三升家う勝:平成12(2000)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
柳家右太楼:平成12(2000)年入門、平成16(2004)年二ツ目。
金原亭馬吉:平成12(2000)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
金原亭馬治:平成12(2000)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
柳家喬四郎:平成11(1999)年入門、平成14(2002)年二ツ目。
柳家喬之進:平成12(2000)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
三遊亭金兵衛:平成10(1998)年入門、平成13(2001)年二ツ目。
金原亭小駒:平成9(1997)年入門、平成12(2000)年二ツ目。
柳家小権太:平成11(1999)年入門、平成14(2002)年二ツ目。
桂才紫:平成11(1999)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
柳家さん弥:平成12(2000)年入門、平成16(2004)年二ツ目。
柳家初花:平成12(2000)年入門、平成16(2004)年二ツ目。
古今亭志ん公:平成11(1999)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
古今亭朝太:平成10(1998)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
三遊亭司:平成10(1998)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
川柳つくし:平成9(1997)年入門、平成12(2000)年二ツ目。
三遊亭天どん:平成9(1997)年入門、平成13(2001)年二ツ目。
鈴々舎風車:平成11(1999)年入門、平成14(2002)年二ツ目。
入船亭遊一:平成11(1999)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
柳家麟太郎:平成11(1999)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
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 同期は別として、同じ二ツ目の一之輔の先輩は、この二十一名。

 ちなみに、今秋の真打昇進者五名は、平成8(1996)年と平成9(1997)年の入門で、二ツ目昇進は全員が平成12(2000)年。入門年次と二ツ目昇進の時期を考えると、従来通りの年功序列なら次の方々は、よほどのことがない限り、来春の昇進当確者。
金原亭小駒:平成9(1997)年入門、平成12(2000)年二ツ目。
川柳つくし:平成9(1997)年入門、平成12(2000)年二ツ目。
三遊亭天どん:平成9(1997)年入門、平成13(2001)年二ツ目。
三遊亭金兵衛:平成10(1998)年入門、平成13(2001)年二ツ目。

そして、春のもう一人と秋は、平成14(2002)年の二ツ目昇進者も対象となり、次のような名前が並ぶ。
三遊亭亜郎:平成9(1997)年入門、平成14(2002)年二ツ目。
柳家喬四郎:平成11(1999)年入門、平成14(2002)年二ツ目。
柳家小権太:平成11(1999)年入門、平成14(2002)年二ツ目。
鈴々舎風車:平成11(1999)年入門、平成14(2002)年二ツ目。

この八名の次に入門が古く悩ましいのは、入門が平成10(1998)年で二ツ目昇進が平成15(2003)年のこの二人。
古今亭朝太:平成10(1998)年入門、平成15(2003)年二ツ目。
三遊亭司:平成10(1998)年入門、平成15(2003)年二ツ目。

もし、この十人が来年の春と秋に真打に昇進すると、綺麗な従来通りのエスカレーターである。

さて、それでいいのか!?

 非常に身勝手な案を出す。

 春の昇進は小駒、つくし、天どん、金兵衛、そして亜郎の五名として、秋は年功基準を取りはずして、あえて思い切った実力主義で昇進者を決めて欲しい。競馬の天皇賞だって春と秋のレースは場所も距離も違うじゃないか。
*ちょっと無理があるか・・・・・・。

 たとえば、秋の昇進の基準は、「NHK 新人演芸大賞」本選出場の実績や大賞受賞、その他の賞の受賞歴、寄席席亭の評価などを加味し、決めるというもの。
もし一之輔が昇進したら、上述した春の昇進者五名以外の先輩十六人抜きである。
ただし、菊六が昇進した場合はあと六人ほど多い先輩を抜くことになるので二十二人抜き。過去にはそれ以上の例がある。実績、実力を考慮したら、まったく問題ないと私は思うが、一之輔が来年昇進するなら菊六は再来年でも結構。*少しは譲歩もしないと(!?)

 落語協会は、来年の昇進者の名をまだ発表していない。大幅な改革を水面下で検討しているのではないか、と内心期待しているのだが、まったく勘違いかもしれない。
志ん五師匠の四十九日過ぎに、新たな常任理事を含む役員の任命などがあってから、いろいろと動き出すのだろうとも思うが、ぜひ実力とやる気のある若手噺家に夢を持たせるような昇進者の選抜があることを望んでいる。
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Commented by 創塁パパ at 2010-10-14 06:55 x
おはようございます。大阪です。
まさに、小三治会長の腕のみせどころですね。志ん五もきっと賛成するでしょう。だだ、朝太は
志ん朝・志ん五と二人の師匠をなくしたので、是非がんばって頂きたい!!!
ではまた。

Commented by 小言幸兵衛 at 2010-10-14 08:43 x
お立寄りありがとうございます。
非常に難しい問題ですが、相変わらずのトコロテン方式では落語界の将来が危ういと思います。
このままでは、今や当たり前になった大卒の二ツ目達が“ぬるま湯”を満喫し、生活費の不足分は親に借りればいい、ということになり、“落語もできる明るいオタク”ばかり増えるのではないでしょうか。
客の高い評価を得ている者や、厳しい選抜の中での勝者が昇進しないようでは、「競争の原理」は働かないし、“将来の名人”も育たないでしょうね。

Commented by yotaro-3 at 2010-10-17 11:52 x
こんにちは。
本戦の結果、協会のページにも本人のブログにも乗りましたが、一之輔さんが取ったようですね。ますます人気者になっていくのでしょう。

Commented by 小言幸兵衛 at 2010-10-17 16:15 x
お立寄りありがとうございます。
実際に会場に行かれた落語愛好家の方のブログでも確認させてもらいました。
ネットのニュースにも載っているようですね。
さぁ、落語協会は来年の真打昇進者にこの人の名を加えるかどうか、今後の推移が楽しみです。

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by kogotokoubei | 2010-10-13 17:38 | 幸兵衛の独り言 | Comments(4)

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