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NHK 爆笑問題のニッポンの教養-横澤彪- 9月21日

先日、“ネタ見せ”番組の終了について書いた際に、“トーク”ができる芸人、爆笑問題の番組と紹介したが、今週21日の対談相手が、1980年代に数多くの歴史に残るお笑い番組をつくった横澤彪さん。これは見ないわけにはいかない。しかし、当日は見ることができず、録画して今日になってようやく見たところだ。
 その概要はNHKのホームページに、この番組の“前回の放送”として紹介されている。
NHKのHP 爆笑問題のニッポンの教養 -横澤彪-
 横澤さんは昭和12(1937)年12月15日の生まれなので72歳。古今亭志ん朝師匠の一つ年上、ということになる。
*なぜかこのへんの年齢の方は、志ん朝師匠を基準に上か下かと覚えるクセがある・・・・・・。
 バラエティ番組、というキーワードに関する部分からトレースしてみる。

田中:横澤さんが80年前半ぐらいに変えた、いわゆるバラエティ番組、その
    言い方すらあのへんから始まっている・・・
横澤:バラエティなんてないもん、その概念がね、ないない
田中:そこで変わって、今でも結局その流れのまんまですよね
横澤:そうですね
太田:どう思います
横澤:決していいほうには行ってないと思いますよ
太田:じゃあ、どういう番組をやればいいんですか
横澤:やっぱりね、これからバラエティとかっていう枠を崩すことでしょうね
(ベルリンの壁を崩す映像に「枠を崩せ」のテロップ)
太田:報道、情報・・・
横澤:なんでも、なんでもとにかく進出していくのが一番いいと思いますね。
   だからニュースキャスターなさいよ。できますよ
太田:できますか?
横澤:それだけ口跡がはっきりしていてね、しかもちゃんと物事が
   わかるっていうね・・・
太田:からかってんじゃないの
横澤:ちがう、ちがう
田中:毎日謝罪してますよ
太田:それこそ青筋立てますよ
横澤:謝罪してるのが一番おもしろい


 この後、タモリという芸人の“受け”の素晴らしさを横澤さんが語った後の会話にキーワードとなる「勘」が登場する。

太田:絶好調の時に、ねぇ、漫才ブームの人達からタモリさんに切り替える
    勇気・・・落ちるかもしれない・・・
横澤:落ちましたよ。でもね、今、変え方がちょっと弱いというか、みんな
   ビクビクしておとなしいから、今、必要なのは、コレ日本の教養って
   言うけどね、教養じゃなくてね、今、大事なのは勘です、勘。自分の
   勘です。パッと見てコイツいい奴か悪い奴かっていう、一発でしとめ
   る、そういう鋭い眼光ですよね、匂いっていうんですか、なんていう
   んでしょうねぇ
田中:・・・空気感のような
横澤:空気感、空気感!おっしゃる通り


 ここで、「爆笑問題のニッポンの勘」とテロップが出る。この後の会話は上述のNHKのHPで、「今回の対戦内容」として紹介されているので引用する。

横澤:私は観察するんだ。スタジオで、ひとり。「今日は西川のりお」って
    いったらね、西川のりおをずっと見るの、一日中。
田中:オバQやってるのをずっと。
太田:ひょうきん族の現場に横澤さんが来るとみんなちょっと緊張して
   嫌がったっていう話はよく聞きます。
横澤:何も喋らないんだけどね、見てるんです。座ってこうやってじっと。
   すると、その人の今の置かれた・・・「ああ、きっと夫婦喧嘩して
   いるんじゃないか」とか、色々わかって来るんです。
太田:でもその勘、鈍ってないですか、今? 自信あります?
横澤:勘はね、鈍らせないように尖らせてますよ。


 この後に、その“勘”のルーツとして、横澤さんは、小さい時から「少数派」で「いじめられっ子」だったと述懐する。その話に太田も自分もそうだったと呼応。画面には「少数派だからこそ見えるものがある」というテロップが出る。
 あの“ネタ見せ”“ショートコントたれ流し”番組を他局に追随して作っていたテレビ界の人間に、この「少数派だからこそ見える」という発想はない。

 この後の会話には、横澤さんだから言えるのだろう「視聴率は忘れたほうがいい」という言葉もある。“ひょうきん族”は、あのお化け番組“全員集合”の裏番組だった。結果として主客は逆転し、“全員集合“に引導を渡すことになったわけだが、当時はさぞ「少数派」としての「勘」をめぐらしながらも、相当もがき苦しんだことだろう。
 その後に登場する、「気持ちよくだます」「真面目にウソをつく」などの言葉も、今のお笑いテレビ番組界の人たちは肝に銘じて欲しいキーワードだ。

 対談は横澤邸で収録されており、テーブルの固定カメラも含むアングルで三人の対談が、すぐそこに彼らがいるような感覚で捉えられている。

 紹介した部分は、ほんの一部。かいがいしく邪魔にならないよう接待する奥さんの姿も少し映っている。何より、紹介した会話はあくまで文字にしたらああなるだけで、会話は生きた言葉のキャッチボールであり、声の大きさや表情などを含むニュアンスは、実際の映像を見なけりゃわからない。。
 見逃した方は、まだチャンスはあるよ。HPに次のように再放送日時が書いてあった。
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9月27日(月)午後4:05~<総合>
28日(火)午後4:00~<BS2>で再放送予定です。
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 横澤さんも古希を越えられて、あの当時の切れ味のようなものは薄れて、今日のお笑い番組を批評する口調もソフトだし、爆笑問題へのヨイショも若干目立った。まぁ、それはしょうがないだろう。しかし、あの“神様”役のブッチー武者本人が登場して「ばくもん懺悔室」をする際に、今回は太田よりもシャープさが目立った田中が手を合わせながら、「この人テレビ何年やってんだかわかんねぇけど、こんなに放送できねぇこと言って・・・・・」ともらす。その「放送できない」部分こそ見たかった!
 ということは、一番おもしろい場面は、もはやテレビでは放送できない、ってことか・・・・・・。テレビには期待せず寄席か落語会に行け、ということなのかもしれないなぁ。そして、来週は田中優子さんが相手で、江戸や落語がテーマになりそうだ。これも見逃せない。
NHK HPの次回放送予告
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Commented by 創塁パパ at 2010-09-23 18:57 x
おつかれさまです。「勘」ってとても大事ですよね。でもその「勘」もいろいろな経験をしてこその「勘」で。
全く、今のテレビやお笑い等にはそれが感じられません。まさに「サラリーマン化」(苦笑)夢を売る商売がこれじゃねえ・・・何か日本がどんどん誤っている方向に進んでいるようで。(大げさかなあ)いやそうだよ。
明日は、落語で楽しもうっと。

Commented by 小言幸兵衛 at 2010-09-24 08:33 x
お立寄りありがとうございます。
おっしゃる通りだと思います。
横澤さんのように、イノベーションともいえる仕事につながった「勘」を身につけるには、経験や努力、我慢、などなど大変な人生の積み重ねがあったはず。
フジテレビの労組で活躍し、一時あの“鹿内天皇”から完全にホサれていた人ですからね。
一般市民(?)は、落語で楽しむつぅのが一番でんな!

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by kogotokoubei | 2010-09-23 09:49 | お笑い・演芸 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛