噺の話

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柳家三三 『橋場の雪』 TBS 落語研究会 1月17日

収録してあった本日早朝の放送を、今ほど見たところである。

「夢」のネタはいくつかあるが、これは初夏のネタ『夢の酒』の冬版、という感じ。別名『夢の瀬川』と言い、こちらが本家(?)で、『夢の酒』もこの噺からの分家とも言われている。「夢」のネタであることを明かしたくないので、別名が使われているのだろうし、『橋場の雪』という演題のほうが洒落ているし、このネタを知らない人にはミステリアスな響きもあるかもしれない。そもそも「瀬川」本人がこの噺には登場しないので、なおさら別名が主流になったと思われる。途中で三三もクスグリにしていたが、ある断面を取り出せば、同じ“夢”を扱うネタである『天狗裁き』そっくりな部分もある。落語ファンにとっては、こういったクスグリも、また楽しい。

詳しいストーリーは書かないが、このネタの可笑しさは、
・若旦那が夢の中で後家さんと浮気をしそうになる艶っぽい場面
・夢の話なのに本気で嫉妬する嫁との犬も食わない若旦那夫婦の喧嘩
・息子夫婦の喧嘩の仲裁に入ったのはいいが、丁稚の定吉を叱るなどご隠居の早とちりぶり

などだが、『夢の酒』よりも前半の構成が若干複雑なので、ダレないように演じる必要がある。ヘタな噺家が演じると、この噺は受けないだろうが、三三、なかなかの出来だった。
特に、若旦那を誘惑する後家さんや、嫉妬する妻のお花などの女性が良い。ご隠居役は定評のあるところだが、最近の三三は、去年『文七元結』の佐野槌の女将も魅力的に演じたように、女役が随分と上手くなってきた。

今後もますます人気が出るだろうしチケットも取りにくくなるだろうが、今年もできる限り生でも楽しみたい人だ。ただし、人情噺もいいが、柳家伝統の滑稽噺でもぜひ楽しませて欲しい。実際には演っているんだろうが、まだこの人の『あくび指南』『野ざらし』『小言念仏』などにめぐり合っていないなぁ。独演会やネタ出しの会では、どうしても人情噺の大ネタが多くなるとは思うのだが、喜多八先輩に負けず、ぜひ師匠小三治が得意とする滑稽噺にも挑戦してもらいたい。それでこそ“柳家”の将来を担うことになるはずだ。
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by kogotokoubei | 2010-01-17 17:42 | テレビの落語 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


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