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テレビ朝日 「落語者」 桃月庵白酒 『替り目』 1月20日

19日火曜の深夜に放送された第三回目を収録していたので、帰宅してから見た。
第一回目が柳家花緑、次が三遊亭白鳥、その次が白酒。

テレビ朝日のホームページでは、次のように番組が紹介されている。
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【番組内容】
磨きぬかれた話芸と聞き手の想像力で広がる魅惑の世界…日本が誇る伝統芸能
「落語」がレギュラー番組として堂々スタート!番組では今第一線で活躍してる
落語家が毎回1人登場して十八番の落語を披露。高座で見せる渾身の芸と命の
きらめき…今最高に面白い「落語者」を見逃すな!

【出演者】
新進気鋭の落語家からベテラン落語家まで…今注目すべき最高に落語家が毎回
1人登場!
乞うご期待!
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非常にうれしい試みなのだが、あえて小言を。

他の落語など演芸番組でもよくあることだが、カメラが動きすぎる。定位置から固定にして欲しい。それでなくても生とはどうしても違うだから、見る者を安心して噺に集中できるように、カメラマンは、“仕事”は動かすことではなく、いかにベストポジションを探して固定させるかにある、と考えて欲しい。カメラマンやディレクターの思いつきでアングルを変えたり、ズームすることが、実は見る者には不親切なのだ。寄席では、あえて目をつぶって想像力をめぐらせることを楽しんでいる客さえいる。まぁ、それもどうかとは思うが、いずれにしても、奥行きのないテレビ画像では生の数十分の一しか伝えることはできないのだから、正面からの固定画面で結構。

この企画自体は大賛成で、ぜひ続けて欲しい。会場は若い人、特に女性が多いようでなかなか沸いていた。

冒頭部分では、私が先日出かけた横浜にぎわい座での収録場面や、入門当時の“スリム”な白酒の写真などを適度にちりばめ、ほどよいイントロだった思う。最初にくどくどと芸のない能書きがないほうが、若い人にも受容されるということを知っているようだ。(某伝統的な落語会のテレビ放送と比較して!)

さて、肝腎の白酒の芸。もちろん、この人の十八番(オハコ)の一つなので十分に楽しめたのだが、なぜ彼は酔っ払いを演じる時に目をつぶるのだろう?
薄く目を開けているのかもしれないが、見る者には閉じているように思える。

演技後の対談で若い女性アナウンサーに語っていたが、モデルとして演じている、“飲み屋で見かける嫌な酔っ払い”が、目をつぶっているのだろうか・・・・・・。
酔っ払いの亭主としっかり者の女房を、目の開閉で演じ分ける効果も、なくはない。
しかし、1月7日のにぎわい座の独演会で『妾馬』の八五郎が酔う演技でも目を閉じており不自然に感じたが、このテレビでもあらためて妙な印象を受けた。

もし実験的にそうしているのなら、「目明きの酔っ払いのほうがいいよ」と言いたい。目をつぶっての演技は、『心眼』や『按摩の炬燵』、『麻のれん』などで発揮してくれればよい。

来週の番組表にはまだ名前が明かされていなかったが、今後の出演予定として彦いち、文左衛門などの名が終了間際のテロップで流れていた。テレビでの落語の楽しみが一つ増えたことは素直にうれしい。かつ、若手中堅の元気な人が出演することも良い。まずは、テレビ朝日がんばれ、とエールを送りたい。
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by kogotokoubei | 2010-01-21 08:32 | テレビの落語 | Trackback | Comments(0)

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